バックナンバー

2008年11月5日号掲載記事より

マツキヨHD、日調と業務提携に向け協議開始 調剤併設型店舗の充実図る

マツキヨHD、日調と業務提携に向け協議開始 調剤併設型店舗の充実図る

 改正薬事法の施工を6月に控え、既存の医薬品販売業界では現在、業界再編の動きが活発化している。10月30日にはドラッグストア業界トップのマツモトキヨシホールディングスと、調剤薬局業界大手の日本調剤が共同記者会見を開き、両社が業務提携に向けた協議を開始したことを発表した。両者は、今期末(来年3月)を目処に、薬剤師の採用や教育などを手掛ける新会社をジョイントベンチャー(JV)で設立する計画。
 今回の決断理由について松本社長は、「今後は専門性の確立が重要になる。その上で当社は、登録販売者を活用して生活者の利便性を追求する『長時間営業店舗』と『調剤併設型店舗』の2つを強化していく方針だが、『調剤併設型店舗』では、薬剤師の採用や教育、調剤システムなど調剤事業においては業界トップの日調とJVを組み、別会社で運営した方が効率的だと判断した」とコメント。
 一方の日調・三津原社長は、医薬品業界を取り巻く環境の変化から、今後、調剤の主流になると目される面分業に対応する必要が出てきたこと、さらに面分業を今以上に普及させるためにはジェネリック医薬品の拡大がポイントになり、「この点で、多店舗展開している上に面分業に精通しているマツキヨHDとの提携は大きなメリットがある」と説明した。
 今回の提携では、①店舗に関する内容(調剤併設型ドラッグストアの新規出店、両社既存店舗における調剤併設型への転換)②運営に関する内容(調剤事業の運営効率化のためのノウハウ共有)③人的資源に関する内容(薬剤師および登録販売者のスキル向上)④商品に関する内容(先発医薬品及び後発医薬品の仕入れの効率化)の4点について協議を続ける予定。これによりマツキヨHDでは、調剤併設店舗を拡大させる方針を打ち出しているが、新会社の名称や出資比率などは今後の協議により決定するという。

全家協、製・配合同フォーラム開催 中小企業の活路などテーマに

全家協、製・配合同フォーラム開催 中小企業の活路などテーマに

 全国家庭用品卸商業協同組合ならびに全家協協力会は10月29日、「08年製・配合同フォーラム」を開催した。
 中村理事長があいさつで、「我々卸業界にとっては非常に厳しい市場状況が続くが、全家協の取扱高は昨年同期比102.8%と順調に推移しており、今期の目標213億円を達成できる見込みだ。一方で家庭用品業界は『家庭用品のあり方の見直し』に取り組まなければならない時代に入った。最近の消費者の生活シーンをみると、価格や機能性だけでなく『自分自身のお気に入り』など感性で商品を選択する。これは今後、広い視野・観点での商品開発や品揃え、売り場作りが重要になるということを示唆しており、卸企業が生き残る道は『提案型卸』にあると感じている。9月に開催した見本市『リビングワンダーランド』には、多数のメーカーに参加をいただき、全家協からは『感性価値商品』とのコンセプトを提案した。この新しい見本市を更に発展させるためにも、組合員卸だけでなく、協力会メーカーに参加をいただく同見本市実行委員会で、更に検討と改善を重ねていきたい」と述べた。
 続いて講演プログラムに移り、第1部・時勢講演では、流通問題評論家・坂本桂史氏(M.Y.マネジメント研究所代表)が「激変する経済環境と中小企業の活路~競争こそ生き残りの条件」と題して講演。第2部では、パワーズポート・谷口良一代表取締役が「需要喚起とホームファッション~新しい時代に挑戦する」をテーマに基調講演。

花王、高付加価値化と販売力強化が深耕 21年3月期第2四半期概況を発表

 花王は、平成21年3月期の第2四半期(連結)の概況を発表。高付加価値商品の上市、販売価格の改定やコストダウン活動、雇用の削減などに傾注した結果、売上は円高の進行により予想を若干下回ったが、営業利益、経常利益及び純利益は予想を上回った。
 売上高は、コンシューマープロダクツ事業のアジア地域やケミカル事業が順調に推移したことと、日本や欧米で景気の減速感が強まる中においても、商品の付加価値と販売力の強化に取り組んだことにより、前年同期より0.5%増(為替変動の影響を除く実質2.7%増)の6579億円となった。利益面では、販売価格の改定やコストダウン活動などに積極的に取り組んだ結果、営業利益547億円(対前年比8億円減)、経常利益549億円(対前年比4700万円減)、純利益323億円(対前年同期30億円増)となった。
 セグメント別概況は、コンシューマープロダクツ事業の売上高は前年同期比1.4%減の5367億円(実質0.4%増)。営業利益は前年同期を37億円下回る427億円となった。
 ビューティケア事業の売上高は、前年同期比3.7%減の3001億円(実質1.5%減)。営業利益は前年同期比5億円下回る94億円となった。なお、プレステージ化粧品の売上高は、前年同期比4.7%減の1468億円(実質4.1%減)、営業利益は18億円下回る86億円となった。
 ヒューマンヘルスケア事業の売上高は、前年同期比3.1%増の976億円(実質4.2%増)。営業利益は前年同期を4億円上回る70億円となった。
 ファブリック&ホームケア事業の売上高は、前年同期比0.9%増の1389億円(実質2.1%増)。営業利益は、前年同期を36億円下回る262億円となった。
 ケミカル事業の売上高は前年同期比11.4%増の1409億円(実質15.3%増)。営業利益は前年同期を30億円上回る119億円となった。

グローウェルHD、中期計画の上方修正発表 ウエルシア関東は増収増益に

グローウェルHD、中期計画の上方修正発表 ウエルシア関東は増収増益に

 グローウェルホールディングスは10月24日、子会社であるウエルシア関東の09年2月期中間決算と、グローウェルHD中期計画の上方修正を発表した。
 ウエルシア関東は今中間期、売上高600億4300万円(前年同期比21.7%増)、経常利益26億7400万円(同19.0%増)、当期純利益16億6900万円(同38.6%増)の増収増益を達成した。売上増の要因は、①既存店が連続28カ月で売上プラスを更新して計画よりも2.1ポイント高い同4.1%増で推移したこと②調剤売上が高い調剤併設率(77.9%)を反映して同35・3%増を達成したこと③20店の新店開店④昨年11月末に子会社化したナガタ薬局の売上効果――など。
 一方、中期目標の上方修正については、9月に発表した「2011年8月期末に売上高2000億円、経常利益率4%以上、店舗数500店」から、①関東近県と静岡、甲信地区への出店を加速②あらゆる地域でのドミナント化の推進③登録販売者、薬剤師の人材育成強化④カウンセリング機能強化によるHBC売上の拡大(=高機能・高付加価値商品の開発、販売)⑤全店を併設店舗にすることによる調剤売上の拡大――ならびにM&A、介護事業などを通して、「2012年8月期末に、売上高5000億円、経常利益率4%以上、店舗数1500店」に改めた。

MEGAドン・キホーテ、関西初出店 生活防衛型DSの新たな試みに注目

MEGAドン・キホーテ、関西初出店 生活防衛型DSの新たな試みに注目

 先ごろ関西初出店となるドン・キホーテの新業態店MEGAドン・キホーテ弁天町店(大阪市港区)を訪問した。同店は、ドン・キホーテグループの長崎屋の店舗を改装して今年9月26日にオープンしたもので、全国では3店舗目、関西では1号店となる“生活防衛型”ディープディスカウントストアである。
 同店は、グループ企業である長崎屋の強みである衣料品や食料品、ホームセンターのドイトの園芸用品、DIY用品、ペット用品、そして、総合ディスカウントストア、ドン・キホーテが得意とする日用消耗品、家電、輸入雑貨、海外ブランド品、玩具などのバラエティ豊かな商品を取り揃え、低価格と品揃えの両立を図っている。敷地面積は4911平方㍍、 延床面積は2万40平方㍍と、中型規模の店舗だが、他のドン・キホーテの店舗と比べると通路も広めで、ゆっくり買い物をできる。また、地下1階の1フロアを食料品にあて、日常必要となる生鮮から酒類まで幅広く販売を行っており、他の階では日用品、化粧品、医薬品から衣料品や電化製品まで日常の買い物は、同店でほとんど揃うようになっている。
 生活防衛型”ディープディスカウントストアという同店だけに低価格路線も大きな売りとなっているが、食品や日用雑貨を見た限りでは定番商品については驚くほどの安さという感じはなかった。しかし、オープン後1カ月もたっていないせいか、特売品も多く見受けられ、そうしたものの中にはかなり低価格なものもあった。また、品揃えの店でも他店とは違った傾向も見受けられた。特に目に付いたのは海外商品の品揃えの多さだ。最近流行っている柔軟剤の「Downy」や「GAIN」なども大きなスペースをとり、他店を圧倒するアイテム数で陳列している。


2008年11月5日号 記事一覧

会合・発表会

  • JILS、ロジスティクス全国大会を開催 ロジスティクス大賞等の表彰式行う
  • フマキラー・トータルシステム、薬剤事業に注目

経営・施策

  • カネボウ化粧品、トータルビューティアカデミーを来年4月に開校
  • 流通システム開発センター、POSデータをJANコード登録企業に提供
  • チームマイナス6%、家の中からできる温暖化対策を紹介

製品・サービス

  • 資生堂、グローバル市場に新展開 新メーキャップラインを発売
  • PRページ サンスター、「いい歯の日」歯周病とメタボの関係を積極提唱
  • 小林製薬、「消臭元」シリーズ冬季限定品発売 「イチゴ」をイメージ
  • 貝印、米国調理ブランド「シェフン」から新製品発売
  • ポーラ、新サプリメント「ビオレックス」を新発売
  • ピリカ、エイジングケアブランド「ナチュロイヤル」から新製品発売

宣伝販促

  • ユニ・チャーム、ムーニー「その成長におめでとうキャンペーン」実施
  • 歯磨工業会、「標語」今年度受賞者を発表
  • オカモト、「RENT」に協賛 HIV/エイズへの正しい知識普及を啓発
  • ドクター・ショール、シューケア大使に松居一代を任命 赤坂でイベント
  • P&G「ブラウン」、“ご当地モーニングレポート”Webで公開

人事・組織

  • プラネット物流、10月23日付けで久留雅雄氏が新社長に就任

決算

  • メディ・パルHD、連結業績予想を修正 売上高2兆4900億円に
  • メディカル一光、09年02月期第2四半期決算発表 売上高13%増

調査・統計

  • J&J、11月3日は「アロマの日」 ドリーミーアンケートを実施

イベント・展示会

  • 東京薬事協会など、新宿でセルフメディケーション啓発イベント実施
  • ポーラ、「アペックス・アイ」肌分析カウンセリングシステムを紹介
  • 東レ・ダウコーニング、「シリコーン」テーマにセミナーを開催

施設・店舗

  • コスメネクスト、「@cosme store」2号店をマルイシティ上野にオープン

時評・コラム

  • 時評 変わる高齢女性の化粧感
  • 泡沫 円高・ドル安に振り回される業界
  • らいたあ 正倉院展に興奮 始末書・欠勤届に驚き
  • 鹸楽席 「店頭」の意味 “競争”と“楽しみ”の両立を

その他

  • ツムラLS古賀和則社長がNHK「経済羅針盤」に出演
  • サンスター技研、京都大学による電動アシスト人力車の開発に技術提供
  • プラネットVANVAN第80号

特集 【店頭マーケティング】

    特別企画

    • 店頭マーケティング 求められる製配販の協働体制
    • 花王CMK 利益ある成長へ 店頭での取り組み強化
    • ライオン・フィールドマーケティング 顧客第一主義の店頭つくる
    • P&G 製配販の協働で需要を掘り起こす
    • マンダム 情報カード活用し店頭起点を実現 インストアMDの視点導入
    • コーセーコスメポート 買い物客起点の発想で活動 “気づき”与える展開
    • 貝印 店頭起点の「替刃革命」展開 新製品の認知浸透を推進
    • 旭化成HP “使いやすさ”実感してもらう店頭活動を展開
    • ニトムズ 「圧倒的差別化戦略」テーマにコロコロの使い分け提案
    • フマキラー 新製品の店頭活動を強化 洗浄・除菌の大切さを啓発
    • JACDS宗像守事務総長インタビュー 「今は“売れ筋創造”の時代」
    • ジェクス 買いやすい「売場作り」「パッケージ」を提案
    • 小林製薬 テスト販売で成功事例を収集 OTC医薬品の新市場を創出
    • エステーBS 「定期・定量訪問」で店頭サポート システム1010を活用
    • 日本製紙クレシア パッケージを販促ツールに 店頭と連動したキャンペ
    • ユニ・チャーム 「吸水&下着売場」を積極提案 新時代の軽失禁売場創造
    • クレハ 豊富なテーマの販促メニュー用意 店頭推奨販売にも注力
    • プラネット玉生弘昌社長インタビュー 「欠品のない商品陳列が基本」
    • 日本香堂 店頭での様々な需要活性化策を展開 FISによる売場作り高評価
    • ニッサン石鹸 ファーファシリーズに注力 様々な店頭施策を展開
    • 大王製紙 画像DBシステム導入 華やかな売場演出でプレミアム商品拡大
    • 王子ネピア 千のトイレプロジェクト展開 ツール活用して山積展開を提案
    • 寺岡精工 効果的な店頭販促支援する高機能ソリューションを提供
    • 中央物産原幸男専務インタビュー 「利益生み出す売場づくりを推進」
    • シック 「クアトロ4 NO.1プログラム」展開 店頭で「クアトロ4」を訴求
    • 東流社 顧客満足と競争優位の実現図る
    • あらた 店頭管理子会社インストアマーケティングの活動を本格スタート
    • 白十字 店頭演出ツール活用して拡販 “配荷促進”を重点思索に
    • 大日本除虫菊 POSデータ分析システム「POS21」を活用
    • 日本総合システム 店頭実現支援ツール「ストマネLink!」を開発


    上記トピックスは要約版です。記事の詳細・全文は、日用品・化粧品業界の専門紙「H&BC マーケティングニュース」最新号(水曜日発行)でご覧になれます。お申し込みは刊行物案内をご参照ください。