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2020年7月22日号掲載記事より

2020年は特別な年に 前を向き、協力体制で試練に立ち向かう勇気を

2020年は特別な年に 前を向き、協力体制で試練に立ち向かう勇気を

 2020年は、日用品化粧品業界にとって、これまでのどの年とも比較できない特別な年になるだろう。それは1月下旬から始まった新型コロナウイルス感染拡大に起因しているのは言うまでもない。年初に、これほど国内市場がコロナ禍により影響を受けるとは、誰一人として想像できなかったはずだ。それが与えたダメージはあまりにも深刻だった。特に製品を供給するメーカーにとっては、すべてが、過去には経験したことがない決断であり、取り組みであったといえる。
 当業界においてコロナ禍による消費動向の変化が表れたのは、新型コロナウイルス感染拡大の報道が拡大し始めた1月下旬。それはマスクへの急速な需要拡大から始まり、店頭での品切れが相次いだ。2月に入り、コロナ禍報道の過熱ぶりに合わせるように、商品特需の動きは、家庭紙関連商品などにも波及し、ティッシュペーパーやトイレットペーパーが店頭から消えるという、1970年代のオイルショックを思わせる光景が3月上旬まで続くことになった。
 コロナ禍で企業が初めて体験したものは複数あるとして、その中でも最も大きな衝撃だった1つが、新製品発表を中心にした会合やイベントの中止ではなかっただろうか。
 またコロナ禍において、企業が対応に追われたもう1つが、社員の安全を確保しながらも、企業活動を継続させることだった。
 コロナ禍はまだ収束したわけではない。むしろ、新型コロナウイルスとの戦いは始まったばかりといえる。メーカー各社にとっては、これからも多面的な対策や戦略が求められるだろう。
 当業界にとしては、この試練に対して、しっかりと前を向きながら、業界内あるいは業界を横断した協力体制で臨むことが喫緊の課題となっている。

コスモス薬品、2020年5月期決算は売上高・利益ともに過去最高

コスモス薬品、2020年5月期決算は売上高・利益ともに過去最高

 コスモス薬品は7月14日、決算説明会を開き、横山英昭社長、柴田太経営企画部長が出席して、2020年5月期の業績、出店戦略などについて説明。同期の業績は売上高6844億300万円(前期比12.0%増)、営業利益290億9400万円(17.4%増)、経常利益315億6200万円(15.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益214億3500万円(11.7%増)となり、売上高・利益ともに過去最高を更新した。
 同期の決算について横山社長は、「消費増税とコロナ感染拡大という大きな外部環境の変化があった中、増税は国民が価格センシティブになる国家的イベントと捉え、当社は価格据え置きの対応を行った。1月、2月はマスクや消毒剤など衛生用品の需要が急増。2月末から3月にかけてはトイレットペーパーがなくなるというデマにより需要が急増し、必要としているお客様が購入できないことを防ぐ対応により、物流費、人件費等、多額のコストが発生した。トイレットペーペーパーの既存店売上前年同月比は5月95%となり、6月以降は戻り始めたが全体の伸びほどは回復していない。3月以降は食品の需要が伸び、4月以降は、自粛生活の中、生活必需品を安く売っている当社が家の近くにあって助かったと思っていただけたと捉えている」と話した。
 同期の出店は、関東地区6、中部地区14、関西地区29、中国地区8、四国地区3、九州地区20、合計80店。新型コロナの影響による渡航制限の影響によるインバウンド需要の急激な減速があったため、同需要の比率が高かった都市型店8店舗を閉鎖。加えて、黒字の小型店を競争力のある大型店につくり替えるスクラップ&ビルドにより7店舗を閉鎖し、合計15店舗を閉店、これにより同期末の店舗数は1058店となった。
 次期出店については新規85、閉店4を予定。関東地区には5月末まで郊外型店を2店舗出店しているが、さらに積極的な出店を進め、同地区は約20店になる見通し。都内の都市型店の出店については、物件があればチャレンジするが、主力はあくまで食品満載の郊外型フード&ドラッグとして取り組んでいくとしている。

メディセオ、「メディカル流通センター東京」千葉県浦安市に竣工

 メディパルホールディングスの完全子会社・メディセオは、千葉県浦安市にシェアリング・ロジスティクス・センター「メディカル流通センター東京」を7月15日に竣工した。稼働開始時期は9月を予定している。
 同センターは、昨年8月22日まで稼働していた同社「東京物流センター」をフルリノベーションした多目的医薬品流通センターで、GDPガイドラインに準拠した高水準の物流機能の他、在庫保管や流通加工、トラックターミナルなどの設備も有している。
 同社では、近年、変化する流通ニーズに対応するべく、これまでALCの運用で培ってきた高機能な物流ノウハウを活用し施設の竣工に至ったと説明する。
 メディパルグループでは現在、医療用医薬品等の流通において製薬企業から医療機関まで安全・安心・効率的に結ぶ体制を構築するべく、ALC(Area Logistics Center)の全国展開を進め、12カ所で稼働している。
 今後は、商品流通における多様なニーズに対応できるシェアリング・ロジスティクス・センターとして、医療用医薬品等の物流事業会社や、同社グループへの賃貸を予定している。

花王、「リセッシュ除菌EX」で布上のウイルス99%の除去効果を確認

花王、「リセッシュ除菌EX」で布上のウイルス99%の除去効果を確認

 花王は、衣類・布・空間用消臭剤「リセッシュ除菌EX」について、第三者機関(日本食品分析センター)によるウイルス除去試験を6月に実施し、その結果、同品が、布上のウイルスを99%除去することがわかった(すべてのウイルスを除去するわけではない)と発表した。
 試験では、エンベロープタイプのウイルス1種をつけた綿布にリセッシュ除菌EXを滴下し、所定時間後ウイルス除去効果を測定したところ、布上のウイルスを99%除去できることを確認した。リセッシュWebサイトで同内容を公開している。
 新しい生活様式が浸透する中、手洗い・うがいなどの直接肌に触れる部分だけではなく、衣類も清潔に保ちたいという意識が高まっており、「リセッシュ除菌EX」は、外出前や帰宅時、オフィスなど様々な場面で、毎日洗えないスーツやコート、制服などにシュッとスプレーする新習慣を提案する。

サミット、都心100坪の「サミットストア神田スクエア店」オープン

サミット、都心100坪の「サミットストア神田スクエア店」オープン

 サミットは、7月10日、東京都千代田区に同区内初出店となる「サミットストア神田スクエア店」をオープンした。都心で100坪の小型店だが、スーパーマーケットとして生活者に納得してもらえる店づくりを目指した同社の新たな挑戦の試金石となる。
 同社にとって売り場面積100坪クラスの店舗運営は八幡山店(05年閉店)以来となるが、小型店で培ってきた経験を生かし、他にはない顧客に寄り添った買い回りしやすい店づくりの実現を目指している。
 同日行われた記者会見で竹野浩樹会長は、「当社の課題は都心への出店である。これまで様々な挑戦を続けて成果を出してきたが、都心では300坪クラスでも中々物件が出てこないのが現状だ。その克服のためには、さらにダウンサイジングが必要であり、100坪の神田スクエア店にチャレンジする。これから100坪の店舗を展開するにはこの店が実験店になる。必要なモノを補充買いする店ではなく、スーパーマーケットしての機能を理解していただき、利用していただける店になることを目指し、それができれば当社の新しい未来が拓けると考えている」と述べた。
 服部哲也社長は、「コロナの影響で生活が制約されている中、これまでのやり方を見直すことがニューノーマルだと考えているが、神田スクエア店は当社にとってはニューノーマルを思考していく試金石になると捉えている。100坪の店でありながら、インストア加工のバックヤードを見せるなど通常ではありえないことも挑戦しており、店の活きいき感、シズル感を出せたと考えている」と語った。


2020年7月22日号 記事一覧


特集 【夏季特別号①】

    特別企画

    • 入浴剤夏商戦 コロナ禍、夏も入浴で疲労回復へ
    • 入浴剤夏商戦 花王 「バブ メディキュア爽快リカバリー」新発売
    • 入浴剤夏商戦 アース製薬 「温泡 ONPO ボタニカル」に新アイテム
    • 入浴剤夏商戦 バスクリン 「さっぱり爽快入浴」を提案
    • 入浴剤夏商戦 白元アース 積極的な新商品投入で売上げ伸ばす
    • 殺虫剤・虫対策用品夏商戦 20年商戦前半は前年比122%と好調
    • 殺虫剤・虫対策用品夏商戦 フマキラー 広告宣伝、店頭展開強化で拡販
    • 殺虫剤・虫対策用品夏商戦 大日本除虫菊 「ゴキブリムエンダー」好発進
    • 殺虫剤・虫対策用品夏商戦 アース製薬 虫ケア用品が好調

    M&A・設立

    • サラヤ、インドの衛生関連商品メーカーの株式を70%取得

    会合・発表会

    • コーセーマルホファーマ、「カルテヒルドイド」WEB発表会開催

    経営・施策

    • 全卸連、10月29日開催予定の「第46回通常総会」中止を決定
    • プラネット・田上社長インタビュー 「“ラストワンマイル”見定めて」
    • セブンーイレブン、「令和2年7月豪雨」続報 被害状況と支援物資送付
    • キリン堂、需要予測型自動発注システムを全店舗に導入へ
    • ユニ・チャーム、「MSCI日本株女性活躍指数(WIN)」構成銘柄に選定
    • アイリスオーヤマ、宮城県・角田工場から国産マスクの出荷を開始

    製品・サービス

    • クロバーコーポレーション、「機能性石けんシリーズ」7種類が好評
    • 王子ネピア、「ネピアGenki!パンツ」パッケージリニューアル
    • 大王製紙、「エリス素肌のきもち超スリム羽つき」からシンプルデザイン
    • 日本製紙クレシア、「ポイズ 肌ケアパッド超スリム」シリーズを改良
    • マンダム、「マンダム 除菌アルコールスプレー〈ラージサイズ〉」新発売
    • ライオン、「香りつづくトップ抗菌Plus Shiny Rose」新発売
    • エステー、「クルマの消臭力 FOR SPORTS」発売 車内のニオイ対策
    • クラシエHP、「ディアボーテHIMAWARI」ムーミン刺繍限定品発売
    • 資生堂、手指消毒液の一般販売開始 8月上旬から発売
    • コーセーコスメポート、無添加薬用処方クリーム「セラミエイド」発売
    • エビス、「プレミアムケアズ 濃密美細泡・90g」など新製品が好調な動き
    • PRページ NSファーファ 「ファーファ ファインフレグランス」改良

    宣伝販促

    • MTG、「ピコウォッシュ!薬用石鹸」プレゼントキャンペーン実施中

    人事・組織

    • フェザー安全剃刀、役員を選任

    決算

    • 良品計画、2020年8月期第1四半期決算は41億円の最終赤字

    調査・統計

    • インテージが調査 コロナ後の「New Normal 9大テーマとは?」
    • KSP-POS 2020年6月 カテゴリー別ランキング
    • 日本香堂が生活者意識調査、移動緩和で夏休みの「お墓参り」51%に
    • KSP-POS 2020年上半期 カテゴリー別ランキング

    イベント・展示会

    • リードEXPO 「COSME Week」9月に大阪で初開催 狙いや見どころを訊く

    特集 【夏の保存・調理関連品】

      経営・施策

      • 保存・調理関連品夏商戦 自粛生活に伴う巣ごもり消費で需要は拡大

      製品・サービス

      • ライオン 「リード冷凍も冷蔵も新鮮保存バッグ スライドジッパー」発売
      • 宇部フィルム 高品質のポリエチレンラップ「ポリラップ」を安定供給

      宣伝販促

      • 旭化成HP 「保存」「作り置き」「簡単調理」 3つの切り口で企画提案
      • クレハ 季節や食トレンドに合わせた企画を提案


      上記トピックスは要約版です。記事の詳細・全文は、日用品・化粧品業界の専門紙「H&BC マーケティングニュース」最新号(水曜日発行)でご覧になれます。お申し込みは刊行物案内をご参照ください。