2010年12月8日号掲載記事より
P&G、11年1月からGS・プログラムを改変 卸売業カバー範囲を拡大へ
P&G・ジャパンは11月30日、業界3紙に向け共同会見を開いた。朝田文彦営業本部長はこの中で、同社が約3年半にわたって継続させてきた、ゴールデンストア(GS)プログラムを2011年1月から改変し、卸売業がカバーする企業をこれまで以上に拡大すると発表した。ゴールデンストアという名称も今後はなくし、卸売業が主体となりカバーする企業については、すべて“一般店”として、改変した制度の枠組みで協働を進めていく。
GSビジネスは10/11会計年度に入った7月以降も前年同期を上回る形で順調に推移している。今後のGSビジネスの発展を考えた時に、卸売業のカバーする範囲を拡大することで、更にビジネス拡大を行うことが可能になると判断したものだ。
プログラム改変の過程で、これまでメーカー主体で管理していた企業の一部が卸売業に移管されるが、逆にこれまで卸売業がカバーしていた企業がメーカー管理になる場合もあり、同社としては「施策を浸透させる上で当社と卸売業様、どちらが小売業様をカバーすれば効率が良くご満足いただけるのかという観点で判断した」(朝田営業本部長)という。
今回の変更に伴い、これまでの「ゴールデンストア」という呼称はなくし、卸店が主体となってカバーする小売業をすべて“一般店”として、新たな制度で活性化していく方針で、また小売業に向けた施策もこれまでは6カ月単位だったものを、3カ月を基本に、状況に応じて、更に柔軟な対応を試みるとしている。企画内容も従来の「P&Gフェア」のようなものを基本にしながら、「月間お買い得プラン」など、小売・卸業の多彩なニーズに対応する構えだ。
あらた 次世代卸商社へ変革を加速 電通グループとの連携を更に強化
あらたの次世代卸商社への変革のスピードが増してきた。メディアと店頭プロモーションを連動させる目的の電通グループとの連携を更に強化するほか、「販促工房」による得意先の地域特性や企業特性に合わせた販促物を作成活動、日本アクセス、アルフレッサホールディングスとの業務提携を活用したコラボ活動を推進していく。
電通グループとの関係強化は、メディアと店頭プロモーションの統合効果について関係者の理解が浸透しつつあること、店頭のMD活動の合理化において、あらたグループの優位性が評価されつつあることから、より強固な協業関係を構築し、相互のノウハウの提供、人的交流、事業の統合、共同提案を通じ、サプライチェーン及び広告業界全体にとって事業構造の抜本改革をもたらすイノベーション推進することを目的に、資本業務提携を強化する。第3者割当増資により、あらたの電通リテールマーケティングへの出資比率を20%から36%へ増資。電通リテールがあらたの店頭管理会社インストアマーケティングの株式20%を保有する。両社は今後、中長期の視点に立って、共同計画を立案、展開するが具体的な協業の中身は、電通リテールがCRM事業として展開する「クリックナレッジ」をカスタマイズし、あらた及び当社グループにて、営業マンおよび店頭管理スタッフが簡易に利用できるような営業支援ツール(SFA)として導入を図る。さらに、当社が業務提携を行っている各社に対しても提案・導入を検討。これにより販売店、メーカーへ店頭状況の素早いフィードが可能となるという。
製配販15社、流通効率化目指して協働 返品削減、流通BMSなどテーマに
流通経済研究所ならびに流通システム開発センターは11月30日、消費財流通に関わる製造業、卸売業、小売業の15社が主体となり、流通効率化のための協働の取り組みを開始すると発表した。
それによると、今年5月、消費財流通に関わる製・配・販15社のトップ層が、消費財流通における製造から販売までの流通効率化を推進し、豊かな国民生活を実現を目指し、同協働組織の準備会合を開催。流通経済研究所と流通システム開発センターを事務局とし、これまで合計3回の準備会合を開き、別掲のビジョンを作成するとともに取り組むテーマなどを検討した。それにより決定したテーマは①返品削減(廃棄ロスの削減)②配送最適化(物流に係る環境負荷・コストの軽減)③業界におけるシステム標準(流通BMS)の3つ。すでにそれぞれのワーキンググループを設置し、ガイドライン策定などの検討を行っており、その成果は来春開催予定のフォーラムで発表する予定。
なお、この取り組みについては、消費財流通業界全体の振興の観点から、経済産業省商務流通グループの支援を得ている。
【参加企業】 味の素、花王、キリンビール、資生堂、P&G、あらた、国分、菱食、Paltac、イオンリテール、イトーヨーカ堂、マツモトキヨシホールディングス、ヤオコー、ライフコーポレーション、ローソン(50音順)
【ビジョン】 製配販の協働により、サプライチェーン全体の無駄を無くすとともに、新たな価値を創造する仕組みを構築することで、自らの競争力を高め、豊かな国民生活に貢献する。
①情報連携強化によるサプライチェーン全体の最適化を実現する。②透明で合理的な取引を推進する。③環境対応を推進する。④新しい消費者ニーズに応える。
この考えに基づく製配販連携を実行するため、消費財流通に関わる多様な事業者が経営トップレベルでのコミットの上で参加する協議会を設立し、各会員が共同で次のような具体的な取組を進める。
1.流通コスト等の見える化のための調査。
2.共同実証プロジェクト。
3.標準化・ルール策定の推進。
寺島薬局、デイサービスセンター・さとのこハウス荒川本郷を茨城県に開設
寺島薬局(茨城県つくば市・松本忠久社長)は12月1日から、茨城県稲敷郡阿見町の荒川本郷店建屋内に「デイサービスセンター・さとのこハウス荒川本郷」をオープンした。それに先立ち11月25から27日までの3日間、同施設につくば市、土浦市、牛久市、稲敷市、阿見町からケアマネージャーらを招いて内覧会を実施した。
「デイサービスセンター・さとのこハウス荒川本郷」は、要支援1~2、要介護1~3の高齢者(65歳以上)を対象とした敷地面積105坪のデイサービスセンターで、スタッフは7名。施設名称は、来所者に自分が生まれ育った地域などを思い出しながら過ごしていただきたいという願いを込めてネーミングされた。
特長は次の4点。その1つは3室設けられた「入浴設備」で、1つは6畳のスペースに車椅子のまま入浴できるシャワーシャトルを設置。残り2つは、スペースこそ4・5畳だが“炭酸泉入浴”ができるように造り、「個を好む」団塊の世代の趣向に合わせた。
2つ目は「食事」で、施設内に調理場を設け(調理は外注業者が担当)、700円の実費ながら2つのメニューから出来立てを選んで食べられるように工夫している。
3点目は「店舗併設」で、施設の入り口近くに店舗との「連絡通路」を設けるとともに、店舗では介護用品売り場を施設側に展開。介護用品売り場は、床をフェルト素材で覆うことで施設からそのまま店舗に移動することを可能にしているほか、「視力検査表」などを設けて簡単な健康測定ができるように設計した。
そして4点目は、「地域密着」という方針のもとで運営されていること。ワゴン車と軽自動車の2台を用意した来所者用送迎車のドライバーは「シルバー人材活用センター」を通して募集したほか、営業していない日曜日には、シルバー人材活用センターなどを通じて地域の高齢者団体の集まりなどに解放。さらに「さとのこハウス」ならびに荒川本郷店に隣接する幼稚園とのコラボイベントも計画しているという。
ライオン、石川遼選手がオーラルケア応援 年末年始キャンペーンを展開
ライオンは、同社とハミガキプリンス石川遼選手がオーラルケアを応援する「年末年始の1億2000万人ハブラシとりかえ大作戦!」キャンペーンを11月12日~11年1月31日まで実施する。キャンペーン期間中は、店頭で石川遼選手を採用した店頭ボードなどを使用し、“ハブラシとりかえ”+“オーラルケアに対する意識”を高める販促活動を展開していく。キャンペーン概要は次の通り。
【オープンキャンペーン】
携帯電話のメールマガジンに登録した人全員に、石川遼選手からの応援メッセージ入りメールが年末12月から1月末にかけて数種類届く、携帯電話限定キャンペーン。「あけましておめでとう」メールも1月初め頃配信予定。
【クローズドキャンペーン】
ライオンのハブラシ製品を購入した人より抽選で、石川遼選手音声とイラスト入り、ハブラシタイマーを1000名にプレゼント。対象商品はライオンのハブラシ製品全商品。応募に際してバーコード下6桁の入力が必要。
2010年12月8日号 記事一覧
会合・発表会
- ロート製薬、「オバジアクティブベース」来春発売 発売10周年で飛躍へ
- カイロ工業会、会員懇談会開催 今季は昨季並みの市場推移を予想
- コージー本舗、ドーリーウインク新商品発表 益若つばさと石田純一が登場
経営・施策
- 資生堂、モバイルサイトを11年ぶりに刷新 マーケティングに有効活用へ
- @cosme 2010ベストコスメ大賞発表 総合大賞など紹介
- アイスタイル、携帯版@cosmeでプレミアム会員向け新サービスを開始
製品・サービス
- ラッシュ、新フレグランス「ゴリラパフューム」を来春発売
宣伝販促
- 花王 PR 年末の大掃除シーズンに向けて「大そうじキャンペーン」を実施
- ダリヤ、「サロンドプロ ワンプッシュ泡のヘアカラー」新TVCM放映
人事・組織
- ライオン、人事・組織改正 生活者行動研究所の機能を強化
- 永廣堂本店、10月26日付けで新役員人事を発表
決算
- プラネット、11年7月期第1四半期決算は増収増益で推移
調査・統計
- スーパーマーケット3団体、22年9月度販売統計発表 「全体的に頭打ち感」
- 小林製薬、「ながら美容」を調査 全体の半数が経験者と判明
イベント・展示会
- ライオン、エコプロダクツに出展 「ひとにキレイ 地球にキレイ」
- ユニ・チャーム、エコプロダクツに出展 エコチャーミング対象商品を拡大
- 日本DIY協会、「DIYHCショウ」来年8月に開催で出展社を募集
- ジェクス、大阪で開催のHIV/AIDS啓発ライブイベントに協賛
時評・コラム
- 時評 2011年を明るく迎えよう
- 泡沫 “無添加”と“生”の違いとは
- 日雑談 慶応大生から取材依頼 取材される立場になって
- 私説・布衣の交わり(46) 大山俊雄氏 作田信幸
連載・講演
- マルト安島社長が講演 スーパー事業の取り組みを発表
上記トピックスは要約版です。記事の詳細・全文は、日用品・化粧品業界の専門紙「H&BC マーケティングニュース」最新号(水曜日発行)でご覧になれます。お申し込みは刊行物案内をご参照ください。