バックナンバー

2020年7月15日号掲載記事より

「令和2年7月豪雨」流通にも店舗に被害 復旧と支援活動を同時に展開

「令和2年7月豪雨」流通にも店舗に被害 復旧と支援活動を同時に展開

 7月5日から九州北部に停滞した梅雨前線が引き起こした「令和2年7月豪雨」は、九州7県に広がり、河川の氾濫、崖崩れなどが発生、倒壊や浸水などの住宅被害が相次ぎ、8日には岐阜県、長野県など本州にも拡大した。生活者のライフラインを支える流通にも被害が出ており、被災地の小売業が店舗の休業を余儀なくされている。被害のあった小売業では店舗の復旧活動を進めつつ、被災地への支援活動を同時に行うなどの対応に全力を挙げている。
 店舗の被害が目立っているのは多店舗展開するコンビニエンスストアだ。セブン―イレブンは、7日9時現在、10店舗(福岡県5、熊本県5)が避難指示や設備の入れ替え作業のため休業。ローソンは、9日10時現在、浸水及び避難指示等により15店舗(熊本県3、福岡県2、大分県1、岐阜県9)を休業している。
 ドラッグストアでは、コスモス薬品の芦北店(熊本県)が浸水被害により4日から営業を休止していたが6日から通常営業を開始した。サンドラッグは、福岡県の大牟田店が浸水被害のために休業しており、7月下旬の再開を予定している。
 スーパーマーケットでは、サンリブグループのマルショク芦北店、人吉店が臨時休業(9日10時現在)。マックスバリュ九州は、長崎県の大村諏訪店を6日から休業していたが、9日から一部営業を再開した。
 このほか支援活動では、イオンが各行政からの要請に基づき、支援物資を提供。コンビニ各社もおにぎりや菓子パン、水などを届けている。さらに、ユニクロを展開するファーストリテイリンググループは緊急衣料支援として、熊本県に避難所生活で必要とされる各種衣料を寄贈した。
 今回の豪雨による被害は、コロナ禍中での被害であり、復旧活動、地域住民への商品提供、販売など感染予防対策に気を配りながらの対応が続いている。

薬王堂、PALTAC、ユニ・チャームが協働の物流施策が大賞受賞

 薬王堂、PALTAC、ユニ・チャームが3社協働で実施した、業界初となる「キャリーを活用した一貫ユニットロード化」の取り組みが、7月3日、製・配・販連携協議会「サプライチェーンイノベーション大賞2020」の「大賞」を受賞した。
 同賞は、経済産業省が事務局を務める製・配・販連携協議会が、国内におけるサプライチェーン全体の最適化に向け、製・配・販各分野の協力の下で優れた取り組みを行い、業界を牽引した事業者に対しその功績を表彰するもの。
 今回の取り組みについて3社は、「製・配・販の相互協力により、異なる種類の什器に代えて一貫して『キャリー』を活用することにより、配送効率化とともに、流通過程の各所で発生していた積替えなどの作業回数を減らし、作業者・ドライバーの負担軽減と労働時間の減少(従来比約60%減)を実現し、サプライチェーン全体の最適化・効率化を図ることができた。また同時に、働き方改革やホワイト物流の推進などにも繋がり、持続可能な社会に向けた、SDGsの達成にも貢献していると考えている。
 今後も、製・配・販が協働で創意工夫を図り、サプライチェーン全体の無駄を無くすとともに、新たな価値を創造する仕組みを構築していく」としている。

イオン、第1四半期業績は純損失539億円 新型コロナ拡大が影響

 イオンは7月8日、2021年2月期第1四半期連結決算を発表。それによると、営業収益2兆762億7800万円(前年同期比1.9%減)、営業損失125億5200万円、経常損失160億7200万円、親会社株主に帰属する四半期純損失539億7300万円となった。新型コロナウイルス感染拡大の下、感染防止のため、緊急事態宣言を受けての店舗の臨時休業や営業時間短縮を実施。これらの対応に起因する費用及び損失等で、298億9300万円を新型感染症対応による損失として特別損失に計上した。
 セグメント別業績では、SM事業は営業収益8586億7900万円(8.4%増)、営業利益182億3300万円と増収増益であった。新型コロナウイルスの感染拡大の中、外出自粛要請や各種学校の臨時休校、在宅ワークの推進など、在宅需要の拡大が大きかった。
 また、ヘルス&ウエルネス事業も、営業収益2343億7300万円(10.0%増)、営業利益99億5300万円(31.0%増)と増収増益に。ウエルシアホールディングスでは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で衛生用品や食品の売上げが伸長。また、調剤併設店舗の加速化により、売上高は前年を上回った。
 一方、GMS事業は営業収益7061億8500万円(6.4%減)、営業損失329億6800万円と減収減益。外出自粛の中、販売面では新入学・新生活など社会行事の大幅な縮小、旅行やイベント等の自粛により衣料・住居余暇のシーズン商品に大きな影響を受けたことが減益の大きな要因であった。

クスリのアオキHD、2020年5月期決算は売上・各利益とも2ケタ増に

 クスリのアオキホールディングスは7月2日、2020年5月期決算概況を発表。売上高3001億7300万円(前年同期比19.6%増)、営業利益163億5900万円(15.6%増)、経常利益168億2900万円(15.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益124億1600万円(16.6%増)となり、既存店の活性化に加え、各エリアでの積極的な新規出店、さらには調剤併設化店舗の加速化が奏功し、売上げ・各利益とも2ケタの大幅増となった。
 同社では、「売上高3000億円は当初計画を2年前倒しで達成した。また進める高速出店も維持、業務改革による人件費率10%前後も維持できた。経常利益高も10年連続での増収増益となった」と総括。次期についても、コロナ禍の影響から第三次中期経営計画開始を1年延期するとした上で、「出店計画を95店舗に抑え、人材希薄化の改善に注力するなど、基盤づくりの年としたい」としている。
 商品部門別売上高は、ヘルス(医薬品・健康食品等)が344億3300万円(14.5%増)、ビューティ(カウンセリング化粧品・フェイスケア商品等)が482億8500万円(11.2%増)、ライフ(食品・家庭用品等)が1901億3200万円(23.2%増)、調剤が273億2200万円(18.5%増)であった。
 なお、次期業績予想は売上高3120億円(3.9%増)、営業利益165億円(0.9%増)、経常利益169億円(0.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益118億円(5.0%減)を見込む。

紀陽除虫菊、酸素系漂白・洗浄剤「オキシウォッシュ」に新アイテム追加

紀陽除虫菊、酸素系漂白・洗浄剤「オキシウォッシュ」に新アイテム追加

 紀陽除虫菊は、好調な販売が続く酸素系の漂白・洗浄剤「オキシウォッシュ」シリーズから5月8日にスッキリ洗えるシューズ用漂白剤「オキシウォッシュつけおき洗剤 スニーカー・上履き用」を新発売した。
 同品は、オキシウォッシュシリーズならではの高品質な酸素系漂白剤に酵素をプラスし、泥汚れに強く、つけおきするだけで頑固な汚れもスッキリ漂白、除菌、消臭してくれるのが大きな特長となっている。
 同社が展開する「オキシウォッシュ」シリーズは、多くの販売店で定番品となっている「オキシウォッシュ酸素系漂白剤」や、そのままポンと入れるだけの「オキシウォッシュ酸素系漂白剤 水溶紙パック」など、少量サイズから大容量まで品揃えも充実しており、お試しからふだん使いまでライフスタイルに合わせて選べるようになっている。
 いずれも国内生産で高品質な原材料を使い、独自処方による洗浄力の高さが強みとなっており、洗濯時の漂白剤としてだけでなく、キッチン関係や掃除などマルチに使え、布マスクなどの洗浄・除菌にも使える。
 「オキシウォッシュ」は、2017年12月の発売以来、100円ショップ、スーパー、ホームセンター、ドラッグストア、バラエティショップ、ネットショップなど様々な販売店で購入できることによる取り入れやすさと、洗浄力の高さから販売拡大が続いており、新発売の「スニーカー・上履き用」も今後の更なる売れ行きが期待されるところとなっている。


2020年7月15日号 記事一覧

M&A・設立

  • 伊藤忠商事、ファミリーマートの株式公開買い付け(TOB)を実施

会合・発表会

  • 西化工、第70回通常総会を書面決議で開催 副会長に駒宮一寿氏(資生堂)

経営・施策

  • イオン、九州豪雨に対する支援物資提供を実施 食料・衣類など届ける
  • 花王、GPIFが選定する全てのESG指数の構成銘柄に継続採用
  • 小林製薬、大阪府医師会に新型コロナ支援で「熱中対策冷感スプレー」寄贈
  • ユニリーバ・J、高校生インターンシップを初の完全オンライン形式で開催
  • ライオン、生物多様性保全活動を全事業所でスタート
  • ユニ・チャーム、「コアタイム撤廃」など実施 新しい社員の働き方を発表
  • ユニリーバ本社、気候変動対策等の取り組み開始 アクションプラン発表
  • ヤマサキ、オリジナルハンドソープ1000本を広島県医師会に無償提供
  • ウテナ、東京都世田谷区の介護施設へ保湿ジェルを無償提供

製品・サービス

  • 王子ネピア、「アイソレーションガウン」販売開始 医療・福祉施設を優先
  • マンダム、「エムフォーダイレクトセンサーパッチ」発売日を延期
  • ライオン、「NONIOプラスホワイトニングハミガキ」発売
  • ユニ・チャーム、「ナチュラルムーニー」大入り数52枚入り限定発売
  • バスクリン、「きき湯」リニューアル 現代人に向けて亜鉛を新配合
  • サンギ、「アパガード」発売35周年記念して手軽なお試しセット限定発売
  • サンスター、「健康道場 飲む一善分カカオプラス」通販で新発売
  • カネボウ化粧品、「KANEBO」スキンケアの主力商品を刷新
  • コーセーコスメポート、「グレイスワン」シワ改善スキンケアシリーズ発売
  • I-ne、「ボタニスト」ヴィーガンラインに「スムース」を追加発売
  • ファンケル、「溶かして飲む 夏の塩レモン」発売 熱中症対策最適サプリ
  • 新菱、抗ウイルス・抗菌「アンチウイルススプレー」ECサイトで発売

宣伝販促

  • フマキラー、「ゴキファイタープロ ストロング」新CM放送決定
  • ユニリーバ「AXE」、「Fateシリーズ」新作劇場版とコラボキャンペ実施
  • ライオン「バファリン」、セーラームーン劇場版とコラボキャンペーン実施
  • ライオン、「スマイルホワイティエ」プレ花嫁を対象にキャンペ実施中
  • サンギ、「アパデント」発売40周年記念キャンペーン実施
  • エステー、「消臭力」発売20周年記念キャンペーン実施 豪華賞品当たる

人事・組織

  • イトーヨーカ堂、7月8日付で機構改革を発表
  • 大木ヘルスケアHD、役員を選任
  • ちふれHD、グループ各社取締役等人事を発表

決算

  • 大黒天物産、2020年5月期連結業績は増収増益に

研究・開発

  • マンダムと関学、ボディペーパー使用でポジティブな感情高まることを証明

調査・統計

  • 一般薬連、「セルメ税制」生活者調査公表 認知度・利用意向とも横ばい
  • 西化工 20年1~4月化粧品統計 コロナ禍で化粧品合計は前月から更に悪化
  • 東家同 20年6月度市況概況価格調査 商品供給優先を継続して、安定販売
  • 流通BMS協議会、流通BMS導入企業数は1万4609社に
  • エステー、巣ごもり中の食材保存の実態調査 まとめ買いで庫内食材が増加

イベント・展示会

  • 東南アジア最大級の不織布産業総合展示会、11月にタイ・バンコクで開催

時評・コラム

  • 時評 キャッシュレス浸透に残る課題
  • らいたあ コロナ禍を機会に日用品「ローリングストック」再点検


上記トピックスは要約版です。記事の詳細・全文は、日用品・化粧品業界の専門紙「H&BC マーケティングニュース」最新号(水曜日発行)でご覧になれます。お申し込みは刊行物案内をご参照ください。