2020年9月9日号掲載記事より
小林製薬、恒例の全社行事「全社員アイデア大会」開催
小林製薬は8月21日、今回で7回目となる恒例の全社行事「全社員アイデア大会」を開催した。この大会は、毎年同社の創立記念日である8月22日(今年は土曜日のため21日に開催)に、国内外の全社員が通常業務の手を止め、一同に新製品アイデアを考え抜くというもの。所属チームごとに社員が新製品のアイデアを持ち寄り、議論を重ねた上で、チーム代表アイデアを決定。その後社内でブラッシュアップが重ねられ、優れたアイデアは社長をはじめとする同社経営陣への提案を経て、製品化に向けた検討が進められるという。
同社ではかねてから、「新製品開発」を成長エンジンと位置付け、「枠にとらわれない柔軟な発想力」や「自由闊達な企業風土」を全社員に根付かせるため、独自の取り組みを進めてきた。
1982年にスタートした毎月全社員が必ず1件以上のアイデアを提案する「アイデア提案制度」もその1つで、この制度はアイデアの元となる世の中のトレンドや消費者ニーズの把握といった情報感度を高めることで、個人の成長を目的としたものであるが、「全社員アイデア大会」は、所属チームごとに集まってアイデアをブラッシュアップすることで、組織としての一体感や新製品開発の重要性の再認識(風土作り)、開発部門以外からも製品化アイデアが生まれることによる成功体験を得ることで、全社一丸となり「製品を育成しよう」という意識を高めることを目的としている。
同社によると、この大会を「特別なもの」として考えている社員も少なくないようで、毎月提出している提案の中から選りすぐりのアイデアを提出する社員や、日頃から温めていた未発表のアイデアをこの場で披露する社員、また、当日は具体的な製品見本を自作してプレゼンする社員もいるのだとか。
同社では「過去6回の大会のアイデアの中から製品化されたものはまだないが、開発段階まで進んだものは4品ある」としており、「全社員アイデア大会」をきっかけに誕生した新製品が上市される日が来るのもそう遠くないのかも知れない。
エステー、サーモケア事業のオンライン説明会開く 「寒さ対策+α」強化
エステーは8月27日、2020年の「サーモケア事業」に関する説明会をオンラインで開催。今期の同社サーモケア事業(オンパックス/オンスタイル)の販売戦略及びプロモーション施策について発表した。
はじめに、カイロ市場(目元用除く)の近年の推移について、直近6年間は暖冬の年が大半を占め、19年度は過去最高の記録的暖冬により、市場規模は205億円(前年比88.4%)と大きく縮小したことを報告。
また、サーモケアを取り巻く環境と課題として、「近年の暖冬の頻発」「コロナ禍」をあげ、使用者・使用機会の減少の可能性に対して、使用シーン・部位の提案を従来以上に強め、暖冬に備える必要があること、また、「新機軸商品育成」については、伸長傾向にある「オンスタイル」の更なる規模拡大を図る施策を効果的・総合的に展開していくことを強調した。
そうした背景をもとに、今期のサーモケア事業の販売戦略は「寒さ対策+αの提案強化」をテーマに、「オンパックス」は、既存カイロにおいて「貼る」タイプの販売&販促集中(複数使用シーン提案)、「オンスタイル」は、基本品揃拡充・新シーン提案品、定番化・認知拡大に注力し、ブランドに即した施策を展開し、温熱カテゴリートータルでの活性化を目指すことを明らかにした。
砂子坂サーモケア事業部長は、現時点での予測として、「今年は暖冬の可能性が低いと予測され、その場合、市場規模は200億円台後半で着地する見込みである。今年はコロナ禍が市場動向の『変数』となるため、外出機会(回数)減少の可能性がある一方で、新しい使用シーン(機会)も予想される」と述べた。
「第190回DMS定例会 上半期政策セミナー」、オンラインで開催
ドラッグストアMD研究会(DMS)は8月26日、「第190回DMS定例会 上半期政策セミナー」をオンラインで開催した。今回のセミナーは、「業界一丸となって新型コロナウイルス感染症の第2波に備えよ~対策事例から学ぶ反省と成功・新たな生活様式に対応して成長するためには~」のテーマで、ドラッグストア、メーカー・卸売業・ストアサポーターを対象に行われた。
セミナーでは、危機管理の専門企業エス・ピー・ネットワークが感染症リスクの考え方と対応方法、流通業全般の対応事例を解説したほか調査会社のインテージが感染症拡大が市場に与えた影響と今後の予測を解説、さらにドラッグストアのウエルシア薬局、卸売業のPALTACが売れ筋の変化や実践した具体的な対応事例と今後の対応方法などを説明した。
石田岳彦DMS会長(ウエルシア薬局副社長)はあいさつの中で、新型コロナの感染拡大が始まってから6カ月間、インバウンド需要の消失、化粧品の販売不振、処方箋枚数の減少などの影響があったが、生活のインフラとしての役割を果たし、生活者の安心・安全な暮らしに貢献できたとの認識を示した上で、「さらにお客様の信頼を得るには、この6カ月間を冷静に振り返り、各企業の感染症リスクに対する考え方や対応方法をさらに向上させていくことが必要である」と述べ、現状把握と今後の対策の重要性について言及した。
なお、事例報告では、ウエルシア薬局は緊急事態宣言の前・中・後における店舗立地と顧客属性別の購買行動の分析と今後の対応について解説し、PALTAは需給バランスが乱れた時の変化とその対応と反省点、市場変化と今後の対応について説明した。
ドラッグストアモリ、開店した東北1号店「明石南店」が盛況
九州を中心に、中国・四国エリアで店舗展開するドラッグストアモリは8月29日、東北エリア初出店となる「ドラッグストアモリ明石南店」(宮城県仙台市)をオープンした。
同社はオープン初日の手応えとして、「初日にもかかわらず、開店前からたくさんのお客様にご来店いただき、閉店時間まで大盛況のうちに1日目を終えた」と話している。
今回オープンした「ドラッグストアモリ明石南店」について同社は、「298店舗目の出店であり、医薬品、化粧品から日用品、精肉や野菜を含む食品、酒類に至るまで豊富な品揃えと、顧客のニーズに合った商品を、適切な情報と共に販売するカウンセリングに力を入れた地域密着型ドラッグストアとして展開していく」と説明する。
今後、同社では「店舗網を広げながら積極的に多店舗展開を進め、九州や中国、四国地区でのドミナント展開によるシェアアップを推進するとともに、東北地区でも、顧客と深い信頼関係を築いていく」としている。
ピジョン、本社内に「日本橋 母乳バンク」開設 母乳バンク協会支援活動
ピジョンはこのほど、育児用品メーカーとして日本母乳バンク協会が行う「母乳バンク」普及啓発活動に賛同し、その支援活動に加わると同時に、支援の1つとして本社1階にドナーミルクを提供する「日本橋 母乳バンク」を開設。そのオープニングセレモニーと見学会が9月1日、同社本社で開催された。
国内2拠点目となる「日本橋 母乳バンク」は、民間企業が全面的に開設をサポートした初めての母乳バンクであり、当日は日本母乳バンク協会・水野克己代表理事のほか、母乳バンク研究会会長で前厚生労働大臣の根本匠衆議院議員なども来賓として出席するなど盛大に行われた。
このセレモニーで同社北澤憲政社長は、海外の母乳バンクを見学し、免疫面でもその重要性を感じたことが契機になったとした上で、「育児用品メーカーとして、1人でも多くの赤ちゃんを救いたいという強い決意の下、支援をしていきたい」とその思いを語った。
「日本橋 母乳バンク」の特長は、処理能力の高い低温殺菌機械を取り入れ、年間2000㍑の母乳が処理でき、約600人の早く小さく生まれた赤ちゃんにドナーミルクを届けられること。施設面積は25平方㍍で、2人の常駐スタッフがいる。運営は日本母乳バンク協会が行っていく。
2020年9月9日号 記事一覧
M&A・設立
- 楽天と東急、データマーケティング会社を共同設立 東急ストア等に導入
会合・発表会
- 東海卸組合、「化粧品・トイレタリー合同部会」をリモート開催へ
- NPO法人ゼリ・ジャパン、再生可能エネ100%・CO2排出ゼロのボートを披露
経営・施策
- PALTACとKRC、2020年度ロジスティクス大賞受賞
- 花王、「ワンウェイプラスチックの水平リサイクル」事業の実証を開始
- ユニ・チャーム、九州工場の年間使用電力をグリーン電力に切り替え
- イトーヨーカ堂、「AI(人工知能)発注」の仕組みを全店に導入
- ユニ・チャーム、「DX銘柄2020」に選定 取り組みが評価
- P&G「パンパース」、低出生体重児とその家族の支援キャンペーンを開始
- 旭化成HP、防災に役立つ「もしものときのサランラップ活用術」公開
- 桃谷順天館、大切な人に贈る自社カタログギフトを新入社員に贈呈
- デンタルプロ・大田本部長インタビュー 「デンタルプロハブラシ」新発売
製品・サービス
- TIS、スーパーアプリ事業者とWidgetの連携促す基盤サービスを開始
- 花王、「ソフィーナiPインターリンクセラム」から濃厚保湿タイプ発売
- 花王、「セグレタ プレミアムスパフォーム」新発売 濃密な炭酸泡
- ダリヤ、「パルティ カラーリングミルク」から新色と髪色もどし新発売
- マンダム、「ビフェスタ炭酸泡洗顔シリーズ」から数量限定品
- ナリス化粧品、「ネイチャーコンク」7周年でミッキー&ミニー限定品発売
- P&G、「アリエール バイオサイエンスジェル/ジェルボール」発売
- P&G、「ジレットス キンガード」に摩擦軽減モーター搭載品を追加
- エステー、「消臭力プレミアムアロマ」からクラシックセオリーの香り発売
- クラシエHP、「肌美精 超浸透3Dマスク(紅葉)」数量限定発売
- フマキラー、秋の新製品発表 「ウイルシャット衣類用」など
- ライオン、「開運干支石けん(丑)」法人向け期間限定予約販売を開始
- バスクリン、「ソフレ マイルド・ミー ミルク入浴液」限定品発売
- 大王製紙、「アテント夜1枚安心パッド 朝までぐっすり8回吸収」発売
- 花王、「エスト バイオミメシスヴェールディフューザー」レンタル開始
人事・組織
- エステー、組織変更・人事異動を発表
- 小津産業、役員を選任
調査・統計
- 7月度の各小売業売上高 チェーンストア2.6%増、スーパー5.6%増
- ライオン、新型コロナでの働き方の変化が「睡眠の質」に及ぼす影響を調査
- プラネット 「コロナ流行化での運動」意識調査実施 運動頻度が増える
イベント・展示会
- AJD、「20秋季商品フェア」オンライン開催 総売上金額は188億円
- JILS、「ロジスティクス基礎講座」受講者募集 今年はオンライン開催
- 経済産業省、「トイレットペーパーの備蓄推進」パネル展示を実施
施設・店舗
- ライオン、2023年春に東京・蔵前の大型複合施設への本社移転計画を発表
- セブン-イレブン、ラオス初進出 22年に1号店を首都ビエンチャンに開店
- コーナン商事、新業態キャンプ専門店「CAMP DEPOT」オープン
時評・コラム
- 泡沫 弱者に寄り添い、透明性ある政治の回復を
その他
- スギ薬局の情報冊子「生活習慣病リスクレポート」を東京都中野区が採用
特集 【H&BC/オーラルケア】
- オーラルケア市場 衛生意識の高まり背景に安定成長
- エビス 鈴木本部長インタビュー “健康・簡便化志向”テーマに企画販促
- ライオン 「システマハグキプラスハミガキ/デンタルリンス」改良
- サンスター 「ガム・ウェルプラス」シリーズから曲がるソフトピック発売
- 稲田歯ブラシ プレミアム歯ブラシ「デントスターEX」が好評
- P&G 「オーラルB」から歯間クリーナー6種を今春発売
- アース製薬 液体ハミガキ「モンダミン NEXT 歯ぐきケア」新発売
- 花王 義歯洗浄剤「ディープクリーン シュッシュデント」新発売
- ファイン ブラシ素材に植物由来100%の毛材使用した歯ブラシを導入へ
- 小林製薬 超極細毛先の「生葉もふもふ磨けるブラシ」新発売
- デンタルプロ パーフェクトケアを提案「デンタルプロハブラシ」新発売
- 池本刷子工業 「デュボア オーラルヘルスケアハブラシ」発売
- UFCサプライ 「コドモハブラシ ブラッシィ」など積極展開
- ラピス 「NASAシリーズ」新発売 磨きやすさを追求
- サラヤ 「クルクリンPGガード 薬用ハミガキ」今春新発売
- DHL 曲がるネックの子ども用歯ブラシ「まがるハブラシ」が好評
- アイオニック イオン歯ブラシ「アイオニック ビューティ」新発売
- シャボン玉石けん 「せっけんハミガキ」シリーズ好調 目覚め歯磨き提案
- サンギ 「アパキッズ」からグレープ風味を新発売
- P&G 充電式電動歯ブラシ「オーラルB iO(アイオー)」新発売
- 紀陽除虫菊 L8020乳酸菌の洗口液や高機能な義歯洗浄剤を展開
- 鳴門屋 「NARUTOネオブラシケア」健康歯ブラシが好評
経営・施策
製品・サービス
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