2018年12月5日号掲載記事より
花王、「ファインファイバー」など5つの技術イノベーションを発表
花王は11月27日、「今後の花王グループを支える技術イノベーション発表会」を開き、「皮膚の科学」「健康の科学」「毛髪の科学」「界面の科学」「環境の科学」の5つの研究領域の技術イノベーションについて発表した。花王が製品化を前に技術イノベーションをまとめて発表するのは同社の長い歴史の中でも初。花王グループが今後、環境問題などの社会課題の解決、未来社会への貢献に向けた新たな価値提案への挑戦をしていく表明と言えそうだ。
澤田道隆社長は、「これまでの花王グループの研究のあり方は、自分たちの技術を自分たちで使い、出口を自分たちで設定していたが、これからはオープンイノベーションによる様々な連携によって出口を広げていくことが、ビジネス、社会貢献につながっていく」との考えを示した上で、花王グループの強さの源泉について、「本質研究の深化・融合によるイノベーション」「世界レベルでの解析研究・安全研究」「消費者・顧客視点でのつながる『モノづくり』」「ケミカル事業(研究)の家庭品事業へのシナジー」「SCMイノベーション」「インテグリティーの徹底、ESGの推進」を挙げ、花王グループの「本質研究」について言及した。澤田社長は本質研究を突き詰めると新たな発見・気づき・切り口が見えてきて大きな価値提案につながること、それぞれの本質研究の融合によりこれまでにない世界を創造することを説明した上で、これまでに「界面の本質研究」により、超濃縮洗剤、水の中で固まるコンクリートの開発など不可能を可能にしてきたことなどを紹介した。
さらに、今後の花王グループを支える技術イノベーションである「皮膚・繊維の本質研究」(ファインファイバー)、「健康・皮膚の本質研究〈解析〉」(RNAモニタリング)、「毛髪・皮膚の本質研究」」(クリエイテッドカラー)、「界面・環境の本質研究」(バイオIOS)、「環境・容器の本質研究」(パッケージリサイクリエーション)について説明し、境界領域の新事業では、別の技術も準備していることを明らかにし、未来の可能性を共有化、花王グループの存在感を醸成したい考えを伝えた。
あらた、2019年3月期第2四半期業績は売上高3.1%増
あらたは11月22日、畑中伸介会長CEO、須崎裕明社長執行役員COO兼営業統括本部長、鈴木洋一副社長執行役員管理本部長が出席して2019年3月期第2四半期決算説明会を開き、同期の連結業績並びに中期経営計画の進捗状況などについて説明した。
同期の連結業績は売上高3810億8100万円(前年同期比3.1%増)、売上総利益392億400万円(2.5%増)、販管費347億2500万円(2.8%増)、営業利益44億7800万円(0.1%増)、経常利益46億7300万円(3.5%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益33億3200万円(3.1%増)。
売上高は台風、猛暑など異常気象による季節品の販売不振があったもののドラッグストア業界の売上げ増加やH&B、家庭用品等の売上げが増えたことで増収。営業利益は、季節品の販売不振が影響し微増となった。経常利益の減益要因は、売上高増加に伴い必要となる運転資金をより安定的に優位な条件で調達できるように設定した500億円のコミットメントラインの初期手数料を第1四半期に一括計上したことや公募増資、転換社債の発行費用による。
下期は、利益貢献の高い商品の拡売、生産性の改善を図るべく、売上対策や粗利率対策、コスト対策に取り組む。これにより通期業績は、当初予想通り売上高7600億円(前期比3.7%増)、営業利益97億円(9.5%増)、経常利益100億円(5.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益65億円(2.2%増)の増収増益を見込む。
ユニ・チャーム、19年春の新製品発表会開催 顧客の求める夢の領域に先手
ユニ・チャームは11月27日、「2019年春の新製品発表会」を開き、卸・小売業者の首脳・幹部が多数出席した。高原豪久社長は冒頭のあいさつで、「五感を超えた第六感を探ることが重要になっている」とし、顧客が気持ち良さを感じる夢の領域に向けて、デジタル技術も駆使して迫ることに言及。今回の新製品が、共生社会の実現に向けて、あらゆる世代の人々の共生力の発揮に繋がるものであると報告した。
高原社長は、コーポレート・スローガン「NOLA&DOLA」のDOLAが顧客の求める夢の領域を満たすためにあるとし、「デジタル技術の進歩で人間の五感を把握することができても、それがデジタル化の真の目的ではない。デジタル技術を活用して、第六感を見出すことが本質」と述べた。第六感とはインスピレーションであり、中心は漢字の「観」でも表され、顧客が感じていても自覚できていない夢の領域と定義。「我々はこれを探り、顧客の思い描く方向をデジタルでもわかろうとし、フェミニンケア、シニアケア、ベビーケア、ペットケアなどの領域で、夢の領域に先手を打ちたい」と語った。
最後に、「お客様の人生、すべてのステージで、新たな価値を提案し、NOLA&DOLAに込められた『赤ちゃんからお年寄り、ペットまで、生活者がさまざまな負担から解放されるよう、心と体をやさしくサポートする製品を提供し、一人ひとりの夢を叶えたい』の実現につながる製品とサービスの創造に今後も挑み続ける」と結んだ。
ツルハHD、新PBブランド販売開始 「くらしリズム」など
ツルハホールディングスは11月28日、同社グループ共通の新プライべートブランド(PB)「くらしリズム」「くらしリズムMEDICAL」から新商品販売を開始。事業展開を本格化した。
同ブランドは。それまで展開してきた「M’sone(エムズワン)」「Medi’sone(メディズワン)」に代わる新たなPBブランドで、早い商品(「くらしリズム やわらか快適マスク」シリーズ等)は、すでに9月に発売しており、この10月、11月でも、「同メンズボディシート」「同メンズフェイスシート」や「同パレット浣腸」、「同アルカリ単3・単4」といった医薬品、日用品を販売している。
今回、この冬場に合わせた商品群を上市。その販売が本格的にスタートした。
またブランドマークについて同社は、「暮らしの幸せをつかむという思いの象徴として『四つ葉のクローバー』『てんとう虫』『虹』を取り入れた。どれも見つけると嬉しいモチーフとして選択した」とその意味合いを説明する。
今後、ツルハドラッグをはじめ、くすりの福太郎、ドラッグストアウェルネス、ウォンツ、くすりのレデイ、杏林堂スーパードラッグストア、B&Dドラッグストアなど、グループ各店舗で順次、販売を開始していく構え。
サンスター、「干支ハブラシ2019亥」通販で数量限定発売
サンスターグループ(以下サンスター)は、新しいハブラシで新年を迎え、健康な1年を過ごしてもらいたいという思いを込めて、来年の干支である猪と瓢箪をモチーフにしたオリジナルデザインハブラシ「サンスター干支ハブラシ2019亥」(6本セット)を、11月14日から、サンスター通信販売で数量限定発売している。
「サンスター干支ハブラシ2019亥」は、お口から全身の健康を考えるサンスターが、消費者の無病息災を願いデザイン。ハブラシには、歯周病菌とたたかうG・U・M(ガム)ブランドの「ガム・デンタルブラシ♯266(ふつう)」を使用している。自身で使用するのはもちろんのこと、家族、親戚、大切な人へ、贈る人の健康を願う贈り物として、帰省時のお土産としても使用できる。
サンスターでは、17年12月に次年の干支である戌をモチーフとした福戌ハブラシを、サンスター通信販売の会員を中心に数量限定販売したところ、大きな反響を得て、想定以上の速さでの完売となった。昨年の好評を受け、今後は毎年恒例の商品として「サンスター干支ハブラシ」の発売を予定している。
今回は、2019年の干支でもあり、無病息災の象徴ともいわれる猪(亥)、三つ揃えば三拍(三瓢)子揃って縁起よし、六つ揃えば無病(六瓢)息災と言われる瓢箪をモチーフに、無病息災の1年になるように、と願いを込めデザインした。
なお、「サンスター干支ハブラシ2019亥」は、徳島県松茂町にあるサンスター徳島工場で製造しており、同町のふるさと納税返礼品への採用が決定した。
2018年12月5日号 記事一覧
M&A・設立
- マンダム、マレーシアの化粧品企画販売会社を子会社化
会合・発表会
- 一般薬連、セルフメディケーション税制テーマにメディアセミナー開催
- 全国スーパーマーケット協会、「Food TABLE in JAPAN2019」開催概要発表
- アース・ペット、2019年春の新商品発表会 魅力的な新商品で市場拡大を
- 近石工・技術部会が工場見学会開催 生野金属、ミルボンなど視察
- スケーター、第1回春夏社内商談会開催 来春夏の新商品を提案
- グリーンベル、創立50周年記念内見会開催 「匠の技」新パッケージを披露
経営・施策
- インコム・J、ウエルシアHDと加盟店契約締結 モバイルコード決済導入
- 花王、変化に対応するグループ方針を説明 「化粧品新販売戦略」を展開
- マツキヨHD、PB「matsukiyo」がブランディング最高賞受賞
- サツドラ、「ふたりの妊活応援プロジェクト」開始 男性の妊活参加を訴求
製品・サービス
- UYEKI、「スーパーオレンジ消臭除菌 泡タイプ」をリニューアル
- コーセー、「スポーツビューティ」改良 「密着イオン技術」を新搭載
- 小林製薬、「消臭元パルファム」からボタニカル柄の企画品発売
- ユニリーバ「AXE」、ユニセックスフレグランスを数量限定発売
宣伝販促
- 資生堂、「SHISEIDO」WEB動画がフィルム・グランプリを受賞
- ライオン、水産物イベントで「リードクッキングペーパー」ギネスに挑戦
- 玉川衛材、「フィッティ」イメージキャラクターに横山だいすけを起用
- 牛乳石鹸共進社、動画「はじめての銭湯」を公開 プレゼントキャンペも
- 日本製紙クレシア、「クリネックス肌うるる」新CMをオンエア
- クラシエHP「ラメランス」、バカリズム出演のWEB動画を公開中
- 第一三共ヘルスケア、「ミノン入浴剤」新CM「甥っ子」篇の放映開始
人事・組織
- 資生堂、2019年1月からの組織の一部改正と人事異動を発表
- 小林製薬、2019年1月1日付けで役員人事・組織変更を発表
決算
- 米国P&G、18/19事業年度第1四半期業績を発表
- ココカラファイン、19年上期決算は増収減益に 調剤店舗の出店強化
研究・開発
- 花王、「ファインファイバー技術」を開発 スキンケア・メイクなどに応用
- ライオン、食器洗い行動の身体的・心理的影響を科学的に解析
調査・統計
- スーパーマーケット3団体、平成30年年次統計調査報告書まとめる
- 経済産業省 18年9月度洗浄剤統計 柔軟仕上げ剤が低調
- SM3団体、18年10月スーパーマーケット実績速報 全店・既存店とも増加
- ユニ・チャーム、園児・低学年の子ども持つ家庭に風邪・インフル意識調査
イベント・展示会
- 貝印、岐阜市問屋町の町おこしイベントに貝印初となるブースを出店
- ライオン、「エコプロ2018」に出展 「水」をテーマに展示
- ニトムズ、「文具女子博」に今年も出展 名入れサービスなど実施
- ユニ・チャーム、「エコプロ2018」に出展 テーマは「0」
- 牛乳石鹸、「いいふろまつり」を東京・大阪で開催 お風呂文化を紹介
- 伊勢半、「きれい応援プロジェクト」体験イベントを全国5都市で開催
- ジェクス、「GB学園レッドリボン啓発トークライブ」開催
- ジョンソン、「インフルエンザ対策で受験生応援!」イベントを開催
- ユニ・チャーム「ソーシャル・ウォーキング」、7回目となる体験会を開催
- 花王、大坂城星学園高校の生徒を対象に「女子高生の肌の授業」を開講
施設・店舗
- ザ・ボディショップ、渋谷店をリニューアル 企業の理念や歴史を訴求
- ラッシュジャパン、初のバスボムコンセプトショップを原宿にオープン
訃報・葬儀
- ユニ・チャーム、高原慶一朗ファウンダーのお別れの会に1700名超参列
時評・コラム
- 時評 ロイヤルユーザー重視の道を
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