2020年12月2日号掲載記事より
10月の各小売業態動向 SC・百貨店はやや回復傾向に
10月の各小売業態における消費動向を各小売業団体による統計調査でみると、コロナ禍とはいえ、ショッピングセンター(SC)、百貨店でやや回復傾向がみられ、チェーンストア、スーパー3団体は前年同月を上回る好調ぶりをみせている。GoToトラベルによる人の移動が消費にプラスに働いた可能性があるとともに、前年の消費増税前の駆け込み需要による反動が響いた9月に比べ、前年10月に起きた買い控えや大型台風などによる集客減がなかったことも好影響を及ぼしたようだ。
11月20日~26日までに発表された各小売業団体販売統計による10月の売上高前年対比(図参照)をみると、チェーンストアとスーパー3団体(全国スーパーマーケット協会・日本スーパーマーケット協会・オール日本スーパーマーケット協会)は前年を上回り好調な動きになっている。
一方、この間前年割れが続いていたSC・百貨店は、前年割れにはなったが、前月よりも前年割れの減少幅が大きく改善した。コンビニエンスストアは前年割れとなり、3月以降の減少傾向が続いている。
業態全体として売上高が回復した要因は、コロナ禍による外出自粛や在宅勤務等の影響はあったとはいえ、昨年の消費増税前の駆け込み需要に対する反動があった9月に比べて、前年10月に起きた買い控えと台風等による集客減での大幅な減少への反動が減少幅を抑えたものとみられる。
JACDS定例記者会見 会員に法令遵守徹底への取り組み強化を求める
日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)は11月20日に開催された定例記者会見で、全会員企業に対して「市販薬販売ルールの遵守徹底のお願い」なる文書を通知(10月28日)したことを明らかにし、販売ルール適正化徹底への取り組み強化を求めたと公表した。
これは毎年、厚生労働省が実施している市販薬販売に関する覆面調査の結果への対応策で、昨年は市販薬による10代の薬物濫用がマスコミ等によって問題提起されたことがその背景となる。
これに対して、JACDSでは早々に「市販薬による10代の薬物濫用撲滅宣言」を理事会で採決し、会員一丸となって取り組んできたが、現時点でも、「濫用の恐れのある医薬品の販売方法が適切であったドラッグストアの割合は51.9%から69.1%へ改善したものの、薬局(53.4%→79.4%)との格差が拡大」、「要指導医薬品・第1類医薬品の販売について薬剤師が関与する販売ルールの遵守率が70%台と全体的に低水準」といった問題点が指摘されていることから、再徹底の必要性を痛感、今回のさらなる取り組み強化施策の実行となった。
「市販薬の販売ルールを遵守徹底するための重点実践計画」の主な内容は、①「10代の薬物濫用撲滅宣言」を全世代、全品目へ拡大させる②薬剤師の関与が必須の要指導医薬品・第一類医薬品販売に対する、本人確認や文書による情報提供など重点的取り組みの徹底③店頭の薬剤師・登録販売者に対し、研修や訓示等で法令遵守の必要性を説明することの強化――など。
レック、新ブランド「バルサンプラス」上市 新成分「クロラス酸」を訴求
レックはこのほど、誕生70周年を迎える「バルサン」から、ウイルスや細菌からの感染リスクに対応する新ブランド「バルサンプラス」を立ち上げ、今年8月より「クロラス酸」を使用した新製品「同クロラスバリアシリーズ」(全8種)を新発売した。
これに合わせる形で11月18日、同社は新ブランドの披露並びに新たな有効成分「クロラス酸」の情報提供を盛り込んだプレスセミナーを開催。現在、新型コロナウイルスに加え、この時期注意すべきインフルエンザを含む感染症対策の基礎知識や対策方法などを紹介した。
「クロラス酸」の特長は、効果や安全性、使いやすさにこだわった成分で、ウイルスや菌、におい成分を酸化し、ウイルスの除去・除菌や消臭効果を発揮。また、アルコールでは効きにくいノロウイルスや熱や乾燥への抵抗力が強く食中毒の原因となる病原性微生物など幅広いウイルス・細菌に効き、低腐食や低臭気、低刺激であり、しかも手肌に優しい弱酸性で、使用後は自然と分解され残存しないため、環境にも優しい――と同社では説明している。
なお、クロラス酸を主成分として使用した一般消費者向けトイレタリー製品は国内外で初とのこと。
同社ではこの新ブランドを通じ、「世界で感染症リスクが高まる中、『バルサン』は一般の方々が簡単に感染症対策に取り組める日本発のトイレタリーブランドとして、世界の感染症対策に寄与するブランドへと成長させていきたい」としている。
アインHD、セブン-イレブン、ANAが連携でドローン配送サービス検証
アインホールディングス、セブン―イレブン・ジャパン、ANAホールディングスと福岡市は11月24日、ドローンによる食品・日用品・処方箋医薬品の即時配送サービスの実証実験を実施すると発表した。
検証実施日は12月2~5日の4日間。配送物は、「セブン―イレブン・コンビニ」で注文した食品と日用品、アイン薬局で調剤された処方箋医薬品(対面での服薬指導済み)となる。
飛行区間は、福岡市ヨットハーバーから、福岡市西区能古島の島内3カ所(任意のポート)にドローンで配送する。距離にして片道2.5~3.5km。ドローンは配送物に応じて2種類の機体を使い分ける。
検証に選択された能古島は、博多湾の中央に位置し、約200世帯・約720人が暮らす。2年前に島唯一の生活用品取扱店舗が廃業、現在は島外の小売店や宅配に頼り、また市立の診療所もあるが、そこで対応できない専門医療や調剤は島外の両施設を利用しているという実情がある。
当検証はANAドローン事業化プロジェクトの一環で、航空機安全運航に関する知見を活かし、ドローンオペレーターとして福岡市や五島市で無人地帯での補助者なし目視外飛行(レベル3)による実証実験を行うなど、2022年度のレベル4解禁を目途としたドローン配送サービス事業化に向けたもの。今回は、配送ニーズに高い医薬品と日用品の配送について検証する。
小久保工業所、「ぬくポンぬくぬくマスク」新発売 冷たい外気をガード
小久保工業所は、厚めの布地で冷たい外気からガードする「ぬくポンぬくぬくマスク」(4色)を12月10日に新発売する。
同品は、これから本格的な冬シーズンを迎えるにあたり、厚めのマスクで冷たい外気からガードしてくれるマスク。ポリエステル95%・ポリウレタン5%製で、洗って繰り返し使え、厚さ約2mmの布地で冷たい外気をガードしてくれる。
デザインは“おさかな型”と言われる立体的でシンプルな形で、フェイスラインにぴったりフィットする。また色はホワイト、ブラック、グレージュ、ピンクの4色があり、好みの色を選べる。
男女兼用で、速乾性の生地を採用し、洗ったあとは早く乾くので便利だ。
パッケージはマスクの収納にも便利なチャック付き包装を採用し、開封後にマスクケースとして使用できるのも同品の特長。リーズナブルなので、気分に合わせて選んだり、洗い替え用も確保したり、家族で分かりやすく色違いにしたりと、複数枚持つのもお勧めの商品となっている。
2020年12月2日号 記事一覧
会合・発表会
- 杉浦記念財団、「第9回杉浦地域医療振興賞」授与式開く
経営・施策
- ライオン、「DJSI Asia Pacific」構成銘柄に4年連続選定
- セブン-イレブンJ、省エネ店舗の実証実験開始 CO2排出量54%削減へ
- 花王、「DJSI World/Asia Pacific」構成銘柄に7年連続選定
- ライオン、口腔内を清潔に保つ「オーラルケアのススメ」紹介
- ホーユー、プロ用ヘアカラーの容器、キャップを変更 プラ樹脂量大幅削減
製品・サービス
- 大王製紙、ソフトパックティシュー2品がマザーズセレクション大賞受賞
- PRページ ライオン 「Magica速乾+(プラス)」が好調な売れ行き
- 花王「メリーズ」、マザーズセレクション大賞を4年連続受賞
- エステー、モリラボシリーズから新アイテム シールとスプレーの2品導入
- カネボウ化粧品、KATEから数量限定「東京ヲトギバナシ」メイク品発売
- ナリス化粧品、塗ってはがすだけ「イノーチェ ネイルティント」新発売
- ドクターフィルコスメ社、「エクスバリア」ノンケミカル日やけ止め発売
- ジェクス、業界初「弱酸性コーティング」採用の母乳パッド発売
- 花王、皮脂RNA解析技術を応用した美容カウンセリングのテスト運用開始
- 小林製薬、ストレスと睡眠の質に対処できるサプリメントなど新発売
- アロエガーデン、うるおい閉じ込め透明肌に導く濃厚保湿クリーム新発売
- オカモト、抗ウイルスPVCフィルム「Vバスター」発売
- UYEKI、抹茶の生せっけんが“高級スキンケア洗顔せっけん”で人気
宣伝販促
- P&G、桃田賢斗選手など4人のアスリート紹介するデジタル動画公開中
- 大王製紙、プレゼントキャンペ実施中 家族が笑顔で子育てを楽しめる賞品
- ライオン「ストッパ」、受験生応援「ひらめきス突破祈願キャンペ」実施中
- エステー、「洗浄力シュワッと洗たく槽クリーナー」発売記念キャンペ実施
人事・組織
- 小林製薬、来年1月1日付の人事異動・組織変更を発表
研究・開発
- 花王、化学物質の全身毒性評価事例がOECD国際プロジェクトで採択
- サンスター、ラクトフェリン摂取での睡眠の質改善効果を学会で発表
- エステー、抗菌剤処方液の新型コロナウイルスへの不活化効果を確認
調査・統計
- SM3団体、20年10月度販売統計調査速報 売上げは9カ月連続前同比超え
- プラネット 中国の日常生活と日本製品購買に関する調査レポートを発表
イベント・展示会
- J-NET中央、来年2月開催予定のMDフェアを中止
- インテージ、オンラインフォーラム開催 計33セッションで構成
- ライオン、来年2月開催予定の「ライオン会総会」を中止
- ジェクス、世界エイズデーオンラインイベント開催 女子高生たちが啓発
- エステー、「エコプロOnline2020」でクリアフォレスト事業を紹介
時評・コラム
- 時評 コロナ禍で終始した1年に
上記トピックスは要約版です。記事の詳細・全文は、日用品・化粧品業界の専門紙「H&BC マーケティングニュース」最新号(水曜日発行)でご覧になれます。お申し込みは刊行物案内をご参照ください。