2020年11月25日号掲載記事より
ユニ・チャーム、2021年成長戦略共有会開催 共存社会の実現に向けて
ユニ・チャームは11月17~20日の4日間、「2021年ユニ・チャーム成長戦略共有会」を開催した。今回はコロナ禍の状況を鑑み、同社初の試みとなるオンライン形式で開催。高原豪久社長は2020年について「誰も予測できなかった環境変化が起こった」と前置きしつつ、ニューノーマルが急速に拡大する中、マスクやウェットティッシュの需要急増への対応など、同社が担う社会的使命を改めて確認できた年になったと総括した。
高原社長は全社方針として、①これまでの20年、これからの10年~2030年のあるべき姿②持続的成長を支える仕組み~「Purpose(パーパス)」としてのSDGs――の2点について説明。
2020年を前述のように総括した上で、これからの10年に向けては、理想の未来を描き、そこからバックキャスティング(演繹的)発想でイノベーションに取り組み、同社のパーパスであるSDGs、すなわち社会課題の解決を図っていくことが、同社のミッションである“共生社会の実現”に繋がるとの考えを示した。
また、ミッションについては、10月22日に発表したグループ中長期ESG目標「Kyo-sei Life Vision 2030」について言及。具体的な行動として、使い捨て商品分野におけるリサイクル事業化への挑戦と、マレーシアとシンガポールで発売した蚊を寄せ付けない機能を有した紙おむつの発売を例に挙げ、社会環境や自然環境に対して真摯に向き合い、この10年間で基盤を強化し、商品やサービスを生み出していくと宣言した。
高原社長は最後に、それぞれの事業分野がデジタルを通してバトンを繋ぐことでライフタイムバリューを実現する姿こそがユニ・チャームの役割であるとした上で、流通との共通課題であるエンドユーザーに対して商品を通じたあらゆるコンタクトポイントでの展開とカテゴリーの活性化への協力を要請した。
JACDS、DgS業界レポート報告会開催 「アフターコロナは追い風」
日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)は11月13日、都内で会員企業を対象とした「特別講演会」並びに「2020年後期 ドラッグストア業界研究レポート報告会」を同時開催した。
冒頭、挨拶に立った池野隆光会長(ウエルシアホールディングス会長)は、新型コロナウイルス感染拡大が叫ばれる中、「コロナ禍で国内経済の厳しさが増す今こそ、企業としてどう乗り越えていくかという知恵が必要となる。この対策次第で、企業間の格差は大きく広がっていくだろう」との見方を示した。
特別講演は、双日総合研究所・チーフエコノミストの吉崎達彦氏による「ウイズコロナにおける日本経済の課題」。吉崎氏は、コロナ禍による日本経済への影響として、①全世界同時の現象で、外国や国際機関は当てにならない②需要と供給が同時に蒸発する③いつ収束するか分からない――の3つを挙げ、80年前から変わっていない現場力に頼りがちな日本型組織の変革の必要性を主張した。
また、DgSの現状と課題、今後の展望についての報告では、田中浩幸事務総長が「消費者の関心は健康と節約、料理・ダイエット、運動というカテゴリーに集まっている。これらは全てDgSが関わるものばかりで、短期的にはDgSに追い風が吹いている」との見解を示し、特に現状、70歳以上の高齢者層の利用が増加していることを挙げ、「生活必需品の安定供給というDgSの価値。すなわち、一貫性ある確かな情報と商品を届けることが重要だ」と提言した。
マツキヨHD、2021年3月期第2四半期は減収減益 通期予想は上方修正
マツモトキヨシホールディングスは11月13日、「2021年3月期第2四半期連結決算を発表。業績は、売上高2738億4600万円(前年同期比8.8%減)、営業利益144億9600万円(21.3%減)、経常利益155億4100万円(20.9%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益97億2900万円(24.9%減)と減収減益であった。
同社では、「第1、第2四半期共、新型コロナウイルス感染症の影響で、マスクや除菌関連用品、食品などの特需が郊外型店舗を中心に発生したが、外出自粛や在宅勤務の推進等により繁華街・都心店舗では客数が減少、営業時間の短縮、テナント店舗での臨時休業、インバウンド需要の減少によって売上げが影響を受けた」と業績低下の要因を説明している。
また第2四半期単体では、前年の消費増税前の特需の反動も受けたとしつつ、繁華街や都心店舗の客数が回復しており、医薬品と化粧品は苦戦しているものの全体的には回復傾向にあるとの見方を示している。
新規出店では、和歌山県内にグループ1号店となる「薬マツモトキヨシキーノ和歌山店」を開設し、国内47都道府県全てにグループ店舗の出店が完了した。また、新業態「matsukiyoLAB」を中国地区に初出店し、これで「matsukiyoLAB」は25店舗まで拡大した。当期での新規出店35店舗(閉店14店舗)で、9月末におけるグループ店舗数は1738店舗となった。
同日に上方修正した通期業績予想では、売上高5700億円(前期比3.5%減)、営業利益350億円(6.8%減)、経常利益377億円(5.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益238億円(9.1%減)を見込む。
小林製薬、「寒暖差疲労」テーマにキャラバン開催 「局所温活」を提案
小林製薬は11月16日、報道関係者を対象に「寒暖差疲労」をテーマにオンラインキャラバンを開催。「寒暖差疲労」の原因と主な対策、また、その対策の1つとして「局所温活」をあげ、それに適した桐灰ブランドの温感製品を紹介した。
「寒暖差疲労」とは気温の寒暖差が大きいことにより、自律神経の機能が乱れ、体が疲れることを指し、①肩こり・腰痛・頭痛②めまい・不眠③食欲不振・便秘・下痢④イライラ・気分の変化⑤冷え・むくみ――などの症状が寒暖差疲労に該当する。
今回のキャラバンは、前半では小林製薬広報・IR部の樋口亜由美氏が「寒暖差疲労」の原因と対策について解説。
寒暖差疲労をケアするためには、「乱れた自律神経を整えるとともに、あえて日常生活に適度な寒暖のリズムを作り自律神経をトレーニングすることが重要」であること、また、家庭でできる対策として、セルフチェックにより自分の寒暖差疲労の原因(①ストレス②生活習慣の乱れ③運動量減少④加齢)を把握し、カイロ、お灸、ホットタオルなどを使って原因別に使用する部位や推奨温度で温める「局所温活」を紹介した。
後半は、同社日用品事業部温熱カテゴリー・あずきのチカラブランドマネージャーの高階良氏が、桐灰カイロの温度コントロール技術と同社の「局所温活」にも対応した製品について説明。
桐灰カイロは、同社が有する温度と持続時間を自在にコントロールする技術により、使用部位や目的に合った温度設定の製品として開発されていること、また「局所温活」にも適した製品として、①どこでも(桐灰はる、ニューハンドウォーマー、マグマなど)②手首・足首(巻きポカ)③手指・足先(ポケぽか、マグマくつ下に貼るなど)④目もと・顔面(あずきのチカラ)⑤首・肩(血流改善など)⑥おなか・背中・腰(どデカッ!はる、命の母カイロ、血流改善など)――の6つの部位に分けて解説した。
ライオン、「ブライトSTRONG極パウダー」ネット通販サイト限定発売
ライオンは、粉末漂白剤の性能を高める漂白ブースト成分を同社史上最大濃度配合し、汚れの漂白、ニオイの徹底除去はもちろん、除菌、ウイルス除去(つけおき洗いの条件)まで可能にした衣料用酸素系粉末漂白剤「ブライトSTRONG極パウダー」を、12月16日、ECネット通販サイト「Amazon」「楽天市場」「LOHACO」で、限定新発売する。
新型コロナウイルス感染症の拡大を契機に生活者の衛生意識が高まる中、洗濯における新しい生活様式として、いつもの洗濯にプラスして漂白剤を使用する習慣が増えている。中でも、粉末タイプの漂白剤に対する菌・ウイルスに対する高い除去効果への期待は高く、粉末漂白剤の市場は前年比130%と伸張している(2020年3月~8月インテージSRI)。
新発売の衣料用酸素系粉末漂白剤「ブライトSTRONG極パウダー」は、粉末漂白剤の性能を高める漂白ブースト成分(漂白活性化剤)を同社史上最大濃度配合し、汚れ・ニオイはもちろんのこと、菌・ウイルスまでしっかり除去する(すべての菌・ウイルスを取り除くわけではない)。1回の使用量のスプーン1杯に機能成分を濃縮したパウダーで、1箱でたっぷり2カ月分使える。濡れた手で使用しても粉がつきにくいスプーンポケット付きで、人間工学に基づいた使いやすい容器を採用している。
2020年11月25日号 記事一覧
M&A・設立
- ココカラファイン、フタツカHD(兵庫)を買収
- アークス、栃木県のオータニを経営統合へ 東日本エリア流通グループ形成
会合・発表会
- プラネット、ユーザー会をリモート開催 ロジEDI概要書の策定を報告
- 白十字、「介護の日セミナー」初のWEB開催 コロナ対応をレクチャー
- J&J「リステリン」、メディア向け勉強会開催 口腔ケアの重要性を説明
経営・施策
- ベイシア、グループ総売上高1兆円を達成
- 米ウォルマート、西友株式の過半を投資ファンドに売却
- ライオン「ハブラシ・リサイクルプログラム」、ポスター公募の結果発表
- ファンケル、20年秋~冬の事業展開 「無添加」の価値を再提案
- P&G「パンパース」、限定ムービー公開 低出生体重児と家族を支援
- サンギ、「アパガード」等海外展開さらに拡大
製品・サービス
- コーセーマルホファーマ、「カルテ」愛称を「カルテHD」に変更
- エステー、「暮らしになじむLOHACO展」に消臭力プラグタイプ限定品出展
- 小林製薬、消臭元とSawaday香るStickから「桜」の香りを数量限定発売
- クラシエHP、「いち髪」モデル3人とのコラボボトル限定発売
- 藤枝市×バスクリン、オリジナル入浴剤「藤枝に染まるひととき」共同企画
- PRページ ユニ・チャーム、ペットケアから秋の新製品続々
宣伝販促
- P&G、松岡修造とティモンディが対談するスペシャル動画公開
- エステー、「消臭力プレミアムアロマ」新TVCM放映開始
決算
- 米国P&G、20/21事業年度第1四半期業績発表 純売上高が9%増
- 東邦HD、2021年3月期第2四半期決算 受診抑制・市場価格の乱れで減益に
- バローHD、2021年3月期上期連結決算は増収増益に
研究・開発
- 花王、「ファインファイバーテクノロジー」応用技術を発表
- 花王、塗るだけでほうれい線を目立たなくする新しいメイクアップ技術開発
- セッツ、「ユービコールノロV」エンブローブウイルスに対する不活化効果
調査・統計
- KSP-POS 2020年10月 カテゴリー別ランキング
- ライオン、角膜の傷リスクを調査 PC・スマホで目を酷使している人増加
イベント・展示会
- 第107回東京医療衛生用品フェアの開催中止を決定
- 全日本ブラシ工業協同組合、来年の新春年賀懇親会を中止
- “ゆとりうむセミナー”オンライン開催 旭化成HPなどがノウハウ紹介
- 牛乳石鹸共進社、「赤箱AWA-YA@ONLINE」を12月1~21日に開催
- 貝印、「第13回スイーツ甲子園」に特別協賛 決勝大会開催
施設・店舗
- エビス、名古屋支店を名古屋市中区に移転 12月14日から業務を開始
時評・コラム
- 時評 インバウンドに代わる何かを
特集 【世界エイズデー】
- 12月1日は世界エイズデー エイズ・STI予防意識の啓発活動が重要に
- オカモト 「オカモトラバーズ研究所」でコンドームの正しい情報を発信
- 相模ゴム工業 「サガミオリジナル」コロナ禍に合わせたプロモを検討
- ジェクス 新感覚コンドーム「ZONE」にLサイズを今春投入
- 不二ラテックス 新ブランド「フジラテ0.02/0.03」新発売
- 森下仁丹 120年前の感染症対策 元祖コンドーム「やまと衣」見つかる
経営・施策
製品・サービス
時評・コラム
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