2020年2月26日号掲載記事より
ローソン、「レジレス店」の実証実験開始 業務効率化・機会ロス削減へ
ローソンは、2月26日~5月25日まで「富士通新川崎TSレジレス店」(神奈川県川崎市)をオープンし、デジタル技術を活用した「レジレス店」(レジを通さずに買い物ができる)の実証実験を行うことを発表。オープンに先立ち、2月18日、同店をマスコミに公開した。
同店で実験するのは、専用アプリ(「ローソン・ゴー」)に表示されたQRコードを店頭にある端末にかざして入店、購入したい商品を手にもって店外へ出ると、事前に登録した決済手段(クレジットカード)で自動的に決済できるサービス。買い物終了後、レシートはスマホに配信される。
今回の実験でシステム・店舗オペレーション・防犯・物流面の課題、売上の推移、来店客の声などを検証した上で、今夏には都内での一般公開を目指す。
実験店舗の従業員は弁当やおにぎり、ドリンクなど商品の品出し作業は行うが、レジ業務は一切行わない。店内に設置された28台のカメラで顧客の動きを確認し、商品が置かれた棚のセンサーと合わせることで、顧客がどの商品をいくつ手にとったのかを判別し、店舗を出ると自動的に決済される。
来店客はレジに並ばずにウォークスルーで簡単に買い物ができ、レジを介さない新しい買い物体験が可能。また、店舗にとっては、レジ対応の省人化による生産性向上やピーク時間帯の機会ロスの削減につながる。
牧野国嗣氏ローソンオープン・イノベーションセンター長は「母店はピーク時には混雑し、機会ロスが起きている可能性がある。実験店舗によりレジ待ちがなくなれば売上げを上げていけると考えており、それがどのくらいなのかといったことを検証していく」と話している。
ライオン、2019年12月期連結業績発表 売上高微減収も事業利益は増加
ライオンは2月14日、ライオンプレスクラブへの決算説明会を開き、小林健二郎取締役上席執行役員、榊原健郎取締役上席執行役員が出席して、2019年12月期の連結業績(IFRS)、19年度の振り返りと20年度の取り組みについて説明した。
同期の連結業績は、売上高3475億1900万円(前期比0.5%減)、事業利益300億4800万円(5.9%増)、営業利益298億3200万円(12.8%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益205億5900万円(19.7%減)となり、売上高は微減収だが、為替変動の影響、マレーシアの洗剤原料製造子会社を連結対象から外した影響、殺虫剤事業を譲渡した影響を除く実質は0.4%の増加となった。
セグメント別では、一般用消費財事業は売上高2343億5700万円(1.2%増)、事業利益196億3400万円(10.1%増)と増収増益。分野別の売上高では、オーラルケア8.5%増、ビューティケア6.3%増、ファブリックケア1.7%増、リビングケア10.5%増、薬品10.3%減、その他7.9%減となった。
また、海外事業は売上高1010億9500万円(3.8%減)、事業利益75億5200万円(9.8%増)。東南アジアの売上高は0.9%減、北東アジアの売上高は9.5%減、利益は東南アジアでの収益性向上、中国での成長回復などにより増益となった。
なお、2020年度の重点テーマについては、国内は「オーラルケア分野の成長持続」「薬品分野でのプレゼンス拡大」「インバウンド需要の取り込み」の3つを、海外は「中国事業の成長加速」「東南アジアの成長回復」の2つを挙げた。
アルフレッサHC、「ライフサポートフェア」開催 近未来型DgSを提案
アルフレッサヘルスケアは2月18日、都内で「2020ライフサポートフェア」を開催。39回目となる今回、会場には薬局・ドラッグストア関係者が新提案を求めて多数来場し、盛況となった。
メーンテーマは、「最先端ICTと昭和の薬局~5G×IoT×AI×VRと人。」。狙いは、「労働人口の減少や少子高齢化、巨大EC企業の進化等社会変化に対応するための最先端ICTの活用提案と、顧客・患者とのコミュニケーションの重要性の再認識」となる。それを「近未来DgS」として具現化させ、実際の店頭でどういうイメージとなり、どういうように各サービスを体感してもらうかというのが今フェアの胆だという。
「近未来DgS」エリアでは、カートPOS(カート型セルフレジ)やコンパクトセルフレジをはじめ、キャッシュレス決済、注文&受取りサービス、モーションセンサー&属性認識カメラ活用によるプロモーションデータ収集といったシステム。そして顔認証属性分析サイネージまで幅広い運営サービスを提案した。
それに加えて、もう1つの狙いとなる相談機能のさらなる進化を提案する「カウンセリング・コミュニケーション」エリアでは、「セルフプリベンション(自己予防)『からだは食べたものからつくられる』」「漢方でケア」「女性の悩み」を商品・機器・サービスの提案も加えて展示した。
来場者からは、こうした新たな提案プラス、同社のリテール支援が見込めることで、より具体性・実効性の増した戦略として評価されていた。
J-NET中央、第81回MDF開催 メーカー123社が出展
J―NET中央は2月20日、東京都立産業貿易センター台東館で「第81回マーチャンダイジングフェア(略称・MDF)」を開催した。今回のMDFは、“私達は『3宣言』を目指します!『新価値宣言・地域密着宣言・価値組宣言』”をテーマに、新規出展7社(アンダムル、笹原商事、セイワ・プロ、素数、ニッケン刃物、ミツエイ、城山衛生材料)を含むメーカー123社(125小間)、メンバー社の中日物産、ペーパー・インテリジェンス(花岡)、スクイズコーポレーション(マルキホームズ)、ときわ商会(ブース出展)が出展した。
注目の企画コーナーでは、①メインコーナー「MADE IN JAPAN」「防災対策商品コーナー」②春・夏商品コーナー③新商品コーナー④紙製品業務用・ノベルティコーナー――が設けられ、地域密着型卸のグループならではの需要を喚起する提案を行った。
戸塚雄二社長(コスモプロダクツ)は当日の会見で、「19年2月21日~20年1月20日まで11カ月の業績は、売上高222億4639万円(前年対比102.4%)となった。今期はインバウンド需要、海外への輸出が明らかに減少した状況下だが、若干の増収となっている。消費増税と新型コロナウイルスの蔓延によるインバウンド消費の減少が3月からの大不況の引き金になるとの論調が増えているが、このような時こそ慌てることなく、日々のビジネスでできることを着実に進め、お客様への業績維持への役立ちと自社の企業体力強化に努めるしかないと考えている」と語った。
花王、食器用プレ洗剤「キュキュット あとラクミスト」新発売
花王は4月4日、食器用洗剤「キュキュット」から、食後すぐに食器を洗えない時に使う食器用プレ洗剤「キュキュット あとラクミスト」を新発売する。
近年、暮らしのあり方、家事の担い手、方法やタイミングが多様化し、食器洗いに対するニーズも変化している。食器洗いにおける意識をみてみると、「食後すぐに食器が洗えない」と答える人が78%もおり、そのうち、約7割の人が週に1日以上、食事後1時間以上経ってから食器を洗っていることがわかった。(2019年花王調べ)
そこで、「キュキュット」から、食後すぐに食器を洗えない時にかけておくという新しい提案として、食器用プレ洗剤「キュキュット あとラクミスト」を発売する。
同品は、食後すぐに洗えない時に食器や調理器具にかけておくだけで、酵素が汚れの内部に浸透して分解して落としやすい状態にし、この状態を長時間キープする。また、時間が経つと落としにくくなる汚れも、かけておけば、水につけおくよりもラクに短時間で洗える。さらに、抗菌効果により置いている間の菌の繁殖も抑制する。(すべての菌に効果があるわけではない)
花王では、ESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」のもと、事業戦略にESGの視点を導入し、消費者や社会へのよりよい製品・サービスの提供をめざしている。「キュキュット」ブランドは、多様化するライフスタイルに寄り添い、食器洗いをもっと楽しく前向きにする提案を続けていく。
2020年2月26日号 記事一覧
会合・発表会
- ニベア花王、「ニベア デオドラント アプローチ パールトーン」発表
- 坂出市とライオンほか、「坂出プロジェクト」マネジメントレビュー開催
経営・施策
- 新型コロナ対応 ユニ・チャーム、対応ガイドラインを策定
- コーセー、サンゴに対する化粧品成分の影響把握に向けた本格的研究に着手
- ライオン、CDP「サプライヤー・エンゲージメント評価」で最高評価
- ライオン、エネルギー管理優良事業者等関東経済産業局長表彰を受賞
- 丸富製紙、CNFを活用して芯なしトイレットペーパーの芯孔強度を改善
- P&G、吸水ケアブランド「ウィスパー」を明石工場製造へ切り替え
- マースJ、コンテナラウンドユースを開始 「総合効率化計画」認定受ける
- アインHD、環境負荷軽減目的に買い物袋の素材を「LIMEX」に変更
製品・サービス
- エステー、客室専用消臭ミスト「エアフォレスト ボタニカル」新発売
- ユニリーバ、カスタマイズヘアケア「Beauty iD by LUX」発売
- シャボン玉石けん、「シャボン玉ベビーソープ泡タイプ」たっぷり泡で改良
- シュガーケインファイバー、さとうきび繊維のエコストロー発売
- P&G、「ボールドジェル」改良、「ボールド香りづけビーズ」も限定発売
- P&G「ファブリーズ」、“3D浸透除菌”で3年ぶりリニューアル
- 玉川衛材、新カラーマスク「フィッティスタイルフィット」発売
- I-ne、「スキンビル」から温感泡の酵素洗顔新発売
- ライオン、「キレイキレイ」新パッケージデザインで発売
- ライオン、「キレイキレイ薬用ハンドコンディショニングソープ」新発売
- ライオン、「hadakaraボディソープ 保湿+ひんやり」限定発売
宣伝販促
- カネボウ化粧品、「suisai」新洗顔シリーズのサンプリングを実施
- 「母の日参り」PS、「『母の日参り』手紙コンクール」作品募集開始
- SK-Ⅱ、世界のトップアスリートたちと新キャンペーンをスタート
人事・組織
- 近石工、新理事長に奥中泰征氏(マスター社長)が就任
- マツキヨHD、機構改革・人事異動を発表
- アース製薬、機構の変更・役員の異動を発表
- 児玉兄弟商会、新役員人事を発表
決算
- ユニ・チャーム、2019年12月期連結決算発表 売上高3.8%増も減益に
- ポーラ・オルビスHD、2019年12月期業績は当期純利益が大幅増
- P&G米国本社、19/20事業年度第2四半期業績は本源的売上高5%増
- アース製薬、2019年12月期決算は増収増益 次期中期経営計画も発表
- マツキヨHD、2020年第3四半期連結決算は増収減益 シーズン品不調響く
調査・統計
- 経済産業省 19年1~12月度洗浄剤統計 数量6%増・金額5%増と拡大
- 西化工 19年1~10月化粧品統計 ヘアケア3品が順調
- 東家同 20年1月度市況概況価格調査 荷動き・商品供給面は安定
イベント・展示会
- スギ薬局、「超高齢社会のまちづくり展」でトータルヘルスケア戦略を披露
- コーセー、マーメイドジャパンへのメイク講習会を開催
施設・店舗
- ウエダ印刷、本社・工場を移転
- 流通システム開発センター、オフィスを東京都港区に移転
時評・コラム
- 泡沫 マスコミ報道の在り方にもの申す
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