2012年8月29日号掲載記事より
P&G、奥山新社長が会見 売上・出荷量・シェアで堅実な成長を達成
P&G・ジャパンは8月23日、定例記者会見を開いた。奥山真司社長は、2011/2012事業年度の国内業績について、①売上げの上昇②出荷量の上昇③企業シェアの上昇――という3つの堅実な成長を達成したことを発表。同会計年度の業績は、前年比で1ケタ前半台の伸びとなり成長を継続させていることを明らかにした。
奥山社長は、日本ビジネスが好調に推移した要因について、8割にあたる広範なカテゴリーで売上が伸長したことを強調、「需要喚起、市場創造につながる新たな価値の継続を達成した」と述べ、特に好調だったブランドとして、ファブリーズ、パンパース、ジレット、ブラウン、SK-Ⅱを挙げた。また、今後のビジネスの質を考えた時、グローバルビジネスとして日本市場を無視できない状況が起きていることを指摘。日本の消費者マーケットをみた時、普段から高い金額で購入する層が20%あり、この層が50%の日用品のマーケットベースを形成していると分析。日本ビジネスのチャンスはまだまだ大きく、この成功事例を世界に発信する必要性を説いた。
12/13年事業年度の上半期方針については、「需要喚起、市場創造による継続的な成長」をテーマに、秋の新製品並びに、過去最大規模の投入を行った春の新製品の確実な展開を行うとともに、製品・店頭・マーケティングなど、あらゆる消費者との接点においてイノベーションを推進。きめ細かい消費者へのセグメンテーションの充実を図るとともに、店舗形態の特徴に基づいて、現場レベルでのイノベーションを実現し、流通の得意先との戦略的な協働に更にまい進する決意を語った。
小林製薬、「トイレぴかぴか計画」セミナー 小学生のうんち意識等紹介
小林製薬は8月10日、社会貢献活動「小学校のトイレぴかぴか計画(以下=トイレぴかぴか計画)」に関するプレスセミナー「学校でうんち我慢しないで小学校のトイレ環境と子どもの健康を考えるセミナー」を開催した。
トイレぴかぴか計画は、日本のトイレの変化・進化に合わせて「ブルーレット」「サワデ―」といったトイレ環境の改善に寄与する製品を発売してきた同社が新たな社会貢献活動として取り組んでいるもの。具体的には、NPO法人日本トイレ研究所の活動に賛同・協賛し、10年から「学校のトイレは苦手」「学校でうんちができない」などの悩みを持つ小学生達に“排便習慣”に関する啓発活動や小学校のトイレの環境改善などを推進。今年度は6月1日から、対象製品の売上げの一部をトイレ改修費として寄付するキャンペーンを実施している。
今回のセミナーでは、はじめにさいたま市立病院小児外科部長・中野美和子氏が、摂食→排便のメカニズムなどを解説した後、同病院に排便異常で通院する子ども達の事例を紹介し、「排便機能は自律神経であるため、幼い頃はちゃんとトイレができない子どもでも成長すれば改善することが多い。ただし、トイレの使い方や排便の大切さを学ぶための『トイレトレーニング』は、社会ルールの学習として親子で取り組む必要がある」と述べた。
続いて小林製薬製品事業統括本部マーケティング戦略推進部・樽木利夫部長が、同社が6月に小学生ならびにその母親などを対象に実施したアンケート「小学生の排便実態調査」の結果を報告。また樽木部長は、トイレぴかぴか計画が、この“周囲の目”と“トイレ環境”の2点の改善を目指したキャンペーンであることに触れ、具体的な取り組み内容を説明。そして、今後の目標として「当社設立100周年である2019年までに累計100校にきれいなトイレを寄贈する」と発表した。
次に日本トイレ研究所・加藤篤代表が同研究所の事業内容や小学校のトイレ環境の現状などを報告した後、加藤代表と共に、10年にトイレぴかぴか計画でトイレ改修を行った岩手県遠野市立土淵小学校の中村節子校長がパネルディスカッションを行った。
麻友、第90回総合見本市開催 テーマは「狭小商圏への対応」
麻友は8月10日、11日の2日間、新規3社(アドバンジェン、UIECO、サラダタウン)を含む取引メーカー91社出展のもと、「第90回麻友総合見本市」を開いた。
前回同様、今回もテーマを「狭小商圏への対応」(2012秋・冬)と設定。高齢化が進行している中、狭小商圏の業態はどうあるべきかを情報発信するとともに、“第90回”の記念大会として厳しい経済環境の中で“地域卸から全国に元気を発信する”ことを目的に開催した。
毎回注目を集める“プレゼンテーションコーナー”では、「オリジナル手書きPOP検証コーナー」、「月別家庭用品提案コーナー」、「介護施設向け商品提案コーナー」、「節約暖房コーナー」、「秋冬商材(防寒グッズと正月飾り)の『必修商品提案リスト』と『選択商品提案リスト』」、「麻友オリジナル開発商品コーナー」を設けたほか、同社販促企画室員による①狭小商圏とは②隔年で実施している新潟地区小売業における狭小商圏への対応③気温の変化に応じた売場づくり――が説明・提案された。
そのうち「介護施設向け商品提案コーナー」について清水政弘社長は、被介護者1人が大人用紙おむつに対して年間10万5000円支出しているとのデータを示しながら、「この金額はH&BC関連品の1世帯あたりの年間支出額とほぼ同額だ。つまり、大人用紙おむつユーザーを1人獲得するだけで、H&BC関連品の売上げが倍増することになる」と述べ、今後はスーパーマーケットなどへも大人用排泄ケア関連品の導入提案を強化する方針を発表した。
J-NET中央、第66回MDF開催 「アクティブシニア」をテーマに
J-NET中央は8月23日、「第66回マーチャンダイジングフェア(略称・MDF)」を開催した。今回は「アクティブシニア」をテーマに取引メーカー97社とメンバー社のときわ商会と中日物産が出展し、取引先小売業など326社・717名が来場した。
出展社のうち、ときわ商会は同社取扱商品を紹介。
中日物産は、POPをつけたことでマウスウォッシュの売上げが伸びた実例を示すなどして、同社の“機能”をアピール。会場では王子ネピア、日本製紙クレシア、白十字、リブドゥコーポレーションら16社の参加で「アクティブシニアコーナー」が設けられたほか、「今年秋冬の新製品コーナー」「年末需要拡大商品提案コーナー(掃除用品、カイロ)」「自然派商品コーナー」「天然素材キッチン用品コーナー」などが設置され、さらにメンバー社の麻友が、「地域卸のリテールサポート事例紹介」として“狭小商圏への対応”と題したプレゼンテーションを行った。
当日は、午前9時から朝礼が行われ、関根社長が開催規模を報告するとともに、今期(2月21日から7月20日まで)の業績について、売上高89億2181万円(前年同期比100.7%)、粗利益1億1371万円(同85.6%)、営業利益6266万円(同76%)、営業外収益5529万円(同102.9%)、経常利益1億1796万円(同86.6%)で、売上高の内訳は①メンバー社売上げ67億9219万円(同97%)②メンバー社以外の売上げ6億9356万円(同148%)③J‐NET関連売上げ14億3605万円(同103.7%)――であることを報告した。
第一石鹸、九州新工場の竣工式開く 関東と九州の2拠点生産体制を強化
第一石鹸は、兼ねてから建設中であった九州新工場(福岡県北九州市小倉北区西港97-2)の完成に伴い、竣工式を行った。式には得意先、取引先をはじめ、地元関係者、同社社員など約100人が参加した。
竣工式では、はじめに工場内に設けられた式場において竣工神事が執り行われた。その後、工場の製造現場に場所を移し、第一石鹸の山川耕平社長、豊田通商の金谷秀毅執行役員、豊通ケミプラスの井上文男社長により始動式が行われた。
新工場は、敷地面積が約9500平方㍍、建屋部は4100平方㍍で、安全や品質管理の徹底のための様々な設備と配慮がなされており、台所用洗剤、衣料用液体洗剤、柔軟剤、住居用洗剤などの製造、充填ラインが設置され、月産1000トン余りの生産が可能。さらに、今後の生産に向けて化粧品の製造設備も設置されている。また、新工場近くに位置する旧工場については、数年内を目途に新工場に統合していくとしている。
見学終了後は、別室において竣工祝賀会が催され、冒頭、山川社長が「九州の旧工場は、建設からずいぶん経過しており、老朽化してきた面もある。そこで今後どうしていくかについて検討してきたが、同じ北九州市内でもう一度新工場をつくってやっていこうということになった。日本経済も我々洗剤メーカーも、昨今の人口減少の中で厳しい状況となっているが、良い品質のものをより安く提供し続けていくことが我々の使命であると考えている。旧工場では対応しきれなかった化粧品についても新工場では対応できるようになっている。関東と九州の国内2拠点での生産体制を強化し、今後もしっかりと上を見て前進していきたいと思っている」と述べた。
2012年8月29日号 記事一覧
会合・発表会
- 薬業連絡協議会、第60回定例合同記者会開く JACDS、日登協等報告
- デンタルプロ、第1回White Teeth Award開催し長谷川理恵が受賞
- 近石工、第92回技術部会開く 組合員・賛助会員ら57名が出席
- 除去力向上委員会、プレスセミナー開催 健康で若々しく美しい体作り提案
- ラッシュJ、クリスマス・冬季限定商品を発表 「洗隊レンジャー」など
- 三菱電機、新商品内覧会開催 「POWERアルカリEX」など紹介
経営・施策
- シンアクティブ社、日本支社を設立 販売・在庫管理の運用ツール扱う
- ユニリーバ、ダヴセンシティブマイルド・洗顔フォームを発売中止に
- PRページ P&G ロンドン五輪で多様なキャンペーン展開し成功に貢献
- フマキラー、「フマキッズ子ども研究所」WEBと野外で様々な企画を展開
- 小林製薬、通信販売事業の更なる拡大へ 9月から第3種医薬品4品目発売
- ユースキン製薬、「ユースキンA」ブランドサイトを開設
- ユニ・チャーム、ママ社員の退社は対象40名中1名 調査結果を発表
- マックスファクター、新スキンケアカウンセリング機器を導入
製品・サービス
- カシオ計算機、オンデマンド印刷行えるユポラベル対応カラープリンタ
- 花王、「キュキュット」シリーズ改良 新ロゴデザインを採用
- エステー、エアケア「ハロウィン」シリーズ限定発売 ミッキーマウスなど
- ジョンソン、消臭センサー&スプレー、消臭パフパフから新香調
- 旭化成HP、「フロッシュ」から食器用洗剤シトラスを新発売
- 東芝HA、防滴構造の防犯ブザー新発売
- ライオン、CHARMY泡のチカラ手肌プレミアムから限定品発売
- ライオン、「デントヘルス」オーラルケアシリーズ改良新発売
- 丸富製紙、トムとジェリーからハロウィン限定パッケージを発売
- 小林製薬「消臭元」、日比谷花壇とコラボした秋季限定品を発売
- P&G、「パンパースさらさらケアパンツ ビッグサイズ」新発売
- コーセーコスメポート、寝ている間にうるおいで満たす「肌リズム」新発売
- ニベア花王、プレミアムボディミルク新発売
- 資生堂、「ワタシプラス」限定発売の「美艶油」を店頭で販売開始
- マックスファクター、「SK-Ⅱ COLOR」秋の新色と新製品発売
- 桃谷順天館グループ、「ピンクリボンハンドクリーム」限定発売
- ウテナ、「シンプルバランス」など秋の新製品を発売
- カネボウ化粧品、「インプレスICリバイタライジング」を改良新発売
宣伝販促
- ジェクス、神奈川県由比ヶ浜で「グラマラスバタフライ」サンプリング実施
- 牛乳石鹸共進社、ミュージカル「エリザベート」に協賛
人事・組織
- クレハ、小林豊副社長が新社長に就任
決算
- P&G米国本社、第4四半期ならびに通期の業績を発表
研究・開発
- 花王、夏の暑さ対策に茶カテキン飲料 深部体温の上昇を効率よく抑制
- 資生堂、冷感センサーの働き高めるメカニズムと対応成分を発見
- ポーラ化成工業、ウドに体表温度の低下抑制作用を発見
イベント・展示会
- ニッド、第88回秋季展示会開催 282社のメーカーが出展
- 第29回フランチャイズ・ショー、来年3月に開催で出展社を募集
- 大王製紙、女子児童軟式野球大会エリエールトーナメント決勝戦開かれる
- ジェトロ、東京と大阪でセミナー開催 インドネシアへのビジネス進出
- 伊勢半本店、紅ミュージアムで10月に企画展を開催
施設・店舗
- 花王、中国・安徽省合肥市の新工場が竣工
- メディセオ、新物流拠点「南東京ALC」を竣工
時評・コラム
- 時評 高付加価値商材に光明あり
- 泡沫 いじめの質に変化
- らいたあ エステー「赤毛のアン」が千秋楽
その他
- 新日本スーパーマーケット協会「セルフサービス」8月号
上記トピックスは要約版です。記事の詳細・全文は、日用品・化粧品業界の専門紙「H&BC マーケティングニュース」最新号(水曜日発行)でご覧になれます。お申し込みは刊行物案内をご参照ください。