2020年10月7日号掲載記事より
花王、長谷部佳宏専務が新社長就任へ 「正道を歩む」新たな道へ挑戦
花王は9月29日、同社本社で記者会見を行い、2021年1月1日付で澤田道隆代表取締役社長執行役員に代わって、長谷部佳宏代表取締役専務執行役員が新社長に就任する昇格人事を発表した。澤田社長は代表権のない取締役会長に就任する。
澤田社長は、「12年6月の社長就任以来、8年半の間、精一杯取り組んできたつもりだが、その結果の評価は自分で語るより皆様に委ねたい。私は次の花王グループの大きな成長を支えるには新規事業の創造が不可欠だと考え取り組み、そのシーズは出てきたが、自分の任期中に事業として見える形にできなかったことは事実であり、長谷部次期社長が、私が果たせなかった思いを達成してくれると考えている」などと語った。
長谷部専務は、「澤田社長と私は和歌山の研究時代からの付き合いで、最も尊敬する先輩であり、上司である。今、新型コロナウイルスが消費、経済、働き方、社会の在り方を変えようとしている。この大転換期に澤田社長からのバトンを受けないわけにはいかない。
今、世の中は混とんの中にある。パンデミック、地球環境問題は深刻さを増している。右肩上がりの経済は崩れ、生活はどうなるか不安に思われている方が増え続けている。その中で花王グループに期待される役割も大きな転換点を迎えている。
花王はこれまで多くのモノを作り、消費してもらうことによって社会に貢献してきた。一方、多くの物質、エネルギーを使い、廃棄物を生み出している会社でもある。私たちは消費だけを期待してもらうモノづくりから、“消費しにくいモノづくり”へと転換しなければならない。
“数と量の経済”から“質と絆の経済”へシフトする大きな転換点において、私が舵取りをすることは大きなプレッシャーだが、この転換期に社員・従業員と一丸となって乗り越える所存である。花王の経営理念である『正道を歩む』、新たな道へ挑戦していく」と社長就任への思いと目指す方向について語った。
I-ne、東証マザーズ新規上場で会見 「withコロナ」の企業を自負
I-neは9月25日、東京証券取引所マザーズ市場に新規上場し、同日記者会見をオンラインで開催。大西洋平社長が、同社の企業概要、独自のビジネスモデルとその実績について説明した。
同社は、2007年3月にアパレルのモバイル通販を行う会社として設立し、その後、美容のモバイル通販に転換。「デジタル上で流行を創り、その実績を持ってリアル店舗に卸す」というビジネスモデルで急成長を遂げたファブレス企業として知られている。
商品を通じて、世界中を幸せにするという経営理念「Chain of Happiness」のもと、現在は、2015年の発売以降、同社の急成長を牽引する「ボタニカルライフスタイル」をコンセプトに展開するブランド「ボタニスト」(2019年度売上高117億円)、優れたデザインと高いコストパフォーマンスの美容家電ブランド「サロニア」(同55億円)をはじめとする18のブランドを展開している。
同社は、2007年の設立から2017年まで急成長を続けてきたが、2017年からの2年間はブランドの統廃合や300名の組織が機能的に動く仕組み作りに集中。その結果2019年以降は、再度成長カーブに戻し、2020年度は売上高231億円、営業利益14億円を見込んでいるという。
大西社長は「直近の2020年第2四半期累計の売上高前年比は115%、営業利益同は218%と好調に推移しており、当社はコロナ禍でもマイナスの影響が小さい『withコロナの会社』と自負している」と説明した。
ミニストップ、パートナシップ契約への移行を発表 事業利益分配モデル
ミニストップは9月25日、都内で会見を開き、加盟店と共に繁盛する真のパートナーシップを目指すため、「フランチャイズ契約」から「ミニストップパートナーシップ契約」へ移行すると発表した。2021年9月から運用を開始する。
従来の「フランチャイズ契約」では、「収入」(売上-実際に販売した商品原価)から「本部収入(ロイアルティ)」が控除された「加盟店収入」から廃棄や人件費などの「店舗営業経費」が差し引かれるため、店舗経費は加盟店負担が主となっていたが、「ミニストップパートナーシップ契約」では経費負担構造・利益配分構造を変革し、収入から「店舗営業経費」及び「固定費」を差し引いた事業利益をお互いに配分する。これまでのコンビニ会計から脱却し、加盟店と事業利益を分かち合うというもので、売上げが上がれば双方が儲かる仕組みとなる。
加盟店と本部の分配率は現在、試算中だが、日販40万円の場合、現行契約もパートナーシップ契約も純利益は同じだが、日販50万円になると加盟店純利益は約15%アップする。これにより加盟店のモチベーションアップにつながると確信しているという。
マックス、固形シャンプー・コンディショナー「The BAR」発表
マックスは9月28日、脱プラスチック(プラスチック容器不使用)に対応した、固形のシャンプー・コンディショナーを含む新ブランド「The BAR(ザ・バー)」の新製品発表会を開催。同社から大野範子社長、大野健剛取締役開発部長の両氏が出席し、製品の開発背景や特長を実験結果や製品評価を交えて説明した。
今回発表された「ザ・バー」は、シャンプー、コンディショナー、ボディソープの3アイテム全ての剤型が「固形」で、プラスチック容器が不要である点が大きな特徴。従来の「洗髪石けん」(石けんシャンプー)は、石けん成分と水道水が混ざり合うと、髪に軋みを引き起こす「金属石けん」が発生するが、同社では石けん成分などの洗浄成分を配合せずに「シャンプーの固形化」に日本で初めて成功(特許出願中)。コンディショナーの固形化についても、従来の製造方法とは異なる製法により実現したことで、今回の商品化に至った。
大野社長は、「ザ・バー」の開発背景について、近年注目されている「SDGs」や「海洋プラスチックごみ問題」「レジ袋有料化に伴う脱プラ機運の高まり」「欧州での環境配慮型製品の浸透」などをあげながら、「現在プラスチックボトルが不可欠な液体シャンプー・コンディショナーの『固形化』に着目するに至った」と説明した。
販売戦略については、10月1日からクラウドファンディングの「マクアケ」で限定販売した後、商品改良の検討を行い、来年2月から全国のバラエティショップやネット販売を予定。また、欧州やアジアでの販売や2025年の大阪万博に向けた宿泊施設のアメニティセットも計画している。初年度販売目標は50万個(固形シャンプー・コンディショナーの合計)。
スギHD、2021年2月期第2四半期決算は増収増益 売上高2ケタ増に
スギホールディングスは9月29日、「2021年2月期第2四半期決算説明会」を動画配信にて開催。杉浦克典副社長が出席し、当期決算概況と推進する中期経営計画の進捗について説明した。
それによると当上期連結決算は、売上高3025億9800万円(前年同期比14.8%増)、営業利益185億700万円(25.2%増)、経常利益191億9300万円(22.5%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益125億5500万円(20.0%増)と大幅な増収増益となった。
伸長要因について杉浦副社長は、「特に物販部門での販売方法や買価の見直し、高付加価値商品の提案が奏功。このコロナ禍の中、地域生活を支える拠点としての事業展開で、スギ薬局事業の売上高が2ケタ増になり、ジャパン事業でも売上げ増となった」と言及。併せて、組織業務のデジタル化の強化や積極的な新規出店策等も貢献したとの考えを示した。
また今回、杉浦副社長は今年度からスタートした中期経営計画(~22年度)での進捗状況にも触れ、「成長戦略として営業力の強化や、トータルヘルスケアの推進、経営基盤の強化としてデジタル化の推進、組織の強化などを掲げたが、今上期では多店舗出店等の既存領域の強化、一部のメーカー・卸と連携したセルフケア領域の強化等にも取り組んできた。また、生産性の改善も見られデジタル技術を活用した業務の効率化も進んでいる」と説明し、一定の評価をした上で、「本部人員の削減なども実施し、スリムでフラットな組織実現も進んでいる。また、IT系企業への社員出向など戦略的な人材育成も拡大させていく」など下期に向けて継続的に取り組む方針を示した。
2020年10月7日号 記事一覧
M&A・設立
- 小林製薬、米国の一般用医薬品メーカーを子会社化
会合・発表会
- 花王、「メリーズ」新製品発表会 最高品質「ファーストプレミアム」発売
- イオン、プラごみ対策強化と植物置きかえ食品の展開拡充へ 発表会開く
- 「MA-T産業創造戦略会議」設立発表 感染症への新技術の社会実装へ
- マンダム、新除菌ブランド「MA-T Pure」発表 除菌市場に本格参入
経営・施策
- JACDS、環境省「選ぼう!3Rキャンペーン」を支援
- イオン、新会社「イオン商品調達」がグループ商品調達機能を承継
- エステー、10月1日から一部手袋商品の出荷価格を改定
- ユニ・チャーム「ソフィ」、「ピンクリボン活動」を今年も応援
- カネボウ化粧品、デジタルビューティパートナー「コフミ」の運用開始
製品・サービス
- PRページ ライオン 衣料用液体高濃度洗剤「トップスーパーNANOX」発売
- 花王、カシミヤタッチの「メリーズ ファーストプレミアム」新発売
- ユニ・チャーム、「ソフィ超熟睡ガード」コウペンちゃんコラボ品限定発売
- アース製薬、「スッキーリ!」新ライン発売 商品展開を強化
- P&G、「パンテーン」から新シリーズ、お天気要因に左右されにくい髪へ
- クラシエHP、「プロスタイル」30周年記念「バービー」限定デザイン発売
- 小林製薬、「うる息ブレスケア」「ミーミエイド」新発売
- 大王製紙、「グ~ンまっさらさら通気パンツタイプ」にディズニー起用
宣伝販促
- 牛乳石鹸共進社、「お風呂川柳」今年も募集 11月26日は「いい風呂の日」
- クラシエHP「いち髪」、スペシャル番組を公式インスタアカウントで配信
- 桃谷順天館、プロバスケチーム「大阪エヴェッサ」とパートナー契約
- P&G、「オーラルB iO」発売記念して渡辺直美インスタライブ開催
調査・統計
- 経済産業省 20年1~7月度洗浄剤統計 「石けん」「漂白剤」堅調続く
- JCA、20年8月度チェーンストア販売概況 総販売額は4カ月連続プラスに
- エステー、衣類への価値観調査 コロナ後はスローファッション志向高まる
- ライオン「ミガコット」、昼歯みがき推進プロジェクトでアンケート実施
- ライオン「ストッパ」、小中学生おなかの実態調査を実施
イベント・展示会
- 首都圏卸組合、「令和3年度合同賀詞交歓会」を中止
施設・店舗
- サツドラHD、札幌市東区に本社を移転
訃報・葬儀
- 訃報 谷川誠士氏(カメヤマ名誉顧問) 80歳
時評・コラム
- 時評 同業の協働で未来拓く時代へ
特集 【家庭紙】
- 家庭紙市場 コロナ禍で高付加価値品の継続使用が拡大傾向に
- 大王製紙 「エリエール+Water」ソフトパックが人気
- 王子ネピア 「ネピアプレミアムソフト」トイレットロール2倍巻を新発売
- 日本製紙クレシア 「スコッティウェットティシュー」シンプルデザインに
- コアレックス信栄 抗菌・消臭効果ついた“新型ハンドタオル”販売開始
- 丸富製紙 「Hanataba」「ペンギン超ロング」から強力な新製品発売
経営・施策
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