2008年4月30日号掲載記事より
ユニ・チャーム、有力卸店会開く 「三位一体の勝ちパターンを創出」
ユニ・チャームの2008年度有力卸店会が4月24日開かれ、業績概要と08年のグループ全社の経営方針について、また、更なる業界総資産拡大に向けた新製品各種の説明、08年度の営業方針についての詳細な発表が行われた。
高原社長は、07年度業績(08年3月期)が増収増益となり、売上高も過去最高(国内5%増、海外25%増)の見込みであることなどを報告。特に、世界78カ国(製造・直販11カ国、輸出32カ国、技術ライセンス35カ国)でユニ・チャーム製品を販売しているが、「全世界の吸収体ビジネスは06年度で3兆3000億円、これが2010年度には4兆1000億円規模と、年平均5%ずつの伸びが予想されている」とし、ペットケアの約4兆円(国内は約3000億円)と合わせた約8兆円が、同社が軸足を置くビジネスの世界マーケットであると説明。しかし、好調な海外事業でありながらも、同社全体では国内事業の占める比率は65%と高く、「今後も成長性の高い大人用のヘルスケア分野、収益性の高い生理用品分野などに集中して進めていきたい」と述べた。
08年度基本戦略については、「市場(エリアセグメント)×ターゲット(団塊3世代)×商品(エブリ=エコノミー)」の明確化であり、また、成熟市場での価格安定によるプレミアム化促進と、新市場創造による三位一体の勝ちパターン(商品力・店頭実現力・コミュニケーション力の相乗効果)創出により、業界総資産の拡大を図っていく。
08年度営業方針については、本部のビジョンである①安心・安全・信頼の相互取引から②高い期待値にと発展させ③業界総資産の拡大を図るということを具現化することであるとし、特に国内営業方針の2つの戦略である「業界総資産の3原則」(①商品はプレミアム化②政策はプレミアム商品とスタンダード商品の棲み分けによる価格安定化③制度は簡素化・単純化)、及び「店頭強化の3原則」(①品揃え②陳列方法③プロモーションによる、店頭を通じて消費者への商品価値伝達)について内容を具体的に説明。
WINグループにドラッグイレブンが入会 グループ総年商は3300億円に
有力ドラッグストア10社で構成されているWINグループ(塚本厚志会長=ココカラファインホールディングス、セイジョー社長)は4月17日、九州全域で160店舗を展開するドラッグイレブン(福岡県大野城市、本郷譲社長、年商387億円)が5月1日付で入会したことを発表した。同社の入会により、グループ総年商は3300億円となる。
ドラッグイレブンと同グループの主要メンバーであるセガミメディクス(大阪市・瀬上修社長)は、4月3日に業務提携に向けた協議を開始したことを発表しており、その時から業界関係者の間ではドラッグイレブンのWINグループ入りが取り沙汰されていた。
WINグループは、2003年に結成され、05年には事業会社「WINドラッグ」も設立してグループ事業を推進しており、現在は、メーカーとのタイアップによるNB商品の共同取り組みや、共通PB商品の開発、を積極的に進めているほか、店舗什器の共同購入や認定薬剤師資格取得、登録販売者資格試験への本部助成など商品以外の協業化事業にも意欲的に取り組んでおり、PB商品は300SKU超にまで拡大している。
今後の会員の拡大について、WINドラッグ・花田正道取締役業務統括部長は、「我々から積極的な加盟への勧誘活動は実施していないが、グループ規約を整備して新規会員を受け入れる体制は出来ており、入会要望には誠心誠意対応する」と説明している。
花王、20年3月期決算発表 連結売上高7%増 営業利益予想上回る
花王は4月24日、決算説明会を開き、平成20年3月期の連結決算について説明した。
売上高は、各事業が新製品の寄与や既存品の売上増などにより概ね順調に推移、カネボウ化粧品の連結対象期間が前期より1カ月増えたこともあり、前期比で867億円増加し、1兆3185億円(前期比7%増)となった。(海外売上高の為替変動の影響を除いた実質的な伸長率は5.4%)。営業利益は、前期から46億円減少し、1162億円(同3.8%減)、経常利益は前期から59億円減少し、1142億円(同5.0%)、当期純利益は665億円(同5.6%減)となった。
利益のマイナス要因は、原材料価格が前年に比べて210億円上昇したこと、カネボウ化粧品連結の影響が34億円あったこと。だが営業利益は07年中間期予想の1140億円(5.7%減)に比べると22億円上回った。その要因は売上高が予想(1兆3100億円)を上回ったこと、コストダウン活動(TCR)60億円の予測が80億円まで進んだことが営業利益に貢献。商品のパフォーマンスを維持しつつの処方変更や生産段階での改善など細かなコスト削減活動を積み重ねたことがコストダウンにつながった。
事業別の業績は、ビューティケア事業の売上高は前期比7.5%増の6279億円。ヒューマンヘルスケア事業の売上高は前期比4.2%増の1912億円。ファブリック&ホームケア事業の売上高は前期比1.9%増の2746億円。ケミカル事業の売上高は前期比15.7%増の2586億円。
西日本共和、20年3月期決算発表 売上高892億円、前期比102.9%を達成
西日本共和は、平成20年3月期において売上高892億円(グループ各支社への商品供給高)、前年同期比102.9%を達成した。今回の3月決算で前期を上回る業績となったことについては、例年以上に大きな意味を持つ。
今回の西日本共和の売上高前年増については、一昨年末にグループ企業であった松江共和物産がパルタックの完全子会社となり、グループから離脱し、その売上げの多くが無くなるという状況が生じた中で、なおかつ前期の実績を上回る数字を残したということであり、西日本共和、そして同グループの底堅さとこれまで同様、もしくはそれ以上の存在感を示す結果となったと言える。
この3月期における西日本共和の主なカテゴリー別売上高の対前期比でも前年を上回るカテゴリーが多く、石鹸・洗剤は105.8%、紙104.3%、医療衛生107.8%、殺虫剤103%、線香・ローソク105.4%、炊事手袋105.9%、ラップ・ホイル103.5%、企業向けPB109.3%となっている。その他の電池関連、入浴剤、バラエティ関係、オーラルケアは前年並みか微減で、カミソリや化粧雑貨等はやや苦戦で前年を下回る結果となったという。
現在、西日本共和では5月に行なわれる株主総会に向け、3月期決算の精査を行なっているところだが、すでに確定した売上高前年比102.9%に加え、利益面でも前年増となることはほぼ確実となっている。平成20年度の決算を増収増益で締めくくることで、当初は何かと懸念された松江共和物産の抜けた穴も、もはや同グループの不安材料にはならないということが明らかになったと言えるだろう。
あらた、関東地区3カ所目の大型拠点「埼玉支店」が稼動開始
あらたは、関東地区の3カ所目の大型拠点である「埼玉支店」の稼動を開始した。延床面積6623坪、パレット自動倉庫、オリコン自動倉庫、マルチピッキングカートなどを備え、最大300億円の出荷量に対応できる「埼玉支店」は、同社が関西、中部とともに重点地区としている関東で、つくば・神奈川の両センターに対して、「扇の要」の役割を担う重要な拠点である。
埼玉支店は敷地面積5861坪で旧所沢支店の4倍。建築面積3175坪、延床面積6623坪。
社屋物流センターは4階建てで、1階がケースフロアとプラットホーム、2階が事務所と食堂・ファッションあらたの倉庫、3階はケースフロア、4階がバラフロアとなっている。また、174台収容の立体駐車場を完備。
埼玉支店の在庫保管能力は、ケースがパレット自動倉庫に5066パレット、3階ラックに2262パレット、1階と3階の平置きを合わせると合計8800パレット・約20万ケースが保管可能で、つくば神奈川の両センターを上回り関東最大となる。初年度の通過小口数は月平均40万個、バラ行数は90万行の処理を予定。5年後には月間50万個、バラ行数110万行、最大出荷金額300億円を予定している。
埼玉支店は、旧所沢支店と東松山支店が統合したもので、これによりあらたの関東圏の営業拠点は、神奈川支店・東関東支店・北関東支店・船橋支店と埼玉支店の5支店体制となった。あらたでは関東圏の物流網が充実したことにより、営業面でも一層のサービス向上が図れると確信。「地域密着型全国ネット卸」として、真に役に立つ存在を目指すとしている。
プラネット物流、北関東流通センター開業 低コスト・グリーン物流を推進
プラネット物流は4月17日、本年1月から営業を開始した「北関東流通センター」の開業式典を開催。参加メーカー、卸店、物流業者、報道関係者など約120人が出席した。
「北関東流通センター」は、流通の集約化や原料高騰などを背景に、一層の物流費削減が要求される中、今までは需要が少なかった都市部でも共同物流の必要性が提唱されてきたことに対応するため、同社と株主メーカー8社が1年半かけて研究を続けた末に開設されたセンターで、延床面積1万2000坪、保管能力120万ケース、年間総出荷量2000万ケース、関東甲信越、東北、静岡の1都16県を対象エリアとした同社最大の物流拠点。
埼玉県北葛飾郡杉戸町のプロロジスパーク杉戸Ⅱ内1、2階に「基幹センター」(倉庫面積計8000坪)を置くとともに、基幹センターを補完する機能として、近郊の北埼玉郡大利根町に「サブセンター」(倉庫面積4000坪)を配置。基幹センター内には無線LANシステムも導入して、物流精度99.999%を目指す。業務内容も共同保管、共同配送から、幹線共同輸送を行っているが、今後は返品共同輸送などの機能を順次追加する。
得意先までの配達を専用便で運用することで、エリア内の翌日配送体制と輸送経路における物流品質を確保するための独自の仕組み「共同直行便」を行う予定。参加メーカーは現在8社、年内に11社の参加を目指して活動している。
同センターがカバーするエリアでは「南関東流通センター」「東北流通センター」が既に稼動しているが、同センターの稼動により、既存2施設を機能補完すると共に、物流品質の維持を基本に新たな物流サービスの開発とコスト削減に取り組む。
2008年4月30日号 記事一覧
会合・発表会
- 排水協、第14回通常総会開く 藤原会長「魅力的な新製品開発が必要」
- 中野粧業社、第21回粧栄会開く 20年2月期決算は増収増益に
- 界面工、定時総会開く 新会長に江守康昌氏(日華化学社長)が就任
- 白元、20年度ホールセールズ会開く 防虫剤「配荷率向上3カ年計画」始動
- ビジネスガイド社、「ギフトショー大阪」9月開催で概要を発表
経営・施策
- 再編激しいドラッグストア業界 持株会社が新しい流れに
- マツキヨHD、経営監視機能を強化 “取締役9名・社外取締役3名”を確立
- アイスタイル、新株式発行し講談社に第三者割当を実施
- 東芝ライテック、CO2削減を目的に白熱電球の製造中止を発表
- フマキラー戦略レビュー 後編 3つの取り組みで積極活動
製品・サービス
- 話のハコ 「ミツワローズ石鹸」が復活 シニア世代に向け展開
- 光英システム、新型車載端末開発に成功 トラックのCAN-BUSデータを利用
- 企業探訪 不二ラテックス コンドーム「インフィニツー」量産体制強化
- 資生堂、「マキアージュ」から夏のポイントメーキャップ新製品発売
- ダリヤ、「パルティまゆカラー」に新色「ミルクティブラウン」を追加発売
- ポーラ、「ビューティスタイル」からダイエット食品新製品発売
- ドクターシーラボ、エイジングコスメケア「ジェノマー」から新製品発売
- アイコンセプト、棚割りシステムのソフト「棚POWER」をバージョンアップ
- 旭化成HP、プラ刃採用「サランラップ」をコープさっぽろで限定発売
- 貝印、お菓子作りのベーシック品「ケーキメイト」から新製品2品発売
宣伝販促
- ユニリーバ、「ダヴプロエイジ」のユーザーキャンペーン実施中
人事・組織
- マックス、役員人事を発表
- 花王、6月27日付け(予定)で役員人事を発表
決算
- メディカル一光、20年2月期決算は調剤薬局・医薬品卸好調で増収増益に
- 大手GMS連結決算出揃う 個人消費低迷で各社業績伸び悩み
調査・統計
- 経産省、20年1~2月洗浄剤製品販売統計 ヘアケア・柔軟仕上剤が好調
- チェーンストア20年3月度販売統計 鼻炎用医薬品・ヘアケアが好調
イベント・展示会
- 貝印、「スイーツ甲子園」開催 高校生がスイーツ作りの腕前競う
施設・店舗
- エムケイ東日本販売、マツモトキヨシを山形県に初出店
- 東急電鉄、新SC「レミィ五反田」オープン 働く女性のニーズに対応
時評・コラム
- 時評 トイレの洗剤と洗浄剤の違い
- 泡沫 高齢者はつらいよ
その他
- マッチ時報第348号
- 紀伊國屋書店、「ピーターラビット」特別企画展を全国で開催
特集 【カミソリ】
- ウェットシェービング市場 高機能・高単価システムレザーが拡大
- シック “フェイシャルヘア・グルーミング”を提案
- P&G 「フュージョン5+1」ホルダーシェア1位を維持
- フェザー安全剃刀 「MR3ネオ」替刃増量キャンペーン実施
- 貝印 「K-4テトラネオ」など積極展開 大規模マーケティングを実施
- 花王 「サクセス薬用シェービングジェル」など展開
- カミソリ倶楽部 高級カミソリ商品を展開 竹内社長に聞く
特別企画
上記トピックスは要約版です。記事の詳細・全文は、日用品・化粧品業界の専門紙「H&BC マーケティングニュース」最新号(水曜日発行)でご覧になれます。お申し込みは刊行物案内をご参照ください。