2008年3月19日号掲載記事より
医薬品卸・大木、ウエキを完全子会社化へ 7月1日付けで
医薬品卸の大木(東京都、松井秀夫社長)は3月13日、資本業務提携していた日用品卸のウエキ(大阪府松原市、植木正樹社長)の株式を7月1日付けで100%取得し、完全子会社化することを発表した。
大木はこれまでウエキと双方の事業発展を目的にした業務提携を行うとともに、ウエキの発行株式の14%を所有して資本提携も行っていた。
今回の動きは、09年に改正薬事法が完全実施となるのをにらみ、一般用医薬品の販売市場がコンビニエンスストアや食品スーパーに広がることを重視し、より強力な一体運営が最適であると判断したものだ。
一方のウエキは、1945年の創業、07年12月期の売上高が96億5100万円、従業員数は47人で近畿圏の有力卸の1つ。同社は3月31日付けで共同仕入れグループである近畿共和を解散することを決定しており、次へのステップが注目されていた。同じグループのエイコー(和歌山市)は、4月からパルタックの完全子会社になることが決まっている。
ウエルシア関東と高田薬局が共同持株会社設立で経営統合
ウエルシア関東(埼玉県さいたま市、鈴木孝之会長兼社長)は3月14日、高田薬局(静岡県静岡市、高田隆右社長)と、株式移転による共同持株会社を設立し、経営統合することを決議し、基本合意書を締結したと発表した。
新会社の設立登記日/上場日は9月1日の予定で、4月4日に取締役会で決議、計画書を締結、5月27日の株主総会で移転承認を行う予定。
株式移転比率は、ウエルシア関東の普通株式1株に対して共同持株会社は同1株、ウエルシア関東は同1171株をそれぞれ割り当て交付する。新株式数は1406万1474株(予定)。
新会社は、本店所在地を東京都におき、代表取締役会長に鈴木孝之氏、同社長に高田隆右氏がそれぞれ就任する予定。決算日は2月末日。
今後、地域の強固な地位を確保するため、両社のノウハウや人材資源を適宜共有することで、シナジー効果を発揮して、消費者に支持される独自性のある店舗つくりを目指し、将来のドラッグストア業界において存在感のある企業グループを目指していくとしている。
ウエルシア関東は、売上高2000億円、店舗数500店舗を当面の目標にしており、埼玉県を中心に関東圏において、297店舗(2月末現在)を展開している。売上高870億円(19年2月度連結決算)。
高田薬局は、静岡県を中心に98店舗(2月末現在)のドラッグストア及び調剤薬局を展開している。売上高295億円(19年9月度決算)。
JACDS、定例会見開く 10周年記念事業を始動へ
日本チェーンドラッグストア協会は3月7日、定例会見を開き、3月2日に終了した「第8回JAPANドラッグストアショー」の総評と、協会設立10周年を記念して次年度(平成20年度)から1年間実施する「10周年記念事業」の方向性について発表した。
10周年記念事業では、現在の取り組みについては、薬剤師フォーラムは2日間に渡り開催するとともに、ドラッグストアショーは他団体との共催も検討。「そらぷちキッズキャンプ支援」活動は1年間の大きなキャンペーンとする。その他「防犯・防災キャンペーン」や「改正薬事法解説セミナー」(勉強会)も強化する。
また、新たに①改正薬事法の施行(改正前/改正後)に伴うポスター掲出ならびにパンフレット配布②「お薬と健康週間キャンペーン」の展開③薬業界 褒章の創設④記念教育事業の立ち上げ――をスタートさせるほか、⑤JACDS10周年記念書籍の発刊⑥8カ国語OTCハンドブック⑦実務経験マニュアル集の発刊――などを予定しており、さらに設立10年を迎える来年3月には都内で式典を開催することも考えている。
ユニリーバ・ジャパン、“卸店との協働”目指し取引制度改正へ
ユニリーバ・ジャパンは3月10日、東京都化粧品洗剤卸商業組合の勉強会で、講師を務めた里村治取締役営業本部長が現在作成中の新取引制度の考え方、方向性などを明らかにした。同社の新しい取引制度は、「卸店との協働の推進」がベースとなっており、卸店の機能に合わせた「メニュー提案」、努力した企業が報われる「変動リベート」の導入などが予定されており、卸の規模の大小に関らず、果たしている機能を正当に評価する考え方であり、「きめ細かな配荷などの機能が正当に評価されない」といった中小卸の不満に対応した画期的な制度となりそうだ。
新取引制度は、“卸店との協働”がベースとなっており、協働を実現するために、卸店の果たしている機能に対価を払うという「メニュー提案」という機能フィーの考え方を採用する。同社では取引制度を改定するにあたり、プロジェクトチームを編成し、社内のアイデアを募集、業界取引制度スタディ(卸店に対するヒアリング)を実施して、卸店の果たしている機能の理解に努め、その機能理解に基づいた取引制度の戦略とメニュー提案を考案中だ。卸店には物流精度・情報提供などが得意の卸、仲間卸と一緒にビジネスを展開する元卸、地域でメーカーの代わりに商談や配荷、代金回収、返品回収などを行うフルファンクションの卸など様々なタイプの卸がある中で、卸店個別の取引制度にできるだけ近づけたいという考え方をベースにしており、これが「メニュー提案」につながっている。また、取引において、正しいギブ&テイクの関係をつくるために、「固定リベート」でなく、努力したことが報われる「変動リベート」を採用する予定。
広島共和物産、丸和商事と第40回グランドフェア開催
広島共和物産(中野晴雄社長)と丸和商事(佐久間康彰社長)共催の春の見本市「第40回グランドフェア」が、3月6、7の両日、広島市総合展示館で開かれた。
今回のフェアのテーマは、「喜・慶・歓・悦(よろこび)」。昨年、九州に大型物流センターを新設した同社が新センター稼動後はじめての見本市となり、また、ちょうど40回目となる今回の春の見本市を迎え、そのよろこびを前面に出した力強いテーマの下での開催となった。同社の九州新物流センターは、徹底した自動化による差別化を図り、それまでの主力センターであった広島の志和センターを上回る規模と機能を兼ね備えた最新鋭の設備で、省力化やリードタイムの短縮、物流精度の向上を実現している。
同社は、現在の厳しい市場環境の中で取引先、得意先と共に勝ち進んでいくこと、そのために共に成長し続けていくことが一番のよろこびであるとし、見本市では、そのよろこびのテーマそのものに、活気に溢れたものであった。特に40回という節目もあってか、これまでにないマジックなどのアトラクションも催され、見本市を通じての実際の商売だけでなく、来場者を楽しませる工夫も随所に見られた。
会場には広島共和物産や丸和商事の取引メーカーなど150社余りが出展、今春の新製品や主力品を各ブースでPR。そして、新製品コーナーや広共・丸和提案コーナー、さらに西日本共和グループのドルフィン商品や今春開発商品第1号商品を発売したJ-NET商品のコーナーも設けられ、賑わいを見せていた。
ラッシュジャパン、渋谷駅前店をオープン 国内通産100店舗を達成
ラッシュジャパンは、3月10日、国内通算100店舗目となる路面店「LUSH渋谷駅前店」をオープンした。同店は、1日約50万人が行き交う渋谷駅前交差点にある。渋谷駅周辺のエリアでは、渋谷駅に直結する高層複合ビルの渋谷マークシティ内にある「渋谷マークシティ店」、文化村通りに面する路面店「渋谷文化村通り店」に次ぐ3店舗目。
渋谷駅前店の特長は、本国英国ラッシュ店舗では一般的な“2層式”を国内で初めて採用、英国ラッシュのテイストを色濃く反映したつくりとなっている。
1階には、エンターテインメント性の高いバスボムやソープ、シャワージェル、ギフトの品揃えを充実。2階には、スキンケアアイテムを配置するとともに、来店客が自分にあったスキンケアアイテムをゆっくり選んでもらえるようカウンター席のカウンセリングスペースを設けて、熟練した販売スタッフによるカウンセリング販売を行っていく。
渋谷駅エリアの既存店「渋谷マークシティ店」は、OLを中心としたビジネスマンを、「渋谷文化村通り店」は、若者をそれぞれメインターゲットとしているが、「渋谷駅前店」では、様々な人たちが行き交う立地を活かし、既存のお客から新規のお客をはじめ、年齢や世代、性別問わずあらゆるお客をターゲットとしている。
2008年3月19日号 記事一覧
会合・発表会
- 東京卸組合 ユニリーバ里村本部長を講師に招き3支部合同勉強会開く
- JILS、ロジスティクス環境会議開催 第2期の活動成果を報告
- 日本香堂、恒例の謝恩観劇会を大阪・東京で開催
- 大平工業・佐野清会長、旭日双光章受章で記念祝賀会開く
経営・施策
- P&G・ジャパン、アイムス・ジャパンと7月1日付けで合併へ
- 防虫工・鈴木喬会長インタビュー「HP開設して防虫剤使用の啓発を推進」
- 資生堂、女性研究者の活動支援する「サイエンスグラント」受領者を決定
- カネボウ化粧品・知識社長、「カンブリア宮殿」に出演
製品・サービス
- 資生堂、CVS専用ブランド「化粧惑星」春夏の新製品発売
- ユニリーバ、「ダヴボディウォッシュ」から新ライン「go fresh」新発売
- ポーラ、薬用ホワイトニング「ホワイトショット」10周年記念品を発売
- カネボウ化粧品、専門店専用「華やぎ」から「アロマボディセラム」新発売
- ユニリーバ、ラックスから新ダメージケア「スーパーダメージリペア」発売
- 東京サービス、「ジピイ」「フィオン ナノテクチャー」から新製品発売
- マックスファクター、スキンケアブランド「SK-Ⅱ」から新化粧下地発売
- 花王、薬用入浴剤「バブクール」に「浜風のささやき」を追加発売
- ジャックス、「デンタルプロ ブラック 超微細毛ハブラシ」など発売
- 小林製薬、「香り日和」新発売 「洗いたて消臭シャボン」に追加品
- 大王製紙、肌触りと装着感にこだわったナプキン「エリスMegami」新発売
- ライオン、「レインガード」デザインを改良 “防汚”伝える内容に
- 貝印、女性向け3枚刃カミソリ「プリティープリンセス」新発売
- ユニ・チャーム、パンツ型紙おむつ「トレパンマン」吸収力を2倍に強化
- アース製薬、「モンダミン歯肉炎予防」など新製品発売
- オカモト、「リラックマコンドーム」デザインをリニューアル
- ツムラLS、「なごみ 清涼仕立て さっぱり夏みかんの香り」発売
- 小林製薬、「ケシミン液」新発売 「サラサーティ」に追加品
- 花王、「リリーフ抗菌消臭やわらかラク伸びパンツ」改良発売
- 大王製紙、「除菌できるウェットティシュースリムボトル」2種新発売
- ユニ・チャーム、新パンティライナー「ソフィきよら」発売
- 住友3M、スコッチ・ブライトから「泡立ちゆたかネットスポンジ」新発売
- ライオン「CHARMY 泡のチカラ」、日経優秀製品・サービス賞優秀賞受賞
- P&G、「プリングルズグルメ」リニューアル 大人の成型ポテトチップス
宣伝販促
- マックスファクター、「フェイスフィニティ」綾瀬はるか起用の新CM
- ユニリーバ「ドメスト」、Webキャンペーン「除菌力検定!」を展開
- J&J、「リーチキッズ」発売記念でキャンペーンサイト開設
人事・組織
- メディ・パルHD、4月1日付けで組織変更、役員委嘱の変更を発表
- 小林製薬、3月11日付けで人事異動、組織変更を発表
- アルフレッサ、4月1日付けで機構改革、人事異動を発表
研究・開発
- ライオン、油脂工業会館の19年度油脂技術論文で最優秀論文を受賞
調査・統計
- 東家同、2月度概況報告 健全な流通環境の構築に期待
イベント・展示会
- 次世代の街づくりを提案する「街づくりルネサンス」開催
- フェザー安全剃刀、キャンペーン抽選会開催 1泊2日の旅行当たる
- 恵比寿ガーデンプレイス、“メープルシロップ”テーマに春のフェア実施中
- ホーユー、日本最大のヘアカラーリングイベントを東京で開催
施設・店舗
- IQT、東京・汐留に営業所開設 イタリアの中小企業の展開をサポート
- 赤坂Bizタワー SHOP&DININGがオープン マツキヨはH&Bを積極展開
時評・コラム
- 時評 変わらぬ野菜・果物洗いの機能
- 泡沫 観る側への配慮に工夫する新橋演舞場
その他
- 小林製薬News Letter第15号
- 工研だより第654号
上記トピックスは要約版です。記事の詳細・全文は、日用品・化粧品業界の専門紙「H&BC マーケティングニュース」最新号(水曜日発行)でご覧になれます。お申し込みは刊行物案内をご参照ください。