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2011年6月15日号掲載記事より

花王、エコテクノロジーリサーチセンター完成 エコイノベーション研究へ

 花王が和歌山事業場内に建設を進めていた「エコテクノロジーリサーチセンター」(呼称・ETRC)と「花王エコラボミュージアム」が完成した。花王の環境研究機能を集約したエコテクノロジーリサーチセンターの稼働によって、花王のエコイノベーション研究が更に加速するのは間違いなく、今後、環境技術開発や環境に配慮した製品づくりのスピードも増してきそうだ。
 ETRCは総延床面積約2万3000平方㍍。中核となる本館研究棟(呼称・ETRC本棟)、製品の生産プロセスのスケールアップ研究を行なう「パイロット研究棟」、植物の育成研究を行なう「植物・バイオマス研究棟」の3つの研究施設からなる。
 ETRC本棟は地上7階建て、花王の研究棟としては最大規模の延床面積約2万平方㍍。環境技術経営研究の機能も備え、環境分野の総合研究拠点となる。1階には花王エコラボミュージアムがある。
 尾﨑元規社長は「当社和歌山事業場は昭和17年に研究生産拠点として開設して以来、約70年にわたる活動を継続しているグループ最大の研究生産基地だ。この度、風光明媚で自然環境に恵まれたこの和歌山の地に私どもの環境技術の推移を集めた研究施設を開設し、地球環境の保全に些かなりとも貢献するとともに、消費者の暮らしにお役に立つ製品の開発が行えることに喜びを感じている」と話し、研究開発担当の沼田敏晴常務は「今後、当社はエコイノベーション研究の成果を次世代の環境技術や製品にしっかりと活かして、良きモノづくりで、エコロジー経営を実践し、世界の人々の生活と地球環境の新たな調和の実現に貢献していきたい」と語った。

国民運動「熱中症予防声かけPJ」が始動 槌屋イレブン社長が実行委員に

 官民共同で“熱中症”の予防を呼びかける国民運動「熱中症予防声かけプロジェクト」のキックオフミーティングが6月7日、催された。このプロジェクト(PJ)は、①昨年の夏が気象庁観測史上“最も暑い夏”となり、熱中症で緊急搬送された人も過去最多となる5万人を突破(その半分近くが高齢者)したこと②今年の夏も暑いと予想されていること③今年は「節電」の必要性があること――を背景に、対策を講じれば防ぐことができる“熱中症”を予防することを目的に設立され、PJ実行委員長には国際気象放送協会(IABM)アジア代表理事で気象予報士の井出迫義和氏が就任。実行委員の1人には、大阪泉北・堺地区を中心にドラッグストア69店舗を展開するイレブン(大阪府堺市)社長の槌屋茂康氏も参加している。
 今後は、「正しい情報を持ち人に伝える」「暑そうにしている人を見かけたら『一涼みしませんか』と声をかけ合う」「熱中症予防に適した食べ物、飲み物、場所を提供する」などの活動を展開していく予定で、井出迫実行委員長はPJの目的について「このPJは『温度に気をくばろう』『飲み物を持ち歩こう』『休息をとろう』『栄養をとろう』『声をかけ合おう』という5点のアプローチで人と人、官と民、人と企業がつながり“熱中症予防のコミュニケーションの和”を社会全体に広げることにより、『夏の気象災害』と言われる熱中症を防ぐことを目指しているが、このような規模の活動は国や民間がそれぞれ単独に進めていくことは難しい。今年の夏に良い思い出を残すことができるように『国民運動』として展開する計画で、最終的には日本中で『一涼みしませんか』と声をかけ合える社会、引いては『無縁社会』という言葉が死語になる社会を目指す」と述べ、企業に対して「声かけの絆づくり構想」や「まちの避暑地構想」などへの参加を呼びかけた。

花王、洗濯のたびニオイ菌抑える「アタックNeo抗菌EXパワー」新発売

花王、洗濯のたびニオイ菌抑える「アタックNeo抗菌EXパワー」新発売

 花王は7月19日、すすぎ1回の「アタックNeo(ネオ)」シリーズから、少しの量で確かなニオイ洗浄力、洗たくのたびニオイ菌を抑える「アタックNeo抗菌EXパワー」(400㌘・つめかえ用360㌘)を新発売する。
 近年、少ない水で洗う洗たく機の普及や、お風呂の残り湯使用の増加等、洗たく環境や洗たくスタイルが大きく変化している。特に若年層を中心に、ため込んだ洗たく物のまとめ洗いや夜間の部屋干しが増え、「ニオイの問題」が顕在化してきている。
 今回、新発売する「アタックNeo抗菌EXパワー」は、花王の長年にわたる生活者研究と、微生物学的知見を応用した新しい技術による洗剤。洗たく物の「ニオイの問題」に新たな解決策を提供する。
 花王では、洗たくにおけるいやなニオイの発生場面に注目し、実際に生活者からニオイが気になる衣料を回収。それらを詳細に解析することで、洗たく後の衣料に残るいやなニオイ“雑巾様臭”のニオイ成分および主原因菌をつきとめることに成功した。
 この「アタックNeo抗菌EXパワー」は、抗菌・漂白成分のはたらきで、洗たくのたびニオイ菌を抑え、ためこんだ洗たく物もしっかり消臭する。また、タオルや洗たく槽のカビを防ぎ、衣料を清潔に洗い上げる。抗菌・漂白成分配合、無着色、蛍光剤無配合、微香性。柔軟剤を使用の場合、柔軟剤の香りが引き立つ。

大木、2011年3月期決算発表会開催、中国・上海に現地法人設立を発表

大木、2011年3月期決算発表会開催、中国・上海に現地法人設立を発表

 大木は6月6日、「平成23年度3月期(129期)決算発表会」を開き、松井秀夫会長兼社長が同期の決算概況と今後の事業戦略を説明した。
 同期の連結業績は売上高1511億4100万円(前期比6.1%増)、営業利益11億500万円(同70.8%増)、経常利益16億5200万円(同57.2%増)、当期純利益9億4500万円の増収増益となった。
 増収増益の要因は、主力のOTC医薬品が売上高712億2600万円(前期比7.7%増)と好調で、健康食品は売上高181億6700万円(同12.7%増)、また化粧品関連を中心に展開するC&V(コスメティック&バラエティ)事業部も売上高161億3800万円(15.8%増)と大幅増になったこと、販売費及び一般管理費率が9.1%と前期より0.7%減とコスト抑制を図ったことが功を奏した。
 今後の事業戦略については、①潜在需要開拓型提案の徹底②一般的フォローの強化③販管費の一層の削減とレベルの向上――の3点を今期(130期)の重点取り組みとする。
 さらに年内に中国(上海)の現地法人「上海大木美健佳希貿易有限公司」(大木の100%子会社)を設立する。この会社は、国内メーカーが中国で化粧品、健康食品、OTC医薬品などを販売する上で複雑な許認可申請を代行することを目的としている。主な販路は、イトーヨーカ堂系・ジャスコ系の量販店に加えて、ウォルマート系量販店、香港ワトソン、香港・台湾資本の量販店など。同社はで董事長に松井会長兼社長が、総経理に中村茂晴経営企画室長が就任する予定。

エステー、ミュージカル「赤毛のアン」延期の東北オーディション開催

エステー、ミュージカル「赤毛のアン」延期の東北オーディション開催

 震災で子どもや若者たちの夢が失われてしまうことはあってはいけない――エステーは6月4日、仙台市青葉区の仙台国際センターで、東日本大震災の影響で延期していた「2万人の鼓動TOURSミュージカル『赤毛のアン』」の“東北ブロックオーディション第2次審査”を開催。震災被災者を含む男女82名が参加した。
 このミュージカルは、出演者の多くを“オーディション”で公募するとともに、全ての公演を券売ではなく“招待”で実施するなど、市民参加型・地域密着型のミュージカルとして定着し、14年目を迎える。今年も8月中旬から、例年とほぼ同じ規模の全国8都市10公演を行う予定になっていた。しかし、3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う東日本大震災で日本全国がパニックに陥る。その中、同社は「赤毛のアンはエステーのDNAであり、社員はもちろん、社外取締役からも『絶対に公演すべきだ』という意見しか出なかった」(鈴木喬社長)と“今年もミュージカルを予定通り開催する”ことを決定。
 オーディション当日は、同社社員をはじめとする“TOURSスタッフ”に加えて、先立って全国アンサンブルに合格した工藤広夢くん、「どうしても東北オーディションには足を運びたかった」という主役アン・シャーリー役の島谷ひとみ、リンド夫人役の大和田りつこも会場に姿を見せ、オーディションの様子を見守った。約2時間にもわたる厳しいダンス審査および歌唱審査の結果、男子1名、女子22名、合計23名が2次審査を突破。その証として全員にTOURSミュージカルオリジナルTシャツがプレゼントされた。本公演出演者「グリーン・ゲーブルズSENDAI」に関しては、後日実施する最終審査で10~13名に絞られる。なお、仙台公演の翌日には、出演者とスタッフ、鈴木社長が避難所や仮設住宅を訪問して、歌やダンスで被災者を応援する義援活動も行う予定。


2011年6月15日号 記事一覧

会合・発表会

  • JACDS、第51回記者意見交換会開催 改正薬事法遵守を徹底
  • ハリマ共和物産、第60回第一線会開催 OB含め275名が出席
  • 通販協会、第28回通常総会開催 「法律相談の強化」など取り組み
  • 神奈川卸組合、第37回通常総会開催 「笑顔で商売」で地域社会に貢献
  • 三重卸組合、第51回通常総会開催 被災地の地域卸の熱意称える
  • ブラシ組合、歯ブラシ感謝祭開催 口腔衛生の大切さをPR

経営・施策

  • 長野卸組合、第51期通常総会を“紙上総会”として実施 関係資料を送付
  • メディパルHD、第三者割当で自己株式を処分
  • ライオンなど、雨水の有効活用へ 「雨活アイデアコンテスト」実施
  • 小林製薬、震災復興支援キャンペーン実施 製品購入1個につき1円寄付
  • ジュジュ化粧品、「アクアモイスト」限定品の売上の一部を義援金に
  • 特別レポート 被災地で展開する卸流通② Paltac 甚大な被害も商品供給
  • 流通業界だからこそできる日本復興策「BJC」を提案① 宗像守氏

製品・サービス

  • カスタマー・コミュニケーションズ、5月からマーケツールのサービス開始
  • ジョンソン、「カビキラー除菌@キッチンアルコール除菌」限定品発売
  • コロンブス、「オドクリーン」新製品を発売
  • ユニ・チャーム、「マミーポコパンツ」から夏季限定品を発売
  • ライオン、「まめピカ」が発売2カ月で販売数200万個突破

宣伝販促

  • サンスター、「日本をスッキリ!させたい」合言葉にキャンペーン展開中

人事・組織

  • 油脂工業会館、尾﨑花王社長を新理事長に選任
  • 花王CMK、5月31日付けで役員人事を決定
  • 丸三産業、社長に菊池元宏氏が就任 菊池公孝前社長はCEOに
  • トイレットペーパーJIS普及会、機械漉和紙同業会、役員を選出

研究・開発

  • 花王、洗濯後に発生する衣類の悪臭の原因菌を特定 モラクセラ菌
  • バスクリン、連浴による自覚症やQOLの変化、糖脂質代謝の変化を検討
  • ロート製薬、「ピロロキノリンキノン」皮膚の肌やせ、シワ防ぐ効果を発見

調査・統計

  • 東家同 23年5月度市況概況価格調査実施 夏場に更なる価格修正が必要に
  • 通販協会、通販利用者実態調査実施 携帯からのネット通販利用者が増加
  • エスエスエルヘルスケア、「白肌が似合う」1位は小雪 コパトーンが調査

イベント・展示会

  • 第15回東京ファッショングッズトレードショー開催 110社が出展
  • インテリアライフスタイル開催 カメヤマ、ニトムズなどが出展
  • 第4回「オヤノコト.エキスポ」7月に東京で開催
  • 月刊MD政策セミナー 7月開催 テーマは「店頭マーケティング最前線」

時評・コラム

  • 時評 被災卸が得た誇りと絆の連鎖
  • 泡沫 夏本番目前に食中毒に注意を
  • らいたあ 仙台出張と「がんばろう東北!!」忘れてはいけない想い

特集 【コスメティックレポート夏号】

    特別企画

    • 高まる汗・ニオイに対するケア意識 夏物コスメ関連商材の需要期に突入
    • ニベア花王 「8×4」パウダースプレー改良 自然由来の殺菌成分新配合
    • マンダム ギャツビーデオドラントアクアシリーズが好調推移
    • ライオン 新「Ban」発売 ナノイオンの働きでニオイ抑える
    • 近江兄弟社 「ソラノベール」改良新発売 より付加機能高めたブランドに
    • コーセーコスメポート クリティアクティライズから美白エイジングケア
    • エスエスエルヘルスケア 「コパトーン」夏のレジャーユースで提案
    • エリザベス パーツに特化した個性的なブランド構成で展開
    • アロインス化粧品 「肌キューピット パーフェクトインゲル」新発売
    • ジェクス 「ア・セーヌ 汗とりパットR」 今シーズンの出だしは好調
    • ラポーアンジェリック こんにゃくスクラブのクレンジング剤が人気
    • サティス製薬 京野菜「京とまと」を化粧品原料として開発
    • クラシエHP 「肌美精」から薬用リフト美白シリーズ新発売
    • 明色化粧品 マットタイプのBBクリーム、馬油配合の洗顔石鹸を積極提案
    • ウテナ 新中期経営計画スタート 「ラムカ」「シンプルバランス」を育成
    • 玉川衛材 「レッグオン 角質スッキリシート」夏場の素足に向けて提案
    • pdc ワーキングマザーをターゲットに「ワンデホワイト」など新発売
    • ロート製薬 「サンプレイ」など日焼け止めブランドを夏の需要期に展開
    • 伊勢半 サンスクリーン新ブランド「スキンフリーUV」を新発売
    • サンスター 「エクイタンス」から美白美容液と美白日焼け止め新発売
    • ユニリーバ 「レセナ」汗・ニオイに関する調査を実施
    • カネボウ化粧品 「潤(うるり)」新発売 低価格スキンケアに参入
    • ネサンス 「チャンティックマニス」からミネラルファンデーション発売
    • ユースキン製薬 「あせもクリーム」の提案強化 正しいスキンケアを提供
    • 資生堂 シーブリーズからUVケア「カット&ジェリー」新発売
    • ジュジュ化粧品 ターゲット絞り込んだ新ブランド2シリーズを投入
    • ジャパン・コーポレーション ニッチコスメで「パーツケア」に対応
    • ヤマサキ ラサーナから海・植物、アロマ採用のボディソープを限定発売
    • 第2回コスメティックジャパン 6月末から東京ビッグサイトで開催


    上記トピックスは要約版です。記事の詳細・全文は、日用品・化粧品業界の専門紙「H&BC マーケティングニュース」最新号(水曜日発行)でご覧になれます。お申し込みは刊行物案内をご参照ください。