2011年6月29日号掲載記事より
日衛連、第64回通常総会開催 「質の高い商品の供給をサポートする」
日本衛生材料工業連合会(日衛連)は6月21日、第64回通常総会を開催した。
総会終了後には藤田直哉専務理事の司会で記者会見が開かれ、冒頭、天田忠正会長が総会で全議案が滞りなく承認されたことを報告。続いて辻本由紀子副会長・全国紙製衛生材料工業会会長が11月に上海で「中国造紙協会生活用品専業委員会」と交流会を開くことを発表した。次に事務局が①3月24日に開かれた第63回総会で日衛連副会長・財務委員長に松前勝也氏(松前衛生材料)が昇任。常任理事として岩上伸氏(広報委員会委員長、和光堂)と池田智幸氏(日本綿棒)が新任されたこと②今総会で常任理事に山崎浩史氏(大王製紙)、理事に上原孝氏(資生堂アメニティグッズ)が新任されたこと――を紹介した。
天田会長はあいさつで、東日本大震災後の対応について「医療機器の衛生材料はもとより衛生的な生活維持に必要不可欠な製品の安定供給に業界をあげて取り組んだ。今回の大震災と阪神・淡路大震災の大きな違いは、清潔を維持するための必需品に対する支援要請が多く、改めて衛生用品の日常生活における重要性が確認できた」と報告。
今後の課題として①夏の節電対策に伴う生産効率の低下②製造に必要な部品・材料などの確保③石油化学原材料の価格上昇の問題④福島原発事故による放射能汚染の風評被害――を挙げて、解決に向けた取り組みに注力することを表明するとともに、「今回の大震災を得て、消費者の意識は大きく変わりつつある。商品購入の際、節電需要に見られるように、環境負荷など社会的な課題を踏まえて適切かどうかを考える消費者が増加している。
機能や価格に加え、環境負荷などのニーズに対応した製品開発に会員各企業が一層の努力をすると同時に、より安心・安全が確保された質の高い製品の供給をサポートしていくことが、連合会の大きな役割だ。関係各省では復興計画とともに医療制度、介護保険制度、社会保障制度などの改革や少子化対策などを積極的に検討しているが、当連合会も家庭、医療関係、介護施設などにおける国民の保健衛生の向上に直結する質の高い商品の供給に会員一同、努力する」と述べた。
元卸・地域卸の一元受発注システム「BOS」が本格稼動
花生堂、中央物産、森友通商の3社が開発した地域卸、メーカーの受発注の効率化を推進するための一元受発注システム「Basic Order System」(略称:BOS)が4月から本格的にスタート。メーカー55社、地域卸130社が参加し、順調に受発注が行われている。
BOSは地域卸が帳合先に関係なく、パソコンの専用発注画面からインターネットを経由の発注(ハンディターミナルも可)を行うと、BOS本部で受注データを帳合先ごとに3社に振り分け、さらに3社からプラネット経由、あるいはFAXでメーカーへ発注を行う仕組み。地域卸は小売店から発注も受けられる。BOSの稼動により地域卸は商品によって帳合先を振り分ける作業がなくなるなど発注作業が効率化でき、発注ミスを軽減・発注確認ができるなどのメリットあがり、元卸は受注を取りまとめてメーカーへの発注業務が軽減する。またメーカーの受注作業の効率化になるなど業界全体の受発注作業、業務効率化が図れる。会費は協賛メーカー月額1万500円。主催卸3社と取引していないメーカー、主催卸以外の卸も別途費用を支払うことで利用可能だ。
BOSは全国化粧品日用品卸連合会の事業の一環として地域卸の活性化を目的に開発されたシステム。今後は参加メーカー、参加卸の拡大を図り、地域卸のデータ(どの卸店に商品が幾つ入ったかなど)をメーカーにフィードバックする考えにあるが、現状はスタートしたばかりで、参加卸、メーカーを増やしていくことが重要になり、この点については時間を要するとしている。
バスクリン、JOCオフィシャルパートナーに ロンドン五輪代表をサポート
バスクリンは、公益財団法人日本オリンピック委員会(JOC、竹田恆和会長)のオフィシャルパートナーを務めることでJOCと基本合意し、12年ロンドンで開催される「第30回オリンピック競技大会」に参加する日本代表選手団を応援していくことになった。
同社は“健康は、進化する。”をスローガンに、健やかで心地よい生活を提供することを社会的使命として事業を展開しているが、今回の基本合意により、入浴剤を通じて、オリンピック日本代表選手団の身体のケアをサポートしていきたいとしている。
【JOCオフィシャルパートナーシップについて】
カテゴリー=入浴剤・育毛剤▽期間 11年6月~12年12月31日▽今後の方針=①バスクリンはロンドンオリンピック日本代表選手団の健康管理を支援していく。世界で活躍するオリンピック日本代表選手団へ「きき湯」ブランドをはじめとする同社の入浴剤製品を提供②選手強化におけるJOCとの共同事業への取り組みを予定。オリンピック日本代表選手団等の活躍につなげるべく、入浴に関する情報を提供しサポートしていく。
カルタス、「マーベル」シリーズ新設 スパイダーマンで新顧客・販路開拓
家庭紙卸のカルタス(東京都中央区、小澤茂社長)は今般、ティッシューとトイレットペーパーの新シリーズ「マーベル」を立ち上げ、第1弾商品として「マーベルヒーローズminiBOX5P」、「スパイダーマン2R」(2種)を6月20日に新発売した。7月20日には「スパイダーマンプリント12RW」の発売も予定している。
「マーベルヒーローズminiBOX5P」は、パッケージに「スパイダーマン」をはじめとするマーベルコミックのヒーローたちを描いたパルプ100%、40枚(20組)5箱セットのミニボックス。
「スパイダーマン2R」は、「ちょっとした贈答での需要」(小澤社長)を想定してパルプ100%で製造した2枚重ね30㍍のトイレットペーパー。2コの製品を縦に積み、透明のフィルムで包んだ荷姿で発売する。また個装は①それぞれにスパイダーマンを描いたもの②2コのパッケージで一体のスパイダーマンを表したもの――の2種類を用意。ロールにも2種類の「スパイダーマン」をプリントした。
さらに「スパイダーマンプリント12RW」は、2枚重ね25㍍の再生紙ロールで、「スパイダーマン2R」同様、ロールには2種類の「スパイダーマン」をプリントしている。
新シリーズについて小澤社長は、「『マーベル商品』は、『プロダクツ=キャラクターをつけることで新しい家庭紙製品の価値を表現』『プレイス=新販路』『プロモーション=贈答品として展開』『プライス=最高級の品質でありながらリーズナブル感ある価格』という“マーケテティングの4P”にも合致して開発されている。生活必需品は価格以外の差別化ポイントを打ち出すのが難しいが、発売を通じて『家庭紙製品でも収益が取れる』ことを販売店に訴えたい」と話している。
ツルハHD、11年5月期決算を発表 大震災の特損で14億3200万円計上
ツルハホールディングスは6月20日、「2011年5月期決算説明会」を開き、鶴羽樹社長が11年5月期の概要並びに12年5月期の業績見込みを発表した。(業績のカッコ内は前期比)
鶴羽社長が、①東北6県及び茨城県内で展開していた計333店舗中、震災直後には92店舗が営業不能になったこと②社内一丸となった復旧作業により6月15日現在では10店舗(津波の影響=4店舗、原発指定避難地域内=5店舗、さらにヨークベニマルと共同出店している1店舗《7月に再開予定》)を除き営業を再開したこと――などを紹介し、「東日本大震災でも会社は揺らぐことなく、社員の結束力と当社の底力を発揮して、業界でも早期の復旧を遂げることができた。当社の今後の一層の発展を確信した」と述べた。
次に11年5月期決算について、売上高2995億7900万円(107.1%)、売上総利益836億6400万円(108.5%)、販売費・一般管理費678億9200万円(104.8%)、営業利益157億7100万円(128.6%)、経常利益165億2100万円(127.8%)、当期純利益78億8100万円(120.2%)の増収増益と発表。増収の要因には、10年55月期に発生したインフルエンザ特需の反動を①重点品目の販売施策②営業時間の延長③荒物雑貨の導入・展開④食品の強化――でカバーできたこと、関東地区の通期黒字化を達成できたことなどを示した。
2011年6月29日号 記事一覧
会合・発表会
- 家庭紙工業会、プレス懇談会開く 秋以降も価格修正を推進
- 北海道卸連、第86回総会開催 藤井理事長の留任を決定
- 千葉卸組合、第43回通常総会開催 「具体性を示すことが重要」
- ヴェレダ・J、創業90周年記念新製品発表会で「スキンフード」発表
経営・施策
- 大平工業グループ、「W-BRIDGE」のCSRスタート確認企業第1号に認定
- エステー仙台支店長に聞く 原点回帰、がんばろう東北 東北復興へ寄与
- 流通業界だからこそできる日本復興策「BJC」を提案③ 宗像守氏
- 桃谷順天館グループ、ライトダウンキャンペーンを7月7日まで実施
- 資生堂、CO2削減目標策定 商品の環境対応を加速
- P&Gの被災地支援活動 「アリエール あなたにエールを。プロジェクト」
製品・サービス
- ライオン、“自宅でヘッドスパ”PRO TEC泥スパリンスインSP発売
- P&Gジレット、「ジレットフュージョンプログライド」が好調
- マンダム、男性グルーミング、女性コスメティック秋の新製品発表
- フタバ化学、敏感肌用「トータルフォーム/トリートメント」新発売
- 大幸薬品、口中溶解タイプの「ピシャット錠」新発売
- シャボン玉石けん、「せっけんハミガキ」の新広告が好反響で実績伸長
- ユニ・チャーム、「ライフリー一晩中お肌あんしん尿とりパッド」新発売
- ピップ、「夢みるここちのSLIMWALK」夏限定品を発売
宣伝販促
- 資生堂、iPad及びiPhone端末向け専用アプリの配信を開始
- シック、「シック ワンピースキャンペーン」実施 対象商品を拡大
人事・組織
- エステー、6月17日付けで役員人事を発表
- 東京堂、新社長に佐々木忠雄氏が就任 新体制をスタート
調査・統計
- 北海道流通状況 厳しさ続く道内経済 札幌の一極集中が鮮明に
時評・コラム
- 時評 初めに生活者の利便性ありき
- 泡沫 節電がCO2削減をフォロー
- 日雑談 北海道を訪問 夜の札幌は東京そのもの?
特集 【電気メディア関連】
- 電池市場 大震災の影響で需要急増 関東中心に“夏の電力不足”に懸念
- パナソニック、「エボルタ」に“液もれ防止新機能”採用で改良
- 三洋電機 「エネループ」さらに進化させた新充電池を発売
- コラム らいたあ 東京おもちゃショー取材 独断でヒット玩具を予想
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