2010年5月19日号掲載記事より
エステー、フマキラーが資本業務提携 エステーがフマキラーの筆頭株主に
エステーならびにフマキラーは5月13日、同日付けで両社の間で資本業務提携契約を締結したと発表した。合わせて、フマキラーが来年の稼動をメドに新たな開発・生産設備「ブレーンズ・パーク」を建設すること、その資金の一部として6月にフマキラーがエステーを割当先として第3者割当による新株発行を行うことも発表。これによりエステーがフマキラーの筆頭株主(持株比率15・1%)となるが、2社は今後、より強固な関係のもと商品開発や営業活動、海外展開で協力していくことを表明した。
今後は、両社で「業務提携推進委員会」を設置し、①営業②開発③調達④物流⑤その他の5点での協働を推進。両社の事業領域が補完関係にあることを活かし、ノウハウおよび人的資源を相互に補完して協力することで、両社の事業の発展、収益性の強化、顧客満足度の向上に努めて両社の企業価値および株主の利益を向上・発展させていく。
フマキラー大下社長は今回の提携に至った理由を「広島県廿日市市に所在する当社の開発生産施設の老朽化が進んでおり、新しい施設の建設を検討していた。その資金を考える上で、長年取引関係があるエステーと第三者割当について協議し、合意に至った。今後はエステーと当社の協力のもと、この提携による効果を早期に実現し、お互いの企業価値、株主価値を高めていく」と説明。エステー鈴木社長は「当社が約60年前に創業した時から、フマキラーには、海外事業など様々な面でご支援、ご厚誼をいただいてきた。今回の提携は我々が長年培ってきた信頼の〃赤い糸〃で実現できたものだと感じている」と述べた。
超高齢社会に対応した新業態薬局へ向け新会社「ジーエムキュー」設立
クオール、グローウェルホールディングス、メディパルホールディングスは、3社の共同出資により、超高齢社会に対応した新業態薬局の企画・運営及び薬剤師教育などを行う新会社「ジーエムキュー株式会社」を5月6日に設立した。
1月29日に業務提携を締結した3社は、調剤薬局とドラッグストアの融合による新業態薬局の開発、薬剤師教育の共有化など、それぞれの会社が持つ経営資源の有効活用について、具体的な内容の協議を進めてきた。そして検討してきた内容を事業として着実に発展させていくために、3社の共同出資により新会社を設立することにした。
調剤薬局市場では、医薬分業の進展が鈍化しつつある中で、処方せんの流れが「門前型薬局」から、顧客の生活圏で薬を受け取る「面対応薬局」へ分散していくことが予想されている。一方、急速に進む人口の高齢化とともに国民の健康に対する意識が一段と高まっており、疾病の予防やセルフメディケーション、介護などの分野で、需要の増加が予測されている。新会社はこれらの社会環境の変化に対応し、主に地域の中高年層を顧客の対象として、既存の業態には無い付加価値と専門性を備えた新業態薬局を開発・展開していく予定。併せて「顧客から信頼される薬剤師」をテーマとして、薬剤師教育事業にも積極的に取り組んでいく。
サンスター、歯の衛生週間の取り組みなど発表 歯周病予防市場の活性化へ
サンスターは5月10日、同社現況やオーラルケアの市場動向、今期の歯の衛生週間に向けた取り組み施策を発表する説明会を開いた。
ビジネスの更なる成長に向けた施策として、まずハミガキにおいては、〈高機能歯槽膿漏〉では当帰の力、〈汎用美白〉ではOra2、〈歯周病予防〉ではGUMと、拡大するサブカテゴリーに対して新製品を投入し、市場の更なる拡大を図っていく。液体ハミガキでは、伸長している口臭+αのカテゴリーに新製品を投入、使用機会と使用シーンの提案を行い、新規顧客獲得を図っていく。ハブラシでは、伸長傾向にある高機能美白に積極参入して、中価格帯の拡大を目指す。また、液体ハミガキや歯間クリーナーなどのカテゴリーの併用使用を促進し購入金額アップを図っていく。そして、2010年度の方針として、「売価のアップ」「買い上げ点数のアップ」に取り組んでいくことを発表した。
歯の衛生週間においては、歯周病が様々な疾患に影響を与える点を訴求して、消費者の歯周病予防意識を喚起して、歯周病予防市場の活性化を図っていく。
具体的には、「今すぐ始めよう、歯周病予防」をキャッチフレーズに、GUMではTVCMや日本歯科医師会とのタイアップ新聞広告、口腔保健シンポジウムなどを展開するほか、Doクリアでは、「サンキュ!」とのタイアップキャンペーン第1弾を4月30日~6月30日の期間で実施するほか、関根麻里を起用したTVCMも放映する。
濱田和生社長は、「オーラルケア市場は主要カテゴリーが伸び悩むなど厳しい状況の中で、サンスターをどういう会社にしていくのか、消費者に対してどのような貢献をしてくのかといった企業姿勢が問われている。今後は、消費者に満足いただける良い商品を提供していき、オーラルケア市場の底上げを目指していきたい」と述べた。
ライオン、韓国で「MES」配合洗剤「ビートドラム」発売開始
ライオンの韓国における連結子会社のCJライオンは、植物原料の高機能界面活性剤「MES」(アルファスルホ脂肪酸エステルナトリウム)を配合した衣料用洗剤「ビートドラム」(内容量2・8㌔㌘紙箱入、2・5㌔㌘袋入〈パウチ〉)を、5月中旬に新発売する。
「ビートドラム」は、ライオンの環境技術により生まれた「MES」を主要洗浄成分とする洗剤として、初の海外市場進出製品となる。
「MES」は、洗濯時のCO2排出削減に貢献するほか、高い洗浄力、高い生分解性、耐硬水性などに優れた特長を持ち、環境性能と、洗浄成分としての機能性の両面で高い評価を得ている。07年、同社はこの「MES」を海外市場に供給する事業構想の下、パーム油の主要生産国であるマレーシアに製造子会社(ライオンエコケミカルズ、以下LECO)を設立、09年「MES」製造工場を竣工した。
「ビートドラム」は、「MES」を配合した独自の組成で、洗濯時は過度な泡立ちを抑え、すすぎ時は素早く泡切れするドラム式洗濯機用洗剤とした。韓国では、ドラム式洗濯機使用者の74%が、洗剤のすすぎ性を気にして「追加すすぎ」を行っている。「ビートドラム」を使用して、この「追加すすぎ」を省略することで、水量と電気代が節約できる。
Paltac、折目光司氏が社長就任 三木田氏は会長・最高経営責任者に
Paltacは5月14日、代表取締役の異動について次の通り内定したと発表した。
社長の三木田國夫氏が代表取締役会長・最高経営責任者に、新しい代表取締役社長には、折目光司氏が就任する。
【代表取締役の異動】(敬称略)
代表取締役会長・最高経営責任者兼㈱メディパルホールディングス取締役相談役=三木田國夫▽取締役副会長=近者正平▽取締役副会長・CSR担当=小坂晴良▽代表取締役社長・営業統括本部長=折目光司(新任)▽代表取締役副社長執行役員・経営企画統括本部長=箱田善之(同)。
なお、代表取締役副社長執行役員の守護陽慈氏は6月24日付で退任予定。
小林製薬、22年3月期連結決算は増収増益 新製品、主力品や通販が寄与
小林製薬は5月6日、決算記者発表会を開き、平成22年3月期連結業績は、売上高1291億8400万円(前年同期比2・8%増)、営業利益170億4100万円(同7・7%増)、経常利益170億7100万円(同11・3%増)、当期純利益92億4900万円(同4・5%増)の増収増益(当期純利益は12期連続増収)で終了した。
前期が増収増益となった要因について、売上高については新製品の上市に加え、ブルーレットをはじめとする既存の主力ブランドや通信販売(栄養補助食品)の売上げ伸長など、営業利益については、利益率の高いヘルスケア分野の売上げ伸長、製造原価の低減などによるものと説明。主力の家庭用品製造販売事業については、売上高1155億1400万円(同2・6%増)、営業利益165億700万円(同3・8%増)となったことを報告。主要カテゴリーの売上高は、家庭雑貨品同13・3%増、食品同11・3%増、口腔衛生品同8・2%増となり、7カテゴリー中カイロ(同9・4%減)を除く6カテゴリーが前年実績を上回ったことを明らかにした。
また、同社の新製品寄与率については、過去4年間に発売した新製品の売上げ寄与率が26・7%、発売初年度の新製品による売上げ寄与率が8・3%となったこと、製造原価の低減については、コストダウン活動と原材料値下げによるものの合計で15億円のコストダウンを達成したこと、返品率と廃棄損の削減の取り組みについては、返品率が3・3%、廃棄損が29億円となったことを報告した。
また、医療関連事業については、小林メディカルの注力領域における集中戦略などにより売上げが伸長、その結果、売上高121億1100万円(同6・9%増)、営業利益は1億4300万円を記録したことを明らかにした。
2010年5月19日号 記事一覧
M&A・設立
- アルフレッサHD、丹平中田を子会社化へ 経営統合の基本合意書締結
会合・発表会
- JACDS、第40回記者意見交換会開く ドラッグストアショーなど報告
- 日本OTC医薬品協会、総会・セミナー開催 中国の市場概況など説明
- 浴用剤工業会、第22回定期総会開催 新会長に谷野伸吾氏を選出
- 堺線香組合、総会・理事会開く 新理事長に鈴木壮一氏が就任
経営・施策
- ゲンキー、東証第二部に上場 上場予定日は5月27日
- 資生堂、自己普通株式1000万株を消却
- エステー ストックオプションに関する委任承認 を株主総会に付議
- 環境省、08年度「温室効果ガス排出量」を発表
- 企業探訪 ジャックス 小売店と二人三脚で売り場づくりを推進
- 日本SC協会、新版SC用語辞典を刊行
- アイ・エス・ティ、日本貿易・観光促進PRセンターを中国2カ所に開設
- ライオン、「チャレンジ25」開始 09年度はオフィスで152㌧のCO2削減
製品・サービス
- PRページ ニッサン石鹸 超濃縮衣料用液体洗剤ウルトラファーファ発売
- ユニ・チャーム、「転ばぬ先のあんしんガードル」監修医師が講演
- 東邦、洗濯用石けん「ウタマロ」 パッケージをリニューアル
- グラクソSK、「シュミテクト」パッケージをリニューアル
- コーセーコスメ、「ソフティモ」さらさらパウダーシートなど積極展開
- 常盤薬品工業、「クズランジェロ」から新製品発売
- 花王、「ソフィーナボーテ」から美白エイジングケアシリーズ新発売
- クラシエHP、「ナイーブボディソープ」サマーシトラスエッセンス限定発売
- ベアエッセンシャル、「ベアミネラルナチュラルサンスクリーン」新発売
- 資生堂、「リバイタルグラナス」からエイジングケア2品新発売
宣伝販促
- エステー、「脱臭炭」10周年記念キャンペーン実施中
- ニトムズ、5月6日は「コロコロの日」認定記念キャンペーン実施中
人事・組織
- 東流社、芳賀愉一郎氏が新社長に就任 寺嶋氏は会長に
- ポーラほか、取締役・執行役員・監査役を選任
- 花王、5月1日付けで人事異動を発表
- クラシエHP、4月22日付けで人事異動を発表
- エステー、6月1日付けで取締役人事を発表
- 攝津製油、二ノ宮義治氏が新社長に就任
決算
- 大手GMS、通期決算出揃う 消費低迷+天候不順で大不振
- ライオン、平成22年12月期第1四半期決算は売上高3.3%増に
- 攝津製油、22年3月期決算は減収増益に
- アルフレッサHD、2010年3月期業績発表 売上高2兆592億円に
調査・統計
- 小林製薬、産後女性のデリケートゾーンの不調実態調査を発表
- DIY協会、2010年3月度HC統計発表 全店・既存店とも売上げ減
イベント・展示会
- 日本香堂、上海万博で日本の香りをPR 香りと音楽のコラボなど展開
- ライオンなど、学童歯みがき大会開催 ネット配信含めて小学生1万人参加
- 東京ファッショングッズトレードショー、6月9日~10日に開催
- 貝印、第3回全国高校生スイーツ甲子園を開催
- 国際見本市「インテリアライフスタイル」、6月2日~4日に東京で開催
施設・店舗
- ユニ・チャーム、営業本部近畿支店などを移転 5月31日から営業開始
- ココカラファインHD、サークルKサンクスが東京・多摩市にコラボ店開店
- セガミメディクス、店舗見学会開く 最新自動調剤システムなど披露
訃報・葬儀
- 訃報 ライオン元取締役 尾﨑一政氏 65歳
- 訃報 エステー元常務 岩井晃氏 67歳
時評・コラム
- 時評 薬事法改正1年を前にして
- 泡沫 同い年の知己との別れに想う
- 私説・布衣の交わり⑱高橋達直氏 作田信幸
その他
- 麻友会長、全卸連前会長の清水俊吉氏が旭日双光章を受章
- 寺岡精工NEW BALANCE 69
- クロバーコーポレーション・永井正一社長が産業功労者として表彰
特集 【家庭紙】
- 家庭紙業界で「BtoC」意識高まる チリ地震などで原材料価格が再び上昇
- 東家同 22年4月度市況概況調査結果発表 極端な安値が減少傾向に
- 新会社「㈱カルタス」4月から始動 家庭紙で新需要創造して高価値品提供
- 王子ネピア 「ネピア千のトイレプロジェクト」3年目迎える
- 丸富製紙 「花束Baby&Kids」など新製品・改良品発売
- 大王製紙 品質と価格をマッチさせる方針で取り組む
- コアレックスグループ 3つの方向性で開発した付加価値製品の拡販に注力
- 日本製紙クレシア 高付加価値製品の開発強化を推進
- 春日製紙工業 製造設備のバイオマス化完了 3月から稼働中
特別企画
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