2011年6月1日号掲載記事より
流通問題研究協会、新会長にプラネット玉生社長が就任
流通問題研究協会(IDR)は、5月24日、通常総会を開き、玉生弘昌副会長(プラネット社長)の会長就任をはじめとする新役員を選出した。
総会後の記念講演の席であいさつに立った玉生新会長は「3月11日の震災後、流通は懸命に商品を集め、消費者に届ける努力を行ったが、これをみて流通業の社会的責任を痛感した人は多いはずだ。当協会としても流通業は国民の生活を支える重要な社会的インフラであると認識しており、そのために製・配・販で構成される流通機構が日々社会的役割を果たしている姿を広く社会に発信していく。また、事業継承には人材の育成が重要になるので、流通業の社会的責任を果たそうという意欲と、そのための知識を有する人材の育成に努めていく。さらに社会環境の変化と生活者の消費行動の変化をいち早く把握し、それに必要な対応方法を研究のうえ、適時会員に伝えていく。このほか会員相互の情報交換と相互研鑽の場を提供していきたい」と述べた。
記念講演では流通科学大学・石井淳蔵学長が「経営者は跳ぶ・・・ビジネスインサイト」と題した講演を行い、同教授は「今後は創造的に適応する(相手の身になって考える)こと、顧客のマネジメントを行うことが重要になる」と示唆した。
流通問題研究協会は、わが国経済の発展と国民生活の向上に資するという目的のもとに、昭和41年(1966年)に設立された公益流通研究機関。研究会・セミナー、人材開発セミナー、海外研修、コンサルテーション、調査研究などの事業を行っている。
石洗工、定時総会開き新会長に日油・大池社長に選任
日本石鹸洗剤工業会(石洗工)は5月20日、東京・丸の内の東京會舘で「平成23年度第61回定時総会」を開催し、すべての議案を滞りなく審議、承認。任期満了に伴う役員改選では、新たに大池弘一氏(日油社長)を会長に選任した。
総会後に開かれた記者会見では、大池新会長が「2年間、第26代会長として重責をお引き受けすることになった。60年以上の歴史を持つ工業会の会長として、その責任の重さを強く感じる」と初心を述べるとともに、今年度の石洗工の活動基本方針として①公正な自由競争を基本とし、活力と創造性に富んだ業界活動を推進する②循環型社会の形成に向けた業界の取り組みを継続する③広報活動を強化充実し、業界製品の正しい知識の啓発、普及活動を推進する④海外の関連団体との協力関係をさらに発展させ、諸課題に対応する――の4点を発表。
また、先般の東日本大震災被災地への支援体制については、かねてから取り組んでいたBCP(事業継続計画)の成果もあり、震災当日(3月11日)に会員各社の支援物資の供給体制を確認。経済産業省の申し送りを受けて、今後は石鹸や洗浄剤といった支援物資の供給体制を確立するため、石洗工が窓口となり、被災した自治体とのチャネル作りを進めることを表明した。なお、一部業界製品への導入を開始した「GHS(化学品の分類および表示に関する世界調和システム)」に関しては、しばらくは消費者などへの普及・啓発活動を推進するという。
WINグループが総会開催 WINドラッグ社長に久松氏就任
ドラッグストア企業グループのWINグループ並びにWINドラッグは、5月19日に大阪市内で「WINグループ総会」を開き、取引先メーカー及びWINグループ関係者など合わせて370人が参加した。
はじめに、司会から当日の午前に行われたWINドラッグ株主総会並びにWINグループの社長会においてWINドラッグの代表取締役社長に久松正志氏(ココカラファイン会長)が就任したことが告げられた。久松氏はWINグループの会長も兼務する。
現在同グループの会員企業は、14社(会員企業の事業子会社も含めると17社 )で、全店舗数は北海道から沖縄まで全国に約2100店舗、総売上げは5500億円という規模のネットワークを形成。グループの組織体制としては社長会の下に商品部会、調剤部会、営業部会、そして今回新たに諮問機関としての企画委員会が設けられ、より迅速な課題解決のための仕組みづくりを行ったとしている。
今回WINグループとWINドラッグのトップを久松氏が兼務することになり、これまで以上に、より一体となって進んでいくものであるとの報告がなされるとともに、これまでのWINグループの取組み事例なども紹介が行われた。
製・配・販連携フォーラム開催 配送、返品、流通BMSに関して報告
流通システム開発センター、流通経済研究所は5月19日、消費財流通に関わる製・配・販15社経営トップのイニシアチブのもと、協働による流通活動の効率化・高度化に向けた課題検討に関する「製・配・販連携フォーラム」を開催。トイレタリー業界、食品業界関係者など約300人が出席した。
はじめに、同センター井上毅会長があいさつに立ち、「経済産業省の支援のもと、昨年5月に消費財を取り扱う日本を代表する製・配・販の15社経営トップが集まり、取引上の問題点についての議論を始めた結果、協働による全体最適化実現が可能であるとの合意に達するとともに、この1年間、各社によるワーキンググループが『返品削減』『配送最適化』『流通BMSの推進』をテーマに、今後の方向性の提案という形でガイドラインや宣言文の策定に取り組んだ。このフォーラムでは、それらの成果を公表するとともに、今後もこれらの活動を継続すべく、集まった15社が発起人となり、さらにこの趣旨に賛同する各企業を加えた協議会『製・配・販連携協議会』の設立を宣言する」と述べた。
次に、「配送最適化」「返品削減」「流通BMSの推進」それぞれをテーマに、製・配・販15社各社の実務担当者によるワーキンググループの成果報告が行われ、「配送最適化ワーキンググループ」(イトーヨーカ堂物流企画開発部飯原正浩総括マネージャー報告)では、配送頻度・配送ロット見直しによる配送効率化の手順(①目的・対象の明確化②改善計画作成③取組実施④効果検証と今後の計画)を説明するとともに、イトーヨーカ堂とキリンビールの取組事例を紹介した。
続いて、「製・配・販連携に、向けた今後の方向性について」をテーマに、製・配・販15社の経営トップらによるパネルディスカッションが行われ、当業界のサプライヤーからは、あらた鈴木洋一副社長、Paltac山岸十郎特別顧問、花王尾﨑元規社長、資生堂末川久幸社長、P&G・ジャパン桐山一憲社長らがパネリストとして参加し、「製・配・販連携協議会」によるサプライチェーン全体効率化に向けた取り組み意義とその必要性について意見が交わされた。
ココカラファイン、2011年3月期は増収増益 中期経営計画「CF5000」発表
ココカラファインは5月24日、「2011年3月期決算説明会」を開き、11年3月期の概要と、12年度を初年度とする中期経営計画(5カ年)「CF5000」を発表した。
11年3月期決算は、売上高2566億8100万円(134.4%)、売上総利益635億8700万円(134.2%)、営業利益63億7600万円(187.8%)、経常利益103億9500万円(147%)、当期純利益59億1100万円(141.8%)の増収増益を達成した。
売上高のうちドラッグ・調剤事業は、昨年10月1日付けで行ったアライドハーツ・ホールディングス(以下アライドハーツ)との合併や、いわいからの事業譲渡で総店舗数が1084店(382店舗増加)に拡大したことに加えて、夏物商品や花粉症関連品の好調などが貢献して2228億4800万円(135%)を記録。卸事業は、コダマへの供給がプラスオンしたことから338億3200万円(128.3%)となった。
また「CF5000」だが、計画最終年度(2016年3月期)の目標は売上高5000億円、経常利益200億円に設定。これの達成を目指して、「人々のココロとカラダの健康を追求し、地域社会に貢献する」という経営理念と、「おもてなしNo.1企業になる」というコーポレートスローガンを掲げたほか、5つの中期経営ビジョン(①日本一質の高い企業にふさわしい企業体質構築②ココカラファインのコーポレートブランド確立③高成長を実現するグループ運営体制の構築④社会から信頼される人材の育成⑤業態間競争に勝ち抜く収益力の強化)を定めた。
花王、日中グリーンエキスポに出展 中国における花王の環境活動を紹介
花王グループの花王(中国)投資有限公司(平峰伸一郎董事長)は、今年6月1日~3日、中国ナショナルコンベンションセンター(中国・北京市)で開催される「日中グリーンエキスポ2011」に出展する。
花王グループは09年6月、エコロジーを経営の根幹に据え、「環境宣言」を発表し、積極的に環境視点での企業活動に取り組んでいる。また、「環境宣言」のテーマとして、“いっしょにeco”を掲げ、原材料調達や生産、物流、販売、使用、廃棄など、製品がかかわるサイクルの中で、消費者をはじめ様々なステークホルダーといっしょに実行できる、よりecoな方法を提案している。
会場では“いっしょにeco”をテーマに、花王が中国で取り組んでいる環境活動の事例を、パネルや映像、製品の展示で紹介する。主な出展内容は、▽家庭用製品、ケミカル製品の各生産工場(上海)における省エネルギー、廃棄物削減への取り組み▽花王独自の環境技術から生まれた新洗浄システムにより、すすぎにかかる回数や時間を軽減し、洗たくに使う水量を節約することができる衣料用液体洗剤「アタック瞬清」などの家庭用製品▽産業分野でのCO2削減や、資源のリサイクルに貢献している「改質ポリ乳酸樹脂」「古紙再生用脱墨剤」「湯道管(EGランナー)」などのケミカル製品――など。
同エキスポは、「省エネ、省資源、エネルギーの有効活用」をテーマに、日本、中国双方の、環境に関する技術革新や産業の発展を強く推進することを目的としており、中国政府や両国の企業、NGO等、約80団体の参加が予定されている。
2011年6月1日号 記事一覧
会合・発表会
- JACDS、ドラッグストアショーを書籍とWebで再現 合同記者会で発表
- SC協、第39回定時総会開催 越村敏昭氏を新会長に選任
- 中日物産、中日本陣会第22回総会を開催 事業内容など報告
- マンダム、「冷感肌セミナー」開きギャツビーデオドラントシリーズを訴求
- 日石工組、第52回通常総会開く 自社の発展が経済活性化、復興へ繋がる
- カメヤマ、福岡で展示会開催し140名出席 「故人の好物」など展示
- 昭和女子大に“働く女性のサポート施設”開設 P&G桐山社長が講演
経営・施策
- 流通の全体最適化を目指して 「製・配・販連携協議会」を設立
- 石洗工、「ポスターコンクール」今年度の募集開始
- 日登協・内藤専務理事 東日本大震災 被災地の現況を報告
- ライオン、「節電の約束」宣言 エコ・ファースト企業として節電に取組む
- 資生堂、「エコ・ファースト夏の節電の約束」に参加
- ウエルシア関東、寺島薬局、ドラッグフジイ、今夏の節電対策を発表
- 王子製紙・王子ネピア、「nepia東北地方被災地支援活動」の実施を発表
- スーパー3団体、SM業界から62億円超の義援金集まる
- グローウェルHD、中国での合弁事業に向けて中国の2企業と協議開始
- スギHD、子会社3社をシミックに売却
製品・サービス
- PRページ ライオン 「休足時間」夏の需要期に向け店頭拡販バックアップ
- ユニ・チャーム、夏限定の夜用ナプキン「ソフィ」から今年も発売
- 小林製薬、「世界香路ミスト」など新製品・限定品・追加品発売
- バスクリン、「週間お風呂生活」を数量限定発売 「きき湯」などセットに
- ジュジュ化粧品、「ナチュラルジュジュ」シリーズを改良新発売
- 東洋アルミエコープロダクツ、「節電窓シート」を地域限定で発売
- サンスター、エステブランド「サレーヌ」 美白ケアライン4アイテム改良
- 日本ロレアル、「メイベリンNY」からアイパレットなど新商品発売
- ドクターベルツ、ヘアトリートメント「シャンミーク」新発売
人事・組織
- ときわ商会、5月21日付けで相澤隆史氏が社長に就任
- 全国障子紙工業会、澤村会長を再任
- マックスファクター、4月1日付けで人事異動を発表
決算
- クロバーコーポ、新営業体制実り2011年2月期は増収増益達成
研究・開発
- ポーラ化成工業、化粧直しに適した粉体の処方を開発
- 石洗工、「グリセリン新規用途開発研究助成」募集要項を発表
調査・統計
- 経済産業省 2011年3月度販売統計 洗浄剤市場は消費の冷え込みで苦戦
- 日家工 紙・板紙の3月度統計と4月度速報を発表
- 歯磨工 22年度「歯磨出荷・輸出入統計」発表 金額ベースは伸長
イベント・展示会
- ライオン、6月3日に学童歯みがき大会開催 ネット介してアジアでも開催
時評・コラム
- 時評 単独加盟認めた全卸連の英断
- 泡沫 宣伝自粛と日用品の動向の影響
- らいたあ 60回目迎えるハリマ共和物産「第一線会」
- 日雑談 ある力士との会話 東北の力強い発展願って
特集 【歯の衛生週間】
- 歯の衛生週間 重点目標は「住民全体による8020運動の新たな展開」
- オーラルケアを通じて、国民の健康づくりに貢献 歯磨工 藤重貞慶会長
- 歯の衛生週間によせて 全日本ブラシ工業協同組合 稲田眞一理事長
- ライオン 「デンターシステマ」ラインアップを充実
- 小林製薬 「噛むブレスケア」から女性向け香味を追加
- サンスター ガムアドバンスデンタルブラシ改良 Ora2はキャンペ実施
- 川西商事 子供用歯ブラシ「ポタタン」新発売 子供の安全に配慮
- シャボン玉石けん 無添加石けんがベースの「せっけんハミガキ」が好調
- 花王 「ディープクリーン」から歯周ケアハブラシを改良新発売
- J&J 口内のトラブルを1本でケアする「リステリントータルケア」好調
- エビス 「プレミアムケアハブラシ ふつう」が順調な売れ行き
- アース製薬 「モンダミン」啓発型マーケ施策で洗口液の使用率拡大へ
- ジャックス ブラックハブラシから数量限定企画品 歯間ブラシ1本を添付
- ラピス 乳幼児向けのユニークな歯ブラシが好調推移
- UFCグループ、愛媛県の小学校跡地に歯間ブラシ中心の工場設立
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