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資生堂、新３カ年計画を発表　４つの成長戦略を推進

　資生堂は4月14日、2011年度を初年度とする新3カ年計画の内容を発表した。この計画では同社が掲げる「日本をオリジンとし、アジアを代表するグローバルプレイヤー」に向けた第2フェーズに入ることになり、「成長軌道に乗る」ことをテーマとしている。具体的には苦戦が続く国内化粧品事業の活性化とグローバル化の加速を最優先に4つの成長戦略を進め、その成長戦略を支える経営基盤の強化に取り組んでいく。
　前田新造前社長（現会長）が掲げた3つのビジョン（「100％お客さま志向の会社に生まれ変わること」「大切な経営資源であるブランドを磨き直すこと」「“魅力ある人”で組織を埋め尽くすこと」）を継承するが、末川久幸社長は、「これからは更に改革のスピードを上げ、さらに資生堂を進化させていくことが必要であり、そのために現在苦戦している国内化粧品事業を活性化させることと、グローバルコンペティターと伍して戦えるようにグローバル化を加速させることに取り組んでいく」と決意を表明した。
　新3カ年計画の柱となる成長戦略は、グローバルメガブランド戦略、アジアブレイクスルー戦略、ニューフロンティア戦略、カスタマーファースト戦略の4つ。
　新3カ年計画の業績の計画は、売上高が世界の化粧品市場の成長率を上回る年率6％程度。営業利益率は前3カ年で達成できなかった10％の達成を目指す。この計画値は東日本大震災前に設定したものだが震災後も成長軌道に乗る方向は変えずに取り組んでいく。

ニッサン石鹸、2010年度業績は増収増益に　新ブランドを今秋に上市

　9月1日に社名を「ＮＳファーファ・ジャパン」に変更するニッサン石鹸の2010年度の業績は、売上高135億400万円（前期比110％）、営業利益3億8500万円（同213％）、経常利益2億6500万円（同257％）となり、売上げ・利益ともに大幅に伸長した。
　増収増益の要因は、「ファーファ」シリーズを積極的に展開したことによるもので、特に、衣料用液体洗剤と濃縮タイプの柔軟剤が好調に推移し、「ファーファ」の売上が前期比37％増の84億円となった。これにより、ＮＢ商品における「ファーファ」ブランドの売上比率は86％（前期81％）に、また全体の売上高におけるＮＢ商品の売上比率は72％（前期63％）とそれぞれ増加し、ＮＢ商品中心の政策が功を奏した。
　今後の展開については、「『ファーファ』シリーズのさらなる強化」と「ファーファに次ぐ第2のＮＢブランドの立ち上げ」を行う。「ファーファ」シリーズは、2011年度売上高91億円を目指すほか、「ファーファに次ぐ第2のＮＢブランドの立ち上げ」については、香粧品カテゴリーの商品を今秋に上市する予定で、詳細は6月に発表するとしている。

メディカル一光、2011年2月期決算は増収増益に　ヘルスケア事業に注力

　メディカル一光は4月7日、「第26期（2011年2月期）決算説明会」を開き、南野利久社長が決算概要と今後の事業戦略を、西井文平副社長が期中の詳細を説明した。
　同期は、売上高179億7400万円（前期比4.6％増）、営業利益9億8900万円（同1.4％増）、経常利益9億3100万円（同4.2％増）、当期純利益5億1200万円（同12.1％増）と増収増益を達成。今まで薬価改定が実施された期は経常利益が減少していたが、同期は前期と同じ経常利益率5.2％を達成した。
　事業部門別の売上高は、調剤薬局部門（全74店）が166億2500万円（同4.1％増／1店舗あたりの売上高は2億2590万円）、ヘルスケア事業が6億2200万円（同21.8％増）、医薬品卸事業が8億9500万円（同6.9％増）、不動産事業が7500万円（同2.5％増）だった。
　今後の事業戦略について南野社長は「東北地方太平洋沖地震発生により情勢が不透明になった」としながらも、高齢者（単身・夫婦）世帯の増加に伴い「サービス付き高齢者向け住宅制度の創設」が予測されることを前提に、「介護付き有料老人ホーム」を新たな成長のエンジンに位置付けてヘルスケア事業に注力する方針を示し、同期の「ハーモニーハウス出雲」（島根県出雲市）、「同いなべ」（三重県いなべ市）の２施設に続いて、第27期には10億6500万円の投資で5施設の開設を計画していると発表した。

ライオン、創業者・小林富次郎氏の葬儀映像が重要文化財に指定

　ライオンの創業者・小林富次郎氏の葬儀映像（動画フィルム）が、3月18日、文部科学大臣への文化審議会の答申を受け、国重要文化財に指定されることとなった。同映像は1910年（明治43年）に撮影され、映画（動画映像）に対する重要文化財指定では、史上3番目となる。第二次世界大戦前の映像の中で現存するものは極めて珍しく、100年前の東京の人々の暮らしぶりが鮮明に収録されている。
　「小林富次郎葬儀映像」（1910年12月16日吉澤商会撮影）は、2003年、同社から東京国立近代美術館に寄贈しており、同フィルムセンターより、ポジ、ネガ両方が揃っている日本最古のフィルムと評価されている。
　同映像は、約7分のモノクロ無声映像。1910年12月13 日に同社創業者・小林富次郎氏が亡くなり、16日午後１時に神田美土代町の東京基督教青年会館（ＹＭＣＡ）で告別式が行なわれた。映像は柩が載せられた二頭立ての馬車を中心に、神田柳原の本店から青年会館まで歩いていく葬列の模様を撮影したもの。
　通じて社会貢献活動を展開したことから、同氏の死を悼んで多くの人たちが見送っている。当時の最新鋭の撮影機器で捉えた映像は動きの不自然さが少なく、また100年前の東京の人びとの暮らしぶりが非常に良く分かる鮮明なもの。