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2020年4月15日号掲載記事より

政府が緊急事態宣言を発令 業界の果たすべき役割は何か 市場動向を追う

 政府は4月7日、新型コロナウイルスの感染拡大を抑え込むため、特別措置法に基づく緊急事態宣言を発令した。東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都道府県が対象となり、大型連休後の5月6日まで続くが、解除・延長は一定期間後、専門家の評価を基に判断される。緊急事態宣言という異常事態の中、トイレタリー・日用品・化粧品業界は、どのような課題があり、果たすべき役割は何か。市場の変化や業界企業の動向から追った。
 我が国の緊急事態宣言では、欧米で行われているような都市封鎖ではなく、経済活動は維持され、食品や日用品など生活必需品を販売する小売業は営業する。こうした中、当業界に求められる役割は何か。1つは当然のことだが、身の回りを清潔に保つ生活必需品の安定供給であり、もう1つは企業内、関係者の感染者を出さないことだ。
 また、緊急事態宣言の発令から、よりイベントや会合の延期、中止の決定に拍車がかかった。このような会合の延期や中止はコミュニケーションを不足させている。これは切迫した課題ではないだろうが、コミュニケーションの不足と、それに伴う情報の不足に対応することも必要だ。
 未曾有の事態の中で、このように当業界にも様々な課題があり、そして生活必需品の供給など重要な責務がある。現状をしっかりと認識し、できる準備、対応を怠ることなく、収束に向けて業界一丸となって戦っていくことが重要だ。

新型コロナ対応 花王、「消毒液」約20倍以上の増産体制へ

新型コロナ対応 花王、「消毒液」約20倍以上の増産体制へ

 花王は4月9日、「消毒液」増産に関する花王グループの今後の対応を発表した。
 それによると、花王グループは、新型コロナウイルス感染症予防に必要な衛生関連製品の増産をグループ一丸となって進めており、特に「消毒液」は1月後半から大きな需要が発生し、全力で増産してきた。しかし、それでも需要に対して供給量が追い付かない状態となっていることから、増産と並行して、これまでの概念に捉われない新たな生産・供給体制の構築を確立した。
 具体的には、和歌山工場はじめ生産可能な工場すべてを活用し、既存容器の緊急活用による詰め替え品の提供並びにボトルの一部自製化等を行う。順調に稼働できれば、4月後半から、これまでの20倍以上の増産が可能となる。これにより、病院・施設等逼迫している需要に対応するとともに、家庭にも供給できると考えている。
 また、日本以外でも『消毒液』の生産を開始する予定で、まずは病院等への寄贈品の生産をドイツから行い、早急に各地域へ生産を拡大していく」としている。

JACDS、来年の「DgSショー」は“来年3月幕張”開催に

 日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)は4月3日、2021年の「JAPANドラッグストアショー」を来年3月に千葉・幕張メッセでの開催を予定し、その準備を始めたと発表した。
 これは、東京オリンピック・パラリンピックの延期日程が、2021年7月23日開催との決定を受けたもの。
 JACDSでは3月7日の時点で、新型コロナウイルスの影響を鑑み、2021年の「JAPANドラッグストアショー」開催を、8月に東京ビッグサイトでと決定・公表していたが、今回は東京五輪延期の決定に伴っての変更となった。
 詳しい日時は今後、協議の上、決定する方針。

ウエルシアHD、2020年2月期連結決算は増収増益 売上高など2ケタ増加に

 ウエルシアホールディングスは4月8日、2020年2月期連結決算概況を発表。それによると、売上高8682億8000万円(11.4%増)、営業利益378億100万円(30.1%増)、経常利益403億4800万円(28.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益228億200万円(30.9%増)と増収増益であった。
 同社では増収の要因の1つとして、「ウエルシアモデルの特徴の1つである調剤併設店舗の増加(2月末現在で1442店舗)による調剤売上げの伸長などから、既存店の売上高が順調に推移した」ことを挙げている。
 さらには、人件費を中心としたコストコントロールや健康をキーワードにした商品開発、レジ袋削減に向けた活動などに注力したことが奏功したとの見解を示した。
 同社では次期、新中期経営計画に基づき、店舗・調剤各業務におけるシステム化、機械化を推進。また118店舗の新規出店計画、大都市近郊のドミナント形成、今年3月に子会社化したよどやの経営統合等を進める考え。

ライオン、「NONIO ART WAVE AWARD 2020」受賞作品を決定

ライオン、「NONIO ART WAVE AWARD 2020」受賞作品を決定

 ライオンのオーラルケアブランド「NONIO(ノニオ)」が展開するプロジェクト「NONIO ART WAVE」は、次世代アートを担っていく若手アーティストを発掘し、その活躍のきっかけを提供することを目的とした商品パッケージデザインの公募「NONIO ART WAVE AWARD 2020」を開催。このほど、5名の審査員による選考により、応募総数823点の中からグランプリ3部門(ペインティング部門、グラフィック・イラストレーション部門、写真部門)と、審査員特別賞の合計8組9名の受賞を決定した。
 グランプリ3部門には、ペインティング部門・新宅加奈子氏の「I'm still alive」、グラフィック・イラストレーション部門・大谷陽一郎氏の「雨」、写真部門・前谷康太郎氏の「The four seasons-Summer」および「The four seasons-Autumn」が選ばれ、3名の作品は今年秋に全国で数量限定発売する「NONIO アートパッケージ品」(ハミガキとマウスウォッシュ)のパッケージデザインに採用され、商品化される。
 なお、グランプリ、および審査員特別賞を受賞した全作品は、WEBサイト(https://naw-award.jp/)で紹介している。


2020年4月15日号 記事一覧

特別企画

  • ペットフード 春の新製品を各社発表 ペットのシニア化で健康志向に
  • いなばペットフード、売れ筋「CIAO缶」「同パウチ」品目強化
  • 獣医師団体Team HOPE、「ペットの健康管理」調査結果発表
  • 日本ペットフード、栄養・素材等健康に配慮した新製品を開発

M&A・設立

  • ウエルシアHD、クスリのマルエを子会社化

経営・施策

  • 新型コロナ対応 流通各社、夜間の外出自粛要請及び緊急事態宣言に対応
  • 新型コロナ対応 あらた、影響について発表 決算説明会は中止に
  • 新型コロナ対応 全卸連、通常総会を10月に延期
  • 新型コロナ対応 都卸連、「第40回通常総会懇親会」を中止
  • 新型コロナ対応 埼玉卸組合、通常総会の中止を発表
  • 新型コロナ対応 花王グループ、当面の間、出社禁止に
  • 新型コロナ対応 サンスターグループ、原則出社禁止を決定
  • 新型コロナ対応 ユニ・チャーム、お客様相談センターをメール対応のみに
  • 日展協、東京ビッグサイト利用規制問題で「要望書」を都などに提出
  • True Data、購買データ確認ツール「ドルフィンアイ」を1カ月無償提供
  • サンスター、妊娠・子育て中ママと赤ちゃん向け事業を本格始動
  • WADAI コーセー、アルコール配合ハンドクリーナー保育園へ無償提供

製品・サービス

  • 花王、キレイライフスタイル体現する「MyKirei by KAO」を米国で販売開始
  • マックス、“やまとcosmetic”から「しかまろくんパック」発売
  • コーセーとドン・キホーテ、「ファシオ」フェイスパウダーで共同企画
  • ローソン、同社初のオリジナル化粧品新発売 無添加化粧品10種類
  • ユニ・チャーム、「ソフィKiyora贅沢吸収」シリーズから新製品発売
  • P&G、「オーラルB」初の歯間クリーナー製品(6種)発売
  • 日本製紙クレシア、「スコッティ ウェットティシュー」リニューアル発売
  • サンギ、「アパガードディープケア」2商品改良 使いやすさと価格抑制
  • 花王、衣料用柔軟仕上剤「ハミング涼感テクノロジー」新発売
  • シック・ジャパン、「シック ハイドロボディグルーマー」RIZAPとコラボ
  • 王子ネピア、大人用紙おむつ「エクストラ800SP」リニューアル
  • 丹羽久、重曹をベースに開発した衣料用洗濯洗剤「重曹プラス」販売開始
  • UYEKI、「エアコンカビトルデス」エアコン使用最需要期に向け提案

宣伝販促

  • ユニリーバ、ラックス新TVCM「祝福の輝き」放映中
  • 牛乳石鹸共進社「スキンライフ」、WebCM動画を配信 めるるを起用
  • 貝印、SDGsをテーマにライフスタイル動画チャンネル配信中
  • クラシエHP「エピラット」、提供スポンサー付き連載漫画を連載中
  • クラシエHP、「ディアボーテHIMAWARI」新CM放映中
  • エステー、「ムシューダ」新CM第3弾「歌うな」編の放映開始
  • 資生堂、「ワタシプラス」で「“お母さんの色”を贈ろう」キャンペ実施中

人事・組織

  • メディパルグループ、人事異動・組織変更を発表
  • ダイレックス、役員異動を発表
  • 三興化学工業、新社長に縄田正一氏が就任
  • カネヨ石鹸、富田年一常務が新社長に就任 鈴木前社長は会長に
  • 資生堂ジャパン、組織一部改正・人事異動を発表
  • クレハ、取締役及び執行役員の一部異動実施
  • JPPMA、事務局長に谷崎正慶氏が就任

決算

  • 薬王堂HD、2020年2月期連結決算は増収増益に 日用品・食品が好調

調査・統計

  • 経済産業省 20年1月度洗浄剤統計 数量・金額ともに好発進
  • 東家同 20年3月度市況概況価格調査 コロナ報道による仮需要も継続

施設・店舗

  • メディパルHDの連結子会社・エバルスの広島ALCが竣工
  • サンスター、山梨工場に洗口液などを生産する新工場棟を建設

時評・コラム

  • 時評 緊急事態宣言発令の中で
  • 日雑談 新型コロナで世界経済に暗雲 世界恐慌時代の成功事例とは?
  • らいたあ 新幹線の切符が一気に下落 出張・旅行需要の激減で


上記トピックスは要約版です。記事の詳細・全文は、日用品・化粧品業界の専門紙「H&BC マーケティングニュース」最新号(水曜日発行)でご覧になれます。お申し込みは刊行物案内をご参照ください。