2013年2月6日号掲載記事より
全卸連、卸流通アカデミー第3期2日目開講 ライオン濱社長が講演
全国化粧品日用品卸連合会は1月25日、次世代の卸経営者・経営幹部育成のためのプログラム「卸流通アカデミー(ORA)」(主催・全卸連、後援・ライオン)第3期2日目の講義を行った。
今回の「業界リーダーに聞く」では、ライオン濱逸夫社長が、「若いリーダー達に贈るメッセージ」をテーマに講演。濱社長は、卸売業に期待していること、メーカー側からの理想的な姿として「メーカーサイドの良いパートナーであることと、お客様に商品を届けるバリューチェーンの良きクリエイターであること。また、単に効率や低コストで画一的に商品を配送するのではなく、商品や地域の特性を活かした創造的なビジネスの展開を期待している」と述べた。
また、ライオンのものづくりとして、常に技術革新を図りながら、新製品を世に送り出し、1960年代の河川の発泡問題や、70年代の湖沼の富栄養化問題とオイルショック、さらには90年代からの地球環境問題も含め、様々な諸問題にも対応してきた経緯を述べ、「ピンチはカウンター攻撃の最大のチャンス」と捉えて、前向きに製品開発を行っていることを紹介。また、超コンパクト洗剤「トップNANOX」に採用されている高洗浄力成分MEEの開発を濱社長自身が研究員時代に担当したエピソードなども披露。「研究開発におけるイノベーションの原点は、『好奇心と執着心』である」と、ものづくりに対する熱い想いを語った。
この後、新時代で成長する地域密着卸売業のキーワードとして①毛細血管②密着度③生きた情報④スピードと自由度⑤信頼・愛される会社⑥オーナーシップ経営の6点を挙げて、特に①については「毛細血管のように全国津々浦々まで商品を届けることができる日本の流通網は、世界に誇るべきものであり、これをさらに高めて欲しい」とその重要性を強調した他、「リーダーの要諦は『トレードオフの決断力、責任感、行動力』『戦略立案の感性』『人を活かす』ことである」と語り、その心得を指南。そして最後に座右の名として、戦国時代の武将・黒田如水の訓戒「如水五訓」を引用し、「明日の卸流通を牽引する立派なリーダーになって欲しい」と参加者にエールを送った。
資生堂、鎌倉工場を15年度に閉鎖へ 生産・研究開発拠点を再編
資生堂は1月31日、事業構造改革の一環として「生産拠点の再編」および「研究開発拠点の統合」を実施し、主力工場の1つ“鎌倉工場”を閉鎖することなどを発表した。
まず「生産拠点の再編」に関しては、現在同社は国内の生産拠点として、久喜、鎌倉、掛川、大阪の4工場を有するが、そのうち、化粧水、乳液、美容液、クリームなどのスキンケア製品、口紅を生産する「鎌倉工場」を2015年度を目途に閉鎖する。同工場は1959年に操業、現在の生産数量は年間約1億個、2012年12月31日時点の従業員数は496名。同工場を閉鎖する理由について、同社では、「操業から50年以上が経過し、今後、老朽化対応や耐震性強化のために大幅な保守・修繕を要すると見込まれること」「操業開始時とは異なり、住宅地に囲まれ、工場の操業を継続するには制約が大きくなってきたこと」などを挙げている。
2014年に同工場での生産は停止し、2015年3月に閉鎖する予定。今後、同工場で生産する製品は掛川工場、大阪工場、海外のベトナム工場に振り分ける。一方「研究開発拠点の統合」に関しては、同社の強みである基礎基盤技術をより早期に市場に投入し、価値創造力を強化することを目的に、化粧品の製品開発研究を行う「資生堂リサーチセンター(新横浜)」、化粧品、医薬品、食品など幅広い分野にかかわる基礎基盤研究を担う「同(金沢八景)」を統合。2013年9月を目途に金沢八景を閉鎖し、新横浜に基礎基盤研究と製品開発研究の双方の機能を集約する。
エステー、鈴木貴子氏が4月1日付けで社長に就任
エステーは1月31日に開催した取締役会において、鈴木貴子氏が4月1付けで取締役兼代表執行役社長兼経営全般担当兼R&D部門担当に就任することを決議した。
同社の発表によると、この代表人事は「現社長の米田幸正の辞任の意向を受け、高収益体制の基盤づくりにおいて成果を生み出し、次世代の経営者に引き継ぐ体制が整ったと判断、同社および同社グループにおける『利益ある成長』をさらに加速させるため」としている。米田社長は、同日付けで退任する。
鈴木貴子氏は昭和37年3月生まれの50歳。昭和59年3月に上智大学外国語学部を卒業後、同年4月に日産自動車に入社。その後、LVJグループを経て、平成21年4月にシャルダン代表執行役(現任)に就任後、平成22年1月にエステー入社。同年4月執行役カスタマー・サービス部門担当兼フレグランス・デザイン担当兼新規事業担当、同年10月執行役コーポレートスタッフ部門副部長(経営企画担当)兼フレグランス・デザイン担当、平成23年4月執行役グループ事業戦略担当兼フレグランス・デザイン担当を経て、同年6月に取締役に就任。現役職(平成24年4月から)は取締役兼執行役グローバルマーケティング部門特命担当。
トゥディック、第20回春の商談会開く メーカー150社が出展
トゥディックは1月30~31日の2日間、「2013年第20回TODIC春の商談会」を開き、メーカー150社が出展、小売業100社400名が来場した。
商談会は、同社社員が会場前に集合して、「頑張ろう」の掛け声でスタート。展示企画ブースでは、春の新製品コーナーや話題の「トレンディコスメ」コーナー、アイデア家庭用品コーナー、クロスMD提案コーナー、ベビーフード・介護食提案コーナーなどを企画。また取り組み提案として、①棚割パターン②52週販促カレンダー③市場POSデータ④テレビCM情報などを提示するとともに、商談会特別企画やメーカー協賛企画を用意した。来場者は営業担当者及びメーカーの担当者から熱心に説明を聞き、有意義な商談を交わした。
また30日には、業界紙に向けての記者会見が開かれ、野村誠一郎社長と宮越一郎副社長が、同社の現況や経営方針などについて報告した。
野村社長はまず、昨年4月~今年1月の業績について、震災特需の反動と天候不順による夏物不振の影響で売上はやや減少したものの、昨年2月に実施したシステム改革や金沢市内の本社センターをはじめ富山県射水市内、福井市内、石川県白山市内、愛知県小牧市内、新潟市内の6センターをネットワークで結ぶ一元管理物流の実現により、財務コストの低減が図られた結果、前年並みの利益確保ができていると報告。「倉庫内物流経費は約3%減となったが、新年度は5%減を目指す」と述べた。
P&G、日本本社・研究施設を2016年に神戸・三宮に新設移転へ
P&G・ジャパンは1月28日、神戸市東灘区の六甲アイランドにある日本本社、研究開発施設(神戸イノベーションセンター)を、神戸市中央区(JR三ノ宮駅南側)に移転することを発表した。移転先は、新たに建設が計画されている施設(三宮ビル北館)で、2016年1~3月期に本社移転の見込み。
建物概要は、鉄骨鉄筋コンクリート造、免震構造。地上12階、地下2階。敷地面積約1880平方㍍、延床面積約1万8500平方㍍、着工は13年12月(予定)、竣工は15年9月(予定)。
同社では、1993年より六甲アイランドに現在の日本本社・研究開発拠点を所有していたが、現在その施設のスペースが有効活用できていないとのことから、今回の移転で、スペース効率はもとより、従業員の生産性向上に適した環境を新たに整備し、戦略的な重要性の高い日本市場において、今後も継続的な成長を図っていく考えだ。
2013年2月6日号 記事一覧
会合・発表会
- 香料工業会、第45回通常総会開催 「安心・安全な製品を提供」
- フマキラー、大阪で政策共有会開催 今期目標を前年比112%に設定
- 流通BMS協議会、流通BMS推進普及説明会開催 テーマは標準外利用
- 大日本除虫菊、関東地区金鳥製品説明会開催 V.I.P陳列コンテストで表彰
- 日本香堂、関東地区の卸店招き恒例の新春懇談会開く
- 日石工組、25年新春懇親会開催 瀧山理事長「企業の社会的貢献を」
- OTC協会、新春祝賀会・記者会見開く 今年度の事業活動計画を発表
- スーパー4団体、第1回流通BMS活用説明会開催 業界推奨サービス紹介
- アース製薬、東京で方針発表会開催 「新製品で新市場を創造」
- DMS、新春政策セミナー開催 講演「流通の常識を疑え!」など
経営・施策
- 2012年度カイロ市場 3年連続で300億円超が確実に
- 製・配・販連携協議会、流通BMS導入・拡大計画(更新版)を発表
製品・サービス
- クラシエHP、基礎化粧品ブランド「肌美精」から薬用美白シリーズ新発売
- 牛乳石鹸共進社、「カウブランド 赤箱125」新発売
- フレグラントアースワールド、「スタイルアロマ」から2アイテム新発売
- 大日本除虫菊、「金鳥の渦巻森の香り」など春の新製品14SKU発表
- ライオン、「ブライトW除菌&抗菌」改良新発売 抗菌性能と消臭効果向上
- シック、シック初のポンプ式シェービング剤など新発売
- J&J、ジョンソンボディケアシリーズから新製品発売
- ニトムズ、コロコロなどで“効果的な花粉対策”を提案 販促ツールも用意
人事・組織
- クラシエHD、役員異動を発表
決算
- 小林製薬、3月期第3四半期連結業績 暑さ対策製品苦戦し売上高前年下回る
調査・統計
- 経済産業省 24年11月度洗浄剤統計 市場全体は前年同期並みで推移
- スーパー3団体、24年12月度統計調査 年末商戦苦戦、早期販促で乗り切る
- JFA 24年12月度コンビニ統計 カウンター商材好調も既存店は7カ月連続減
- 通販協会、ネット通販利用者実態調査実施 スマホでの通販利用者が増加
- JCA 24年12月度チェーンストア統計 鍋物商材は好調も売上10カ月連続減
イベント・展示会
- サンスター財団、第6回JSDEIセミナー開催 糖尿病-栄養と口腔保健
- G&G、春季商談会開催 今期売上高100億円突破の見通し
時評・コラム
- 時評 卸フェアでの成果を生かそう
- 泡沫 引き際を知ること
- らいたあ 嫌な臭いを良い香りに 介護シーン向け消臭剤に注目
- 記者の目 “フェアトレード”のあり方
上記トピックスは要約版です。記事の詳細・全文は、日用品・化粧品業界の専門紙「H&BC マーケティングニュース」最新号(水曜日発行)でご覧になれます。お申し込みは刊行物案内をご参照ください。