2014年9月3日号掲載記事より
P&G・ジャパン、社長会見開く 過去10年間で最高の売上成長率達成
P&G・ジャパンは8月26日、業界紙に向けた社長会見を開き、奥山真司社長は2014事業年度(13年7月~14年6月)業績について、金額ベースで前年度比1ケタ台後半の売上伸長となり、過去10年間で最高の売上成長率、売上新記録の更新を達成したことを報告した。また新ヘアケアブランド「ヘア レシピ」のように、今後日本発の新製品を積極的に市場に投入し、その成功例をアジア市場をはじめ世界に向けて輸出していくことに全力を挙げることを明らかにした。
奥山社長は、成長を牽引したカテゴリーは、ファブリックケア、ホームケア、ベビーケア、オーラルケア、プレステージスキンケアの5カテゴリーで、10%近くあるいはそれ以上の成長をしたことを報告。
今後の施策では、市場の拡大を伴う「持続的な成長」をテーマに、①製品・店頭イノベーションの推進による価値創造(消費者セグメンテーションと戦略的なフォーカスの徹底、需要喚起・市場創造、包括的なイノベーション)②ホワイトスペースへの展開(カテゴリー、消費者セグメント)③市場・購買動向の変化への対応――を挙げた。
サンスター、看護師などの手荒れに応えるハンドクリームを共同開発
静岡県産業振興財団ファルマバレーセンター、サンスターなどは8月26日、同センターの活動状況・成果を報告する記者説明会「医療健康産業の新時代を拓く静岡“ファルマバレープロジェクト”~最新の成果と新拠点整備」を開催。その中で、サンスターの参画のもと、共同開発された看護師などに向けたハンドクリーム「プロズチョイスハンドクリームA」が発表された。
ハンドクリーム「プロズチョイスハンドクリームA」は、静岡がんセンター、ファルマバレーセンターが手荒れに悩む看護師に特化したハンドクリームを開発する中で、サンスターの参画によって製品化できたもの。
静岡がんセンター・楠原正俊研究所副所長によると、看護師は“一処置、一手洗い”が原則だが、1日に30回以上も手洗いをする場合もあり、それが手荒れの原因となり、手荒れ部分に雑菌がたまり、院内感染を引き起こす原因にもなりかねないという。
そこで、まず2009年、静岡がんセンターとファルマバレーセンターの共同プロジェクトとしてハンドクリームの開発がスタート。当初はクリームの香りに応用できる成分の模索から開発がはじまり、2012年にはサンスターが製品開発に参画し、保湿成分「セラミド2」「同5」を独自処方する同社技術を採用することで、看護師などの手荒れ治癒に最適化させたハンドクリームを完成させた。
サンスターH&BC事業部ヘアケア・スキンケアグループ・堂元貴弘研究員によると、看護師を対象に同品の有用性試験を実施したところ、有意な有効性・安全性が認められたほか、使用感アンケートでも受容性が高く「手荒れリスクの高い看護師の方々をはじめとするターケット層に有用なハンドクリームである」(堂元氏)ことが判明したという。
ホーユー、男性用白髪染め「メンズビゲン」から新製品「グレーヘア」発表
ホーユーは、男性白髪染め「メンズビゲン」の新アイテムとして9月1日に全国発売する「メンズビゲン グレーヘア」の新商品発表会を8月22日、実施した。
「メンズビゲン グレーヘア」は、白髪が黒髪より多い男性の中で、白髪染めをする際に白髪の印象を残した髪色にしたいと感じている男性に向けた新製品だ。当日はマーケティング本部から時田正博執行役員本部長らが出席して、同社の紹介とともに、白髪をきれいにみせるという新たな価値創造で需要を掘り起し、男性白髪用市場の活性化と拡大を図る提案を行った。
同社では、白髪が黒髪よりも多く、「白髪を染めていない」「白髪を肯定的に捉える」男性に向けて“魅せる白髪”を新提案する「メンズビゲン グレーヘア」を開発。
「メンズビゲン グレーヘア」は、白髪をあえて真っ黒に染めず、“魅せる白髪”へと導く。ターゲットユーザーは、白髪が多めで気になっているが、真っ黒に染めず、カッコよくオシャレな白髪でいたい50~60代の男性。カラーは、淡いグレーに染まる「ナチュラルグレー」と、少し濃いグレーに染まる「ダークグレー」の2色。
容器は新開発ボトルを採用。1剤と2剤が同時に出る「ワンプッシュボトル」で、混ぜる手間がなく、残量が見える新設計となっており、小分けに便利な仕上がりになっている。
広告・宣伝プランは、グレーヘアが似合う男性として俳優の岩城滉一を起用し、テレビCMや新聞を中心にプロモーションを展開する。内容量は、1剤(40㌘)+2剤(40㌘)。価格はオープン価格。
米国3M、住友電気工業から住友3M株式取得、「スリーエムジャパン」に
3M(本社=米国、インゲ・G・チューリン会長・社長兼最高経営責任者)は先頃、9月1日付で、住友電気工業が保有する住友スリーエムの株式(全株式の25%)を、900億円で買収することを発表。これに伴い、住友スリーエムは米国3Mの100%グループ会社となり、同日付で「スリーエムジャパン株式会社」に社名変更した。
小林製薬、「命の母」誕生111周年 母から娘へと受け継がれる保健薬
小林製薬の「命の母」は、1903年(明治36年)に誕生し、今年の9月16日で111周年を迎える。同品は「すべての女性を健康にしたい」という一心で創られた女性保健薬で、発売以来、激動の時代を生きる女性の生活に寄り添いながら、処方、剤形、パッケージの改良を重ねられ今日に至っている。
同品は、笹岡薬品の創業者である笹岡省三氏によって、生薬を配合した煮出すタイプの薬として開発され、蘭学者の父を持ち、病弱の母に影響を受けた同氏は、「様々な不調に悩む女性の役に立ちたい」との強い想いで1903年(明治36年)に「命の母」の売薬免許を取得した。
100年以上もの長い歴史を持つ「命の母」は、各時代で様々な受け止められ方や処方などの変化があり、明治~昭和前期の激動の時代には、大家族の中で過酷な労働に明け暮れていた女性を応援する製品として認知され、特に戦時中には「産めよ増やせよ」という世間の圧力の中、「子宝薬」と呼ばれ重宝されたという。
また、戦後~昭和後期にかけては、煮出すタイプだった「命の母」を錠剤に、さらには、糖衣錠にしたことで飲みやすくするといった剤形の変化に加え、ビタミンを配合したり生薬だけの錠剤を展開するなど、時代に合わせて少しずつ変化していった。
平成~現在においては、13種類の生薬とビタミン類などが配合された更年期障害の症状を和らげる飲みやすい錠剤の市販薬として、母から娘へ受け継がれ、現在も多くの女性の不調をサポートする製品として認知されている。
「命の母」というネーミングは、「様々な病や不調に悩む女性にとって全幅の信頼を置ける理想薬として、『婦人の生命』の源であるような薬を作りたい」という笹岡省三氏の想いから命名され、命を育む母性を尊ぶ同氏の想いが100年以上続く伝統のブランドを作り上げ、現在もその想いが受け継がれている。
2014年9月3日号 記事一覧
会合・発表会
- 油脂工業会館、9月10日に油脂論文講演会を北海道で開催
- 日石工組東日本支部、研修会開催 三栄レギュレーター東京工場を見学
- 三菱電機、14年新商品内覧会開催 来年から乾電池のデザイン一新を告知
- P&G、超コンパクト台所用洗剤「ジョイコンパクト」発表
経営・施策
- ケンコーコム、代表取締役の後藤玄利氏が退任の意向を表明
- 企業メセナ協議会、「This is MECENAT」に109件を認定
- 企業探訪 兼松 年間1億本強販売の電池「MEMOREX」が好評
- ファミリーマート+ファーマライズ薬局、千葉県に美浜店をオープン
製品・サービス
- 花王、「ロリエ超吸収ガード」改良 やさしいつけ心地の両立を実現
- 花王、「めぐりズム 蒸気でホットアイマスク」シリーズを改良発売
- ニベア花王、ドライスキン高保湿オイル状美容液を新発売
- P&G、「パンパースのしっかり吸収パンツ」新発売 お手頃価格を拡充
- P&G、超プレミアム柔軟剤「レノアオードリュクス」全国拡売へ
- エステー、「消臭力」から「アナと雪の女王」限定デザインシリーズ発売
- 大王製紙、「アテント男性に1枚安心巻かずに使えるパッド28枚」など発売
- 東芝LS、ニッケル水素電池「充電式IMPULSEシリーズ」発売
- ライオン、「ルック おふろの防カビくん煙剤」からせっけんの香り新発売
- ライオン、「デンタークリアMAXライオン」海外フルーツ香味限定発売
- ライオン、「Ban汗ブロックロールオン」発売5カ月で250万個突破
- ライオン商事、「ニオイをとる紙の猫砂 フローラルソープの香り」新発売
- アース製薬、衣類用防虫剤「防虫力」から吊り下げタイプ発売
- ピップ、ブランド初のサポーター発売 「ピップエレキバンサポーター」
- オカモト、「はめごこちサラサラ きらキュッと!すべり止め強化」新発売
- コージー本舗、「ドリームマジック」からルージュ新発売
- 常盤薬品工業、乾燥小じわケアできる「なめらか本舗リンクル保湿液」発売
- 伊勢半、ハイライト・チーク・シェーディングが1つになったパレット発売
宣伝販促
- カメヤマ、「夏の感謝キャンペーン」好評の中で実施中
人事・組織
- フマキラー、人事異動を発表
- クラシエHP、人事異動を発表
研究・開発
- 花王、天然油脂の主成分の中鎖脂肪酸を多く生成させる酵素を見出す
- 花王、茶カテキンの褐色脂肪組織への作用検証 肥満予防の可能性明らかに
調査・統計
- 東家同、14年7月度チラシ価格統計 価格訴求に頼らない販売が徐々に定着
- 経済産業省 14年上半期洗浄剤統計 6月は前年同月水準に回復
- JFA 14年7月度コンビニ統計 既存店の平均客単価が4カ月ぶり増
- JCA 14年7月度チェーンストア統計 梅雨明けの遅れで夏物商品苦戦
- JADMA 2013年通販市場規模は5.8兆円(前年比8.3%増)に
イベント・展示会
- 第95回東京医療衛生用品フェア開催 販売店関係者1200名が来場
- P&G、新パンテーンシリーズ日本発売記念スタートイベントを渋谷で開催
時評・コラム
- 時評 防災市場の可能性を拓け
- 泡沫 高校野球の風向き変えた小さな英雄
- らいたあ エステー「赤毛のアン」が閉幕 10年目の観劇で感じたこと
上記トピックスは要約版です。記事の詳細・全文は、日用品・化粧品業界の専門紙「H&BC マーケティングニュース」最新号(水曜日発行)でご覧になれます。お申し込みは刊行物案内をご参照ください。