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2011年11月9日号掲載記事より

ライオン、新経営ビジョン発表 くらしとこころの価値創造企業へ

 ライオンは10月28日、新経営ビジョン発表会を開き、2012年から2020年に向けての新経営ビジョン「Vision2020」及びビジョン実現に向けた中期経営計画「V-1計画」並びに「新コーポレートメッセージ」を発表するとともに、来年1月1日から藤重貞慶社長が代表取締役会長取締役会議長最高経営責任者に、濱逸夫常務取締役が代表取締役社長最高執行責任者に就任するトップ経営人事を明らかにした。
 藤重社長の説明によると、同社は10月30日に創業120周年を迎えるが、創業以来、社是として「愛の精神の実践」という考えの下、社会への貢献を強く意識した経営に努めてきた。新経営ビジョンは、こうした創業の精神を振り返るとともに、社会への貢献の仕方を見定めるためのものとなっている。
 新経営ビジョンで目指す姿は、①くらしとこころの価値創造企業②環境対応先進企業③挑戦・創造・学習企業――3つのビジョンであり、「めぐり来るすべての一日の人の清潔、人の健康、人の快適、そして人の環境を守り続け、価値ある未来をつくる、くらしとこころの価値創造企業」を2020年の企業像としている。
 新経営ビジョン実現に向けた推進プロセスとして、中期3カ年経営計画を位置づけ、3カ年中計3回での到達をイメージし、2020年の業績面の目標として、連結売上高5000億円、連結営業利益500億円、営業利益率10%を目指す。この内海外事業は連結売上高で現在の約500億円から3倍の約1500円(海外売上高構成比30%)が目標。
 新経営ビジョンの実現に向けた初動の実行3カ年計画(2012年~2014年)は「V-1計画」として、「将来ビジョンの実現に向けた挑戦の始動」をテーマに「4つの戦略」の具体的施策を始動・加速を図るとともに、確実な収益性の向上を目指していく。

全家協/協力会、製・配合同フォーラム開催 上期は取扱高4%増を達成

全家協/協力会、製・配合同フォーラム開催 上期は取扱高4%増を達成

 全国家庭用品卸商業協同組合(全家協)ならびに全家協・協力会は10月28日、「'11製・配・合同フォーラム」を開催した。
 はじめに吉田昌弘協力会副会長(東和産業)が開会の宣言を行った後、岡部弘幸全家協理事長(岡部)が「全家協の魅力は、幅広いカテゴリーの商品を取り扱っていることであり、それが今回の震災に伴う生活必需品の需要急増や、“夏の節電意識”の高まりなどに、組合員卸が迅速に対応できた理由でもある。現在は“冬の節電”として土鍋などの需要が高まっているものの、パニックになることなく、必要な商品をタイムリーにお届けしていく。それが我々卸売業の使命だ」とあいさつするとともに、全家協の近況として、上半期の取扱高は震災特需などの影響で昨対比104%と好調に推移したことや、先立って開催した臨時総会で次期の新役員を内定したことなどを報告。
 次に下正晴全家協理事(丸金)が、9月に開催した製配合同展示会「リビングワンダーランド2011」の結果を報告。それによると、今年度の来場者数は前年比49人増の1920人となったほか、出展社の中に同展に合わせて新製品を発表するメーカーが増加。来年度に関しても「すでに開催が決定しており、より一層レイアウトなどの改善に取り組んでいく」という。そのほか、事務局から、今年度新たに協力会に入会したメーカー3社(木下水引、丸和ケミカル、宮島化学工業)が紹介された。

卸研、卸研フォーラム2011開催 「災害時の事業継続」をテーマに

 情報志向型卸売業研究会(卸研)は11月1日、「卸研フォーラム2011」を開催した。今年で14回目を迎える同フォーラムは、先の東日本大震災を踏まえ、「災害時の事業継続~卸売業の果たす役割~」をメインテーマに基調講演、事例報告などが行われ、メーカー、卸店、小売業など約140名が出席した。
 はじめに、井上毅会長があいさつに立ち、「今回は、東日本大震災の中で卸売業がいかに物流・情報面で尽力したことを再認識してもらいたいとの思いから、災害時の危機管理に関連した内容でこのフォーラムを開催する」と述べた。
 続いて、基調講演が行われ、日本アクセス・中井忍常務執行役員ロジスティクス管掌補佐兼ロジスティクス本部長が、「東日本大震災で卸売業が果たした役割」と題して基調講演を行い、東日本大震災によって同社の東北管内にある45拠点のうち18拠点が被災し、その被災状況を述べるとともに、初動対応としてスタッフの安否確認と被害状況把握・人的応援を行ったことを紹介。また、震災後の対応については、代替拠点及び支援物資受入れ拠点として近隣倉庫の一時的な確保に奔走したほか、他の拠点からはフェリーを使って支援物資の輸送を行ったことを報告した。
 次に、エス・ビー・システムズ・稲垣登志男常務取締役が「消費財流通における情報システム化と危機管理」と題した講演を行い、震災によって大手商材卸売業では、情報機器・設備や情報システム、物流センターなどで様々な影響を受けたことを説明したほか、震災後に実施した情報危機管理の状況について15社の卸売業を対象に実施したアンケート結果を発表するととともに、情報システム面における様々な対応方法とBCP策定のポイントを紹介した。

サンスター、公式コミュニティ「G・U・Mラウンジ」をオープン

サンスター、公式コミュニティ「G・U・Mラウンジ」をオープン

 サンスターは、「G・U・M(ガム)」公式コミュニティ「G・U・Mラウンジ」を、11月1日からオープンした。
 「G・U・Mラウンジ」は、会員登録無料のオープン型コミュニティサイト。“オープンな場所では話しづらい”“できれば友人には隠しておきたい”歯周病やオーラルケアについて、気兼ねなくおしゃべりしながら楽しく情報交換ができる、今までになかったコミュニティ作りに挑戦する。
 コミュニティは次の2つの公式サークルで構成されている。
 「そこが知りたい! おクチの健康 知恵袋」=実は意外と知られていない歯周病の情報やおクチの健康豆知識など、真面目で固くなりがちなコンテンツを、ユーザーからの視点で分かりやすく提供。
 「みんなで話そう! おクチの健康 おしゃべり広場」=コミュニティ登録者が正しいオーラルケアや歯周病、おクチの健康について、自由に語り合える場所。投稿されたコメントに拍手したり、ユーザー自身で投稿したりしてポイントをゲットできる。
 同社では、このプロジェクトを通じて、歯周病対策にまだ積極的ではない生活者へ歯周病予防の継続的な意識喚起に努め、ユーザーが楽しく積極的に歯周病予防に取り組める環境づくりを目指す。

エステー、12年3月期第2四半期決算は増収減益で推移

エステー、12年3月期第2四半期決算は増収減益で推移

 エステーは10月31日、「平成24年度3月期第2四半期決算」発表会を開催。鈴木社長が決算概要を説明するとともに、下半期のスローガン「新しいエステーを創り出す!」などを発表した。
 同期の連結決算は、売上高220億5700万円(前年同期比4.4%増)、営業利益16億7200万円(同2.8%減)、経常利益14億7300万円(同0.7%減)、当期純利益8億2000万円(同0.8%減)と増収減益で推移。
 売上面では、3月11日に発生した東日本大震災の影響で、被災した福島工場の操業が一時的にストップするとともに、春の防虫剤シーズンにプロモーション活動を自粛するなどのマイナス要因はあったものの、主力の消臭芳香剤は“ミゲル君”が出演したテレビCMが話題になった「消臭力」ブランドが好調に推移し、秋の新製品「消臭力ぷくポン」も垂直立ち上げに成功したことなどで前年同期比4.5%増と達成。またカイロが“震災直後の特需”と“今冬の節電対策品としてのニーズの高まり”により、同44.6%増と大幅伸長した。「ぷくポン」の好スタートについては、鈴木社長によると「震災の影響からか、今秋の日用品業界は大型新製品が少なかったようだ。そのため、卸店や販売店からの『ぷくポン』への期待が高まり、当社にとっては過去最高となる200万個の出荷(つめかえ含む)を達成できた」という。
 下期については「新しいエステーを創り出す!」を基本方針・スローガンに掲げ、①強いものをますます強く②経営改革③安全・安心・エコ④日本かおり研究所の新事業「クリアフォレスト」⑤フマキラーとの提携強化――の5点に取り組む。


2011年11月9日号 記事一覧

会合・発表会

  • 流通システム開発センター、中小商業者機能強化フォーラム開催
  • 大阪商工会議所、大日本除虫菊・上山専務を講師に講演会開催

経営・施策

  • アルフレッサヘルスケア、モロオの一般用医薬品卸売事業の量販事業を譲受
  • Paltac、株式分割・定款の一部変更を決議
  • 資生堂、トルコ共和国で合弁会社を設立 2012年1月から営業開始
  • ライオン、合弁会社設立しフィリピン市場へ参入 海外事業量的成長図る
  • 資生堂、「TSUBAKI」の原料産地で「循環型」の環境活動を実施
  • ピアセラボ、美容室向けのWEBヘアカラーシミュレーションソフトを開発

製品・サービス

  • 住友3M、「スコッチ・ブライト」商品がグッドデザイン賞受賞
  • 商品探訪 三菱アルミニウム 「ワックスペーパー」新発売
  • アイコンセプト、店舗レイアウト作成システム「床POWER」最新版発売
  • クラシエHP「肌美精」、効率的なスキンケアできるシートマスク限定発売
  • 花王、オーブクチュールから新製品「エクセレントステイルージュ」発売
  • 日本製紙クレシア、「クリネックスアクアヴェール」など新製品発売
  • 小林製薬、「ブレスケア舌クリン」など新製品・数量限定品発売
  • アットアロマ、携帯型アロマディフューザー「ファンファン」改良発売
  • ユニ・チャーム、超立体マスクプリーツタイプを新発売
  • シック、「シックWお得パック」数量限定発売 ホルダー+シェービング剤
  • ユニリーバ、“新世界編”ワンピースオリジナルフィギュア付AXEを発売
  • 丸富製紙、「トムとジェリー」起用したクリスマス限定商品を発売
  • シービック、「デオナチュレ」足用シリーズで足のニオイ対策提案
  • 王子ネピア、映画「ハッピーフィート2」とのコラボ商品を数量限定発売
  • 小林製薬、歯ぐき下がりを防ぐ薬用ハミガキ「トマリナ」発売

人事・組織

  • プラネット、10月27日付けで役員人事を発表
  • 花王、11月1日付けで人事異動を発表

決算

  • Paltac、12年3月期第2四半期決算発表 売上高3959億円に
  • 攝津製油、12年3月期第2四半期決算発表 増収増益で推移
  • メディパルHD、12年3月期第2四半期決算は増収減益に 「PFM」を展開
  • マンダム、12年3月期第2四半期決算は増収増益も修正予算は未達
  • ポーラ・オルビスHD、11年12月期第3四半期決算は増収増益に

調査・統計

  • 西化工 23年1~8月販売統計 頭髪用はヘアトニック以外が前年割り込む
  • JCA 23年9月度チェーンストア統計 既存店ベースで2カ月連続減に
  • ライオン、現代人のかぜとの付き合い方に関する実態調査を実施

イベント・展示会

  • エコプロダクツ、12月15日から東京ビッグサイトで開催

時評・コラム

  • 時評 新地平目指すライオンの跳躍
  • 泡沫 人口増加と食料不足の問題

その他

  • クロバーコーポレーション社長・永井正一氏が秋の叙勲で旭日双光章を受章
  • プラネットVANVAN第92号

特集 【H&BCマーケティングニュース】

    特別企画

    • 順調な成長続く大人用排泄ケア関連品市場 高齢者に向けた商品充実を
    • 花王 「リリーフ超うす型おでかけパンツ」に注力
    • 日本製紙クレシア 「ポイズライナー」は“羽つき”製品を発売
    • 王子ネピア 「ネピアインナーシート」リニューアルで配荷店拡大
    • インタビュー Paltac専務執行役員・西日本営業本部長 安田健一氏
    • リブドゥコーポレーション 超うすタイプの軽失禁パッドシリーズを改良
    • オヤノコトネット 市場確立に向けた活動展開 高齢者の心に刺さる商品を
    • ユニ・チャーム 「ライフリー」新ブランドメッセージを積極展開
    • サンスター “弱ってきたハグキ”をケアする「ガムアドバンスケア」好調
    • 小林製薬 ソフトテーピング靴下「歩くたすけ」をリニューアル
    • 日本香堂 喪中はがきにまつわる「進物用お線香」需要喚起策を提案
    • エステー 「消臭力ぷくポン」“垂直立ち上げ”に成功
    • フェニックス 自助や介護の負担と不安やわらげる「ARAシリーズ」展開
    • ピップ 高齢者や要介護者、要支援者がターゲットのセラピーロボット発売
    • ニトムズ 窓エコ商品強化で“冬の節電”に対応 「節テク」を提案
    • 大王製紙 「アテント」配荷店拡大目指して 「ナチュラ」多カ所展開提案
    • 白十字 「サルバ笑顔倍増キャンペーン」実施中
    • 化粧品市場に革新 イオン、コスメ・セレクトショップ「コスメーム」開店
    • シック シェービング剤使用率向上施策を展開 “スキンケア”意識し開発
    • P&G 「パンテーン ナチュラルケアシリーズ」が好調
    • NSファーファ・J 洗浄剤ブランド「LaV LiV LoV」積極提案
    • ヤマサキ ラサーナから「海藻海泥ヘアマスク」新発売
    • マンダム ミドル男性の初期加齢肌に対応「ルシードスキンケアシリーズ」


    上記トピックスは要約版です。記事の詳細・全文は、日用品・化粧品業界の専門紙「H&BC マーケティングニュース」最新号(水曜日発行)でご覧になれます。お申し込みは刊行物案内をご参照ください。