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2008年1月30日号掲載記事より

CFSコーポ、アインFとの経営統合が白紙に 株主総会で賛成得られず

 CFSコーポレーション(静岡県三島市・石田健二会長兼社長)は、1月22日、アインファーマシーズ(北海道札幌市・大谷喜一社長)との共同持株会社設立による経営統合を諮る臨時株主総会を静岡県沼津市で開いたが、総会での審議の結果、経営統合案は3分の2以上の賛成を得ることができず否決となった。
 同日、CFSはこの事実とともに①同社の株式移転計画の失効②決算期ならびに定款一部変更の中止の2点を伝えるプレスリリースを発表。アインファーマシーズも統合案否決を確認するとともに、ジャスダック市場での上場を継続する旨のリリースを同日付けで公布した。両社とも、今後もお互いの友好と信頼関係は継続するとしている。
 一部報道機関は、この統合案に反対を表明していたイオン(千葉県千葉市・岡田元也社長)に対して40%以上の株主が賛同したと報じているが、見方を変えれば、改正薬事法施行による登録販売者の誕生=「OTC販売の自由化」を目前に控えた業界事情を背景に、ドラッグストアと調剤薬局の機能を融合させて“生活者に医療から予防までトータルでヘルスケアサービスを提供する”という両社が志向していたビジネスモデルに対して過半数以上の株主が賛同していたことから、現在、CFSが進めている「中長期的に企業価値を高めるための取り組みの再構築」に対して今まで以上の注目が集まっている。
 なおCFSのリリースには、同社株式を所有する取引に向けた「本件統合に反対を表明されていたイオンと取引のある会社も多く、多大なご心労をお掛けしたことを深くお詫び申し上げる」とのコメントが掲載されていた。

小林製薬、春の新製品商談会開催 3月期決算は売上高1051億円見込む

 小林製薬は1月22日、卸店、販売店を招き「2008年春の新製品商談会」を大阪で開催した。
 今回発表された新製品は、漂白玉と洗浄液のダブル効果で、便器の白さと輝きを保つ水洗トイレ用芳香洗浄剤「ブルーレット漂白玉プラス」、生理にまつわる様々な不調を改善する医薬品「命の母ホワイト」、顔全体のシミ予備軍をケアする薬用化粧水「ケシミン液」、馴染みのある香りで安らぐ空間を演出する部屋用芳香消臭剤「香り日和」、嫌な臭いを素早く消臭除菌する原因別のミストタイプ消臭剤「銀の消臭元ミスト」--などで、これら5品目の初年度売上目標の合計は35億円となっている。
 会場の特設ブースでは、注力製品として位置付けられた「ブルーレット漂白玉プラス」のデモンストレーションに続き、現在同社で開発が進められている、肝臓で生成されるコレステロールに着目した血中脂質改善薬の説明が行われたほか、製品ブースでは、使用率の向上と若い女性層への取り込みを狙うためリニューアルされた「あせワキパットリフ」、柔軟剤の香りをイメージした「お部屋の消臭元柔軟剤の香り」、カー用品部門では特殊フィルムのカートリッジで最後の一滴まで効果が続く「エアバイザー」などが来場者の関心を集めていた。

アース製薬、新製品53SKUを発表 創造的な新商品で市場拡大目指す

アース製薬、新製品53SKUを発表 創造的な新商品で市場拡大目指す

 アース製薬は1月22日、大阪で「2008年度方針発表会」を開催し、卸店、販売店など440人が出席した。
 大塚社長は、「昨年は100アイテムを超える新商品の数々を発売し、昨春の発表会では下手な鉄砲も数撃てば当たる、というようなことも言ったが、それぞれの商品がそれほど的を外すこともなく、予想以上の成果を上げることができた。今春も昨年に引き続き53SKUという数多くの有力な新商品を発売し、市場拡大に結び付けていくので、皆さまのご支援をよろしくお願い申し上げる」とあいさつ。
 引き続き、森藤専務・営業本部長から今年度の営業方針などについて説明が行われ、「今年度の基本方針は、“価値創造による脱価格競争の継続”。近年、取り組みを続けている脱価格競争についても、最近はずいぶんご理解をいただけるようになってきた。03年からの全国における弊社製品のチラシ掲載状況に対する調査でも低価格チラシ掲載店舗数は、年々減少しており、確実に成果が現れている。今年度の営業方針については、①45品目53SKUの新製品の成功②営業力強化による売場の提案と展開③返品削減による流通への貢献④テレビCMの大量投入――の4つである」と述べた。

フマキラー、販売方針・新製品を発表 殺虫剤業績は4%増

フマキラー、販売方針・新製品を発表 殺虫剤業績は4%増

 フマキラーは1月24日、08年度の新製品発表会並びに販売方針説明会を大阪で開き、卸・小売業者など約500名が出席。新製品では、火も電気も電池も使わない次世代蚊取り「おすだけベープ」、這う虫や飛ぶ虫をマイナス85度で凍らせて瞬間殺虫する「瞬間凍殺ジェット」、リニューアルした「どこでもベープ蚊取りGO!」など話題性の高い17品目(32SKU)を発表した。
 大下一明社長は業績について、殺虫剤部門は4%増で推移するとの見通しを明らかにし、電池式蚊取り市場ではシェアが48.5%になり前年比38%増、虫よけハーブ同40%増、アリ用同20%増、ダニ用同10%増となっていることを報告。また園芸用品は同20%増、家庭用品は20%増であると発表した。
 更に「新価値創造」をテーマに全ての企業活動で価値を高めることを宣言。このほか①海外展開では国際ブランドとしての歩みを着実にする②国内営業活動では積極的なカテゴリー提案とタイムリーな企画提案を行い、配荷店舗拡大と製品拡売③生活コミュニケーションとしてのメディアミックス展開と店頭露出を高める--などを打ち出した。
 08年度新製品紹介ビデオ上映後、杉山隆史商品企画室長が緊急投入商品として「おすだけベープ」(①火・電気・電池を不使用②ワンプッシュで12時間効果③手軽に持ち運び可能)と「瞬間凍殺ジェット」(①殺虫剤不使用②瞬間冷却③究極のクリーン仕様)の2製品を満を持して投入することを報告した。

花王、20年3月期第3四半期売上高が初の1兆円超え達成

 花王は、1月23日開催の取締役会で、平成20年3月期第3四半期の財務・業績内容(連結)の承認を行うと共に、資本効率の向上と株主への利益還元のため、1月24日から3月24日までの期間に、500万株を上限とする自己株式の取得(取得価額総額150億円)を行うことを決議した。
 第3四半期の連結売上高としては初めて1兆円を超える1兆1億1400万円を達成、厳しい市場環境にありながらも前年同期比7.3%増(為替変動の影響を除く実質は5.4%増)となったが、これは昨年発売した新製品が順調に寄与したことや、カネボウ化粧品の連結期間が前年同期の8カ月間から9カ月間になったことなどが要因とされている。
 コンシューマープロダクツ事業(ビューティケア事業、ヒューマンヘルスケア事業、ファブリック&ホームケア事業)については、前年同期に対して約450億円増(5.7%増)の8323億円となったが、これについても家庭用製品と化粧品(花王ソフィーナ)の販売会社を統合したことによる総合的な「提案力の向上」「店頭マーチャンダイジング」の新しいビジネスモデルの構築など、販売体制が強化されたことにより、同事業における国内の売上げは5%増加している。
 さらに海外のコンシューマー事業でも、アジアでは新製品の寄与と流通との共同取り組み強化などで売上高は20.5%増の637億円(為替変動影響を除く実質は11.6%増)、欧米では市場競争激化の影響を受けながらも、売上高は4.3%増の1126億円(同1.8%増)といずれも好調に推移。また、連結総売上げに占める海外比率は30.4%と初めて30%を超えた。

エビス、中国・深センで自社工場操業開始 洗濯用品の製造を主力に

エビス、中国・深センで自社工場操業開始 洗濯用品の製造を主力に

 エビスは、中国の広東省シンセン市の郊外にある工業団地内に、洗濯用品の製造を主力とする新工場「恵比寿塑料制品(深せん)有限公司」(代表者=仲谷常克董事長、船山泰司総経理)を竣工し、昨年12月15日から操業を開始した。
 新工場の稼動により、日本国内への洗濯用品の安定供給が確保できるだけでなく、将来的には中国市場での販売も視野に入れている。また工場の一部ではオーラルケア用品も生産する。
 乾正孝社長は今回の新工場の稼動について、「シンセン地区はインフラがしっかりしており、柔軟な対応ができる。自家工場による生産ということで、安心できる内容の製品を、安定した価格で安定供給できるというのが大きなメリット。現在生産している洗濯用品は日本でのみ販売するものである。将来的には中国での販売も考えているが、これは長期的スパンで見ている。いずれにしても生産拠点があるということは、心強いことであり、さまざまな可能性が広がる」と語った。
 また、日本国内における生産拠点については、「オーラルケア製品の生産をはじめ、全て従来通りの運営となる。更に高品質の製品を供給できるよう生産ラインの充実に努めたい」と述べた。


2008年1月30日号 記事一覧

倒産・廃業

  • 近畿共和、3月末で解散へ ウエキ、エイコーは変わらず営業

会合・発表会

  • クレハ、08年販売方針説明会「価値ある商品を提供、商品の良さを伝達」
  • 松下電器、東京・大阪の商談会で新アルカリ乾電池「エボルタ」積極提案
  • 中央ホームズ協力会、賀詞交換会「創業30周年の本年を再スタート元年に」
  • 日衛連、賀詞交換会開く 「国民の保健衛生向上、快適な生活実現に寄与」
  • 大日本除虫菊、新年懇談会開く 売上げ実績はトータル103%に
  • 大王製紙、フェミニンケア新ブランド「エリスMegami」を発表
  • 丸三産業、「快適安心・吸汗防汚汗ピタ」シリーズなど春の新製品を発表
  • 香料工業会が通常総会開く 「コンプライアンスの遵守を」
  • エステー、大阪で春の商談会開く 見せる「体感型」の会に
  • コラボレイト21、東京で開催 流通関係など約1250名が来場

経営・施策

  • マースジャパン、3月3日以降出荷の一部ドッグフードの価格改定実施
  • 飯塚薬品が会社分割、ドラッグ事業を新生「飯塚薬品」に継承
  • 米特殊素材メーカー、2月18日以降の各種防腐剤などの価格改定発表

製品・サービス

  • レック、独フランクフルトで2月開催の国際見本市に出展
  • 三洋電機、“空気で洗う”ドラム式洗濯機「アクア」をリニューアル
  • クレハ、「NEWクレラップ」改良 プラスチック刃を新たに採用
  • ユニ・チャーム、「ソフィ超熟睡ガード」発売 ズレ防止エアバッグ搭載
  • 丸富製紙、快適さ追求した新製品「ペンギンカラーワンタッチ」新発売
  • ユニリーバ、新感覚ヘアコスメ「ラックスジュエリーフィニッシュ」新発売
  • 花王、エイジング・スキンケア「ソフィーナ ボーテ」からUV乳液新発売
  • フェザー安全剃刀、女性用カミソリ「ピアニィ」パッケージ一新
  • J&J、「リーチキッズ」にディズニーキャラクター採用して新発売
  • 資生堂、マシェリから新ヘアワックス発売 スタイリングアイテムを改良
  • ライオン、「ブレスエイド」グリーンアップルミントの販売チャネル拡大
  • ポーラ「コフ」事業部、ネイルカラー新製品を発売

宣伝販促

  • リブドゥコーポ、「リフレ安心パッド」オンパックキャンペーンを実施
  • シック、女性用ディスポカミソリの増量キャンペーン実施
  • ライオン「バストロジー」、CMに辺見えみりを起用
  • P&G、「社会貢献プログラム」今年も実施 参加チェーン店と共同展開

決算

  • 小林製薬、第3四半期連結決算発表 製造販売事業が好調に推移
  • アイケイ、20年5月期中間決算は生協ルートの不振で減益に

調査・統計

  • チェーンストア19年12月度統計、暖冬で総販売額は低調
  • 石洗工19年1~11月販売統計、数量・金額ともに安定伸長
  • 家庭紙工業会など、11月度生産・出荷・在庫高統計を発表

イベント・展示会

  • P&G、花粉対策テーマにプレスセミナー 「花粉症には部屋干し」提案
  • 日経、「街づくり・流通ルネサンス」展3月に開催 過去最大規模で展開
  • 流通システム開発センター、新春トップセミナー開き楽天三木谷社長が講演

訃報・葬儀

  • 三協油脂・宮本政雄会長の社葬に500人余りが参列

時評・コラム

  • 時評 卸再編と共同仕入機構の変遷
  • 泡沫 「ムクドリ」「カラス」「カモメ」のお話
  • 記者の目 ようやくカイロに動き 首都圏冬季節品動向

連載・講演

  • JACDS 米国最新流通視察ツアーレポート 米国小売業の現況②

その他

  • マッチ時報第345号


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