2019年7月10日号掲載記事より
ユニ・チャーム、秋の新製品発表会開催 夢の実現へ新たな提案力を発揮
ユニ・チャームは7月4日、「2019年秋の新製品発表会」を開催。発表会であいさつした高原豪久代表取締役社長執行役員は、ユニ・チャームの創業以来の企業理念「NOLA&DOLA」を取り上げ、いまは夢の実現が大きく求められる時代と定義。夢の実現に向けて新たな提案力を発揮し、業界総資産の拡大に向け全力を投入する決意を述べた。
高原社長はまず、ユニ・チャームの企業文化である3つのDNA(尽くし続けてこそ№1・変化価値論・原因自分論)に基づく顧客最優先を柱にしながら、これまでのSAPS手法から、変化が激しくなる中でOODA―Loop手法に切り替えていく必要があることを解説。「五感を駆使した直感で現場を理解し、得られた情報を最大限に生かし、考えられる選択肢に臨機応変に対応しながら、皆様とともに協働で速やかに実行する」ことを打ち出した。
また、令和という元号は日本の美徳にとらえると「細部へのこだわり(肌理の細かさ)」「相互の信頼」「利他の心」の3つとし、グローバル1万6000名の社員がBOP―Ship(Best Practice-Ship・OwnerShip・PartnerShip)により、「細部にこだわってベストな商品をつくりだし、皆様のご協力を得て最終消費者様の信頼が得られることを目指し、成熟市場においても業界総資産の拡大に向かう」とした。
その上で、人生100年時代において共生社会の実現は重要として、「すべての新製品でお客様に“際立つ差別化”を感じていただき、新たな需要創造に貢献できるものと確信している。お客様に支持される提案力に磨きをかけていきたい」と語った。
アルフレッサヘルスケア、「ソリューション提案商談会」開催
アルフレッサヘルスケアが主催する「2019ソリューション提案商談会」が6月29日、都内で開催された。当日は、同社独自の視点CDT(消費者購買意思決定ツリー)を起点とした分析による売り場・商品提案の最新バージョンが披露された他、薬学者(薬剤師)で作家の井出口直子氏による薬剤師が実践すべき接客事例等が組み込まれた特別講演が特に好評を博し、メーカー展示ブースを含めて、会場は終日盛り上がった。
今回のテーマは、同社が常に提唱する「セルフプリベンション」。そして副題として、「お客様の健康と予防の提案を考える!」とのメッセージが付いた。
実際の会場展示では、「予防」「未病」をキーワードに、現状における生活者の最新ニーズに沿った売り場提案を試みた。具体的には、3つの問題解決ポイントとして、「デパートメント・リストラクチャリング・売り場の再構築」「ターゲットソリューション・客層別の問題解決」そして、「ヘルシーライフエクスペクタンシー・健康寿命の延伸」という考え方を提案。展示自体はそのポイントを踏まえつつ、各カテゴリーにおける直近の市場動向や立地別でのゾーニング事例、MD提案、そして棚割りに厚みを持たせるための同社専売品の提案を加えるなど、より実践的な内容となっていた。
展示を見たドラッグストア関係者、特に若い従業員たちが、「店舗それぞれの課題が把握でき、自分たちが何をしたらよいのか、その解決方法へのヒントもつかめた」など、展示内容への共感を示す人も多かったことも今回の大きな特徴と言える。
ライオン、長期環境目標「LION Eco Challenge 2050」発表
ライオンは6月28日、環境経営における長期目標として「LION Eco Challenge 2050」を策定したと発表した。
同社は、創業時から植物油脂を原料とした製品の製造販売を行い、水環境問題や地球規模の気候変動問題に対して、商品やコミュニケーションを通じて取り組んできたが、経営課題の中でも「サステナブルな地球環境のための取り組み推進」を重要課題と位置づけ、持続可能な社会と事業の発展の両立を目指している。
今回、長期的な視点に立ち、2050年に向けた環境経営の目指す方向として策定した「LION Eco Challenge 2050」では、CO2削減に向けて、事業所における省エネルギーの推進、高効率な設備・機器への更新・導入や再生可能エネルギーの活用、低CO2商品の開発と提供などを進めるほか、プラスチックの高度な資源循環に向けて、Reduce(削減)、Reuse(再利用)、Recycle(再資源化)、Renewable(持続可能な資源の活用)を推進。さらに、持続可能な水資源の使用に向けて、すすぎ回数1回の衣料用洗剤などの節水型商品の拡大等の活動を行う。
また、ライオンは同日、環境省が進める「エコ・ファースト制度」において、地球環境保全に関する新たな取り組み目標を反映した「エコ・ファーストの約束」を環境大臣に提出し、「エコ・ファースト企業」認定を更新した。
小林製薬、秋の新製品内覧会開催 「消臭元パルファムコンパクト」など
小林製薬は7月3~5日の3日間、東日本を中心とする流通関係者を招き、「2019年秋の新製品内覧会」を開催。コンパクトでかわいい容器のトイレ用芳香・消臭剤「消臭元パルファムコンパクト」や、大盛りの泡で便器全体を洗浄できる「ブルーレットさぼったリング大盛り泡」など全19品目の新製品を発表した。
会場では、医薬品、健康食品、スキンケア、芳香・消臭剤といった各カテゴリーの新製品・改良品を順に紹介するとともに、注力製品の「漢方ヒロレス」、「消臭元パルファムコンパクト」、「しっとり美肌マスク」、「のどぬ~るぬれマスク チンしてたっぷり蒸気」の大型ブースを設置したほか、売り方提案コーナーを設けて、業態及びエリア特性別の芳香剤定番棚の提案や、インバウンドの国別人気商品の紹介、増税後の反動減をカバーするCM投入及び特売セットの案内など店頭消化を後押しする提案を行った。
新製品としては、注力製品の「消臭元パルファムコンパクト」が、芳香剤市場に今までなかった斬新な見た目が話題となり、会期初日から日雑系流通関係者の大きな注目を集めた。また、トイレ用洗浄剤ブランド「ブルーレットさぼったリング」から7年ぶりの追加品となる「さぼったリング大盛り泡」は、益々高まる“時短”ニーズを捉えたアイテムとして期待が寄せられた。
このほか、同社グループ企業・ジュジュ化粧品、桐灰化学の2社のブースも設置し、付加価値のある新製品を披露した。
ユニリーバ、再生プラ・パッケージ採用発表 20年末までに完全切り替えへ
ユニリーバ・ジャパンは6月27日、記者発表会を開き、ビジネスの成長とサステナビリティの両立を目指すビジネスプラン「ユニリーバ・サステナブル・リビング・プラン」の新たな計画として、「ラックス」「ダヴ」「クリア」の秋の新製品を皮切りに、再生プラスチックを最大95%使用したパッケージを採用するとともに、2020年末までにPET素材のボトルを100%再生プラスチックに切り替える(技術的に切替が難しい着色剤等添加剤素材除く)ことを目指すと発表した。
ユニリーバ・ジャパン・カスタマーマーケティング・髙橋康巳社長兼CEOは「ユニリーバは、世界的に問題になっているプラスチックごみ問題を解決するために、より包括的で多角的にアプローチする『LBN―P(Less/Better/No-Plastic)』を提唱した。これは、『レスプラスチック』『ベタープラスチック』『ノープラスチック』――の3つの組み合わせによるもので、中でもユニリーバ・ジャパンは今年、リサイクルしやすい素材や再生プラスチックなどに替えていく『ベタープラスチック』の取り組みに注力する。プラスチックを使い捨てにする社会から資源としてリサイクルする循環型社会への移行に貢献していく」と述べた。
同社では、本施策により年間5200万本分のペットボトルをプラスチック資源として活用できるほか、原油使用時と比べて年間約1300㌧のCO2削減効果を見込む。また、前出3ブランド以外の新製品や既存品も今後順次切り替えていくという。
2019年7月10日号 記事一覧
会合・発表会
- パナソニック、年末商談会開催 備災に関する提案を強化
- ライオン、京セラと仕上げ磨き専用歯ブラシ「Possi」を共同開発
- カイロ工業会、定期総会開催 新会長に田中健一郎氏(桐灰化学)が就任
経営・施策
- マツキヨHD、PB医薬品「matsukiyo」のパッケージ天面に英語表記対応
- インコム・ジャパン、DgSと家電量販で「メルペイ」取り扱いへ
- 花王、日本ボッチャ協会のゴ-ルドパートナーに
- 桃谷順天館、6月27日のG20開催日に子連れ出社DAYを実施
製品・サービス
- コーセー、コスメデコルテの最高峰ライン「AQミリオリティ」改良
- 資生堂、IoTスキンケアサービスブランド「Optune」本格展開
- ユニリーバ、「ラックス」から新シリーズ「ヘアサプリ」発売
- WADAI 小林製薬 「消臭元」が2度目のギネス世界記録に認定
- マンダム、男性グルーミング19年秋新製品 新スタイリング剤など
- カネボウ化粧品、「カネボウ ザ クリーム」G20大阪サミットの提供品に
- クラシエHP、「ディアボーテHIMAWARI」などから新製品発売
- ユニリーバ、「ヴァセリン」から新リップが登場
- コーセー、美容乳液「雪肌精エッセンシャルスフレ」新発売
- エステー、新「シャルダンステキプラス」など秋の新製品・改良品発売
- UYEKI、ダニ対策品のロングセラー「ダニクリン」シリーズが高評価
- ユニリーバ「ラックス」、青山フラワーマーケットと冬の限定品を共同開発
- PRページ NSファーファ 「作業着専用洗剤 WORKERS」今秋改良
人事・組織
- Genky DrugStores、組織変更・人事異動を発表
- ハリマ共和物産、役員を選任
- 花王、人事異動・機構改革を発表
- カネボウ化粧品、人事異動を発表
- クレハ、役員を選任
- 日本調剤、三津原専務が社長に昇任
- 牛乳石鹸共進社、役員を選任
- バイソン、宮崎賢二氏が社長に就任
- 日本製紙クレシア、役員人事を発表
- コーセー、取締役・監査役・執行役員人事を発表
研究・開発
- 小林製薬、防風通聖散の内臓脂肪低減効果を実証
調査・統計
- KSP-POS 2019年5月 カテゴリー別ランキング
イベント・展示会
- 花王、「キュレル」新発売イベントで「リップケアバーム」を紹介
- 全卸連、「第3回グレート・ディール・ショー」を7月18日に開催へ
- 全卸連特別協賛のボウリング大会を11月に開催 協力企業を募集中
施設・店舗
- 東京卸連合会、事務所を移転 8月1日から業務開始
時評・コラム
- 泡沫 ドラッグストアと食品スーパーの差異
その他
- 最近のPR誌 プラネットVANVAN第123号
特集 【H&BC/AT】
- 総論 18年市場は堅調な推移 製・配・販の連携で課題に対応
- 固形石鹸 “石鹸は利益商材として貢献する商材”の認知拡大へ
- ハンドソープ・洗顔・ボディ用洗浄剤 単価維持が今後の課題
- ヘアケア 数量・金額ともに増加 更なるプレミアム市場の拡大を
- ヘアカラー 女性白髪用は液状とカラートリートメントが好調
- スキンケア化粧品 18年は前年を9%近く上回る市場拡大に
- 制汗剤 温暖化、清潔意識の高まりで市場拡大
- 衣料用洗剤 高付加価値品の展開強化で市場活性化へ
- 洗濯仕上剤 柔軟仕上剤市場が2連続で1000億円台を突破
- 台所用洗剤 スプレータイプが定着するも市場は前年割れ
- 住居用洗剤 2018年は微増で推移 「負担軽減」がキーワード
- ウェットシェービング 2018年は微減に システムレザーの不振が影響
- 入浴剤 健康志向を背景に堅調に推移 今後も成長に期待
- オーラルケア 高付加価値商品の売れ行きが好調 市場は安定成長続く
- 繊維製品防虫剤 ボタニカルを切り口に若年新規顧客を獲得
- 芳香消臭剤 部屋用・トイレ用の伸長で市場は拡大
- 殺虫剤 天候に左右されない施策の展開がカギ
- 子供用紙おむつ 各社、高品質・高機能コンセプトの商品開発に全力
- 大人用排泄ケア 高齢社会の進行で関連市場は拡大傾向に
- フェミニンケア 高付加価値商材の投入で市場の底上げ図る
- 家庭紙 高付加価値商品が市場の底上げと安定化に貢献
- 家庭用手袋 18年度は101.5%と堅調 使い捨てタイプの伸び幅なだらかに
- 電池 2018年は災害特需で拡大 単3形では携帯充電用途が急伸
- コンドーム 少子化や生産人口の減少受けて市場は微減傾向に
- カイロ 18年度の市場は前年比20%超の減少を記録
- ラップ・調理・保存関連品 家庭用ラップは堅調 内食指向も追い風に
- アルミホイル・アルミ箔関連品 シリコーン加工ホイルが成長して堅調に
- ペット関連品 「健康」「高齢化」キーに市場は新たなステージへ
- OTC医薬品 セルフメディケーション税制の周知徹底が不可欠
- 線香 2018年市場は微減で推移 新たな需要掘り起こしが活発
- ローソク 供養文化のあり方を問い直し課題解決へ
- ガーデニング 市場は除草剤関連の伸び目立つ
- 機能性表示食品 急拡大する市場、一気に2500億円規模に
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