2021年2月17日号掲載記事より
「PALTACフェア2021」開催、オンラインでのヴァーチャル形式採用
PALTACは2月1日から、同社の最新物流機能や今春の新商品、ヘルス&ビューティを中心とした新たな切り口の売り場提案を披露する展示会「PALTACフェア2021」を開催している。今回はリアルでの開催ではなく、日用品・化粧品業界卸としては初となるオンラインによるヴァーチャル形式で実施。会期も2月28日までの1カ月間というロングラン開催となるなど、コロナ禍でリアル形式の展示会が相次いで中止・延期となる中で、例年以上に大きな注目を集めている。
今回はフェアのURLにアクセスすると、3階建ての仮想空間が表示され、3階はエントランス(オープニングムービー)、2階は、同社の機能紹介と新商品紹介及びMD提案、1階はメーカーブース――という従来のフェアのフロア構成をヴァーチャル空間に再現したものとなっている。
オープニングムービーの中で糟谷社長は、オンライン開催とした背景について「新型コロナウイルスの感染拡大が未だ予断を許さない環境の中、来場者及び出展メーカーの方々、当社社員の感染リスクを考慮し決定した」と説明、「当社としても初の試みであるが、出展メーカーの協力をいただきながら、リアルでの開催に負けない提案の数々を用意した」と今回のフェアに対する意気込みを語った。
毎回大きな注目を集めている「MD提案コーナー」では、コロナ禍による変化に着目。コロナ禍を機に、生活者の意識や行動などが大きく変化し、新しい常識となったことを「新常態(ニューノーマル)」と定義し、①増加するおうち時間(5テーマ)②社会・世の中の変化(5テーマ)③予防・ウイルスから身を守る(2テーマ)④価値観・意識(4テーマ)の切り口からなる16のテーマでMD提案を披露。さらに、同社の「SDGsの取り組み」を紹介するコーナーが新たなコンテンツとして加えられた。
一方、1階のメーカーブースゾーンでは、ヘルスケア(50社)、ホームケア(34社)、ビューティケア(57社)の計141社のブースを設置。提案内容が一目でわかる「新常態」に沿った10の「統一テーマ」(Eコマース、ニューノーマル、新セグメントなど)とともに今春の新商品や注目商品、新提案をパネルや動画で紹介した。
全卸連、令和2年度第3回常任理事会オンライン開催 森友会長の再選決議
全国化粧品日用品卸連合会(略称・全卸連)は2月5日、「令和2年度第3回常任理事会」をオンラインで開催。役員改選、次年度のスローガンの確認、各委員会の活動報告などを決議した。役員改選では森友徳兵衛会長(森友通商)の再選が決まり、4月1日から8期目の舵を採ることになった。
全卸連の事務局に取材したところ、今回の常任理事会は、常任理事22名、委任状出席4名の合計24名が出席(定数35名に対して過半数を超え、成立)。森友会長のあいさつの後、議案審議に移り、第1号議案=役員改選、第2号議案=令和3年度スローガンについて確認(令和2年度のスローガン継続)、各委員会の活動報告、令和3年度度のスケジュールについて、その他――について審議・承認した。
新年度の本部役員(敬称略)は、会長に森友徳兵衛(森友通商)、副会長に藤井敬一(大丸)、芳賀愉一郎(東流社)、大橋豊(あらた)、平木正人(エーアンドティー)、今村佳央(元三)、石原真一(イシハラ)、吉田拓也(PALTAC)、白石恵一(北九州共和)の8名。
第2号議案のスローガンについては、令和2年度がコロナの影響により総会を中止するなど十分な活動ができなかったことから、そのスローガンである「全卸連!令和からの挑戦!!全卸連の価値を高めます!!!」「透明性のある取引制度に取組みます」「返品削減に取組みます」「物流課題に取組みます」「BCPに取組みます」「環境問題に取組みます」――を継続することを確認した。
各委員会報告では流通懇談会、総務組合活動委員会、情報システム委員会、ボウリング(第4回CSSカップ、SSSカップ2020)についての報告が行われた。
資生堂、中長期経営戦略を策定 2023年は「完全復活」の年
資生堂はこのほど、今年からスタートする2021~2023年までの3年間で取り組む基本戦略をまとめた「WIN2023」と、その先の2030年に向けたVISIONを中長期経営戦略「WIN2023 and Beyond」として策定したと発表した。この戦略の実行により、引き続き「世界で勝てる日本発のグローバルビューティーカンパニー」を目指し、さらなる成長と発展のために進化していく。
「WIN2023」の目標と目指す姿として、資生堂は、スキンビューティー領域をコア事業とする抜本的な経営改革を実行し、2030年までにこの領域における世界№1の企業になることを目指す。外部環境が急激に変化する中、21~23年の3年間は、これまでの売上拡大による成長重視から、収益性とキャッシュフロー重視の戦略へと転換し、「スキンビューティーカンパニー」としての基盤を盤石にするために、次の取り組みを実施する。
まず2021年を「変革と次への準備」の期間とし、With/Afterコロナへの対応・準備をしながら、事業ポートフォリオの再構築を中心とした構造改革、財務基盤の強化に集中する。また、創立150周年を迎える2022年は「再び成長軌道へ」の年と位置づけ、インバウンドの回復とともに、グローバルブランドのさらなる成長およびDXの取り組みを加速させる。そして、最終年度となる2023年は「完全復活」の年と定め、「スキンビューティーカンパニー」として、売上高1兆円程度、営業利益率15%の達成を目指す。さらに、ブランド・イノベーション・サプライチェーン・DX・人材組織への積極的な投資については、2030年まで強化していく。
シック・J、今後の事業戦略を説明 「日本発のヒット商品をつくる」
シック・ジャパンは2月4日、オンライン会見を開き、古川滋子ブランドコミュニケーションマーケティングマネージャーが出席して、ウェットシェービングの市況及びシックの現状、今後の事業戦略について発表。2020年度(19年10月~20年9月)、シックはシェア№1を獲得し、13年連続でシェア№1を達成したことを報告するとともに、「シック」ブランド誕生100周年を迎えた今年、「日本発のヒット商品をつくる」という目標に向けて果敢に挑戦していく考えを示した。
古川マネージャーの説明によると、市場規模はここ数年減少傾向にある中において、20年度は増税による駆け込み需要や新型コロナの影響も加わり、例年よりも落ち込み幅は大きい結果となった。一方で、シックの実績については、売上げ・利益ともに計画を達成。シェアは販売金額で49.1%と第2位を大きく引き離す形となった。
その要因の1つは、コロナ禍で先行き不透明な中、CMなど予定していた活動を中止または延期するなど、その都度柔軟な対応を行ったこと。もう1つは事業戦略の一環として、①シックブランド強化の基礎固め②消費者理解を深める――を重点活動として推進してきたことによる。
また、「日本発のヒット商品をつくる」ことについては、クラスター分析に基づいた各セグメンテーション層に対応した新製品及び改良品を展開。中でも男性用カミソリでは、クラスター分析でセグメントした全6タイプのうち、「タイプ2(構成比11.4%)」の「気品重視グルーミングエンジョイ層」をターゲットにした大型新製品(システムレザー)をこの春、上市する。
こうした展開を通して、「ウェットシェービングは髭を剃るツールだけでなく、ワクワク楽しいこと、ライフスタイルを豊かにする」という認識を消費者に浸透させていく考えにあるという。
ライオン、美白ハミガキ新ブランド「Lightee」を日本・中国で同時新発売
ライオンは、歯の表面にできるミクロなキズの汚れまで徹底除去することで、“光を反射する”明るく白い歯に導く美白ハミガキの新ブランド「Lightee」を立ち上げ、3月31日、「Lighteeハミガキ」を日本と中国で同時新発売する。
新型コロナウイルス感染症の流行により、家で過ごす時間が増加する中、20~30代女性においては、外出自粛で交際費が減少する代わりに、美容、特に肌や歯など素の自分を美しくする“根本ケア”に投資する人が増えている。また「人と会う」ことのオンライン化が進み、「画面に映る自分の顔」を目の当たりにする機会が増えたことで、自分の顔の明るさや歯の色を気にする人が増加し、歯の美白に対するニーズが高まっている(2017年、2020年同社調べ)。
同社が歯の色と顔の印象の関係について調査したところ、歯の色が明るいと顔の印象まで明るく見えることがわかった。歯は、光を反射すると明るく、白く見えるが、歯の表面にできるミクロなキズにある汚れを落とし切れていないと、歯が光を十分反射できないため、歯の白さや明るさが低下してしまう。
そこでこのほど、同社としては4年ぶりの新ブランドとなる、光発想の美白ハミガキの新ブランド「Lightee」を立ち上げ、歯の表面にできるミクロなキズに残る着色汚れまで徹底除去して、“光を反射する”明るく白い歯に導く「Lighteeハミガキ」を新発売する。
また、顔の印象の明るさや歯の白さは、国籍を問わず女性に共通するニーズであることから、日本と中国で同時に新発売。グローバル視点で「美容」への価値観・嗜好性を調査し、日本と中国、両国の女性に好まれるこだわりの香味を開発、「美白」を想起させるこだわりの2香味、ホワイトシトラスミントとホワイトローズミントをラインアップした。
2021年2月17日号 記事一覧
M&A・設立
- クスリのアオキ、石川県の食品SMを吸収合併
会合・発表会
- マンダム、春夏新製品オンライン発表会「マンダムテレショップ」開催
- ヘンケルJ、新ヘアカラー「got2b」発売 “ヘアコスメ”文化創造へ
経営・施策
- マツキヨHD、スポーツ庁「スポーツエールカンパニー」に認定
- 桃谷順天館、昨年に続き、医療従事者へ化粧品を無償提供
- クオールHD、オンライン服薬指導から薬のロッカー受け渡し開始
- ユニ・チャーム、ブルームバーグ社の男女平等指数に初認定
- マンダム、ESG投資のための株価指標の構成銘柄に初めて選定
- 花王、新・衛生習慣化プログラム教材セットを無償提供 希望校を募集
- ユニ・チャーム、「シルコットウェットティッシュ」生産量19年比約2倍に
- 資生堂、アクセンチュアと戦略的パートナシップ DX加速に向けて
製品・サービス
- 大木製薬、空間除菌用品「ウイルオフ」販売で綜合警備保障と提携
- 花王、男性用ヘアスタイリング「サクセス24フレグランスワックス」発売
- マツキヨHD、PB「アルジェラン」から新シリーズ全10アイテム発売
- クラシエHP、プレミアムダメージケア「いち髪 THE PREMIUM」発売
- ナリス化粧品、「パラソーラ フレグランスUVスプレーN」リニューアル
- ユニリーバ、「ラックス ルミニーク サシェセット限定デザイン」発売
- 大王製紙、「エリス朝まで超安心クリニクス」より肌にやさしく改良
- 日本製紙クレシア、クリネックス「アクアヴェール」春デザイン限定発売
- エステー、「消臭力プレミアムアロマ」からモダンシリーズ新発売
- デンタルプロ、贅沢毛束で歯周ケア「デンタルプロブラックリワード」発売
- 大王製紙、「グーンスイミングパンツ」改良 水着を着ても動きやすく
- クラシエHP、「ナイーブ」からすみっコぐらしコラボデザイン限定発売
宣伝販促
- ユニ・チャーム、「シルコットウェット」新CMに濱口優・南明奈夫婦起用
- P&G「パンパース」、「毎日が新記録キャンペーン」展開中
- ユニリーバ、「ラックス ルミニーク」新TVCM放映中
- マンダム、「ビフェスタ」新イメージキャラクターに本田翼を起用
- 明色化粧品、「モイストラボ」イメージキャラに篠原ともえを起用
- マンダム「ギャツビー」、新イメージキャラクターに佐藤健を起用
- コーセー、「エスプリーク」をリフレッシュ 新ミューズに新垣結衣
人事・組織
- PALTAC、取締役、執行役員その他の人事異動を発表
- セブン&アイHD、3月1日付組織変更・人事異動を発表
- フジモトHD、役員を選任
決算
- ジョイフル本田、2021年6月期上期決算は上場来の最高益に
- 資生堂、2020年度業績は減収減益 中国事業Eコマース売上比率40%超に
- ポーラ・オルビスHD、通期連結業績予想を上方修正
研究・開発
- コーセー、“活き活き感”を引き出す「感性評価AI」を開発
調査・統計
- サミット、第41回新商品人気コンクールで花王製品が家庭用品1~3位に
- 経済産業省 20年1~11月洗浄剤統計 手洗用・液体石けんが成長加速
- KSP-POS 2021年1月 カテゴリー別ランキング
イベント・展示会
- 森川産業、新製品内見会を開催 取引先メーカー57社が毎週入れ替わり出展
- コスメテックジャパン、バーチャル展示会開催 3ゾーンで20アイテム提案
- 内田洋行、「食品IT Onlineセミナー2021」を2月24~26日に開催
時評・コラム
- 時評 国内需要再構築の転換点へ
上記トピックスは要約版です。記事の詳細・全文は、日用品・化粧品業界の専門紙「H&BC マーケティングニュース」最新号(水曜日発行)でご覧になれます。お申し込みは刊行物案内をご参照ください。