2019年6月5日号掲載記事より
資生堂、ワトソンズと事業提携 「dプログラム」など専門商品を共同開発
資生堂はこのほど、世界最大のドラッグチェーンであるワトソンズグループ(以下「ワトソンズ」)と、戦略的提携を結び、今後共同で商品開発や社会貢献などの分野で取り組むと発表した。
資生堂の研究開発力及びブランド力と、ワトソンズの保有する小売ネットワークと消費者インサイトデータを融合させることにより、日本への興味や関心をさらに喚起させ、アジアを中心とする顧客に適した商品とサービスを提供していくという。
ワトソンズは1841年に香港に設立されたヘルスアンドビューティ分野で世界最大のドラッグチェーン。25の国と地域で展開する12の小売ブランドの下に、1万5000の店舗を運営し、店舗とECサイトを合わせた年間の総客数は52億人を数える。
資生堂グループ商品のワトソンズでの取り扱いは87年に台湾でスタートし、現在はアジアを中心に10ブランド以上を展開。今年4月、ワトソンズの独占販売により、敏感肌向けスキンケアブランド「dプログラム」を中国市場で発売したほか、共同で商品開発を手掛けた「dプログラム」の「アーバンダメージケア」は、18年10月からタイと台湾で販売し、中国でも今年7月より発売予定となっている。さらに、アジアで展開するコスメティクスブランド「Za」とスキンケアブランド「専科」からも、商品を共同開発する。
大木ヘルスケアHD、2019年3月期は増収減益 販管費増を吸収できず
大木ヘルスケアホールディングスは5月29日、「2019年3月期決算説明会」を開催。当期連結決算業績として、売上高2584億8100万円(前年同期比7.9%増)、営業利益20億3500万円(13.2%減)、経常利益31億2400万円(5.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益20億5000万円(11.4%減)という増収減益での着地であったことを公表した。
松井秀正社長は今業績について、「売上高は快適生活用品や健康食品等の新規事業が好調に推移し、計画通りの数値の確保ができた。しかし、一般管理費を始め、センターフィーや物流費、販促費等諸経費の増加が響き、減益の要因となった」と総括した。
また、商品カテゴリー別売上高については、「医薬品(8.4%増)や健康食品(16.5%増)に加え、日用品・軽衣料分野が大きな伸びを示した(38.2%増、カテゴリーの再編成有)。ベビー用品も順調に伸長し、増収に貢献した」と分析した。
さらに松井社長は、次期(20年3月期)に向けての方向性にも言及。「快適生活用品や健康食品事業だけでなく、C&V(コスメ&バラエティ)事業やコンタクト事業は堅調な動きを見せている。今年は、快適生活用品事業から、園芸とペット用品の2カテゴリーを独立させ、注力カテゴリーとして育成を開始する」と述べ、店頭における新カテゴリー創造に取り組む姿勢を見せた。
併せて、同社がMD戦略商品として位置づけて展開する、メーカーや小売企業とのSB(ストアブランド)・PB開発商品の提案にも引き続き注力していく。
マンダム、「TRPM4」肌細胞免疫反応制御でスキンケア領域へ挑戦
マンダムは5月28日、研究技術発表会を開催。細胞の感覚センサーであるTPR(トリップ)チャネルの1種である「TRPM4」が肌細胞の免疫反応をコントロールできることを日本で初めて確認したとともに、「TRPM4」の活性化によって炎症反応が抑制されることを発見。今後、この研究成果を生かしてスキンケア(免疫コントロール)領域への挑戦を図っていくと発表した。
TRPチャネルとは、地球上の殆どの生物が持つ細胞の肌感覚センサーのことで、温度センサーとしてだけでなく、化学的な刺激に対しても反応する。その中で、脳や心臓、肺の組織だけでなく、肌細胞にも存在するTRPチャネルの1つ「TRPM4」は、炎症に関わる免疫反応をコントロールしていることは以前から知られていたが、肌細胞における役割は分かっていなかった。
そこで研究を行った結果、「TRPM4」が肌細胞の免疫反応をコントロールできることを日本で初めて確認するとともに、「TRPM4」を活性化することで炎症反応が抑制されることを発見した。また、「TRPM4」を活性化する化粧品成分は、ミネラルの1種で温泉成分などで知られる「アルムK」であることを見出した。現在同社では、「TRPM4」の新しい活性化剤(アルムK)を特許申請中であるとし、今後、スキンケア(免疫コントロール)領域への挑戦を図っていくという。
説明終了後には担当者がミニプレゼンを行い、「アルムK」配合ローションを使った連用実験で、肌の水分量やハリ、毛穴で改善が見られたことを報告した。
ココカラファイン、2019年3月期連結決算は増収減益に 調剤が堅調推移
ココカラファインは5月22日、都内で「2019年3月期決算説明会」を開催。塚本厚志社長と森俊一上席執行役員管理本部総務部長が登壇し、当期決算概況と次期見通し、並びに2020年度を最終年とする「中期経営計画(5カ年)」の進捗、今後の経営方針について説明を行った。
当期連結決算業績は、売上高4005億5900万円(前年同期比2.5%増)、営業利益129億1500万円(5.8%減)、経常利益152億3300万円(4.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益91億5800万円(1.0%増)の増収減益となった。
減益の理由について森部長は、「調剤事業が薬価・調剤報酬両改定の影響は想定通りに吸収でき、M&Aによる規模の拡大で売上げは伸長したものの、ドラッグストア(DgS)事業で既存店売上伸長率が1.7%減、来客数が1.6%減と苦戦したこと」と説明した。具体的には、自然災害の影響と暖冬による季節商材(風邪薬やマスク等利益率の高い諸品群)の不振が大きく響いたとしている。
一方、塚本社長は次期(20年度)を最終年度とする中期経営計画の進捗について触れ、「売上高4200億円・経常利益(率)220億円(5.2%)、目標とするROA・ROE共に10%以上」という数値目標に対し、「売上げは若干未達となるがほぼ達成できる」との見解を示した。
その上で、引き続きの施策として「ICT等への積極的な設備投資による業務の効率化を図り、特に調剤事業の収益率向上につなげたい。また、ヘルス&ビューティー分野への取り組みをさらに強化し、経常利益率向上に努める」との方向性をあらためて語った。
小久保工業所、「KOKUBOフェア2019」開催 約1400SKU展示
小久保工業所並びに同社グループの紀陽除虫菊、そして今年新たに同グループに加わった扶桑化学は、5月28~30日の3日間、東京都中央区にある東京サンライズビルで、第3回東京展示会「KOKUBOフェア2019」を開催した。
今回の展示会には、同社グループならではの家庭用品、日用品など多種多様な便利グッズや必需品の数々が展示され、3日間の開催で、流通関係者ら約550人が来場した。
小久保社長は同フェアについて「普段、紹介しきれていない商品やこれから発売予定の新製品も紹介でき、また実際に数多くの商品を手に取って見て頂ける貴重な機会となっている」と話しており、会場には新商品も含め約1400SKUの商品が展示され、商談スペースでも連日、熱心に商談が行われた。
展示スペースでは、小久保工業所が販売するキッチン用品やランドリー用品、バスグッズ、掃除用品、収納用品などがカテゴリーごとに並べられたほか、紀陽除虫菊のコーナーでは、人気拡大中の洗口液「クチュッペL8020」をはじめ、入浴剤、殺虫剤、洗浄剤などの主力品、さらに扶桑化学からも殺虫剤や忌避剤、園芸用品などが展示紹介された。
さらに、今年東京にオープンした同社の直営店での売れ筋商品を紹介する「ベストヒットアイテム TOP3」のコーナーも新しく設けられ、小久保工業所の主力品のキッチン用品では、1位「アボカドスライサー」、2位「バタースティック」、3位「フードコンテナー」が、紀陽除虫菊の商品では、1位「オキシウォッシュ」、2位「ノボピン松の精」、3位「非塩素系洗濯槽クリーナー」がそれぞれ紹介された。
小久保工業所並びに同社グループは、「暮らしを便利に、楽しく」「製造業は創造業」「ひと工夫+オシャレに」「トラスト・クオリティ」「グローバルに進化し続ける」という5つのKOKUBOイムズを掲げ、幅広い商品展開を行なっており、様々な業態で商品取り扱いが広がっている。
2019年6月5日号 記事一覧
M&A・設立
- アース製薬、マレーシアに販売会社を設立 同国での事業展開に目途
会合・発表会
- 日石工組、第60回通常総会開催 事業活動活性化に向け承継の準備進める
- 大阪卸組合、第41回定時総会開催 11月に3つの行事の開催を発表
- 家同連・東家同、定時総会・製販懇親会開催 収益確保と安定供給を推進
- 全日本ブラシ組合、第50回通常総会開催 「組合の広報活動積極的に行う」
- アサヒG食品、「汁なし麺0(ゼロ)麻辣担々麺」発売 試食会を開催
経営・施策
- 小林製薬、気候関連財務情報開示タスクフォース提言への賛同を表明
- 花王「花王社会起業塾」、19年度塾生の募集開始
- ライフコーポ、Amazon「Prime Now」に食品スーパーとして国内初出店
- 第一三共ヘルスケア、皮膚症状の情報サイト「ひふ研」を開設
- コーセー「雪肌精」、今夏も「SAVE the BLUE」プロジェクトを実施
- イワイ(山形県) 地域密着卸として定着 「ハートとビジュアルで勝負」
- SAP大手・日本触媒と三洋化成工業が経営統合へ
製品・サービス
- ジュリーク・J、「ジュリークローズコレクション」8月に新製品発売
- 花王、「キュレル リップケア バーム」新発売 夜使うと翌朝まで潤う
- ユニリーバ、「ラックス ライブリーシャイン」セット発売
- ファンケル、セブン&アイHDと共同開発のクレンジングシート発売
- ニトムズ、「多用途補修テープlite」からミニサイズ発売
- 牛乳石鹸共進社、「ミルキィボディソープ」から数量限定企画品発売
- 小林製薬、「ブルーレット」が発売50周年 日本のトイレ環境とともに変化
- ユニ・チャーム、「ソフィパンティライナーCOOL」夏限定発売
- サンギ、「アパガードロイヤルクリスタルトラベルセット」サイト限定発売
- 日本製紙クレシア、「スコッティ」トイ・ストーリー4パッケージ限定発売
- ライオン「キレイキレイ」、ソニーと共同でワークショップ開催
- ライオン、「ルックプラスおふろの防カビくん煙剤」3年連続2ケタ成長
宣伝販促
- ファンケル「尿酸サポート」、博多華丸・大吉を起用したプロモを開始
- ピエールファーブルJ、「アベンヌ」アンバサダーに真野恵里菜を起用
- ソフトブレーン・フィールド調査、台所用洗剤「DgSで購入」半数近くに
人事・組織
- PALTAC、執行役員の異動を発表
- 孔官堂、新役員人事を発表
- メディカル一光、安達佳之氏が代表取締役に昇任
調査・統計
- ユニリーバ調査、「運動時の髪へのUVダメージ」気にする人が60%超
- 経済産業省 19年1~3月度洗浄剤統計 漂白剤が市場拡大
- 西化工 19年1~3月化粧品統計 日やけ止め・日やけ化粧品が大幅増
- シック・ジャパン調査 66%の女性が“うっかりムダ毛”でピンチを経験
イベント・展示会
- ライオンと日本歯科医師会、子どもたちが歯科医師と交流するイベント開催
- ヘンケルジャパン「バーネンゲン」、Touch&Feelイベント開催
- ライオン、「Girl's Summer Labo」お仕事体験イベントを開催
時評・コラム
- 泡沫 紫陽花が彩る季節の中で
特集 【薫香・ローソク】
- 線香市場 新たな需要掘り起こしが活発 母の日参り墓参実践率拡大
- ローソク市場 縮小下げ止まらず 今こそ供養文化のあり方を問い直す時
- 東京ローソク製造 ペット仏具「おもいでのあかし」第3弾を6月から展開
- 日本香堂・土屋社長インタビュー 市場活性化には情報発信力強化が重要
- 薫寿堂 葉っぱのかたちの新感覚お香「HA KO」シリーズ新発売
- 天昇堂 プレミアム線香「白檀乃木」が好スタート
- カメヤマ・竹中取締役インタビュー 「コミュニケーション供養」提供へ
- マルエス 「煙少香 ミニ寸」から「きんもくせい煌々」新発売
- 東亜ローソク 燃焼時間が短いローソク「プチシリーズ」が好評
- 孔官堂 「香りの記憶 珈琲」が市場に定着 進物用限定品を導入
- こもりコーポレーション・小森社長インタビュー 前期上回る売上高達成へ
- ニホンローソク LEDキャンドル「灯ととなり」新発売 揺らめく炎再現
- カメヤマ「夏の感謝キャンペーン」、QUOカード500円分をキャッシュバック
特別企画
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