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2012年2月8日号掲載記事より

花王、尾﨑社長が会見 国内トイレタリー、化粧品市場の活性化図る

花王、尾﨑社長が会見 国内トイレタリー、化粧品市場の活性化図る

 花王の尾﨑元規社長は2月1日、記者会見を行い、花王グループ全体の事業活動の方向と重点方針について説明。その中で国内トイレタリー市場並びに、構造変化進む国内化粧品市場の活性化と成長するアジア市場における事業の発展―を重点方針に積極的な事業活動を進めていく考えを表明した。
 花王グループの重点方針は、①国内トイレタリー市場の活性化②市場の構造的な変化が進行している国内の化粧品市場の活性化③成長するアジア市場における事業の発展――の3つを進める考えを表明。尾﨑社長は「あくまでも消費者起点、現場主義に基づき、消費者の皆様の豊かな生活文化の実現に貢献する『よきモノづくり』を実現するとともに、社会の持続的な発展に寄与するために、地球環境の保全を始めとする社会的な問題解決のために出来る限りの努力を続ける」と力強く語った。

全卸連、卸流通アカデミー開催 ミヨシ石鹸・三木社長が講演

全卸連、卸流通アカデミー開催 ミヨシ石鹸・三木社長が講演

 全国化粧品日用品卸連合会(全卸連)は1月27日、次世代の卸経営者、経営幹部育成のための学校「卸流通アカデミー(ORA)」(主催=全卸連、後援=ライオン)第2期2日目を開講した。
 “業界のリーダーに聞く”では、ミヨシ石鹸・三木晴雄社長が若手経営者へ示唆に富む講演を行った。三木社長は、厳しい経済状況の中での企業経営のポイントについて言及し、「厳しい経済環境にさらされていることを自覚し、会社の発展よりもいかにして潰れない経営を行うべきかに重点を置くべきだ。また、中小企業の多くは“家業”だが、家業経営で大切なことは、なるべく自前で賄う身の丈に合った経営をすべきだ」と語り、さらに、ミヨシ石鹸の取り組みについて「サバイバル(生き残り)」を今年の経営テーマに、会社の規模縮小を図っていることを説明。具体的には、①社員の雇用を維持し、新規雇用を減らすこと②設備投資を減らすこと(銀行から借入をしないこと)――を挙げ、①については、「“雇用する立場”としては、平均年齢が高い企業は賃金負担が少なくて済むメリットがある。実際に当社では、過去に80歳に定年退職した社員がいる。また私は現在72歳だが、自ら商品開発に携わることもあり、高齢でも頑張れば仕事をこなせる」と自社の事例を紹介。この他、経営環境が現状よりも厳しくなった場合の対応方法について、「敢えて『頑張らない』ようにすることだ。無理して頑張るとろくなことがない。また営業では、『顧客の細かな要望に耳を傾ける』など忙しい時に出来なかったことをするのも1つの手段だ」と持論を展開した。

丸富製紙、3月21日出荷分から価格修正を実施 店頭価格298円目指す

 丸富製紙は、3月21日出荷分から家庭用有芯トイレットロール・白物12ロールの店頭売価298円を目指し、価格修正を打ち出す。同社は昨年2月にも価格修正を計画したが、東日本大震災や、それに伴う特需の発生から、実施できたのは4月に入ってからのこと。特需により業界全体の在庫は大幅に圧縮されたが、それ以降は出荷にブレーキがかかり在庫は次第に増加。秋に自主操短を行ったものの適正水準に戻らず、さらに輸入トイレットロールが増加するなど状況はむしろ悪化した。
 そうしたこともあり、店頭価格は4月の時点で一時は248円以上になったが、需給ギャップが大きくなったことや複数の大手販売店との交渉が成立していなかったことなどから次第に軟化。直近では店頭価格198円が多く散見されるなど最安値の水準になっている。一方でコスト面は、原油価格が昨年末までの3年間で2.5倍、天然ガスやナフサ、薬品の苛性ソーダが数年間で2倍以上、段ケースが約20%とそれぞれ上昇。ナフサは今年に入って約20%上昇した。また古紙原料の価格は、エネルギーと同じく元々世界的な資源の供給不足があるため価格の勝勢が予測される。
 こうした状況から、昨年もメーカー数社が倒産・廃業に追い込まれているほか、卸売業も苦しい立場に追い込まれており、さらに富士地区の赤字経営を続けるメーカーに融資する金融機関も不良債権化を危惧しているなど、メーカーの採算悪化は深刻な模様だ。
 同社は、営業・購買・工場・開発・物流部門をフルに機能化し、採算の高い商品の上市や販売、購買コストの引き下げ、増産・コストダウン、物流合理化などあらゆる分野で内部的に経営改革を進めてきたが、現状の販売価格水準やコスト構造では安定供給を維持することは困難であり、市場価格修正は避けられないものと判断した。

エステー、顧問の米田幸正氏が社長就任へ 鈴木社長は取締役会会長に

エステー、顧問の米田幸正氏が社長就任へ 鈴木社長は取締役会会長に

 エステーは1月31日に開催した取締役会において、4月1日付けで、米田幸正顧問の代表執行役社長就任、鈴木喬氏の社長退任および取締役会会長兼代表執行役就任の人事異動を行うことを決議したと発表した。
 今回の社長交代は、フマキラー、NSファーファ・ジャパンとの3社による資本業務提携や、関係会社との連携強化に伴う執行業務の多様化に対応するもので、10年10月から進めている経営改革をより一層強化し、高収益構造への転換を図ることを目的にしている。
 具体的には、これまでの鈴木社長による“1人体制”から米田新社長との“2人体制”に移行する。4月1日以降、鈴木氏は①エステーグループ統括②企業コミュニケーション(宣伝・広報)③資本政策などの執行業務を、米田氏は①同社に関わる業務執行(企業運営)②機能別部門組織の統括などの執行業務をそれぞれ担当する。
 新社長となる米田氏は、昭和25年生まれの61歳。平成15年から4年間、ハックキミサワ(現・CFSコーポレーション)社長を務めた後、ピジョン常務、スギホールディングス社長などを経て、平成23年10月にエステーに入社、顧問に就いていた。
 米田氏は、社長就任の抱負として「私は、総合商社で27年、小売業で8年、メーカーで2年、いわゆる“製・配・販”を経験してきた。今回のエステー社長就任は、これまで培ってきたことが大いに活かせることであり、集大成としてその期待に必ず応えたい。業務執行の責任者として、収益力を継続拡大するための進化する組織・業務・人材を構築する。また、過去にしがらみを持たないので、過去の成功体験に執着することなく、今までの経営基盤を基に環境変化に強い組織を築き上げていく」とコメントしている。

Paltac、ストアソリューションフェア開催 生活者視点での売り場の創造を

 Paltacは2月1日~2日の2日間、大阪市内で「Paltacストアソリューションフェア2012」を開催、全国の販売業者約600社、約3500名が来場した。
 今回は、「美・健康・快適への需要喚起~生活者パラダイムシフトへの対応~」をフェアのテーマに設定。経済環境や自然災害などを背景に生活者の価値観の変化が進む中、生活者の満足度の向上と需要の喚起を目的に、生活者視点での売り場の創造とソリューション機能の提案の数々が行われた。
 会場は、138社の出展メーカーによる「メーカーブース」のほか、企画提案を行うゾーンとして「プレゼンテーションゾーン」を設置。今回は5つのゾーンで構成され、会場入り口正面の「Paltacインフォメーション」では、今年1月に制定された同社の新経営理念「Paltacマインド」のもと、マーケティング機能の強化とイノベーションへの挑戦により、顧客満足度を向上させる取り組みをビデオとパネルで紹介。
 同社の新規流通限定商品のコーナーでは、①香るマウスウォッシュ(アミティエ)②女性用フットケアシリーズ(横山製薬)③韓国コスメ(アマルテ化粧品)④レッグウェア(セシール)⑤低反発グッズ(オークローンマーケティング)――などが企業ブースでアピールされたほか、平台に今春発売される同社流通限定品を一同に集めて展示されるとともに、通常商品と流通限定品を組み合わせた売り場展開例(計8テーマ)も合わせて披露された。

トゥディック、第19回春の商談会開催 物流システム改革を推進

 トゥディックは2月2~3日の2日間、「2012年第19回TODIC春の商談会」を開き、メーカー150社が出展、小売業90社250名が来場した。
 展示ブースでは、春の新製品コーナーや話題の「トレンディコスメ」コーナー、アイデア家庭用品コーナー、熱中対策コーナー、地元メーカー提案コーナーなどを企画。また取り組み提案として、①棚割パターン②52週販促カレンダー③市場POSデータ④テレビCM情報などを提示、来場者は熱心に説明を聞き、有意義な商談を交わした。
 また2日には、記者会見が開かれ、野村誠一郎社長が、同社の現況や経営方針などについて報告。野村社長は、昨年4月~今年1月の業績について、「東日本大震災に関連した仮需要はあったものの、全般的に地域経済の不況が長引く中で、コモディティ分野は単価下落傾向が続いた」とし、化粧品カテゴリーも店頭販売市場は苦戦し、実質的な平均単価が下がったと分析。この影響を受け、売上はやや減少したものの、物流をはじめ財務コストの低減を図った結果、利益の確保ができたことを報告、「筋肉質の経営体質になってきており、社員のモチベーションも高まっている」と述べた。また2月下旬には物流システムの刷新を目指し、最新ソフトを導入したシステム改革を実施することを表明。LOTAS(Logistics for Todic Advanced Solution)と名づけ、本社センターも改装し、マテリアルハンドリングの入れ替えを行う。このシステム改革に合わせて本社センター内のエリアを3つに集約し、搬送装置の入れ替えを図り、バラピッキング出荷の仕組みを一新することを発表した。


2012年2月8日号 記事一覧

会合・発表会

  • 日本DIY協会、24年新春特別セミナー&新年賀詞交歓会を開催
  • フマキラー、大阪で政策共有会開く 卸・小売業者ら350名が出席
  • 大日本除虫菊、関東地区「金鳥製品説明会」開く VIP陳列コン表彰式実施
  • アース製薬、東京でも方針説明会開催 「多数の新製品で新市場を創造」
  • 花王、東日本地区「有力販売店懇談会」開く 重点施策や営業方針など発表
  • 大島椿、創業85周年迎え記念式典開催 「人と人との関係はfor youで」
  • 日登協、岡山県支部を設立 会長にザグザグ・藤井社長が就任

経営・施策

  • キリン堂、100%子会社のニッショードラッグを吸収合併へ
  • 資生堂、かながわ地球温暖化対策大賞を受賞
  • pdc、田島社長インタビュー 「新ブランド導入で変革への布石」
  • P&G、社員のリーダーシップ育成や人材育成において、名誉ある賞を受賞
  • 苛性カリの世界シェアナンバー1・UNID日本支店長インタビュー

製品・サービス

  • 大王製紙「GOO.N」、第3回マザーズセレクション大賞で部門賞を受賞
  • PRページ 花王 オトナ女性の吸水ケア「ロリエ フリーデイ」発売
  • 花王、「アタック」発売25周年 記念品「イノセントローズ」を限定発売
  • 花王、「メリット」改良新発売 根元からサラサラな髪に仕上げる
  • P&G、「レノアプラス」改良新発売 手のひらでこするだけで消臭
  • ユニ・チャーム、「シルコットAg+汗とりパッド」を新発売
  • ライオン、「ソフトインワンシャンプー」改良 翌朝の髪がまとまりやすく
  • 日本製紙クレシア、アクアヴェールから新ポケットティシューを発売
  • シック、「シックハイドロシルク」など女性用カミソリ新商品発売
  • pdc、「ワンデアクア スキンコンディショナーゲル」など新製品発売
  • ホーユー、「ビューティーン」を新処方・新パッケージで刷新
  • ちふれ化粧品、ネイルエナメルなど春の新商品発売

宣伝販促

  • P&G、「ママの公式スポンサー」に澤穂希親子を象徴として起用

人事・組織

  • メディパルHD、渡辺秀一氏が4月1日付けで社長就任 熊倉社長は会長に
  • クラシエHP、1月26日付けで人事異動を発表

決算

  • 花王、第3四半期は増収減益に 売上高は2.2%増 利益減は原材料高が影響
  • 資生堂、12年3月期第3四半期決算 グルーバル事業が伸長
  • 小林製薬、12年3月期第3四半期連結業績 売上高は前年同期比0.4%増に
  • マンダム、12年3月期第3四半期連結決算 「ギャツビー」が堅調に推移
  • 東邦HD、12年3月期業績予想を上方修正

調査・統計

  • 西化工 23年1~11月販売統計 シャンプー、ヘアトニックが好調に推移

イベント・展示会

  • フマキラー、「花粉鼻でブロック」イベントに南明奈とハナブロウが登場

施設・店舗

  • フェザー安全剃刀、本社事務所建て替えで本社を仮移転

訃報・葬儀

  • ホーユー前社長・故水野新平氏のお別れの会に3000名超える人々の列

時評・コラム

  • 時評 流通限定品が投じる一石とは
  • 泡沫 帰宅困難者と電話の不通


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