2020年5月20日号掲載記事より
PALTAC、2020年3月期決算発表 過去最高の売上高を更新
PALTACは5月12日、2020年3月期決算短信を発表。天候不順やインバウンド低迷、消費増税、新型コロナ禍など厳しい事業環境の中、概ね計画水準での着地となった。売上高は拡大も成長投資に伴う一過性費用発生により営業減益となった。
同期業績は売上高1兆464億円(前期比3.1%増)、売上総利益815億円(2.4%増)、販管費568億円(4.7%増)、営業利益247億円(2.7%減)、経常利益273億円(4.2%減)、当期純利益254億円(28.6%増)となり、売上高は過去最高を更新した。
売上高は小売業、メーカーとの取組み強化を着実に推進。気候要因による夏物・冬物商材の苦戦や、中国EC法による代購(インバウンド)需要減などマイナス要因があったが、新型コロナの影響による感染予防の商材等の需要増等もあり、311億円の増収となった。
商品分類別の売上高は、化粧品2659億円(前期比0.2%増)、日用品4544億円(4.4%増)、医薬品1378億円(0.8%減)、健康衛生1722億円(7.4%増)、その他159億円(3.2%増)となり、医薬品以外のカテゴリーで前期を上回った。
なお、第4四半期(20年1~3月)における新型コロナの影響については、インバウンド需要において、コロナ禍による出入国制限が始まった2月以降、インバウンド客の購買が激減し、50億円の減となった。また外出自粛など生活スタイル変容により25億円減、暖冬傾向によるカイロなど冬物商材の不調により5億円減とマイナス要因が大きかった。一方で、感染拡大予防に直結した商材需要の急増(60億円増)、外出自粛による紙関連・洗剤関連・キッチン用品等の購入増加(70億円増)などの需要増が影響し、トータルでは50億円のプラスとなった。
あらた、2020年3月期決算は増収増益 「2030年 ありたい姿」の発表も
あらたは5月13日、動画配信により2020年3月期連結決算、新型コロナウイルス感染症の影響、中期経営計画のハイライト、「2030年将来ビジョン」などについて須崎裕明社長が説明した。
同期の連結業績は、売上高7962億2700万円(前期比5.5%増)、営業利益93億2600万円(4.9%増)、経常利益101億2400万円(7.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益71億9100万円(4.2%増)の増収増益となった。要因は、強化カテゴリーのヘルス&ビューティー(H&B)が順調に伸長したこと、新型コロナウイルスの影響による衛生関連品、家庭紙などの特需等による。
カテゴリー別売上高は、H&B2499億7300万円(5.1%増)、ハウスホールド1119億9200万円(6.0%増)、ホームケア690億8400万円(0.4%減)、紙製品1621億5000万円(10.1%増)、家庭用品552億8200万円(5.8%増)、ペット・その他1477億4400万円(4.0%増)。
また、同社は「2030年 あらたのありたい姿」として、「あらたが創出する経済価値」「あらたが社会へ提供する価値」を定めた。
経済価値は、人々の夢をかなえるための売上高を創出すること(1兆円<売上高=夢)とし、社会へ提供する価値は、①社員にとって働き甲斐のある会社②サプライチェーンに好循環を生む会社③消費者に豊かで快適な生活を届け続ける会社④地球環境に配慮した事業を行う会社――と設定。
この「ありたい姿」を実現するために、「快適な暮らしの総合プロデューサー」を目指す。“プロデュース”には“生み出す”と“価値を高める”という意味を込めている。社会課題の解決や人々のより良い暮らしのために中間流通に止まらない様々な機能を備え、サプライチェーン全体をプロデュースする。
フマキラー除菌剤4製品の新型コロナウイルスに対する効果を新たに確認
フマキラーは5月7日、新型コロナウイルスへのウイルス不活化試験を外部研究機関(国立大学法人広島大学大学院医系科学研究科ウイルス学研究室)で実施し、新たに4製品の効果を4月28日に確認したと発表した。
新たに効果を確認した製品は、「アルコール除菌どこでもクリーナー300mL」「アルコール除菌どこでもクリーナーつけかえ用300mL」「フマキラーアルコール除菌タオル100枚入」「フマキラーアルコール除菌タオルつめかえ用80枚入」の4製品。
試験結果は、「アルコール除菌どこでもクリーナー」が減少率99.99%以上、「フマキラーアルコール除菌タオル」が99.9%以上で、検出限界以上の不活化効果を発揮しており、感染価を大幅に低減させることが確認された。
「アルコール除菌 どこでもクリーナー」は、発酵アルコールとアルカリイオン水が、様々な汚れを落とすだけでなく、天然抗菌成分GSE(グレープフルーツ種子エキス)の力も合わせて、細菌・ウイルスを除去・抗菌できる除菌洗浄剤。
「フマキラーアルコール除菌タオル」は、発酵アルコールを使用し、天然抗菌成分GSE(グレープフルーツ種子エキス)の添加をすることで効力の増加を図っている。ヒアルロン酸Naも配合し、手肌にやさしいウェットティシュタイプの除菌製剤。
花王、北里大学 感染抑制能(中和能)有するVHH抗体の取得に成功
北里大学大村智記念研究所ウイルス感染制御学Ⅰ研究室片山和彦教授ら及びEpsilon Molecular ngineering(EME)、花王安全性科学研究所の研究グループは、5月7日、新型コロナウイルスに対して感染抑制能(中和能)を有するVHH抗体の取得に成功したと発表した。この研究成果は、新型コロナウイルス感染症の治療薬や診断薬の開発に繋がることが期待される。
花王は、EMEが有するハイスループットVHH抗体スクリーニングを可能とするcDNAディスプレイ技術の提供を受け、ヒト培養細胞で発現させた新型コロナウイルスのS1タンパク質を標的分子に用いたスクリーニングを実施し、候補となるVHH抗体の配列情報を取得。長年の研究開発で培ったバイオ生産技術を活用することで、候補VHH抗体の配列情報から得られた候補遺伝子の人工合成を行い、微生物によるVHH抗体生産を行った。作製したVHH抗体の標的分子に対する結合能を評価したところ、VHH抗体が標的分子と結合することが確認できた。
北里大学大村智記念研究所ウイルス感染制御学I研究室が、同VHH抗体の新型コロナウイルス粒子への結合と、中和活性の有無を確認することで感染抑制能を評価したところ、同VHH抗体を添加した場合に新型コロナウイルスの細胞への感染が抑制されていることを確認。このことから、取得したVHH抗体は新型コロナウイルスに結合するだけでなく、感染抑制能を有することが明らかとなった。
今回の研究では、新型コロナウイルスに対して結合することで感染能の抑制が期待できるVHH抗体の取得に成功した。この成果は新型コロナウイルスの治療薬や検査薬の開発に繋がることが期待できる。今後、今回の成果を世界中で活用できる方法について検討し、発信していく。
マツキヨHD、2020年3月期連結業績は売上高・各利益とも過去最高を更新
マツモトキヨシホールディングスは5月13日、2020年3月期連結決算業績を発表した。
それによると、売上高5905億9300万円(前年同期比2.5%増)、営業利益375億6300万円(4.3%増)、経常利益399億8500万円(2.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益261億7600万円(4.6%増)の増収増益となった。
同社は当業績について、「前期まで取り組んだ中長期的戦略テーマが一定の成果を上げたことから、ローリングした戦略3テーマ『専門性×独自性による美と健康の地域貢献』『既存の枠にとらわれない新しいビジネスの創造』『企業価値を高めるグループ経営の高度化』に取り組んだ」とした上で、具体的には、「健康サポート薬局認可34店舗における地域医療連携の推進や調剤サポートプログラム契約の全国拡大主要都市での至近距離出店、インバウンド需要獲得のための既存店での免税対応店舗の拡大等を図った。また、キャッシュレス化の促進や資生堂やカネボウ化粧品等NBメーカーとの共同企画品発売、多彩なフォーマットによる新規出店などの各施策の奏功、KPI管理による経営の効率化促進などの結果、小売事業は順調に拡大した」と総括。
一方で、第4四半期業績についても言及。「暖冬の影響から冬物商品が厳しく、かつ新型コロナウイルス感染症の影響でマスクや除菌関連製品等で特需があったものの、化粧品需要が大きく低下し、インバウンド売上げも大きく減少した」と説明した。
2020年5月20日号 記事一覧
会合・発表会
- 東流社、なとわ会総会を書面決議で実施 第25期は増収減益
経営・施策
- スギ薬局、金沢大学との「社会薬物学共同研究講座」がスタート
- JR九州、子会社ドラッグイレブンの株式をツルハに一部譲渡
- 日本DIY協会、DIYアドバイザー試験概要を発表
- 新型コロナ対応 花王、出社含めた勤務体制へ段階的に移行
- 新型コロナ対応 資生堂、BC店頭派遣を一部地域で再開
- 新型コロナ対応 フマキラー、細心の注意払い増産の対応
- 新型コロナ対応 ファンケル、看護職員に自社化粧品を寄贈
- 新型コロナ対応 東京医療衛生用品フェア、中止に
- 新型コロナ対応 スギ薬局、カメラでの熱感知など新たな対策を実施
- 新型コロナ対応 マツキヨHD、電話受診希望者への対応を公表
- ユニ・チャーム、役員及び全社員に譲渡制限付株式報酬制度を導入
- 新型コロナ対応 資生堂「SHISEIDO」、国連コンテンツ作成協力に参画
- ライオン「美らaction」、2020年度「環境教育実践校」を認定
製品・サービス
- P&G、「アリエールジェルプラチナスポーツ」リニューアル発売
- サンギ、スキンケア「HAP+R」からトライアルセット発売
- マンダム、除菌ウェットシート発売 新型コロナで品薄状態緩和に向けて
- エステー、「消臭力」無香料製品から夏季限定デザイン発売
- I-ne、「ボタニスト」から夏季限定商品を発売
- カエタステクノロジー、新スキンケアブランド「アナンナ」新発売
- ファンケル、「毛穴つるつるクレイパック」改良 数量限定発売
宣伝販促
- 花王、「薬用ピュオーラ」新TVCM放映中 ぺこぱを起用
- アース製薬、「アースノーマット」でMattとコラボCM配信
- BULK HOMME、木村拓哉を起用の新TVCMを関東地区で放映
- エステー、「ドライペット」「洗浄力」など対象の梅雨期キャンペ実施中
- ユニ・チャーム、「ソフィ」新アンバサダーに池田イライザを起用
人事・組織
- クオールHD、代表取締役・取締役・監査役異動を発表
- JCA、新会長に小川信行氏(東急ストア会長)を内定
- サツドラHD、総務人事グループを新設
- デンタルプロ、役員人事を発表
- あらた、取締役候補者・執行役員人事を発表
- 東流社、役員を選出 熊谷泰氏が専務に昇任
- シンタクス、見通忠雄常務が新社長に就任
決算
- ライオン、2020年1~3月期は増収増益 新型コロナで関連品の売上増
- アルフレッサHD、2020年3月期決算 4事業で増収増益
- 資生堂、2020年1~3月期業績発表 連結売上高は17.1%減に
- コーセー、2020年3月期決算 アジア好調も日本の不振で減収減益
- コーセー、決算期を12月31日に変更
- マンダム、2020年3月期決算説明会 連結売上高は10期連続の増収
- サミット、2020年3月期連結業績は増収、大幅増益で着地
研究・開発
- マンダム、「第13回動物実験代替法国際研究助成金公募」テーマ3件を決定
調査・統計
- 東家同 20年4月度市況概況価格調査 3月同様に消費者の購買需要が継続
- KSP-POS 2020年4月 カテゴリー別ランキング
- 西化工 20年1月化粧品統計 化粧品合計1.7%減で始動
- ナリス化粧品、女性のマスク使用時における悩みやメークについて調査
イベント・展示会
- 大木ヘルスケアHD、秋冬用カテゴリー提案商談会を中止
- 母の日参りPS、第3回「母の日参り」手紙コンクール受賞作品16篇発表
時評・コラム
- 時評 中計や業績予想を阻むコロナ禍
特集 【H&BC/ヘアケア】
- ヘアケア市場 19年は数量・金額とも前年上回る マスヘアケア復活推進
- ヘアカラーリング市場 白髪用は減少も黒髪用が伸長
- 花王 「エッセンシャル flat」から「エアリースムース」新発売
- 日本石鹸 植物エキス配合「ウインズボタニカル」シリーズが好調
- マンダム 「ルシード ワンプッシュケアカラーシリーズ」から新色発売
- コーセーコスメポート、「ビオリス エステティーク」積極展開
- P&G 「パンテーンミラクルズ」から髪のお直しシリーズ新発売
- 資生堂 「TSUBAKI」改良 本格サロンヘアの仕上がりを自宅で
- 第一石鹸 「MaMa&こどもと使える寝ぐせ直しウォーター」今春改良
- シャボン玉石けん 「無添加せっけんシャンプー泡タイプ」新発売
- クラシエHP 「いち髪」からプレミアムヘアマスク発売
- ダリヤ 新感覚の「パルティ カラーリングミルク(黒髪用)」新発売
- サラヤ 南国スパがテーマの新ヘアケア「ココパーム」新発売
- ライオン 手早く洗えて軽やかに仕上がる「ソフトインワン」活発展開
- I-ne 「ボタニカルチャコールシリーズ」を夏向けに積極提
- サンスター 「サンスタートニック」オリジナルフォトボトルキャンペ実施
- ホーユー 毛髪の主要成分を再生する「ホウライシダ葉エキス」を発見
経営・施策
製品・サービス
宣伝販促
研究・開発
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