2008年7月2日号掲載記事より
首都圏卸組合、地域の卸活性化セミナー開催 配荷機能の有用性を再確認
首都圏化粧品日用品卸組合は6月23日、「地域の卸活性化セミナー」を開催した。3回目となる今回は、2部構成(第1部=販促金・リベートのあり方、第2部=地域卸活性化策)で「地域の卸復活への道」をテーマに、パネルディスカッションが行われ、地域卸が提供している配荷機能の有用性などを再確認した。
「販促金のあり方」では、白元の鎌田社長が「原材料費の高騰とともに、昨今は1メーカーしか購入先が存在ない成分・材料も登場して比較購入が困難な状況も生まれていることから、過大な設備投資を基に、販促金を使って大量・廉価販売する時代は終焉を迎えつつあると感じる」と言及して、今後は地域卸の商品仕入れ価格が大手量販店店頭価格を下回るケースが減少するとの見解を示した。
「地域卸活性化策」では、日本香堂の小仲社長が、「流通業界はオーバーストア状態にあるとされているが、地方では大型小売業が存在しないエリアも点在しており、一般店が商圏のライフラインとして機能している」ことに触れ、そうした販売店に商品を配荷している地域卸とのコミュニケーションを密にしていく必要性を強調。さらにミヨシ石鹸の三木社長は、「チェンジはチャンスに繋がる。今後は中堅メーカー、地域卸ともに①存在価値の有無②特化した機能の有無③“土俵”を変える――の3点が重要になる」と提言した。
これらの意見を受けて森友理事長は、「今後メーカーには、販促金で勝負するのではなく、商品の品質で勝負していただきたい。この業界は『大は小を兼ねない』ことを認識するとともに、個性、存在価値を見出していく必要がある」と結んで終了した。
JACDS政治連盟が特別セミナー 添付文書のDB化をプラネットに委託
日本チェーンドラッグストア協会政治連盟は6月14日、特別セミナーを開催した。
今回は、SBIホールディングス・北尾吉孝CEOによる特別講演「これからの日本経済」と、日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)宗像守事務総長による「改正薬事法の進捗状況報告とドラッグストア10兆円産業戦略」が開講され、宗像事務総長は、JACDSの昨年度の活動状況を報告するとともに、この日行われた通常総会で決議された今年度の事業計画を発表した。
セミナー終了後には懇親会も行われ、松本南海雄会長(JACDS会長)は、現在は、「登録販売者試験」の複数回実施に向けた活動をUIゼンセン同盟とともに展開していることを報告するとともに、今後は①スイッチOTC拡大(現在の300億円・5%シェアから1000億円に)に伴う薬剤師の機能の認知=ドラッグストアの専門性の充実②24時間営業ならびに狭商圏・地域密着型店舗出店拡大による利便性の向上――が業界にとってプラスになり、セルフメディケーション推進にも貢献すると言及しながら、「そのためには日本薬剤師会とも協調・協力関係を築く用意があり、現在は先方と調整中」であることを明らかにした。
クラシエHP、秋の新製品発表会 多品種少量生産でのローコスト化実現へ
クラシエホームプロダクツは6月20日、秋の新製品発表会並びに秋・冬の経営・販売戦略の方針説明会を開き、平成19年度の概況報告と20年度の事業方針、新製品説明、営業戦略について報告した。
岩倉社長は、19年度は“量の拡大から価値の追求〟を事業方針として取り組んだ結果、主力ブランドの「ナイーブ」が前年比105%の伸びとなり、特にボディソープは4年連続で伸長。強化カテゴリーである基礎化粧品は「肌美精」「モイスタージュ」も前年対比107%と大きく伸長したと報告。一方、インバスヘアケアカテゴリーの「いち髪」は、昨年に引き続いて広告宣伝と販促を展開したが、パワーゲーム化した競争激化市場で苦戦を強いられた。ただ今年度はマーケティング戦略の刷新によって、1~6月では前年対比120%以上で推移していると述べた。
20年度の事業方針については、“第2の創業期”として3事業(トイレタリー・薬品・食品)が一体となって「シュリンク・トゥ・グロー」(効率化と成長)の戦略と取り組む計画であり、KHPとして新マーケティング戦略(カスタマイズドマーケティング)に基づいたブランド力と技術力の強化をさらに進めていく計画であると述べた。同時に、商品の絞り込みが主流になっている中、クラシエとしては消費財としては初めてのトヨタの看板方式を採用し、“多品種少量生産でローコストが実現できないか”に真剣に取り組んでいると述べた。
J.フロントリテイリング、SM事業を再編 ピーコックストアに統合
J.フロントリテイリング(以下JFR)は6月24日、グループ成長基盤の更なる充実と経営資源の有効活用を目的に、「1事業1社への統合」へ向けたスーパーマーケット事業の再編を発表した。
再編の対象となるのは、JFR完全子会社の大丸ピーコック、松坂屋ストア、及び松坂屋ストア完全子会社の横浜松坂屋ストア、野沢商事の4社で、合併存続会社は大丸ピーコックとなる。再編の概要は、9月1日付(予定)で①大丸ピーコックを合併存続会社、松坂屋ストアを合併消滅会社とする吸収合併を実施。
続いて、同日付で②大丸ピーコックを合併存続会社、横浜松坂屋ストアを合併消滅会社とする吸収合併と、③大丸ピーコックを合併存続会社、野沢商事を合併消滅会社とする吸収合併を実施する。最後に、④これらの合併の効力発生日をもって大丸ピーコックは「株式会社ピーコックストア」へと商号変更する--というプロセスを経る。これにより、JFRのスーパーマーッケト事業は、同社完全子会社のピーコックストア1社に再編・統合されることとなる。
ライオン、「エコ・ファースト制度」への参加を表明
ライオンは6月24日、環境庁が創設した環境保全活動の目標宣言「エコ・ファースト制度」への参加表明式を行った。エコ・ファースト制度は、各業界におけるトップランナー企業の環境保全活動を更に促進するため、各企業が環境大臣に対し、京都議定書の目標達成に向けた地球温暖化対策など自社の環境保全に関する取り組みを“約束”する制度。
同社は「環境対応先進企業」を企業ビジョンに掲げ、06年から①温暖化ガス排出量削減②資源の循環的・有効活用③商品を通じた環境配慮④化学物質の安全管理⑤社内の環境意識醸成――の5つを柱とした環境保全活動「ECOLION」を展開している。今回は、この環境保全活動を更に推進していくことを目的に同制度への参加を表明。同社は第3号目の事例(製造業では初)となる。
式には、鴨下一郎環境大臣とライオン・藤重貞慶社長が出席。藤重社長が「当社は清潔で健康な新快適生活の創出を目指す消費財メーカーとして、お客様の満足と環境への配慮を最優先課題と捉えて企業活動を推進している。本日は、当社の環境保全への取り組みを『エコ・ファーストの約束』として宣言する。今後も環境対応の業界トップランナーとして、全社一丸でこれらの取り組みを継続していく」と宣言するとともに、別掲の通り「エコ・ファーストの約束」を発表した。
2008年7月2日号 記事一覧
会合・発表会
- 油脂工業会館、第55回講習会開く テーマは「裁判員制度」
- クラシエHP、大阪でも新商品発表会開く 「いち髪」で地区別CM放映
- 日衛連、通常総会開く 天田会長を再任 各委員会活動を報告
- 日家工、プレス懇談会開く 「いかに価格復元を完遂できるか」
経営・施策
- 資生堂、子会社のザ・ギンザを構造改革 ブティック事業から撤退
- 王子ネピア、「nepia千のトイレプロジェクト」開始
- 中元商戦各社の取り組み ライオン 通年ギフトを強化
製品・サービス
- P&G、「h&sヘッドスパクリーム」がシェア1位 好調なスタート切る
- ポーラ、8年ぶりスキンケア新ブランド「アグレーラ」を今秋新発売
- クラシエHP 秋の新製品 肌美精から深層保湿シリーズなど発売
- ハーバー研究所、ダイエットシェイク「スリムエナジー」新発売
- マンダム、「ルシードエル」など女性用秋の新製品を発表
- 小林製薬、「消臭元」から夏季限定品第2弾 サンシャインフルーツの香り
- 王子ネピア、「ネピア鼻セレブフェイスペーパー」をCVS限定で発売
宣伝販促
- ユニ・チャーム、生理用品対象に2つの夏のキャンペーン実施
- 資生堂、サマーキャンペーンを展開 「夏キャンTシャツ」をプレゼント
- ユニリーバ、「除菌力検定!」サイトにアクセス殺到
- 美優網/BeauBeau、ネットコスメモール開設 中国美容情報ポータルサイト
- フマキラー、「フマキッズこども研究所」今年も展開 コンテストも実施
- 王子ネピアなど共同実施の「うんち教室」 ロハスデザイン大賞に
- エステー、「お部屋の消臭力」新CMを全国オンエア開始
人事・組織
- エステー、6月18日付けで役員選任を発表
- 攝津製油、7月1日付けで役員・理事・管理職人事を発表
- メディ・パルHD、6月25日付けでメディ・パルHD、パルタックKSの役員選任
- ニトムズ、6月17日付けで役員人事を発表
- 日本製箔、野口泰秀氏の社長就任を発表
- トゥディック、6月23日付けで新役員を決定
- ラッキートレンディ、古川利行会長が辞任
研究・開発
- ユニ・チャームが研究発表 「女性の月経前半は睡眠感が低下」
- 花王、顔の見た目年齢の要因を解析 陰影なくす肌色透過散乱粉体を開発
調査・統計
- 経産省20年1~4月販売統計 洗浄剤市場は堅調に推移
イベント・展示会
- 「コラボレート21 16th」 東京で2日間開催 リサイクル意識の啓発も
- ポーラ・オルビスHD、「CO2削減ライトダウン」キャンペーンに参加
- 東京おもちゃショー開催、過去最高の16万人が来場
- 三洋電機、「エネループ」でサミットに合わせてキャンペーン展開
時評・コラム
- 時評 商品にCO2排出量を表示
- 泡沫 クラシエが1周年 今後の生き残り賭けて
- 日雑談 ドラッグストア値上げ事情 消費者と競合店の狭間で
その他
- 新刊紹介 「私は世界一素晴らしい第二の人生を送った」
特集 【洗濯用品】
- 衣料用洗剤 液体洗剤が大きく伸長 適正価格での販売促進が急務
- 花王 商品の高付加価値化で市場活性化 「アタック」を改良新発売
- P&G 液体洗剤の伸長続く アリエールからスペシャルボトル限定発売
- ライオン 高い洗浄力と環境への配慮を訴求 エコプロジェクトが好評
- ミヨシ石鹸 純せっけんにこだわったランドリーシリーズを展開
- 日本合成洗剤 「ホワイトバイオ」「ホワイトバイオジェル」が好評
- サラヤ 「アラウ洗濯用せっけん」が好調に推移 ベビー用も展開
- 第一石鹸 「香りのファンス」シリーズなど積極展開
- マルフククレンザー製造 アミノ酸由来の洗剤を付加価値洗剤として展開
- カネヨ石鹸 「AG+作業衣」シリーズが好調に推移
- ニッサン石鹸 「ファーファ」攻めのブランドとして積極展開
- ミマスクリーンケア 緑の魔女シリーズの拡販に注力
- 三協油脂 品質・機能・価格が揃った商品展開で躍進
- UYEKI 柔軟効果に贅沢な香りをプラスした「ラグジュランス」順調な動き
- LG生活健康 柔軟仕上げ剤「香りサフロン」をリニューアル発売
特別企画
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