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2020年3月4日号掲載記事より

新型コロナウイルスの感染拡大、当業界でも生産現場、主催行事に影響

新型コロナウイルスの感染拡大、当業界でも生産現場、主催行事に影響

 1月中旬以降に表面化した新型コロナウイルスによる感染拡大の影響は世界中に広がりをみせ、3月を過ぎても収束の兆しはみられない。国内でも感染者の拡大が懸念されるところだが、ここに来て日用品化粧品業界でも、製造や商品供給をはじめ、製配販の各企業が主催するさまざまな行事日程にも大きな影響を及ぼす事態に発展した。
 新型コロナウイルスの感染拡大の煽りを受け、2月末から4月にかけて予定されていたイベントが次々に中止を余儀なくされており、今年は第20回記念として3月19~21日の開催予定で準備されていたJAPANドラッグストアショーも止む無く中止を決めた。
 今回の感染拡大については、2月25日に政府が対策の基本方針を決定。また26日には、多人数が集まるところでは大規模な感染リスクがあることから、以降2週間はイベントの中止や延期、規模縮小を政府として要請する方針を表明した。
 このような状況を受けて、在宅勤務の動きは資生堂、花王、ライオン、ユニ・チャームなど大手企業を中心に広がりつつある。
 一方で心配なのは、感染予防・衛生対策関連製品の生産と供給が追いつかず、厳しい状況が生まれつつあるという現実だ。
 例えばマスクについては、もちろんメーカー各社では最大限の供給策に努めてはいるものの、店舗の多くで品切れ・品不足状態が続いている。また、感染症の予防に一役を買うハンドソープやアルコール除菌剤などの需要も拡大の一途を辿りつつある。
 今後も新型ウイルスによる感染拡大が継続するとすれば、当然日本市場の景況には大きな打撃となるのを免れない。特に3月以降は決算を迎える企業が多いことも、今後に不安感を与える要因であり、また企業活動全般にわたって事業計画の変更や見直しが迫られる確率が高いだけに、1日も早い事態の収束が望まれる。

イオンリテール、チェックアウト改革「どこでもレジ レジゴー」本格導入

イオンリテール、チェックアウト改革「どこでもレジ レジゴー」本格導入

 イオンリテールは2月26日、千葉・幕張の「イオンスタイル幕張新都心フードストア」で、スマートフォンによるレジに並ばない買い物スタイル「どこでもレジ レジゴー」(以下、レジゴー)の本格展開に際して、「レジゴー概要説明会・体験会」をマスコミ向けに実施した。
 「レジゴー」は、買い物客自身が入り口にある貸出用の専用スマートフォンを持ち、売り場の商品のバーコードをスキャンし、専用レジで会計する(現金やクレジットカード等を選択)という、イオンが提供する新たな買い物スタイルである。
 同社システム企画本部長の山本実氏は、小売業にとって最大の課題であるレジ待ち解消への取り組みに加え、リアル店舗の魅力や買い物体験の楽しさ等を伝えていく1つの方法として、この「レジゴー」を鍵とし、オンライン・オフラインの融合を目指していく考えを示した。
 また山本氏は同社のチェックアウト改革は現在、①サポートレジ(商品登録から決済までの操作をスキャナ側に集約)②セミセルフレジ(商品登録はスタッフが実施し、支払いは顧客がする)③「レジゴー」の3つの切り口をもって改革に取り組んでいることを明らかにした。
 なお、「レジゴー」自体は今年2月末の時点で2店舗に導入。3月末で4店舗に拡充させ、今年度内では東京・神奈川・千葉のベイエリア地区を中心に約20店舗の導入を計画している。

広島共和物産、M&C共催、第52回グランドフェア 「運」をテーマに

広島共和物産、M&C共催、第52回グランドフェア 「運」をテーマに

 広島共和物産とM&C共催による春の見本市「第52回グランドフェア」が、2月20、21の両日、広島市中小企業会館「総合展示館」で開かれた。
 今回の見本市には、業界主要メーカーなど各社のブースをはじめ、地元広島県の有力メーカーや新規出展メーカーなど160社余りの企業ブースに加え、参考出展の企業など複数のメーカー商品も展示された。
 今回の見本市のテーマは「運」。厳しい環境の中で成長を続けていくために、常に新しい発想で創造する力、想像したものに対して成果が出るように実行する力、そして実行するためには取引先メーカーやお得意先の協力や賛同をしてもらえるような人間力が重要であるとし、これら3つの力が備わることでより魅力ある会社や人間となり、その魅力が運を持っている人を引き付けることができるとの考えの下、さらにその魅力に磨きをかけていくとしている。
 そして、今後も続くと思われる厳しい市場環境の中で、お得意先、メーカー、そして広島共和物産とM&Cが一体となって団結して力を合わせ、幸運をつかみ取っていきたいとの想いを込めて開催された見本市には、連日大勢の人が訪れ、企画提案コーナーでは、地震や台風、豪雨被害など様々な災害に備えるための「防災対策」コーナーをはじめ、「行楽日和」や「梅雨到来」など季節に合わせた提案コーナーや広島共和物産のオリジナル商品のコーナーなども設けられ、さらにM&Cも「女性スタッフが選ぶ!おすすめアイテム」や「話題のアイテム」、「春・夏新商品」コーナーなど様々な企画提案を実施し、売り場の活性化に向けた情報発信が行われた。

大木、ペット保険企業2社と業務提携 DgSチャネルで普及・展開目指す

 大木ヘルスケアホールディングスの完全子会社・大木は2月26日、ペット保険を販売するなど少額短期保険事業を手掛ける日本アニマル倶楽部(宮城県)とSBIいきいき少額短期保険(東京都)2社と、「ペット保険」についての業務提携について合意。同日付で「基本合意書」を締結した。
 提携の背景について同社は、「昨今、少子高齢化や核家族化が進行する中、ペットは家族との認識が広がり、ペットにも手厚い医療を受けさせたいというニーズが高まっている。一方で、ペットには公的な健康保険制度が存在せず、動物病院での治療費用等は全額飼い主の負担となり、経済的負担が大きくなってしまっている。そうした飼い主の経済的負担を軽減するため、ペットのケガや病気による治療費用等を一定の範囲内で保障するペット保険について、2社の提供する保険商品をドラッグストアを中心とした店頭での普及を今後積極的に行っていく」と話している。

花王、日本テニス協会とスポンサー契約締結 「ビオレUV」で日焼け対策

花王、日本テニス協会とスポンサー契約締結 「ビオレUV」で日焼け対策

 花王は2月21日、日本テニス協会との間でサンケアブランド「ビオレUV」を通じたスポンサー契約締結を発表、説明する記者会見を開いた。
 この契約により、「ビオレUV」ブランドは同協会の“オフィシャル日やけ止め”となった一方、日本テニス協会にとっては、昨年から導入したスポンサー契約制度の第1号となる。
 花王と契約した理由について、日本テニス協会の福井烈専務理事は「テニスは炎天下で長時間戦わなければならない競技のため、暑熱対策は重要なもの。より安全・安心なプレーができるよう環境整備に取り組んできたが、花王も広く太陽光対策に臨まれると聞き、今回の締結となった。今後は花王とともに日やけ止めの適切な使用方法、効果なども啓発していきたい」と語った。
 また花王のビオレ事業部ブランドマネージャーを務める畠山了樹氏は「日やけ止めは年齢や性別、国籍を問わず必要になってくるもの。テニスは小学生から80~90歳のシニアの方まで幅広い層に愛されている競技であり、プロの選手は自分の記録を伸ばす、実力を試していく点などで我々と思想が一致した。今後も快適で喜ばしい充実した生活を送るためのアイテムとして役立ちたい」と述べ、今契約の経緯や求めることなどを説明した。
 今後の具体的な取り組みとしては、ナショナルチームへの商品提供や3月からの協会主催大会・公認大会等での選手・指導者向けの講習会の開催、観客向けのブース展示・イベント等からの暑熱対策の情報提供を行っていく予定。


2020年3月4日号 記事一覧

会合・発表会

  • 花王、「キュレル ディープモイスチャースプレー」新発売 発表会開く
  • 安対協、「漂白洗浄剤・カビ取り剤に関する講習会」開く
  • 油脂工業会館、「令和元年度油脂優秀論文表彰式」を開催
  • 貝印、春の新製品展示発表会を開き「bi-hada ompa」など紹介
  • ライオン、「『予防歯科』セミナー」開催 昼歯みがきを当たり前に

経営・施策

  • 新型コロナ対応 花王、国内拠点対象に在宅勤務実施
  • 新型コロナ対応 ライオン、3月13日まで在宅勤務に
  • 新型コロナ対応 資生堂、国内従業員約8000名の在宅勤務を実施
  • 新型コロナ対応 ユニ・チャーム、3月6日まで在宅勤務に
  • 新型コロナ対応 近石工、情報交流会・環境保全部会合同部会を中止
  • 新型コロナ対応 小林製薬グループ、中国・武漢市に支援金を寄付
  • 新型コロナ対応 スギ薬局、藤田医科大学岡崎医療センターに支援物資寄付
  • アース製薬、「STOP感染症2020戦略会議」に参画
  • ライオン、宮城県・石巻南浜津波復興祈念公園への植樹1万本を支援
  • 大日本除虫菊、和歌山県との取り組み事業「未来の森」で保全活動を実施
  • 桃谷順天館、豪州森林火災被害支援企画を現地の小売業と実施
  • 花王、「世界で最も倫理的な企業」に日本企業で唯一、14年連続で選定
  • 貝印、「スイーツ甲子園」事業を産経新聞社に譲渡
  • 富士薬品・エーザイ、痛風・高尿酸血症治療剤の中国での開発・販売で契約

製品・サービス

  • 花王、「ロリエ」からスペシャルケアシリーズ3品新発売
  • サンスター、「オーラツーミーマウススプレー」新香味を発売
  • カネボウ化粧品「suisai」、洗顔に特化したブランドへ刷新
  • ダリヤ、「サロン ド プロ」から「カラーシャンプー(白髪用)」新発売
  • カメヤマ、大河線香シリーズ「明智光秀 桔梗の花の香りのお線香」発売
  • ユニ・チャーム、「ソフィSPORTSナプキン/躍動ショーツ」新発売
  • リブドゥコーポレーション、「リフレスピードキャッチスーパー」新発売
  • 小林製薬、「Sawaday香るStick北欧」発売 生活者のナチュラル志向捉える
  • ライオン、「ソフラン プレミアム消臭」累計販売個数1億個突破

宣伝販促

  • ウエルシアHD、Tカードと共同キャンペーン実施
  • 貝印、「女性の活躍を応援する」シネアドを全国のイオンシネマで上映

イベント・展示会

  • ビジネスガイド社、「第90回東京ギフト・ショー秋」開催概要発表
  • 第106回東京医療衛生用品フェア、新型コロナウイルス対策徹底して開催
  • 日本香堂HD、仏・パリで「香席」 日本の香文化普及に貢献

時評・コラム

  • 時評 思い知る危機管理の難しさ
  • らいたあ 開店前のドラッグストアにマスク求める人の長蛇の列

その他

  • WADAI ライオン、重要文化財「小林富次郎葬儀」の映像が配信開始
  • 大日本除虫菊・上山直英社長がセルビア共和国から叙勲


上記トピックスは要約版です。記事の詳細・全文は、日用品・化粧品業界の専門紙「H&BC マーケティングニュース」最新号(水曜日発行)でご覧になれます。お申し込みは刊行物案内をご参照ください。