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2020年12月9日号掲載記事より

本紙が選ぶ2020年10大ニュース コロナ禍が年間通し甚大な影響

本紙が選ぶ2020年10大ニュース コロナ禍が年間通し甚大な影響

 2020年は、新型コロナウイルス感染拡大が年間を通して、業界全体を揺るがし、国民の生活や経済に甚大な被害を及ぼす、想定外の年になった。
 中国・武漢市が発生源とみられる新型コロナウイルス(COVID-19)感染の猛威は、瞬く間に欧米をはじめ全世界に広がり、日本国内でも1月下旬以降、深刻な感染拡大が発生、医療機関による重症者をはじめ感染者対応に追われる中、医療崩壊に繋がりかねない緊迫感が社会全体覆った。
 コロナ禍は、市場経済にも大きな影響を与え、渡航・入国禁止措置により、外国人訪日客がなくなることで、これまで活発だったインバウンド需要がほぼゼロに。また感染拡大防止につながるマスクや殺菌・消毒関連商材の需要が拡大する一方で、各企業が社員への安全対策として採用した在宅勤務や外出自粛などにより、仕上用化粧品を中心に化粧品関連商材が大打撃を受けることになった。
 混乱はメーカー・卸売業・小売業を巻き込み、1~3月に新製品説明会を予定していたメーカーは次々に会合やイベントの中止をせざるを得ない状況に追い込まれた。また卸売業では、デマによる品不足が問題となった家庭紙をはじめ、衛生関連品、その他緊急物資の供給確保に翻弄された。
 更に小売業態は、4月7日の緊急事態宣言発令以降、休業要請や集客減少の中で、SCや百貨店、コンビニエンスストアなどが著しい業績ダウンとなり、食品を中心に身近な生活必需品を提供するスーパーマーケットやドラッグストア、ホームセンターとの明暗を分けた。
 このほか、決算期には、来期予想や中期経営計画の見通しを保留する企業が相次いだのをはじめ、ドラッグストアショーなどの業界イベント、卸・小売業の団体や個別企業における総会などが悉(ことごと)く中止になるなど、これまでにはない出来事に見舞われた。
 2020年は、10大ニュースのほとんどがコロナ禍関連の話題となるという、コロナ禍で始まりコロナ禍で終わる特別な年として記録されるだろう。

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①新型コロナウイルス感染拡大で業界激震
②インバウンド需要がほぼゼロに
③マスクや消毒・衛生関連が特需で品薄に
④仕上用中心に化粧品市場が激減
⑤在宅勤務・リモート対応が流れに
⑥業界の会合・イベント等が悉く中止へ
⑦EC事業への本格参入が活発化
⑧SDGs/ESGへの取組み進展
⑨花王はじめ社長交代・発表相次ぐ
⑩令和2年豪雨などの災害にSCMの役割発揮
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全国SM協会、「スーパーマーケット・トレードショー2021」開催会見開く

全国SM協会、「スーパーマーケット・トレードショー2021」開催会見開く

 全国スーパーマーケット協会は11月26日、東京・西新宿の「ハイアットリージェンシー東京」において、国内最大級の食品展示会「スーパーマーケット・トレードショー2021」(「デリカテッセン・トレードショー」「こだわり食品フェア」併催)の開催概要を説明する記者会見を実施した。
 メインテーマは、「“創”ニッポン」。開催期日は来年2月17~19日の3日間(午前10時~午後5時、最終日のみ午後4時まで)。場所は、千葉・幕張メッセで全館を使用する。
 入場は完全招待制で、業界関係者のみ。
 出展申し込み状況(11月15日時点)は、1472企業及び団体・2479小間。うち、海外は6カ国21企業及び団体・44小間となる。
 スーパーマーケット・トレードショー実行委員会委員長の横山清会長(アークス社長)は冒頭の挨拶で、「多くの人たちの理解を得られるかという問題もあったが、地域生活者のためには重要なイベントだけに、経済的な問題を差し置いても開催することとした。安全・安心はもちろん、責任感と危機感を持って、イベントを成功裡に導けるよう取り組みたい」と抱負を語り、特に通路の拡張や試飲・試食の提供方法の徹底など3密回避への施策を取り決めたと強調。こうした対策を講じての開催であることに理解を求めた。
 なお、恒例のレセプションパーティーは中止する。

「日本MA-T工業会」設立 日本初の革新的技術の普及と価値向上目指す

「日本MA-T工業会」設立 日本初の革新的技術の普及と価値向上目指す

 一般社団法人日本MA―T工業会設立ならびにアース製薬のMA―Tによる感染症対策のCSV事業戦略記者発表会が12月1日、東京都千代田区の大手町プレイスカンファレンスセンターで行われた。
 「MA―T」(エムエーティー)は、革新的な酸化制御技術により、強い除菌力と高い安全性を両立させた画期的なもので、すでに航空機や空港、ホテルなどに導入されているほか、その優れた特性から幅広い分野での活用が期待されている。
 更に、アース製薬の参入により、製造コストの低減や供給量の増大も見込まれる中、日本発の革新的な技術である「MA―T」の今後の応用技術開発を後押しするとともに、その産業創造による経済効果や感染症対策など社会問題解決の推進に向け、日本MA―T工業会が11月2日に設立された。
 今回の記者発表会は、第1部で、工業会の概要やMA―Tの最新の研究成果が、第2部では、そのMA―Tを活用したアース製薬のCSV事業戦略について発表が行われた。
 日本MA―T工業会の代表理事に就任したアース製薬社長の川端克宜氏はあいさつの中で、日本MA―T工業会は除菌剤をはじめ、エネルギー、ライフサイエンス、素材開発、医療、農業、繊維、建設、化粧品など様々な分野の企業が加盟しており、従来の工業会とは大きく異なるが、MA―Tはそれだけ幅広い分野での活用が期待されるものであると説明。更に今後の取り組みでは、工業会と加盟企業の英知を結集し、オールジャパンでの科学技術向上や世界規模での感染症対策などへの貢献に向け、オープンイノベーションを推進していきたいと述べた。

伊勢半、リップメイク調査発表 80%が外出時にリップ付けてマスク着用

伊勢半、リップメイク調査発表 80%が外出時にリップ付けてマスク着用

 伊勢半はこのほど、20~50代女性約600名を対象に実施した「ニューノーマル時代のリップメイク」に関する意識調査の結果を発表した。
 主な調査結果によると、80%が外出する際にリップ(口紅・グロスなど)を付けてマスクを着用していることが分かった。マスク着用時にもリップメイクをするのが主流になりつつあるようだ。
 また、約半数(48.3%)が「最近使っていないが、アフターコロナ時代になったら(=外出時のマスクの着用が必須でなくなったら)使いたいと思っている化粧品」として、「リップ」を選択。「リップメイクをしたい」という気持ち(需要)がうかがえる。
 マスク着用時にもリップを付ける理由としてもっとも多く挙げられたのは「食事などでマスクを外した時に気になるから(54.5%)」となった。一方、マスク着用時にリップを付けない理由では、過半数の53.8%が「リップがマスクに付着するのが嫌だから」と回答。多くの人にとって、「リップがマスクに付着すること」が悩みになっているようだ。
 なお、伊勢半ではマスク着用が当たり前になったニューノーマル時代でもマスクによる色落ちなどを気にせず「いつもの口紅」が使える「キスミー リキッドリップシールド」を12月8日、発売した。

マツキヨ×花王、「プリマヴィスタ」共同企画 化粧下地を発売

マツキヨ×花王、「プリマヴィスタ」共同企画 化粧下地を発売

 マツモトキヨシホールディングスは12月1日から、花王のベースメイクブランド「プリマヴィスタ」と共同企画したアイテム「プリマヴィスタ 皮脂くずれ防止 化粧下地 なめらか&トーンアップタイプ」を数量限定で発売した。マツキヨグループのほか、ココカラファイングループでも順次発売していく。
 同品は、昨今、ファンデーションを使わずにベースメイクを仕上げる人が増えていること、化粧下地の中でも1本でメイク感が出せる「色がつくタイプ」が伸長していること等のニーズに加え、色がつくタイプの化粧下地は、化粧くずれを感じやすいという声もあることが分かっていることなどの声を背景として、「ほんのり明るく仕上がるトーンアップタイプ」として開発されたもの。
 特長は、汗や皮脂に強く、化粧くずれしにくいという、これまで「皮脂くずれ防止化粧下地」が培ってきた“化粧もち”の価値はそのままに、下地ひとつでワントーン明るい仕上がりを叶える。
 その他の特長として、ほのかに皮脂を抱え込み、広げないオイルブロック処方や、保湿成分配合(ヒアルロン酸、アスナロ枝エキス)、SPF17・PA++などがある。


2020年12月9日号 記事一覧

M&A・設立

  • ツルハHD、連結子会社が鳥取の調剤薬局1店舗を取得
  • ココカラファイン、子会社が調剤薬局3店舗を譲受

会合・発表会

  • コーセー、コーセーコスメトロジー研究財団創立30周年記念式典を開催
  • 近石工、第108回技術部会開催 「新しい価値観に対応した商品を提供」
  • タカラベルモント、プレスセミナー開き毛髪科学研究成果を発表

経営・施策

  • スギHD、台湾のDgSチェーンと業務提携
  • ライオン、持分法適用会社「GECS」の株式譲渡及び合弁解消を決議
  • アインHD、長野県伊那市のモバイルクリニック実証実験に参画
  • イオンリテール、「自動買い物かご除菌装置」導入
  • 牛乳石鹸、「手洗いに『解除』はありません。」手洗いの大切さを発信
  • 花王、「第11回花王国際こども環境絵画コンテスト」入賞者を決定
  • ユニ・チャーム、女性エンパワーメント原則に賛同、ステートメントに署名

製品・サービス

  • サラヤ「ハンドラボ」が第13回ペアレンティングアワードモノ部門受賞
  • 小林製薬の持続性抗菌剤「コバガード」がダイキンの加湿空気清浄機に採用
  • 花王、「エスト ラスティンググロウリキッドファンデーション」新発売
  • 王子ネピア、「nepia鼻セレブ華麗なる名馬シリーズ第14弾」限定発売
  • サラヤ、「サラヤさらっとハンドジェル ハローキテイ」数量限定発売
  • ジェクス、「Etak」を塗布したマスクフィルター発売
  • 小林製薬、「ブレスケアますくちだま」新発売 マスク内口臭の原因菌対策
  • バスクリン、「バスクリン」からちびまる子ちゃん限定品発売
  • ユニ・チャーム、「ライフリー さわやかパッド軽い便モレ用」発売
  • I-ne、「スキンビル」からミニサイズのクレンジング導入
  • 森友通商、自宅で簡単に作れる除菌消臭剤「モーリスフレッシュ」発売
  • ムック本「牛乳石鹸『カウブランド赤箱』のある暮らし」限定発売
  • オカモト、高耐水圧レインウェア「AQ-340」発売
  • ダイヤケミカル、初のアルコール除菌スプレー「ピカラボ」発売
  • ユニリーバ、「ジフ」「ドメスト」リラックマとコラボ 特別商品発売中

宣伝販促

  • PRページ 花王 「鬼滅の刃」とコラボ 「年末そうじ」キャンペーン実施
  • クラシエHP、「マー&ミー ラッテ」新CM「滑り台」篇放映中

人事・組織

  • ライオン、来年1月1日付の人事異動・組織改正を発表
  • 資生堂、来年1月1日付でグループ組織の一部改正を発表
  • 花王、花王グループカスタマーマーケティング、執行役員異動・機構改革
  • ツルハHD、本社・子会社・孫会社の人事異動を発表

研究・開発

  • 桃谷順天館と一丸ファルコス、「皮膚細菌叢と加齢肌」などの新知見を発表

調査・統計

  • JCA、20年10月度チェーンストア販売概況 医薬・化粧品が回復
  • マンダム、「コロナ禍の対面コミュニケーションとおしゃれ」第3弾発表

イベント・展示会

  • 石洗工・界面工、来年の新年合同懇親会を中止
  • 近石工、第143回近畿石鹸ゴルフ会開催し13名が参加
  • 内田洋行、ビジネスITオンラインセミナーを12月中旬まで開催中
  • 資生堂、オンライン技術セミナー開く 男性は女性より肌ストレス耐性低い
  • ライオン、「エコプロOnline2020」に出展 エコな取り組みを紹介
  • 牛乳石鹸共進社、「赤箱AWA-YA@ONLINE」21日まで開催中

施設・店舗

  • 良品計画、新店「無印良品東京有明」内覧会開く 洗剤の量り売りを実践
  • コーセー、「KoCoLabo」本格稼働 日本橋本社の革新創出拠点


上記トピックスは要約版です。記事の詳細・全文は、日用品・化粧品業界の専門紙「H&BC マーケティングニュース」最新号(水曜日発行)でご覧になれます。お申し込みは刊行物案内をご参照ください。