2011年2月2日号掲載記事より
クラシエHP、2011年度上期方針発表 確実な成長軌道への戦略推進
今年度が中期計画「新マーケティング戦略」(カスタマイズドマーケティング)の最終年度となるクラシエホームプロダクツ(岩倉昌弘社長)は、昨年度(2010年)がブランド力や技術力の強化並びに店頭重視、差別化戦略の徹底などに取り組み、市場全体がほぼ横ばいだったのに対して、金額ベースで103%、数量ベースで108%を達成する見込みであり、「ようやく成長への舵が取れた年」(岩倉社長)と位置づけた。さらに今年度を2012年度から始まる「新中期計画」の“0年度”と位置づけて事業戦略に取り組むとし、1月26日、関係業界紙を招いて「2011年上期方針説明会」を行い、今春投入する70SKUの新製品・リニューアル品などの育成を通じて前年比103%の成長を目指すとした。
本年度上期の具体的事業方針については、「円高・円安どちらにブレても、原材料費の上昇傾向は進み、経営並びに市場環境は引き続き厳しくなる」とした上で、現在の中期計画の課題を解決しながら「経営基盤を確立し、確実な成長軌道に乗せる」「マーケティング投資によるブランド強化とコストの効率化」「店頭重視、差別化戦略の徹底」「ホーユー社との更なるシナジー強化」など基本戦略を、原点回帰で実行することと明言した。
さらに上期の営業方針(行武営業統括室長説明)については、まず昨年の8支店ベース実績が「Grow戦略」を推進した結果、仕入れ・実販共に104%とバランスが取れたとし、その最大の要因は再生機構からホーユーに経営が移り「販促への投資(サンプリング、宣伝費など)が出来て営業のバックアップ体制が取れるようになったこと」を挙げた。
これを踏まえて今上期は①確実なブランド育成に則った健全な売上拡大による利益の最大化を目指す②店頭第一主義に則った顧客満足を目指した営業活動の実践―を営業方針の重点に据えて、前年比103%達成に挑戦する。また今春の8ブランド70SKUという新製品に対しては、重点4ブランド(ナイーブ、シンプロ、いち髪、肌美精)を中心に展開する。その営業政策のテーマとして「先考営業の徹底」「提案型営業」「店頭実績型営業」「推進力の強化」を掲げた。
全卸連、「卸流通アカデミー」第1期・3回目の講座開催
全国化粧品日用品卸連合会が次世代の卸経営者、経営幹部のために開催している「卸流通アカデミー(ORA)」の第1期・3回目の講座が1月26日開かれ、今回は23名の若手経営者が出席した。午前中には「業界リーダーに聞く」が行われ、今回はユニ・チャームの高原豪久社長とPaltacの三木田國夫会長が講師を担当。
高原社長は01年6月、直前の決算で5期ぶりに減収減益となり、株価も下落している中で社長に就任したことを振り返りながら、「創業者は突然変異体であり、同じ土俵で勝負しても勝ち目はない」と考えて“共振の経営”を目指したことを明らかにするとともに、これの実現に向けて①「同床異夢」を避けるために語り続け、心を通わすこと②着眼大局・着手小局③凡事徹底――の3点を進めていることを、全世界に小冊子「The unicharm way」を配布して価値観の共有を図っているなどの具体例とともに解説。
次に講演したPaltacの三木田会長は、前身である大粧からPaltac設立までの歴史を紹介しながら、「事業効率化を考えて全国15カ所にRDCを設立した」と説明。
これに合わせて、06年に三木田会長が選考委員長を務めた全卸連会長の人事について、「RDCの稼働により採算が合わない得意先が登場し、化粧品やトイレタリー製品は地域卸に振り分けることができたが、OTC医薬品は振り分けることができなかった。菓子卸業界界でも同様の状況だと聞いている。そこで、化粧品・トイレタリー卸業界では、異業種卸業界のような状況に陥って欲しくないと考え、地域卸について熟知している森友通商の森友徳兵衛氏を全卸連会長に推薦した」という秘話も紹介した。
なお昼食後に行われた第2部では、経営に関わる実務的な講義が行われ、終了後には懇親の場も設けられた。
第4回オールマスコミライオン会開催 地域活性化の取り組みを推進
全国各地のテレビ・ラジオ・新聞・雑誌・広告代理店などマスコミ関係者トップとライオン首脳並びに全マスコミ関係者同士の絆を深める場である「第4回オールマスコミライオン会」が、1月25日に約713名が参加し盛大に開かれた。また会場入り口には、今春の主要新製品(カテゴリー別)と紹介パネルが展示され、マスコミ関係者の関心を集めていた。
あいさつに立った藤重社長は、4回目開催の主旨として①マスコミ各社と共に新しい生活価値の提案並びに革新的な情報発信②地方から日本を元気にするため、今まで以上に各エリア密着型営業を行う③オールマスコミライオン会の場を、全国から集まったマスコミ関係トップ同士で交流の実を上げること――などと述べた。
また、ライオンが3つのビジョン「新快適生活産業ナンバーワン企業を目指す」「環境対応先進企業を目指す」「企業文化の活性化を推進する」を掲げて事業を展開していると説明。10年度も成長セグメント市場に「健康・快適・環境」をキーワードに、市場の変化を捉えた新製品導入を行った結果、新製品が売上げに大きく寄与したことを報告。
さらに、ライオンは今年度も「人間の尊厳を守ることを使命」とし、地域活性化の取り組みにも積極的に参加することを宣言した。
この後、ライオン賞の発表があり、熊本放送「RKK女子駅伝競走大会」と産経新聞「TOKYOウオーク」が受賞し、関係者がお礼の言葉を述べた。
新生WINグループ、7社が参加して始動 SB品100億円(仕入高)目指す
ドラッグストア企業グループ・WINグループは、昨年11月、7社の新メンバーに迎え、本年1月から新生WINグループとして本格的にスタートしたが、1月26日、東京・八重洲富士屋ホテルで、久松正志WINグループ会長(ココカラファイン会長)、三橋信也WINドラッグ社長(レデイ薬局社長)らが出席して記者会見を行い、3年以内にSB品(会員企業共有PB品)を現在の41億円(仕入高)から100億円(同)に拡大する計画を表明したほか、NB品の共同販促も積極的に行い、グループの存在意義を高めていく考えを明らかにした。
WINグループは、03年4月に結成、05年には共同事業を推進する会社WINドラッグを設立し、SBの開発やNB品共同販促などの事業活動を行っており、総売上高は5458億円(内OTC4471億円)、総店舗数2078店(内OTC1822店)の規模となっている。
久松会長は「昨年の11月に旧十社会のメンバーが合流して新生WINグループとして活動していくことになった。変化の時代は組織にとって、チャンスでもあり、旧WINグループのメンバーもより良い組織にしていこうと前向きに捉えている。事業活動はSB(ストアブランド)品の開発とNB品の共同販促がメインである。商品を通じてグループの結束を高め、存在意義を高めていきたい」と語り、三橋WINドラッグ社長は、「WINグループの商品部会では、SB品の開発とNBの共同販促の2つの事業を行っているがSB品は現在年間約41億円(グループ企業仕入高)だが、これを新生WINグループでは3年以内に100億円まで拡大させることを目標としている」と述べた。
WINグループは、SB品ではメーカーのNB品が提供できない価値を顧客に提供することにより、NB品を補完すべきものと位置づけている。SB品は現在、医薬品189SKU、医療衛生用品113SKU、健康食品32SKU、化粧品35SKU、日用雑貨56SKU、合計425SKU。共同販促では、グループを挙げて協力・拡販し、「メーカーと約束した数量は完売する」という姿勢で、メーカーから「WINグループは約束を実行してくれる」という評価を得ることを目指しており、商品開発も共同販促メーカーとの連携重視の姿勢で活動を行っている。
玉の肌石鹸 ファッションフェアに出展して巨大石鹸オブジェを展示
玉の肌石鹸は、1月26日~28日の期間、東京・有明の東京ビックサイトで開かれた日本最大級のファッション総合展示会「JFWインターナショナル・ファッション・フェア」(主催・繊研新聞社)にブース出展を行った。
同社のブースでは、「質量=質感+量感」をテーマに、合計9本の巨大石鹸オブジェを展示し、“TAMANOHADA”ブランドの哲学や思想を訴求。この巨大石鹸オブジェの大きさは、1㍍四方、高さ3㍍と巨大で、重さは3㌧もある。同社製品に使われている香料を使用し、近づくとほのかな香りが漂う。写真撮影や自由に手で触ることもできるため、会期中、ブースに訪れた人の多くがこの巨大石鹸オブジェに驚きながら写真を撮影したり、その感触を興味深く手で確かめる姿が多く見られ、来場者の注目を集めた。
出展した理由について同社担当者は、「当社は創業118年を迎える老舗石鹸メーカーだが、近年では、“石鹸”を軸に、既存の枠に捉われずどう変革していくべきかを追求している。その一環として、これまでに欧州で異業種の見本市への出展やイタリアでのショールームの展開、フランスのアパレルブランドとのコラボなど、積極的に海外で展開し良い評価を頂いていることを背景に、今回この展示会主催者から声がかかり出展することとなった。ブースでは、海外で評価頂いている“TAMANOHADA”ブランドの哲学や思想を印象的に訴求するために、巨大石鹸のオブジェを展示した。この展示会を通して新たな商機をつかみたい」と話していた。
同フェアは、日本のほか、アジア、欧米の22カ国から約700社が出展し、ウエアやバッグ、シューズなどファッション関連の商品を一堂に出品。国内外から多くのバイヤーが来場した。
2011年2月2日号 記事一覧
会合・発表会
- スーパーマーケット3団体が記者会見 販売統計11月・12月分を発表
- クレハ、販売方針説明会開催 「NEWクレラップ」8年連続で改良
- 大日本除虫菊、23年度関西地区金鳥製品説明会開く 売上の最大化目指す
- フマキラー、11年度政策共有会を大阪で開催 6年連続の売上高増目指す
- エビス、記者懇談会開催 「お客様の感動と信頼獲得へ全力で取り組む」
- アース製薬、11年度方針発表会開催 参入市場の活性化・拡大の実現目指す
- 日衛連、賀詞交換会開く 「快適な生活の実現へ寄与を」
- OTC医薬品協会、新年祝賀会開催 スイッチ化の加速などを推進
- 日本ロレアル、「メイベリンNY」BBムース、新リップなど新商品発表
経営・施策
- P&Gジャパン、「サステナビリティ・レポート2010」を発行
- 信栄製紙、3月21日出荷分から20%以上の値上げ実施
- プラネット、11年春夏新製品カタログ発行 108社・2052アイテム収録
製品・サービス
- オカモト、宝島ワンダーネットと「Candy Float」共同開発
- P&G、「ファブリーズ」からリゾートコレクションなど新製品発売
- サンスター、オーラルケアブランド「G・U・M」「Ora2」から新製品発売
- シック、「シックハイドロ肌ケアセット」など春の新製品発売
- 資生堂、「専科」から2アイテム新発売 日やけ止めと美白化粧水
- ジュジュ化粧品、“攻めの美白”を実現 UV美白化粧下地新発売
- マックスファクター、SK-Ⅱセルミネーションシリーズから新製品発売
- コーセーコスメポート、「サロンスタイルヘアワックス」を改良
- シービック、「デオナチュレさらさらクリーム」を改良発売
- サティス製薬、最高級品質の桃の葉エキスを化粧品原料として開発
- アメイズビューティー、多機能保湿液を新発売
- ライオン、「ルックまめピカトイレのふき取りクリーナー」新発売
- ライオン、トッププラチナクリア新発売 まとめ洗いでも白く洗い上げる
- P&G、「アリエールスピーディー」新発売 「ボールド」からも新製品
- 富士フイルム、アスタリフトから新製品パウダータイプサプリ発売
- 花王、「グレイスソフィーナ」新製品 濃厚な化粧品・クリーム発売
- 花王、「ロリエスピードプラス肌キレイガード」新発売
- 花王、ビオレさらさらUVアクアリッチウォータリーエッセンス新発売
- 花王、メンズビオレ刷新 スキンケア発想の商品ラインアップに
- ニベア花王、8×4パウダースプレー改良 自然由来の殺菌成分を新配合
宣伝販促
- 大日本除虫菊、第34回KINCHO防虫剤V.I.P陳列コンテスト概要発表
- ライオン「アクロン」 アクロン柄洗たく機が当たるキャンペーン実施
- エステー、11話連続CMシリーズの放映を開始 エステー製品勢ぞろい
- フマキラー、「花粉鼻でブロック」新TVCM放映開始 川島永嗣選手を起用
人事・組織
- イオナインターナショナル、新役員を改選
決算
- グローウェルHD、11年8月期第1四半期決算発表 売上高638億円に
調査・統計
- 西化工 22年1~11月期販売統計 染毛料、セットローションが好調
- JFA 22年12月度コンビニ統計 非食品回復で総売上高も好調
- JCA 22年12月度チェーンストア統計 総販売額が25カ月連続減
- 流通経済研究所、上海の食品スーパーの実態調査を実施
- ユニ・チャーム、40代女性の「尿もれ」に関する意識調査実施
イベント・展示会
- 澁谷油脂会長・澁谷卓磨氏、黄綬褒章受章記念祝賀会催す
- G&G、第34回春季展示会開催 売上高約37億円を達成
- 森下仁丹、特別展示を大阪企業家ミュージアムで開催
- 「ウエルネスフェスタ」大阪で開催 メーカー145社が出展
施設・店舗
- グローウェルHD、本社を東京都千代田区に移転
- クラシエHP、東京支店を中央区日本橋に移転
訃報・葬儀
- 訃報 神澤昭三氏 (元資生堂会長) 82歳
時評・コラム
- 時評 夢の卸売業物流構想の実現
- 泡沫 東京銀座に新たな顔
その他
- 寺岡精工 NEW BALANCE 74
上記トピックスは要約版です。記事の詳細・全文は、日用品・化粧品業界の専門紙「H&BC マーケティングニュース」最新号(水曜日発行)でご覧になれます。お申し込みは刊行物案内をご参照ください。