2009年5月20日号掲載記事より
花王、21年3月期連結決算発表 国内はトイレタリー製品シェア拡大
花王は5月1日、決算説明会を開き、平成21年3月期の連結決算について会計財務部門青木和義管理部長が説明を行った。
同期は、①原材料価格の上昇②為替変動の影響(円高)③第3四半期からの景気の悪化の影響を受け、連結決算は売上高1兆2763億円で前期より421億円(3・2%)減少した。だが為替変動による影響で、実質減少額は27億円(0・2%)となった。
営業利益は968億円で前期より194億円(16・7%)減少。経常利益は946億円で前期より196億円減少(17・2%)。当期純利益は日本の税制改正を受けて、海外連結子会社の保留利益にかかる税金計上額減少が80億円あり、3・2%の減少644億円で前期より20億円減少(3・2%)で収まった。
コンシューマープロダクツ事業は、国内ではビューティケア事業が4363億円(前期比2・7%減)、ヒューマンヘルスケア事業が1747億円(前期比0・2%増)、ファブリック&ホームケア事業が2459億円(前期0・3%増)、国内合計が8570億円(前期比1・3%減)となった。アジアのコンシューマープロダクツ事業は831億円(前期比2・6%減、実質9・6増)と為替の影響で見かけ上は減少しているが実質は大きく伸長している。欧米の同事業は1303億円(前期比16・6%減、実質6・3%減)、当地の景気悪化の影響を受け、サロンビジネスなどが苦戦した。コンシューマープロダクツ事業合計は、1兆538億円(前期比3・7%減、実質1・3%減)となった。
エステー、「エアケア電子化戦争の勝者目指す」、21年3月期決算減収減益
エステーは4月30日、平成21年3月期決算説明会を開催した。
連結業績については、売上高448億7900万円(前期比95%、計画比95%)、営業利益24億9200万円(同77%、同83%)、経常利益19億8900万円(同72%、同80%)、当期純利益10億7600万円(同83%、同83%)の減収減益で推移。購買/製造原価の低減、マーケティング費用の削減・効率化に取り組んだほか、下期には「自動でシュパッと消臭プラグ」をはじめとする新製品が好調な売上げを記録。しかし原材料価格の高止まりに加えて、経済不安を背景とした国内消費の低迷により、主力のエアケアや衣類ケアが苦戦。海外事業も世界的な金融危機の影響でアジアや欧州の売上げが減少した。
今期(平成22年3月期)についても、引き続き厳しい市場状況を予測するが、従来の基本戦略「絞り込みと集中」「世にない商品」「スピード経営」を継続し、①現場革命②デザイン革命③競争ルールを変える④人間らしい会社――の4点の重点項目のもと、徹底したコスト削減や主力ブランドの強化・集中などを推進する。特に「③競争のルールを変える」に関しては、エアケア市場の10%以上を占めるまでに成長した〃電子式消臭芳香剤〃を更に強化。差別化した商品開発やマーケティング戦略で「エアケア電子化戦争の勝者」を目指す。
小林製薬、21年3月期決算は実質増収増益に オーラルケアの伸長が貢献
小林製薬は5月7日、決算記者発表会を開き、平成21年3月期は、売上高1256億9300万円(前年同期比45・1%減)、営業利益158億1800万円(同14・8%減)、経常利益153億3300万円(同2・3%減)、当期純利益88億5300万円(同4・1%増)で終了したことを発表した。
売上高の減少については、20年3月期第4四半期からコバショウが連結対象から外れたこと、営業利益の減少については、会計制度の変更があり、従来営業外の費用及び特別損失として処理していた製品の廃棄処理の費用を全て売上原価に入れて処理したことなどによるもの(平成20年3月期決算では銀製品の回収処理を含む約42億円〈銀製品の回収は約6億円〉の廃棄損を計上)で、従来の会計制度で処理した場合、営業利益は11億円増(同7・4%増)となることを報告した。
主力の家庭用品製造販売事業については、売上高1126億2000万円(同1・5%増)、営業利益20億9500万円(同11・6%減)となったが、従来の会計処理で算出した場合、営業利益は、前年同期比で14億円増(同9・8%増)となると説明。主要カテゴリーの売上高は、医薬品同2・7%減、芳香消臭剤が同0・6%減、家庭雑貨品同0・4%減、カイロ同1・2%減となった一方で、口腔衛生品が同8・2%増、食品が同8・3%増、衛生雑貨品が同4・4%増と好調に推移したことを明らかにした。
アルフレッサHD、21年3月期決算は増収減益に 適正利益確保を目指す
アルフレッサホールディングスは、5月13日、平成21年3月期決算説明会を開催。売上高1兆9348億6800万円(前期比9・3%増)、売上総利益1388億9700万円(同5・6%減)、営業利益87億8300万円(同65・4%減)、経常利益159億8500万円(同50%減)、当期純利益55億6500万円(同56・6%減)となった。
セグメント別に見ると、卸売事業は、売上高1兆9182億1300万円(同9・5%増)、売上総利益1291億9300万円(同6・2%減)、販管費1215億1000万円(同7・6%増)、営業利益76億8400万円(同69・1%減)、経常利益146億3400万円(同53・2%減)、当期純利益51億100万円(同67・5%減)で、売上高にはシーエス薬品と琉薬の第2四半期実績が加算されており、これを除くと実質ベースでは4%伸長。市場平均を上回る成長を達成し、市場シェアも23・5%(同社調べ)と拡大した。なお業態別売上構成比で最大の40%を占める調剤薬局ルートが8%と最大の伸び率を示したほか、ジェネリック医薬品は、売上に占める割合が1・6%にまで拡大し、前年度と同じベースで対前年25%の伸びとなった。
Paltac、「RDC北海道」を披露 年間500億円の最大出荷額に
Paltacは5月14日、北海道北広島市大曲工業団地内に大規模最先端物流センター「Paltac RDC北海道」が完成したのに伴い、メーカー・小売業など取引先・得意先関係者約350名を招き竣工披露・見学会を開いた。総額68億円を投じ、敷地面積3万4605平方㍍、建築面積1万2860平方㍍、延床面積3万7840平方㍍と同社では最大規模。年間約500億円の最大出荷額を有し、北海道内500企業への出荷を予定しており、化粧品・日用品とヘルスケアが融合した最新システム・ローコスト化を実践したハイテクセンターとして大きな注目を集めそうだ。
Paltacでは、今回のRDC北海道の完成により、従来のRDC(日用品化粧品)と札幌米里物流センター(ヘルスケア)を統合することで、北海道全域における日用品化粧品商材及び一般用医薬品関連の物流業務をトータル的にカバーする強力な体制が整った。
同社ではRDC北海道の構築目的を、「物流拡充による北海道エリアの売上げ拡大と集約によるコスト削減」としている。
センター設備では、重量検品機能付バラピッキング無線カート(SPIEC6)やオリコン仕分けロボット(ATOM)、ケース自動倉庫(MARS)、自動オリコン洗浄機など従来からの同社独自開発のハイテク機器に加え、今回新たに、バラピッキングにより少なくなった在庫をMARSからリアルタイムに補充するシステム「REAL」を導入。ローコスト・高品質・高機能物流を追求するとともに、TCセンター機能に対応できるスペースを併設している。
2009年5月20日号 記事一覧
会合・発表会
- JACDS、記者意見交換会開催 改正薬事法、設立10周年セレモニーなど報告
- 大阪卸組合、第31回定時総会開く 「地域卸への期待高まる」
- 浴用剤工業会、第21回定期総会開催 「新たな健康価値を提案」
- 歯磨工、記者発表会開き歯の衛生週間の活動概要など発表
- ビジネスガイド社、PIショー秋09概要発表 40回記念企画を開催
- 日本OTC医薬品協会、定例会見開き今年度事業方針など発表
- 薬業連絡協議会が記者会、通販可の経過措置案について3団体が反対を表明
経営・施策
- 新型インフルエンザ関連商材の需要急増 メーカー・卸店対応に追われる
- 牛乳石鹸共進社創業100周年記念企画④ 宮崎仁之社長インタビュー
- ロート製薬、目薬発売100周年記念展示を実施 社会貢献活動を実施予定
- 蔦田内外国特許事務所、有近氏が弁理士試験合格で6人体制に
- 花王、ストックオプション募集を株主総会に提案することを決議
- エステー、ストックオプションに関する委任承認を株主総会に付議
製品・サービス
- 日本オラクル、中堅企業向け業務アプリの短期導入ソリューション拡充
- PRページ ニッサン石鹸 「ファーファ」シリーズ積極展開
- 貝印、「クレアートリー」などネイルケア用品を新発売
- 花王、「洗たく槽ハイター」新発売 カビ・水アカをはがして浮かす
- ツムラLS、バスクリンクールから南国フルーツ完熟マンゴーの香り
- 近江兄弟社、液体タイプのかゆみ止め「メンタームペンソールSP」新発売
- ジョンソントレーディング、「JOYPET」新製品発売
- パナソニック、「パルックプレミアLS」発売 30年ぶりの省エネ新技術採用
- 白十字、「サルバ尿とりパッドスーパー」リニューアル発売
- 貝印、ヘアメイクシリーズ「スマートキュート」など新発売
- 花王、「ロリエスーパーガード」改良新発売 Wクッションの設計を改良
- ジュジュ化粧品、「アクアモイスト」うるおうキャンペーン実施中
- 資生堂、「インテグレート」から2色セットのアイライナー新発売
- クラシエHP、「リラックマ」初の基礎化粧品シリーズを限定発売
宣伝販促
- アース製薬、「ストップモスキートプロジェクト」につるの剛士起用
- ユニ・チャーム「ムーニーマン」、カーボンオフセットキャンペ今年も実施
- J&J、「バイシンUV」新TVCMを放映中
人事・組織
- ユニリーバ/ULJHD、アディカリ会長が退任
- 花王、5月1日付けで人事異動を発表
- 伊勢半、新社長に澤田晴子氏が就任 グループ各社の役員人事も発表
- ユニ・チャーム、6月24日付けで役員人事を発表
- ポーラ・オルビスHD、取締役・監査役を選任
- 資生堂、4月30日付けで役員人事を発表
決算
- ライオン、21年12月期第1四半期連結業績 売上高は実質5.6%減
- 攝津製油、21年3月期決算は増収増益に
- 資生堂、22年3月期連結業績予想を修正
調査・統計
- 東家同、21年4月度市況概況価格調査発表 販促価格への要請強まる
- ライオン歯科衛生研究所、乳幼児の摂食リズムと健康状態について調査
- コンビニ21年3月度統計 店舗売上高は全店で21カ月連続増
- チェーンストア21年3月度販売統計 総販売額は4カ月連続マイナスに
- 界面工、直近の市場動向を発表 オイルショック並の落ち込みに
- 小林製薬、「家の中のニオイ」意識調査 外出控えて家のニオイに敏感に
イベント・展示会
- 「コラボレート21 18th」今夏、大阪・東京・福岡で合同商談会開催
- 日本香堂、「香文化の特別講座」を奈良国立博物館で開催 聞香体験も実施
- 日本油化学会、「界面科学と界面活性剤」テーマにセミナーを6月に開催
- ライオンなど、学童歯みがき大会を6月4日に国技館で開催
- チーム・マイナス6%、ロハスデザイン大賞新宿御苑展を21~24日に開催
施設・店舗
- 東邦HD/東邦薬品、御茶ノ水オフィスに移転
- あみプレミアム・アウトレット、茨城県阿見町に7月9日オープン
時評・コラム
- 時評 清潔な生活維持の重要性
- 泡沫 「渋滞学」に注目
- らいたあ 国宝鑑真和上展を鑑賞 仏像彫刻の美しさに驚愕
その他
- 公開中の映画「ニセ札」に「全国石鹸業界名鑑」初版が登場
特集 【家庭紙】
- 家庭紙市場 製品の販売価格が軟化傾向 原材料価格高騰のアピール過剰?
- 大王製紙 「エリエール」アニバーサリープレゼントキャンペーン実施
- 丸富製紙 「花束バスルームティシュ」を新発売
- 王子ネピア “ちょびエコ”コンセプトに新製品を導入
- 日本製紙クレシア クリネックス&スコッティ 発売45周年でキャンペ実施
- 信栄製紙 黒崎副社長インタビュー 「べんりロール」を発売中
- 春日製紙工業 原社長インタビュー キャラクター付トイレットロール好調
特別企画
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