2009年5月27日号掲載記事より
資生堂、09年度方針説明会開く 「峻別と集中」「コスト効率化」に注力
資生堂は5月19日、09年度度方針説明会を開催。同会では前田社長があいさつに立ち、前期決算が減収減益に終わった理由を、景況とともに「当社が前3カ年で構築した国内化粧品事業の新しいビジネスモデルが効果を発揮するまでに充分に機能できていなかったこと」を挙げて説明。さらに今年度は、これまで以上の「峻別と集中」(中国を中心とする成長市場に経営資源を集中。国内でも対応を強化する店舗、企業・系列、ブランドを絞り込み、将来の大きな成長のためにしっかりと地力をつける)と「コスト効率化」に取り組む方針を示して「当社が掲げる目標は決して楽な道のりではないが、当社グループ全社員が結束力を高めて能力を出し切ることができれば結果はおのずとついてくると確信している」と述べた。
今年度の国内化粧品事業は、デパートは「リバイタルグラナス」専門店は「ベネフィーク」、を注力ブランドとして強化。デパートチャネルでは、最重要拠点を中心とした〝ダブルカウンター戦略〟を推進して、売場、販促、店頭活動の連動による新規愛用者の拡大と育成を図る。専門店チャネルでは、「オンリーワンプロジェクト」参加店を中心に「キレイアップ活動」を展開。また、同社マーケティングに対する理解が特に深く、09年度スタート時に同社との積極的な取り組みを表明した得意先約600店には「PSプログラム」の導入を進める。
エステー、「高田鳥場」発表会開く 「消臭プラグ話題増幅計画」を発表
エステーは5月18日、自動噴霧式消臭芳香器「自動でシュパッと消臭プラグ」の新CMキャラクター〃特命宣伝部長・高田鳥場(たかだのとりば)〃の活動方針説明および書籍「特命宣伝部長・高田鳥場―ほんのり香る、広告のにおい」の発刊を発表した。
上月マーケティング部門長が、高田鳥場を核としたマーケティングプラン「『消臭プラグ』話題増幅計画」を発表。また、今回の〃本出版〃の意図について「本を媒体とする新しいアプローチ方法により、消臭プラグシリーズの話題性の領域をもう1段拡大させる。5年後には同シリーズを100億円ブランドに成長させたい」と説明した。
そして「自動でシュパッと消臭プラグ」のCM2作品を上映した後、高田鳥場本人が登場。鳥場は「鳥をやっています。エステーの社員です。社長の鈴木から『何か面白いことをやれ』と命令されましたが、私自身も良く分からない状況。とにかく日本を元気にしたい」とあいさつ。次に鳥場と〃双子のような関係〃の鹿毛宣伝部長が、少ない投資で高いCM好感度を獲得する「エステーのCM力」を解説。特に鳥場出演の自動でシュパッと消臭プラグのCMについては「同品の〃シュパッ〃という消臭音は、日常生活での笑いや家族の団らんなど、現在忘れ去られているものに響く何かがあるのでは」(鹿毛氏)という思いのもと制作した作品であることなどを紹介した。
Paltac、更なる成長目指し上場準備開始 迅速な意思決定の実現図る
Paltacが東証1部上場に向けた準備に入った。独自の資金調達と迅速な意思決定の実現を図り、更なる成長を図るのが狙いだ。今後、同社は改正薬事法に向け、化粧品・日用品・一般用医薬品卸として全業態に対応が可能な特長を活かした展開を図るとともに、サプライチェーンの構築の一環として得意先センターの受託物流も推進。またRDC東北、RDC神奈川の新設など大規模な投資も予定している。
メディセオ・パルタックホールディングスとPaltacは05年1月の経営統合から約3年半が経過し、その間にメディセオ事業の一般医薬品卸売事業をPaltacに移管、Paltacの物流ノウハウをメディセオ事業の医療用医薬品物流へ導入するなど統合時の目的をほぼ達成した。このためPaltacは独自の資金調達、迅速な意思決定の下、積極的な事業展開を行っていく。申請時期は現段階では未定だが今年度内の申請を目指す。上場後もメディ・パルHDはPaltacの発行済株式の過半数は継続保有する。
三木田社長は「卸が本来持っているマーチャンダイジング、リテールサポート機能は勿論、サプライチェーンの構築に貢献できることを目指している。さらにはリバースロジスティクス(返品物流)も含めた店頭起点の物流の構築を目指していく。これらの特長は当社がノウハウを築いてきた独自のものであり、倉庫業者や物流業者では提供できない流通価値の提供ができる」と述べている。
メディ・パルHD、「2010作戦」推進 純粋持株会社に移行
メディセオ・パルタックホールディングスが事業構造の再構築に向けて動きだした。「2010作戦」と名づけた改革で収益構造を変え、BIC(事業改革)を加速させるというものだが、そのキーワードは①分割②合併③コストの3つで、具体的には10月1日、事業持株会社から純粋持株会社へ移行し、社名を「株式会社メディパルホールディングス」に変更。医療医薬品卸売事業を分割して、完全子会社のクラヤ三星堂に継承し、さらに同社を含む医療用医薬品卸売事会社6社を合併、社名を「株式会社メディセオ」に変更する。コスト構造の変革にも取り組み、10年3月期には人件費だけで34億円の削減を行う。
「2010作戦」では、医療用医薬品卸売事業を分割して純粋持株会社へ移行。経営の透明性の確保、メディ・パルHDとクラヤ三星堂との重複コストの削減、仕入・物流・CSなど得意先ニーズへの対応を図る。同事業を継承するクラヤ三星堂は、東名阪を中心に医療用医薬品卸売事会社6社を合併、社名を「メディセオ」に変更し、高齢化率が高くなる東名阪ターゲットに収益力強化と効率化を狙う。
ココカラファインHD、09年3月期決算発表 売上高1701億円を達成
ココカラファインホールディングスは5月20日、2009年3月期決算説明会を開催した。
3月期は売上高1701億1600万円、売上総利益463億6800万円、営業利益38億3600万円、経常利益72億7400万円、当期純利益39億1500万円を達成した。事業子会社別売上高は、セガミメディクス=1044億8100万円、セイジョー=656億3500万円で、既存店実績は、売上高0・3%減、客数3・1%減、客単価2・9%増となった。
商品分類別売上高構成比は、戦略的商品に位置付けているHBC商品(医薬品32・2%、化粧品32・6%、健康食品4・6%)が69・4%を維持。医薬品の中で調剤は11%を占めており、売上伸長率は11・8%。09年3月末現在では、月間1000枚以上処方箋応需店舗数が85店舗で業界トップ、調剤報酬が174億円で同2位、調剤事業売上比率が11%で同1位を達成。これに伴い、中期目標で設定した「調剤売上高目標」は、当初の200億円から250億円に上方修正した。
2009年5月27日号 記事一覧
会合・発表会
- チェーンストア協会総会、新会長に亀井淳氏(イトーヨーカ堂)
- 店技研クラブが総会開催 「情報発信型の売り場提案が必須に」
- 全卸連、第35回通常総会開く “解決すべき流通課題”を提案
経営・施策
- 新型インフルエンザが猛威 各地での会合・催しが中止に
- ローソン、am/pmの子会社化を見送り 商標権者との合意困難
製品・サービス
- ネサンス、UVケア製品「サンプロテクトスプレー」新発売
- PRページ 花王 「パイプハイター高粘度ジェル」トライアル促進で活性化
- 資生堂、「シセイドウメン」から高機能部分用美容液新発売
- 資生堂、「マキアージュ」から夏の新製品発売
- ロート製薬、機能性化粧品「エピステーム」を今秋発売 中国での展開も
- 花王、「リーゼ」から新しいタイプのスタイリング剤
宣伝販促
- ライオン「バファリン」、癒し系キャラ起用のスペシャルサイト開設
- CM総研、ベストアドバタイザー08発表 花王、P&Gがトップ10に
人事・組織
- 花王プロフェッショナル・サービス、5月19日付で丸田誠一氏が社長に就任
- メディ・パルHD、5月15日付で新代表取締役に村山文一氏が就任
- メディ・パルHD、新任取締役、退任取締役などの役員人事を発表
- Paltac、5月15日付で役員人事を発表
決算
- P&G米国本社、第3四半期業績発表 1株当たり純利益2%増
- ハピネット、09年3月期決算は利益重視の政策で増益に
- マンダム、09年3月期決算発表 売上高551億円、減収減益に
研究・開発
- ポーラ化成工業、精油の肌への直接効果の可能性を確認
調査・統計
- 日本家庭紙工業会、21年4月度出荷高速報を発表
イベント・展示会
- サンスター、「Ora2」と女性誌5誌が表参道にコラボカフェオープン
施設・店舗
- ライオン、新研究施設「平井事業所」竣工 4つの基本コンセプトで構成
時評・コラム
- 時評 議員の世襲制廃止に思う
- 泡沫 漢字ブームのウラの魑魅魍魎
- らいたあ マスクに囲まれた風景 新型インフルエンザの猛威広がる
- 日雑談 学生向け「タダコピ」が広告媒体として注目
特集 【ヘアケア】
- ヘアケア市場、過去4年は拡大基調も動き鈍化 シャンプー、リンスが減少
- 花王 「アジエンス」2ライン積極展開 “汎アジアブランド”として取組
- P&G プレミアム3ブランドが前年上回る好調ぶり セグメントを明確化
- コーセーコスメ 「サロンスタイル」からプレシャスヘッドスパ新発売
- サンスター 「トニックシャンプー」改良 爽快感加えて清涼性能を向上
- マンダム 「ルシードエル」ミルクジャムヘアカラーが好スタート切る
- ライオン プロテクヘッド&スタイル積極展開 頭皮環境正常化システム
- 美香園 頭皮を一気にクールダウンする「冷感シャンプー」が好調
- ダリヤ 中木滋専務インタビュー 「メンズパルティ」を大胆リニューアル
- セルフヘアカラーリング市場 剤型の多様化進行が市場に好影響
- ホーユー 「ビゲン」「シエロ」春の新製品が好調に推移
- 牛乳石鹸 「カウブランド無添加」「ストリートトニック」が好調な動き
- ツムラLS 新開発発毛促進剤「モウガ漲」「モウガL艶髪」を積極展開
- 大島椿 時代を超えたロングセラー「大島椿」 日本女性の髪を守り続ける
- シュワルツコフヘンケル 「パオン ディオーサ」が好調に売上げ伸ばす
- 資生堂 「TSUBAKI」金額シェア1位を堅持 新“高純度椿オイルEX”に進化
- クラシエHP 「いち髪」改良 「海のうるおい藻」は“うみうる”前面に
- ユニリーバ 「ラックス」トータルヘアケアラインに進化
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