2011年12月7日号掲載記事より
ユニ・チャーム、業界総資産拡大目指す2012年春の新製品を発表
ユニ・チャームは12月1日、首都圏の代理店・販売店関係者を招き、「2012年春新製品発表会」を開催。少子・超高齢化時代の中で市場を活性化する来春の新製品や具体的なマーケティング施策について説明した。
高原豪久社長は、現在は予測しがたい大きな変化が起こることが常態化する“ニューノーマルの時代”を迎えていることを説明したうえで、ニューノーマル時代に対応するには可能な限り先を読み、準備を徹底的に行うことが重要になるとの見解を示し、具体的な準備として、①パーソナルケア、ペットケアに特化した専門性を発揮して世界一の調査・研究をし続ける②カテゴリーリーダーとして常に新しい売場づくり、新しい販促策を提案し続ける③共振の経営を全社員で実践し、実行力を強化しつづける――ことを進めていくことを表明した。また、障害のある人も、健康な人も区別することなく、社会を共にすることが望ましいとする考え方である『ノーマライゼーション』を目指すこと、また、同社の考えるノーマライゼーションは、どんな人生のステージでも自分らしくあることが重要であり、そのためのサポートをすることであり、商品を提案すること、そして来春の新製品もこうした考えに沿った商品であり、品質・高機能を重視したことを詳述した。
そして同社の製品は人生すべてのステージでノーマライゼーションをサポートするが、日本は世界中の国々が経験したことのない超高齢化社会が迫っている状況から、日本が先導して、あるべき姿を示していくことが重要になる考えを示し、まず日本の社会で標準をつくり上げ、それを短期間でこれから高齢化が進むアジアの国々で展開する“アジア標準づくり”を排泄ケアの分野に絞り込んで流通とともに一点突破で挑んでいく壮大な考えを明らかにした。
JACDS政治連盟、特別講演会開催 宗像事務総長、樋口副会長が報告
日本チェーンドラッグストア協会政治連盟(松本南海雄会長)は、11月29日、特別講演会を開催した。松本会長があいさつに立ち、「薬剤師・登録販売者の医薬品の販売」について触れ、特に店頭での購入者への第1類医薬品の説明義務の遵守と徹底を要請。また、「調剤ポイント付与」の問題については、クレジットカードや汎用性のある電子マネーによる支払いに伴い生じるポイントの付与も含むため、それを踏まえながら問題解決に向けて真摯に取り組む方針を示した。続いて、日本チェーンドラッグストア協会・宗像守事務総長が、樋口俊一衆議院議員(JACDS副会長・ヒグチ産業)による主な国政活動として、①「医薬品ネット販売」への対応②「調剤ポイント付与問題」への対応③セルフメディケーション推進策「街の健康ステーション構想」の制度化――の3点を報告。
この中で、①については、「医薬品のネット販売」を求める行政刷新会議やネット推進議員連盟などに対し、ネット販売を阻止するための様々な活動を行った結果、「23年度中に厚労省は医薬品のネット販売についての可能性の検討を始める」とした閣議が決定。現在は本質的な決着を図るべく、引き続き活動を行っているとした。
この後、獨協大学経済学部教授(経済アナリスト)森永卓郎氏による講演「日本経済の今後の展開」が行われ、リーマンショックから現在までの日本を含む先進国の対応状況と、デフレや円高による日本経済への影響について独自の視点で解説した。
P&G、朝田本部長が会見 売上高・出荷量ともに好調を堅持
P&G・ジャパンは11月29日、会見し、朝田文彦営業本部長が7月からスタートした新会計年度における現況並びに今後の施策について明らかにした。
朝田本部長はまず、7~11月までの業績について報告。前会計年度に売上高・出荷量ともに前年同期比1ケタ後半に近い伸長率を達成した勢いを受け、引き続き好調が続いており、売上高・出荷量ともに前年同期比1ケタ半ばの伸長率で推移しているとした。
好調の理由としては、新製品を含めて製品シェアの拡大があり、エアケアではファブリーズシリーズの全アイテムが健闘。また柔軟剤では、レノア、レノアハピネスの香りをコンセプトにした商材が堅調となり、シートタイプも底上げに貢献した。更にベビーケアのパンパースが伸長したほか、パンテーン、ジョイなどのメーンブランドも順調な推移で、厳しい市場環境の中でも前年比を上回る結果を達成できていることを強調。
また、ビジネスの成功要因として、①店頭・製品供給・販売予測などにおける「質の向上」を挙げ、卸・小売業との協力関係が更に強化された結果であることを明らかにした。
更に今後の商品施策については、新製品の「ボールド香りのおしゃれ着洗剤」で、“おしゃれ着洗い”という新セグメントに“香り”のニーズを結び付けたことを例に、「1つのブランドについて、多面的な用途や機能を持たせることにより、メガブランドを育成していく」と表明。
なお今年からゴールデンストア・プログラムを発展させた一般店プログラムを展開しているが、前年を上回る目標どおりの成果を上げている。特にメーカーと卸売業のサポートの重複をなくし効率化を図ることを目的にしているが、卸売業のより強い協力関係の中で順調に成果を上げている。今後も全国卸や大手卸だけでなく、中小地域卸とのエリア戦略を含めた適切な環境づくりにも全力で取り組んでいくという。
ライオン、夏の節電、前年比28%削減 オフィスのCO2排出量も大幅削減
ライオンは環境保全の業界トップランナー企業(エコ・ファースト企業)として、今夏(7月~9月)の東京電力・東北電力管内での最大電力を、昨年の最大値の15%以上削減する「節電の約束」を掲げ、様々な取り組みを行ってきた。その結果、今夏の当該地域での最大電力を昨年の最大値(1万1582kw)に対し、28%以上削減した。
また、全社でのCO2排出量削減の取り組み「ライオンチャレンジ25」では、4月~9月におけるライオングループ全体の事務部門(オフィス、一部生産施設の事務所をのぞく)で、前年同期比380t削減(14.7%減)し、05年の取り組み開始以来最大の削減量を達成した。
なお、同社は、東日本大震災による東京電力及び東北電力管内の電力需給ギャップに対処するため、エコ・ファースト企業として、当該地域での今夏の最大電力を、昨年比15%以上削減することを目標にし、①東京電力管内の同社グループ事業所(工場、研究所、オフィス)で輪番操業を実施②千葉工場での一部設備の昼間運転を休止、LNGコージェネレーションシステム(発電・熱利用システム)を稼動③ 全国各事業所での照明の間引き、空調温度設定28度の徹底と運転時間の短縮など④5月1日からの「クールビズ」実施、昼休みの消灯⑤環境省の「昼も夜もライトダウン2011」への参加―などの取り組みを実施した。その結果、今夏の最大電力は8309kwとなり、前年同期比28%以上の削減を達成した。
また、同社は空調温度28度設定(「クールビズ」採用)、及び「ノー残業デーの実施」、「未使用時の消灯の徹底」など、これまでの施策の徹底に加え、今年は「節電の約束」における各種施策を展開した。その結果、4月~9月のオフィスでのCO2排出量は2199tとなり、前年同期(2579t)比380tのCO2削減を実現した。この削減量は、取り組みを開始した05年以来の最大量。
資生堂「スーパーマイルド」、「パパフロ」プロモーションを実施
資生堂「スーパーマイルド」はこのほど、パパと子どものおフロ時間を応援する「パパフロ応援委員会」を設置し、「あと何回、子どもといっしょにおフロに入れるだろう」をメッセージに、様々なプロモーションを11月中旬から展開している。
同委員会では、20歳から55歳までの小学生以下の子どものいる男女900名を対象に、インターネットによる浴育に関する意識調査を実施。その結果、父親が気軽に参加できる育児として「パパフロ」を実践している男性が増加しており、入浴という日常的な行為が子どもとの貴重なコミュニケーションの場として見直されていることがわかっている。
スーパーマイルド「パパフロ応援委員会」は、育児期の父親を含め、家族の楽しいおフロ時間を応援するために発足。よしもとクリエイティブ・エージェンシー(本社/東京都新宿区:社長 水谷暢宏)が展開する「PaPaPARK!プロジェクト」とともに、育児を楽しむ男性(イクメン)を応援。各種イベントへの協力、ワークショップの開催などを通じて、「パパフロ」(父子入浴)の浸透を図っていく。
店頭では、パパ芸人5名(ダイノジ=大地洋輔、ペナルティ=ヒデ、ロンドンブーツ1号2号=田村亮、千原兄弟=千原せいじ、COWCOW=山田興志)が考えたおフロ遊びを、パパフロカードとして作成し、11月中旬より配布。同カードは、入浴中の遊びを通じたコミュニケーションを提案するもので、資生堂WEBサイト内でもダウンロードが可能。
スーパーマイルドは「大切な人の髪に、信頼できるものを。」というコンセプトで、純国産オーガニックハーブ配合エッセンスを使用。髪へのやさしさのみならず、育児期の父親と家族の楽しいおフロ時間を応援することで、家族にもやさしいシャンプーを目指している。また、商品外装には、「パパフロ」のロゴPOPを添付するほか、環境負荷の少ないサトウキビ由来ポリエチレンを採用し、環境にも配慮している。
2011年12月7日号 記事一覧
特別企画
- カミソリ特別企画① 和鋼博物館を視察 「たたら製鉄」の伝統を伝える
- カミソリ特別企画② 日立金属安来工場を訪問 高品質の「帯鋼」を生産
- カミソリ特別企画③ 安来工場・長谷川工場インタビュー
- カミソリ特別企画④ カミソリ倶楽部・竹内社長に聞く
M&A・設立
- ポーラ・オルビスHD、豪ジュリークを完全子会社化
会合・発表会
- 味の素ヘルシーラプライ、“ロコモ”などをテーマにセミナー開催
経営・施策
- ライオン、中国事業会社の青島ライオンを完全子会社化
- ユタカファーマシー、Tポイントを導入へ ドラッグユタカで展開
- ちふれ化粧品、なでしこリーグのチームとスポンサーシップ契約締結
- フマキラー、「アレルシャット」早期導入とプロモーション展開
製品・サービス
- クラシエHP「ナイーブ」、数量限定品と「映画 怪物くん」がコラボ
- 資生堂、アジア戦略ブランド「専科」からワンステップクリーム新発売
- メロディアン、エステンシアシリーズからエイジングケアの新アイテム追加
宣伝販促
- エステー、「脱臭炭」新CM放映開始 炭の妖精“スミスくん”が登場
- エステー、「消臭力ぷくポン」新CM ミゲル&ディランが夢の共演
人事・組織
- イオン、マルナカ・山陽マルナカの新経営体制を発表
- 永廣堂本店、新役員人事を発表
決算
- プラネット、12年7月期第1四半期決算発表 増収増益で推移
- ハーバー研究所、12年3月期第2四半期決算発表 前年同期から大幅回復
- ニチバン、12年3月期第2四半期決算発表 震災と原料高の影響で減収減益に
調査・統計
- JCA 23年10月度チェーンストア販売統計 医薬品、防虫剤など好調
- ユニ・チャームなど、「震災前後の排泄ケア」調査結果発表
- 粧工連、電力使用削減結果調査 回答した大口需要家の全てが15%以上削減
イベント・展示会
- 白十字、第2回サルバ「介護川柳コンテスト」入賞作品を発表
- 第5回東京コスメティック・コレクション開催 24の化粧品ブランドが出展
- オカモト、授業形式イベントでエイズ予防啓発を東京・新宿で実施
- ジェクス、東京・渋谷でトーク&ライブイベント開催 世界エイズデー
- 花王、「第2回国際こども環境絵画コンテスト」受賞作品を決定
- 日本DIY協会、「DIYHCショウ」12年8月に幕張で開催
- ディーエイチシー、「DHCシンデレラアワード」最終審査発表会開催
- 牛乳石鹸共進社、第1回お風呂川柳大賞実施 全従業員の約8割から応募
施設・店舗
- 第一石鹸、福岡・北九州市に新工場建設 生産能力増強・品種拡大目指す
時評・コラム
- 時評 行く年の重み背負いて越年へ
- 泡沫 師走は日本を離れて
- 日雑談 昔を知ることの大切さ 新たな発見や様々なヒントが
上記トピックスは要約版です。記事の詳細・全文は、日用品・化粧品業界の専門紙「H&BC マーケティングニュース」最新号(水曜日発行)でご覧になれます。お申し込みは刊行物案内をご参照ください。