2011年5月4日号掲載記事より
大王製紙、ベトナム市場に参入 サイゴンペーパー社に出資
大王製紙は4月25日、経済成長が続くベトナムにおいて家庭紙及び板紙事業に参入し、ASEANでの事業拡大を推進するために、同国の製紙会社・サイゴンペーパー社に出資した。サイゴンペーパー社は、ベトナムで家庭紙と板紙の製造・販売を行っている大手製紙会社で、既存工場の隣接地に建設中の新工場が今年夏に稼働する予定。大王製紙は今回、新工場の建設資金調達を目的とした第3者割当増資を日本政策投資銀行と共同で引受けた。
また、サイゴンペーパー社の一部既存株主から株式譲渡も受ける予定で、持株比率は大王製紙33.8%、日本政策投資銀行14.5%、2社合計で48.3%になる見込み。出資額は公表しない。
◎新工場の概要(6月以降順次稼働予定で、15年度には売上高150億円を見込む)
抄紙機=家庭紙1台(11年7月稼働予定)、板紙2台(11年6月、8月稼働予定)▽古紙処理設備・原質設備一式▽生産能力(年)=家庭紙2万8000㌧、板紙17万1600㌧、既存工場との合計生産能力27万800㌧
エステー、2011年3月期通期決算発表 下期は前年上回り微増収減益に
エステーは4月27日、「平成23年3月期連結決算発表会」を開催。鈴木喬社長が決算概要ならびに次期の経営方針を発表した。同期の業績は、連結売上高435億8000万円(前期比0.1%増)、営業利益21億1400万円(同5.9%減)、経常利益15億4700万円(同20.5%減)、当期純利益7億8600万円(同29.8%減)と微増収減益。下半期は大型新製品の積極的な投入や全社的な意識改革の成果で前年同期を上回ったが、消費低迷や天候不順の影響で苦戦した上半期の不振を十分にカバーできなかった。
部門別にみると、主力のエアケア部門(消臭芳香剤)は「ゴミ箱の消臭力」「タンクの消臭ポット香りのクリーナー」などの新製品や改良品は好調だったものの、相次ぐ大手企業の新規参入による競争激化で減収。衣類ケア部門(防虫剤)も昨春が極端な天候不順となり、今春も東日本大震災の影響により、2年続けて春の防虫剤市場が低調に推移したためにマイナス。ただし昨秋には、香り付き防虫剤「かおりムシューダ」のヒットというプラス要因があった。一方、サーモケア部門(カイロ)は、3月の震災で使い捨てカイロの需要が急増し、過去最高水準の販売実績を記録。またハンドケア部門(手袋)も、昨秋全面リニューアルした「ファミリー」シリーズを中心に順調に伸長した。
さらに鈴木社長は「負けてたまるか!」と宣言するとともに、「今回の震災で日本の社会全体が変わり始めており、消費財市場も先行きが読めない『乱世』に突入した。しかし、これまでもエステーは厳しい時代に飛躍してきた。今回もピンチをチャンスに変え、新しいエステーを作り出す」と述べた。
花王、2011年3月期連結業績は増収増益 利益は2ケタ増に
花王は4月26日、2011年3月期の連結業績を発表した。
売上高は前期に比べて0.2%増の1兆1868億3100万円(為替変動の影響を除く実質2%増)。営業利益は同11.2%増の1045億9100万円、経常利益は同10.4%増1033億3600万円、当期純利益は東日本大震災関連損失として特別損失に41億円計上し、同15.4%増の467億3700万円となった。
コンシューマープロダクツ事業は、前年同期比2%減の9882億円(実質0.8%減)。日本の売上高は東日本大震災や前期のエコナ関連製品の製造・販売中止などが影響したものの、前期比1.7%減の8172億円にとどまった。アジアの売上高は3%増の820億円(実質4.7%増)。アジア市場では販売店との協働取組みなど日本を含むアジア一体運営を推進、新製品の投入など積極的な展開が功を奏した。米州の売上高は5.7%減の510億円(実質1.2%増)。欧州の売上高は3.2%減の607億円(実質9.2%増)。
同事業の営業利益は費用の効率化やコストダウン活動に取り組んだことで、前期を61億円上回る804億円となった。
資生堂、2011年3月期決算・新3カ年計画説明会開く 中国市場への投資強化
資生堂は4月27日、「2011年3月期決算・新3カ年計画説明会」を開催。末川久幸社長が「3カ年計画(12~14年度)と12年3月期の見通し」を、西村義典執行役員CFOが「11年3月期決算概要」を発表した。
「11年3月期決算」は、売上高6707億円(前期比4.1%増)、営業利益445億円(同11.7%減)、経常利益445億円(同13.6%減)、当期純利益128億円(同62.0%減)の増収減益となった。
事業別の売上高は、国内化粧品事業が3584億円(同6.6%減)、グローバル事業は3026億円(同20.9%増)で、国内ではヘルスケアが順調な伸長を示したものの化粧品(カウンセリング、セルフ、トイレタリー)が苦戦。海外では化粧品が前期比25%増と大きな伸びを達成した。地域別売上高構成比は、国内57.1%、海外同42.9%だが、ベアエッセンシャルの影響を除くと、国内は60.7%にまで高まる。
一方、今年度を初年度とする「新3カ年計画」は、“成長軌道に乗る”をテーマとする“グローバル化の第2フェーズ”に位置付け、4つの成長戦略(グローバルメガブランド戦略、アジアブレイクスルー戦略、ニューフロンティア戦略、カスタマーファースト戦略)を達成するために「国内の立て直し」「中国の更なる強化」「欧米でのプレステージ領域の強化」を行う。
グローウェルHD、2011年8月期第2四半期決算説明会開く
グローウェルホールディングスは4月22日、平成23年8月期第2四半期決算説明会を開催した。冒頭、鈴木孝之会長があいさつに立ち、「東日本大震災により下期の見通しがつかない状態だが、『ドラッグストアとしてさらに精進していかなければならない』と緊張感を持って仕事に取り組んでいる」と述べるとともに、同期は“処方せんの受付枚数増加”が目立ったことを指摘し、「花粉症の流行やポイント加算効果などから、全社の3月単月実績を比較すると前年比約4万枚、金額にして30億円近い売上増を達成し、ドラッグストアが本格的に医療にかかわる『ドラッグ&調剤』の時代が到来したと感じている。下期は、物販では“買い溜め”などの問題が起こると考えているが、調剤の売上増が業績に貢献するのではないか」と説明した。
次に高田隆右社長が登壇。東日本大震災における同社の被災状況について、「寺島薬局とウエルシア関東を中心に影響を受けて、震災当日と翌日には両社で100店舗以上が営業不能に陥ったが、今月末には1店舗を除いて再開することができた。幸いにして従業員に大きな被害はなかった。被害総額は現在集計中だが、業績面でのマイナスの影響は少なく、多く見積もっても数億円程度で収まるのではないか」と説明。
一方、同期業績は、連結売上高1291億4400万円(前年同期比19.1%増)、営業利益46億1900万円(同51.2%増)、経常利益48億9100万円(同50.7%増)、四半期純利益19億1400万円(同17.6%増)の増収増益を達成。店舗数の増減は出店32店舗(計画32店舗)、閉店11店舗(計画8店舗)となった。
2011年5月4日号 記事一覧
会合・発表会
- 中野粧業社、第24回粧栄会総会開催 新年度売上目標前年比105%に
- 排水協、第17回通常総会開催 新会長会社に不動化学を選出
- 流通BMS協議会、通常総会開催 詳細な導入状況の把握へ
経営・施策
- 大手ドラッグ、3月は売上増加 今後は震災特需の反動懸念
- 企業探訪 日本コーンスターチ “米デンプン”を化粧品原料として提供
- 資生堂、被災地に対する取り組み発表 避難所へ化粧品3万セット寄贈
- 日本香堂、節電対策による就業時間の変更を実施
- 花王、鹿島工場が通常生産へ
- イオンリテール、韓国ショップコスメNo.1ブランドの日本総代理店に
製品・サービス
- 光英システム、多機能車載機「MF-ONE」を発表 1台あたり15万円実現
- サンスター、「セッチマ」から音波振動ハブラシを新発売
- ユニ・チャーム、ムーニーブランドを改良 「生まれたて/ねんね仕立て」
- SSL、「寝ながらメディキュットロングフレッシュエアー」数量限定発売
- 東洋アルミエコープロダクツ、「抗菌おにぎりホイル」新発売
- P&G、「パンパースやわらかコットンケアパンツLサイズ」を改良新発売
- ヤマサキ、「海藻ヘアエッセンス」ローズの香りを限定発売
- アットアロマ、噴霧式アロマディフューザーを新発売
宣伝販促
- エステー、「消臭力」などの新CM放送開始 「応援の気持ち」込めた内容
- ポーラ、“ふれあい”をテーマに企業広告を放映中
- SSL、「おそとでメディキュット トレンカ」テレビCM放映
人事・組織
- マンダム、6月24日付けで取締役・執行役員人事を発表
- ミヨシ石鹸、役員人事を発表
- 花王、6月29日付け(予定)で役員人事を発表
研究・開発
- サティス製薬、「賀茂なす」規格外品を化粧品原料に有効活用
調査・統計
- 西化工 平成23年1~2月販売統計 シャンプー、ヘアトリートメントが好調
- JCA 平成23年3月度販売統計 震災の影響も総販売額は伸長
- カネボウ化粧品、現代の女性像を調査 母親としての自分表す漢字は「愛」
- リビング新聞、既婚女性にアンケート 全体の8割が義援金募金に参加意欲
イベント・展示会
- ユニ・チャーム、サウジアラビアのジャナドリア祭の日本館に初出展
施設・店舗
- ラッシュジャパン、八重洲地下街、LUCUA大阪に新店オープン
時評・コラム
- 時評 元気な大阪の起爆剤になれ
- 泡沫 「ゼオライト」に注目
その他
- 石洗工、設立60周年記念して「油脂石鹸洗剤工業史2000年代の歩み」発刊
上記トピックスは要約版です。記事の詳細・全文は、日用品・化粧品業界の専門紙「H&BC マーケティングニュース」最新号(水曜日発行)でご覧になれます。お申し込みは刊行物案内をご参照ください。