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2008年12月10日号掲載記事より

全卸連、業界紙記者懇談会開く 金融フィーの復活目指す

 全国化粧品日用品卸連合会は12月4日、年末恒例の業界紙記者懇談会を開き、本年度スタートした地域の卸流通研究会、総務委員会、組合活動委員会、公正取引推進委員会を中心に報告した。
 地域の卸流通研究会・総務委員会で森友会長は、「短期の問題として、金融フィーの復活を目指している。製販価格が下がり、スライドして店頭価格が下がると、今までの金融フィーが全くなくなってしまうことから、あくまでも与信管理のフィーとしての復活を望んでいる。このほかセンターフィー、店頭での乱売について、これまで個々の契約の問題ということで進まなかったが、ユニリーバが進めている小売、卸、メーカーとの3者契約というものが有効ではないかということで成功事例として研究している。現段階ではこの方法以外の解決方法が見当たらず、それ以外の解決方法が思いあたるメーカーにはその方法の提示をお願いしている。地域卸活性化セミナーについては、この2年間全卸連が主導的に動いてきたともいえるが、各地域で主体的に運営し、メーカーの考えを聞くだけでなく、卸側がパネラーになって主体的に発言してもらうような企画も出てくるものと期待している」と述べた。

ユニ・チャーム、09年春の新製品発表会開く デフレの覚悟とチャンス提案

ユニ・チャーム、09年春の新製品発表会開く デフレの覚悟とチャンス提案

 ユニ・チャームは12月4日、取引先関係者ら約900名を招いて「2009年春の新製品発表会」を開催した。高原社長は、「デフレを覚悟しながら、そこにあるチャンスをしっかりと掴むためには『今まで以上に明らかな製品力の差別化』『その価値をユーザーに伝えきる製配販の協働』が必要で、言い換えれば、現在は『変化対応力が試されている』と認識している。成長市場、成熟市場ともに、メーカーとして対応するというよりも、『自ら変化を起こし、イノベーションと商品価値をユーザーに伝えきる』ことが、今後ますます重要になる。当社の調査では、消費者の価格意識は高まっている半面、品質重視派も増加傾向にあるという結果が出ていることから、現在の消費者は“安さ志向”というよりも“節約志向”にあるということができると考えている」と分析。そして、同社が今年「ムーニーマン」で実施した「カーボンオフセットキャンペーン」、並びに新設した「エコチャーミングマーク」活動を紹介しながら「今後も品質の中に環境価値を組み入れた価値提案を続けていく方針で、こうした“ユーザーニーズに合致する商品価値提案活動”を通して、全カテゴリーで市場規模拡大を実現したい」と述べた。

西友、「他社チラシ価格照合」全店で導入 対象はほぼすべての商品

 西友は12月3日、徹底した低価格路線の加速を打ち出すために、マニフェスト「地域でいちばん安いお店をめざします」を宣言。さらに、翌4日から、「他社チラシ価格照合」制度を全店で導入することを発表した。「他社チラシ価格照合」制度は、来店者が持参した他社のチラシ掲載価格が同社店頭価格より安い場合、当該チラシの価格に値段を合わせて販売するというもの。対象も、酒類・惣菜・ベーカリー・専門店(テナント)取扱商品などを除く、ほぼ全ての商品となっている。また、同社が従来から進めてきた“EDLP化を軸とする低価格路線”を加速するため、他社チラシ価格照合制度の導入に加え、①EDLP対象品目の拡大、海外調達の拡充などを通じた継続的な価格引下げ、②全社的なコスト削減による値下げ原資の確保--などを実施していく方針としている。

OTC医薬品ネット販売に反対論高まる JACDSなど9団体が共同声明発表

OTC医薬品ネット販売に反対論高まる JACDSなど9団体が共同声明発表

 OTC医薬品をインターネット販売(ネット販売)することへの反対論が高まっている。
 日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)や日本薬剤師会など薬業9団体は、11月28日、緊急合同記者会見を開き、「一般用医薬品の販売は対面販売が原則であり、インターネットによる販売は禁止すべきである」との共同声明を発表。12月2日には、薬害被害者団体や消費者団体などが緊急フォーラム「なぜ、薬は対面販売されるのか? ネットで安全は買えるのか」を開催。会場には400名超の来場者が詰め掛けた。
 薬業9団体による緊急合同記者会見は、日本薬剤師会・児玉会長が、「医薬品のネット販売に関する問題は『生活者や薬害被害者が中心になるべき』との考えから、今まで表立った行動は控えてきたが、ここにきて新たな動きが出てきたことから、『反対』の立場を表明することとした」と会見の主旨を説明して共同声明を発表。
 次にJACDS・宗像事務総長が、OTC医薬品のネット販売に反対する根拠を改めて示し、JACDS・松本会長は「会員にも医薬品をネット販売している企業があるが、来年6月までに辞めるよう働きかけている。医薬品は副作用の問題が付随することから、安全性を担保するには、対面販売による情報提供が必要で、ネット販売は法的ルールを確立してから行うべき」との見解を発表。
 一方、薬害被害者らによる緊急フォーラムでは、全国薬害被害者団体連絡協議会・花井代表世話人があいさつに立ち、今般のネット販売の是非を巡る議論について「解決済みの議論だと思っていたので驚いた」と振り返るとともに、「厚生科学審議会医薬品販売制度改正検討部会の報告書が“骨抜き”になってはならない」と提言した。

あらた、09年第2四半期業績は増収増益 次世代型卸商社へ着々と機能強化

あらた、09年第2四半期業績は増収増益 次世代型卸商社へ着々と機能強化

 あらたは11月28日、09年第2四半期決算説明会を行い、第2四半期の業績は、売上高2886億2500万円(前期比3.6%増、予算比2.3%増)、売上総利益368億3800万円(同4.2%増)、営業損失4億8900万円(前期7億9400万円)、経常利益13億2800万円(同0.5%増加、予算比10.6%増)、四半期純利益3億8100万円(予算比36%増)となり増収増益を達成したと発表した。
 内容的にも売上総利益率が前年の12.7%から12.8%に増加したほか、販管費率が前期の13%から12.9%に改善するなど同社が進めてきた5大カテゴリー(化粧品・トイレタリー・紙・家庭用品・ペット用品)のトータル提案、関東の埼玉支店開設など営業・物流面の充実並びに間接業務の集約化によるコストダウンが改善につながった。
 次世代卸商社としての機能強化については、あらたグループが目指す方向性は、全国ネットの営業・物流体制の構築がベースとなり、そこにオリジナリティである“あらたブランドの創造”のために卸機能の強化を進めていくことを改めて強調。
 また、10月にタカマツヤと共同でPB商品開発会社「アドグッド」を設立したこと、11月には日本総合システム、シーエス薬品、サイバーリンクスとの共同で棚割用商品情報配信サービス「ストマネPULS」を開始するなどの活動を行ってきたことを報告した。


2008年12月10日号 記事一覧

会合・発表会

  • 卸研、「第11回卸研フォーラム」開催 食の安心・安全に関する事例を報告
  • セルフサービス協会、スーパーマーケットトレードショー合同会見行う

経営・施策

  • メディパルHD/アルフレッサHD、合併契約締結日を09年1月下旬に変更

製品・サービス

  • NTTデータ/日本オラクル、H2Oリテイリングの情報インフラを刷新
  • 資生堂、「マキアージュ」を刷新 現代の“理想顔を実現”するブランドへ
  • シービック、制汗剤「デオナチュレ ソフトストーン」が累計280万個突破
  • ビ・メーク、高級美容入浴化粧品「ビ・スパ ロイヤルブレンド」発売中
  • ポーラ、新ポイントメークブランド「ミュゼル」来春発売
  • 花王、「エスト」からアイシャドウ、リップグロスなど来春の新製品発売
  • 小林製薬、肥満症改善対処薬「ビスラットゴールド」の商標権を取得
  • フマキラー、「アレルシャット 花粉 鼻でブロック」から2本入りを発売
  • 東洋アルミエコーP、おせち料理彩る「飾り仕切り 雅」など新発売

宣伝販促

  • ジャックス、ブラック超極細毛ハブラシに歯間ブラシ付きの限定セット展開
  • ユニ・チャーム、キッズ用マスクを受験生に配布 かぜ対策に協力

人事・組織

  • シック・ジャパン、09年1月1日付けで後藤真一氏が新社長就任へ
  • ライオン、来年1月1日付けで人事異動・組織改正を発表

研究・開発

  • クラシエHP、守り髪テクノロジーを開発 強い熱による毛髪ダメージを防ぐ

調査・統計

  • 乾電池市場、再びアルカリ競争時代へ 電池タイプ日用品への期待高まる
  • @cosme、「ベストコスメ大賞」発表 総合大賞は「ソフティモ」に

イベント・展示会

  • ライオン、エコプロダクツ08に出展 実験交えたプレゼンテーション行う
  • ユニ・チャーム、エコプロダクツ08に出展 紙オムツのCO2見える化など
  • “コラボレイト21 17th”、来年1月から全国4都市で開催
  • エステー元会長・鈴木明雄氏が6年ぶり個展開く 44点の絵画を展示
  • ファインドスター、広告マーケティング業界に特化した展示会開催

施設・店舗

  • あらた、千葉支店が営業開始 関東支社船橋支店を名称変更し新住所に

時評・コラム

  • 時評 不透明感更に増す09年
  • 泡沫 コラムは「簡潔」と「継続」が大事
  • 鹸楽席 万葉の時代の趣き 言葉の変化に想う


上記トピックスは要約版です。記事の詳細・全文は、日用品・化粧品業界の専門紙「H&BC マーケティングニュース」最新号(水曜日発行)でご覧になれます。お申し込みは刊行物案内をご参照ください。