2010年9月22日号掲載記事より
全卸連、卸流通アカデミー開校 次世代経営者・幹部26名が参加
全国化粧品日用品卸連合会(全卸連)は9月15日、次世代の卸経営者、経営幹部のための学校「卸流通アカデミー(ORA)」(主催・全卸連、後援・ライオン)を開校した。第1回目の講義には受講者26名が出席。藤重貞慶ライオン社長、森友徳兵衛森友通商社長の講義や経営に関る基本的な実務を勉強した。
第1部(業界リーダーからの教示)の最初の講義では、藤重社長が「ライオンの経営戦略」と題する講義を行い、経済状況、業界状況などを説明するとともに、ライオンの3つのビジョンや具体的な経営戦略について分かりやすく説明。卸売業の本質についても触れ、「生産と消費を結びつける役割だが、それを速く、安く、確実に行うこと、また、必要とされるところに適切な商品を結びつける需給調整能力が大切になる。ネットワークを組んで、社会やお客様の要請に応える仕組みが必要になり、緩やかなネットワークの構成員として働くこと。さらにどういうネットワークを組むかという着目点が重要である。また、ネットワークの構成員として認められるには特徴のある機能や優れた機能を持つ必要がある」と示唆した。
次に森友社長が地域の卸のビジョンの持ち方について講義し、まずドメインを持つことの重要性を携帯電話の誕生によって、ポケベルが消滅したが電報は冠婚葬祭をドメインに生き残っている例を示し、森友通商の場合は①既得権の放棄②創造的破壊③180度の発想の転換-をポイントとしたことを説明。また、付加価値の重要性についても触れ、付加価値を持つポイントについて、①傲慢なプライドを持つこと②一歩深くライバルより考えること③情報を得る仕組みを持つことだと自論を紹介し、卸経営には“心を揺さぶるようなビジョン”を持つことが重要なるにことを力説した。第2部は、経営に関る実務的な講義が行われ、懇親の場も設けられた。
プラネット、トップセミナー開催 67社の経営トップが参加
プラネットは9月14日、コンラッド東京で「プラネットトップセミナー」を開き、67社の経営トップが参加した。
はじめに玉生弘昌社長が「多様性の時代のIT」と題した講演を行い、26年目を迎えたプラネットの概況、役割、EDI事業、安全対策、バイヤーズネットなどについて説明、「現在プラネットはメーカー380社、卸売業471社に接続、発注、仕入、請求、支払、販売など24のデータ種を揃え、月間約1億レコードの取引データを交換している。安全対策では首都圏のセンターマシンはホットスタンバイの2重化の体制で、万が一、1台が動かなくなった場合、瞬時にスタンバイしているもう1台のマシンに切り替わる。さらに大阪センターにコールドスタンバイのサーバーを備えて、大災害によって2台とも動かなくなった場合に備え万全を期している。また、年に1度の災害対策訓練も実施している。センターマシンはPE-G6と名づけた6回目の入れ替えプロジェクトを進め、11年にはリリースし、さらに安全性、複合的なサービスを向上する。非定型業務のためのネットワーク「バイヤーズネット」は現在、1万6000人が登録しており、中心サ―ビスの商品データベースは、JSM-DB(OTC医薬品業界DB)と連携し、559社7万6904アイテム(10年8月末現在)となっている。さらにこの今秋には酒類・加工食品の商品情報を扱うファイネットのFDBが相互連携する」と語った。
この後、休憩をはさみ、フジマキ・ジャパン代表取締役藤巻健史氏の「今後の日本の金融・経済動向」と題する講演を行った。藤巻氏は日本の深刻な財政状況について国債の95%が国内保有されている日本はギリシャよりも深刻な状況にあることを指摘するとともに、国債の未達の可能性があること、国債未達となれば国債が暴落し、取り付け騒ぎ、ハイパーインフレが進行すること可能性のあるとした。また、そうなると日本は2年間程度地獄をみることになるが、その後は経済が回復し、明るい状況になると予測し、地獄の期間を生き延びるためには保険をかける必要があり、アメリカの代表的な企業の株に分散投資することなどが有効であることを説明した。
三洋電機、SANYOフェア開催 エネループ、アクアなどの新製品発表
三洋電機は9月9日、流通関係者などを対象にした新商品発表会「SANYOフェア2010」を開催した。今回は、冬の新製品や注力商品を①環境エナジーコーナー②エナジーソリューション③ヘルシーソリューション④水ソリューション⑤空気ソリューション⑥コミュニケーションソリューション――の6テーマで発表。
エナジーソリューションでは、充電池のトップシェアブランド「エネループ」と応用品「エネループユニバース」の現行品、新製品を一同に展示。今冬の新製品では、薄型フィルムヒーター搭載の充電式ウォーマー「充電式ウエストウォーマー」、電子アンカ「エネループカイロ」のペアセット企画品などが注目を集めていた。一方、水ソリューションでは、ドラム式洗濯機「アクア」の改良新発売を発表。同品は、すすぎ1回で済む超濃縮液体洗剤の使用に最適化した「ECO標準コース」を新搭載している。そのほか、企画展示「火事場の現場力」では、同社営業マンによる美容機器や生活家電での“コスト3000円以下”の店頭販促事例を紹介していた。
ライオン、食器用洗剤「CHARMY泡のチカラ手肌プレミアム」新発売
ライオンは10月6日、「CHARMY泡のチカラ」ブランドから、洗浄力と手肌へのやさしさを両立した「CHARMY泡のチカラ 手肌プレミアム」(240㍉㍑、つめかえ用380㍉㍑)〈以下、手肌プレミアム〉を新発売する。
「手肌プレミアム」は、「泡のチカラ」ブランドの特長であるたくさん食器を洗ってもへこたれない洗浄力の高い泡を持ちつつ、同社独自の“刺激ブロック技術”の採用により、洗浄力を損なうことなく手肌へのやさしさを実現することができた。また、同社独自の「乳酸ナトリウム配合処方」により、使った後の手肌の感触がよいのも大きな特長。
パッケージデザインもこれまでのシリーズとは一線を画す、丸みを帯びたやさしいイメージの形状を採用。色も女性が好む乳白系のピンクにして、やさしさと高品質感を演出した。香りは嗜好性が高く、やさしいイメージの「ローズヒップの香り」。
同社は、「手肌プレミアム」の店頭の拡販をバックアップする積極的なマーケティング活動を予定している。まず発売時にテレビCMを大量に投下する。このCMは冬の手荒れに対する意識を喚起するとともに、「手肌プレミアム」の手肌へのやさしさ実感を訴求する。「泡のチカラ」シリーズでおなじみのDAIGOが演じるキャラクター「泡賀剥ヶ介」を起用し、手肌を気にする主婦を助けるストーリーとなっている。店頭でもこれまでの食器用洗剤とは違ったプレミアム感を演出するツールを用意し、積極的な展開を行う予定。
商品探訪 エステー 「かおりムシューダ」が話題に
防虫剤のトップシェアメーカーであるエステーは8月12日、洗いたての香りが爽やかに広がる防虫剤「かおりムシューダ」を新発売。斬新かつ可愛らしいパッケージデザインと「ムシューダなのに香りつき」という“矛盾した商品コンセプト”が話題を呼んでいる。
まず、最大の特長である香りについては「やわらかフローラルの香り」「フレッシュソープの香り」をラインアップ。マーケティンググループ・渋谷裕子氏によると「香りにポジティブな現代女性の生活スタイルは①上品、落ち着き、エレガンス志向②元気、快活、ナチュラル志向――の2つに大別できる。そこで『かおりムシューダ』では、多くの人が好む“清潔感のある洗いたての香り”を共通テーマにしながら、エレガンス志向=やわらかフローラルの香り、ナチュラル志向=フレッシュソープの香りと、それぞれのターゲット特性にあった2種類の香りを揃えた」という。
もう1つの特長であるパッケージデザインは、企業キャラクターのデザインなどで著名なアートディレクター・佐野研二郎氏が手がけたもの。可愛らしい女の子の新キャラクター「かおりちゃん」をパッケージ中央に記載。かおりちゃんが持っている製品イラストで、引き出し・衣装ケース用、クローゼット用どちらなのかが分かるほか、香りの種類によってパッケージカラーとかおりちゃんの衣装が違っている。
さらに消費者が購入前に香りを試せるように、パッケージ上面にこすると香りが出る“香りテスター”を付けた。商品本体に関しても、取り替え時期が分かる“お取り替えサイン”の「おわり」の文字は佐野氏の手書きであるなど、しっかりとデザインにこだわった。
2010年9月22日号 記事一覧
会合・発表会
- 近石工組、情報交流会・環境保全部会開く 組合員・賛助会員ら47名出席
経営・施策
- ココカラファイン、アライドハーツと合併 「㈱ココカラファイン」に
- シャボン玉石けんの100年 ④石けんの新たな可能性を広げた消火剤
製品・サービス
- アライドアーキテクツ、モール型クチコミクーポンサイト開設
- 花王、「セグレタ」から地肌コンディショナーとマッサージャー新発売
- ウエ・ルコ、「温感クリーム」「炭の冷蔵庫用脱臭剤2個セット」新発売
- ダリヤ、ヘアケアシリーズ・ソリッドフレグランスの新アイテム発売
- 小林製薬、フェミニーナ膣カンジダ錠など新製品・改良品発売
- ベアエッセンシャル、「ベアミネラル」からマスカラ2種を新発売
- フマキラー、「花粉 鼻でブロック」など家庭用品秋の新製品を発売
- ユニ・チャーム、「シルコット」から28年ぶり新製品発売
- カメヤマキャンドルハウス事業部、ヤンキーキャンドルからインセンス発売
- 常盤薬品工業、「うるおい大使リップクリーム」など新製品発売
- DKSHジャパン、「サイレンシア」から初の抗菌タイプ耳せん新発売
- PRページ ライオン「アクロン」 愛着のある大切な服に適した洗剤
人事・組織
- アインファーマシーズ、今川会長が辞任を発表
- メディパルHD、組織変更、取締役・執行役員の委嘱・委任事項変更を発表
- Paltac、10月1日付けで執行役員人事を発表
調査・統計
- 日本家庭紙工業会 22年6月紙関連統計・7月出荷速報を発表
イベント・展示会
- ダイエット&ビューティーフェア開催 「スパ・ジャパン」を新設
施設・店舗
- 攝津製油、本社機能を堺事業所化粧品工場内に移転 27日から業務開始
- ウエ・ルコ、本社と物流を統合 大阪市西淀川区に移転 10月から営業開始
- 銀座三越がリニューアルオープン 企画展「THE STORY」開催
時評・コラム
- 時評 流通加工事業に動く陸運業界
- 泡沫 神田川周辺の緑化に期待
- らいたあ 高齢者の所在不明問題 生活実態把握にネットワークを
- 私説・布衣の交わり(35)渡辺一男氏 作田信幸
特集 【シルバーケア】
- 対象人口増加で着実に成長する「シルバーケア市場」 販促活動も本格化
- 白十字 10月から「サルバ」下期プロモーション展開を実施
- ユニ・チャーム 「ライフリー」から超うす型下着感覚パンツを新発売
- リブドゥコーポレーション 「リフレ安心パッド」シリーズが発売10周年
- フェニックス 身体の不快臭に着目「アラ ナリシングマイルドEX」発売
- 王子ネピア 軽失禁ケア用品「ネピアインナーシート」改良
- 日本製紙クレシア 「ポイズパッド」で“5SKUのフルライン展開”を提案
- 大王製紙 「ナチュラ」から“羽つき”タイプの軽失禁専用品新発売
- 花王 介護初心者を対象に「リリーフ」展開 「吸水ナプキン」を提案
特別企画
上記トピックスは要約版です。記事の詳細・全文は、日用品・化粧品業界の専門紙「H&BC マーケティングニュース」最新号(水曜日発行)でご覧になれます。お申し込みは刊行物案内をご参照ください。