2019年6月12日号掲載記事より
JACDS、設立20周年記念式典開催 2025年10兆円産業化目指して
日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)は6月3日、「設立20周年記念式典」を盛大に開催した。また、同日行われた通常総会・理事会では、新会長に池野隆光氏(ウエルシアHD会長)を選出した。
主催者代表として挨拶した青木桂生会長(クスリのアオキHD会長)は、まず20年前の設立当初を振り返り、「その時業界規模は2兆5000億円にも届かなかったが、今やその3倍、7兆2000億円規模まで成長してきた」と述べ、その背景として歴代会長や故宗像守事務総長らはじめ、多くのドラッグストア(DgS)業界関係者の尽力のお蔭だとし、あらためて感謝の意を表した。
青木会長は、今後JACDSとして「DgSが医療との懸け橋となり、予防・治療・介護が提供できるワンストップショップの提供に向け、努力していく」とし、2025年での10兆円産業化を目指す方向性をあらためて強調。業界関係者のさらなる支援を求めた。
式典の前に開催されたJACDSの通常総会・理事会で新会長に就任した池野隆光氏(ウエルシアHD会長)は式典最後に登場し、「10兆円産業化に向けて邁進しているが、JACDSが企業集団として成長するだけでは評価されない時代が来る」との予想を示した上で、社会的責任の達成が期待されてくるという持論を展開。また、今後はSDGsを前面に出し、実践するDgS集団に変わる必要性を示唆し、「環境問題や流通課題等、一企業では効果の出にくい社会の問題を、行政・製配と協働して取り組んでいく。そして社会から尊敬される協会を目指す」と力強い口調で抱負を語り、挨拶を締めた。
P&G、山田本部長が会見 「アンビション2030」を推進
P&Gは5月31日、同社東京オフィスで流通に秋の新製品を紹介する説明会「EXPO」(東京会場)を開催した。これに合わせて山田敦営業本部長が記者会見し、ビジネスの概況、サステナビリティ戦略「アンビション2030」について説明した。
山田本部長は、まず2018/2019事業年度が予定通りの着地で終了する見込みであることを報告。そして、中期経営戦略「Vision2020」が順調な進捗であることを報告し、2019/2020年事業年度が中期経営計画の最終年度であり、東京オリンピックがある年でもあり、目標達成に向け、これまでの戦略通り、市場を活性化する高付加価値商品を発売し、積極的な展開を進めていく考えを示した。
サステナビリティ戦略については、P&Gは、グローバルでサステナビリティ戦略「AMBITION(アンビション)2030」を進めていることを説明し、「社会」「製品」「サプライチェーン」「社員」の4分野で2030年までの目標を設定して取り組みを進めていることを紹介した。
なお、「EXPO」は、5月27日から6月12日まで、仙台、東京、神戸、福岡の4会場で実施。約120社600名以上の流通関係者が参加した。会場では、参加者が各部屋で主要カテゴリーの新製品について研究・開発・マーケティング・営業担当者から説明を受け、新製品の開発背景から特長などの理解を深めるとともに、店頭づくりの協働作業について、率直な意見交換を行った。
フマキラー、19年3月期決算は7期ぶりに減収減益に 天候不順で殺虫剤不振
フマキラーは6月4日、「2019年3月期決算説明会」を開催。大下一明社長、大下宜生副社長、下中正博専務国際本部長、佐々木高範管理本部長が出席し、決算概要、20年3月期業績予想、今後の展開などについて説明した。
同期の業績は、売上高412億4300万円(前期比13.6%減)、売上総利益121億1500万円(24.5%減)、営業利益11億3600万円(55%減)、経常利益13億3200万円(50.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益6億9300万円(60%減)となり、12年3月期以来7期ぶりの減収減益となった。
国内売上は、家庭用品、防疫剤、その他の部門が増収となったが、主力の殺虫剤市場が天候不順により前年割れの中、同社もその影響を受けて殺虫剤売上は前期比19.8%減の307億1000万円となった。
海外売上は、インドネシアの子会社の売上が天候の影響を受け、マレーシア・ベトナム・タイの各国でも、国内情勢や天候などの影響により減収。また為替変動によって円高となったこともあり、円貨ベースでは前年同期比20.3%減の172億4400万円(為替変動の影響を除く実質14.3%減)となった。
大下社長は反省点として、殺虫剤の競争激化による販促経費の増加への対応、見込み生産の精度向上と在庫管理(在庫削減)、売上と利益の予実管理の徹底を挙げ、20年3月期は売上高・利益の持続的な成長を目指し、非価格競争によるシェア拡大、商品アイテムの見直し、在庫の削減、見込み生産の精度向上、製造コストの低減、予実管理の徹底に取り組んでいくこと、また天候に左右されない強固な収益基盤づくりのために、通年型商品の開発、販売を強化していく考えを語った。
オカモト、事業戦略発表会開催 「ビバジェルつきコンドーム」など発表
オカモトは6月3日、「オカモト 2019年度コンドーム事業戦略発表会」を開催。日本で初となるコンドームの潤滑剤に“VivaGel(ビバジェル)”を使用した「ビバジェルつきコンドーム」を10月10日、発売するとともに、デザインや文字をコンドームにプリントできる「デザインコンドーム」を今夏に発売、コンドームの着用率を高め、性感染症予防意識向上に貢献していくと発表した。
「ビバジェルつきコンドーム」は、豪スターファーマ社が開発した活性物質「SPL7013」を0.5%配合したジェル剤「ビバジェル」を日本で初めて潤滑剤に使用したコンドーム。「SPL7013」は、ASTM E1052準拠試験においてHIV及びHSV(ヘルペス)に対し抗ウイルス作用が確認されている(但し、臨床における抗ウイルス作用は確認されていない)。
通常のコンドームでもゴム膜の遮断効果で性感染症予防はできるが、日本では「コンドーム=避妊」だけをイメージする人が多いことから、同品を通してコンドームのもう1つの使用目的である「性感染症予防」という面を改めて訴求し、予防意識の向上を図っていく。
もう1つの新商品「デザインコンドーム」は、表面にイラストや文字などデザインのプリントを可能にしたコンドーム。急増している訪日外国人客(インバウンド)に向けた「ジャパニーズカルチャー(浮世絵)」をはじめ、「プレゼント」「イベント」「ネーム」など興味関心を持てるデザインをコンドームにプリントできる特長を通して、「コンドームが身近で使いやすい」という意識の浸透を図る。
発表会では田村俊夫社長があいさつに立ち、「約7割の人はコンドームを着用せずに性交渉を行っていることが当社調査で明らかになっているが、この背景はコンドームは避妊具のイメージが強いためである。そこで、『コンドーム=性感染症予防』というイメージの浸透も図ることでコンドームの着用率を高め、性感染症予防向上に貢献する」と述べた。
花王、今期のギフト戦略発表 「アタックZEROギフト」を核に総合展開
花王によると近年、中元・歳暮ギフト市場は全体的に縮小傾向にあり、2018年の中元ギフト市場は、金額で前年比87%、件数で82%とダウントレンドが続いている。
洗剤ギフト市場においては、粉末セグメントが縮小し、濃縮タイプを含む液体セグメントの構成が約85%へ伸長している。また、液体セグメントでの濃縮液体と在来液体の構成比は、引き続きほぼ同等の状況となっている。液体セグメントにおける機能別の構成比は、抗菌が約4割、洗浄が4割弱、香りが約1割となっている。
19年中元ギフト市場は、プレミアム感や高級感のあるギフトが市場を牽引する傾向が続いており、厳しい状況は続くものの、トレンド並みの実績を見込んでいる。
花王の19年の取り組みは、購入単価アップが見込まれる「アタックZEROギフト」を中心に、「アタック」ブランドを主軸としたカタログと店頭展開で衣洗ギフト市場の活性化を促す。「アタックZEROギフト」のフルラインアップによる「新しいアタックギフト」「新しい洗剤ギフトのスタンダード」の認知と定着を図るほか、伸長している低価格帯贈答への対応として「アタックバイオジェルギフト」「アタック抗菌EXスーパークリアジェルギフト」に低価格帯を追加する。
2019年6月12日号 記事一覧
会合・発表会
- ココカラファイン、CF会総会で事業戦略を解説 SDGs対応を強化
- 西化工、第69回通常総会を開催 18年度化粧品出荷金額は過去最高に
経営・施策
- JACDS、池野隆光氏(ウエルシアHD)を新会長に選出
- ココカラ、スギHDと経営統合の協議開始 マツキヨHDとの協議を継続
- WADAI マックス「ごろごろ水配合美容液」がふるさと納税返礼品に
- キリン堂HD、野菜摂取数値化装置「ベジメータ」を取得
- リブドゥコーポ、介護者に向けた「e-おむつ検定」をスタート
- ユニ・チャーム、九州工場で竣工後初の工場見学を実施
- 相鉄HD、相鉄ローゼンを完全子会社に 丸紅との資本提携を解消で
製品・サービス
- 第一石鹸、プッシュ式濃縮衣料用洗剤「ノヴァージュ」改良発売
- 花王「キュキュット」、リラックスデイズ新発売 新形状ポンプ3品も登場
- P&G、「レノア本格消臭部屋干しDX」から日本独自開発の新香調
- ユニ・チャーム、「ウェーブハンディワイパー」ムーミンデザイン限定発売
- ユニ・チャーム、「マミーポコ スペシャルパンツ」限定発売
- リブドゥコーポ、「スマートキャッチパッドタイプ」リニューアル発売
- ライオン、「トップスーパーNANOXニオイ専用」新発売
宣伝販促
- サンスター「トニック」、世界に1つの泡デコフォトボトルキャンペ実施
- エステー、「脱臭炭」「米唐番」からプレゼントキャンペーン実施中
- アース製薬、東京オリンピック観戦チケット当たるキャンペーン実施
- 日本製紙クレシア、新CM「ポイズこれ1枚で悩みポイ」篇放映中
- 白十字、「キズ処置シリーズ」×「ヒロアカ」のコラボキャンペーン実施中
- 日本製紙クレシア、「ポイズでEnjoy」プレゼントキャンペーン実施中
人事・組織
- あらた、畑中伸介氏が代表権を返上 取締役会長に
- 資生堂、組織一部改正、人事異動を発表
決算
- 綿半HD、19年3月期決算は増収増益に 売上高・経常利益ともに過去最高
- エステー、親会社・シャルダンの19年2月期決算発表
研究・開発
- 花王、皮脂中に人のRNAの存在を発見 独自の解析技術を開発
調査・統計
- 日本製紙クレシア、夏の下着事情調査 「下着事変」の実態探る
- クラシエHP、小豆島在住女性対象に「オリーブ」意識・実態調査
- 大王製紙が調査、アウトドアの場は「他人への気遣い」見られる場
イベント・展示会
- ロート製薬、禁煙イベントで「卒煙」施策を紹介 山田会長兼社長が報告
- 「イーコマースフェア大阪」開催 西日本最大のEC・通販トレードショー
- ライオン、「第76回全国小学生歯みがき大会」開催 掬川社長も見学
- オカモト、音楽フェスにブース出店 性感染症予防を啓発
- カメヤマキャンドルハウス、「100万人のキャンドルナイト」に協力・参加
- クレハ、「第2回クレハカット選手権」開催 予選エントリー受付中
施設・店舗
- カメヤマキャンドルハウス事業部、青山店を移転 スクールを新たに併設
- ラッシュ、アジアの旗艦店「LUSH新宿店」をオープン
訃報・葬儀
- 訃報 中野清氏(広島共和物産元相談役) 97歳
時評・コラム
- 時評 規模か個性かDgSの再編
その他
- 小久保工業所、自社グッズを使ったレシピ本を初出版
特集 【エコ】
- 必要な持続可能な生産と消費 SDGsに基づいた活動に意義
- 花王 「キレイライフスタイルプラン」策定 持続可能な暮らし実現へ
- ライオン 環境対応先進企業として積極活動 「人のため、世のために」
- 牛乳石鹸共進社 環境にやさしい生産体制と製品開発を推進
- 澁谷油脂 オリーブオイル70%の無添加石けんが人気
- ユニリーバ 「USLP」がグループ全体成長の原動力に
- サラヤ 更家社長インタビュー 「持続可能なパーム油の調達に道標を」
- バーモントソープ・J 植物繊維100%のウォッシュクロスを販売中
- ユニ・チャーム 紙おむつのリサイクルシステムの実現に取り組む
- 旭化成HP 「フロッシュ食器用洗剤」 手肌にやさしい特長を訴求
- ミヨシ石鹸 環境配慮の面からもブランド価値向上を図る
- シャボン玉石けん 森田社長インタビュー 「主力の無添加石けんが好調」
- 太陽油脂 「パックスナチュロン」から創業100周年記念商品を発売
- 東邦 「ウタマロ石けん」が好調 SNS通じた情報発信が奏功
- ハイネリー ドライクリーニングに代わる「石けんクリーニング」を提案
- ミマスクリーンケア バイオ洗剤「緑の魔女」から大容量品追加
- 小林製薬 CO2排出削減、環境配慮製品の開発を重要課題に設定
- イオン トップバリュ環境対応型商品を発売 竹素材使った紙製品24品目
- P&G 環境負荷の低減を目指して全社一丸
- サバ 植物洗剤「エコシャボン」高評価 安全性・環境配慮・高洗浄力で
特別企画
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