2007年10月24日号掲載記事より
日本薬業連絡協議会等3団体が発足合同発表会 薬業界の更なる発展目指す
日本薬業連絡協議会(薬連協)、有限責任中間法人日本医薬品登録販売者協会(日登協)、有限責任中間法人日本薬業研修センターの3団体は10月11日、発足合同発表会を開催した。
薬連協は、薬業会発展のための協議の場・会議体として発足し、現在は正会員として社団法人日本薬局協励会、有限責任中間法人日本保険薬局協会、日本チェーンドラッグストア協会、日本置き薬協会、日本医薬品登録販売者協会、日本薬業研修センターの6団体が加盟し、日本大衆薬工業協会と社団法人日本医薬品卸業連合会大衆薬卸協議会がオブザーバ会員として参加。年1回の会長会議に加えて、担当者会議を2カ月に1回(2時間)を定例化するとともに、テーマによって随時開催。共同キャンペーンなど課題別委員会が発足した時には委員会会議を行う。
今年9月に“有限責任中間法人”として法人化した日登協は、登録販売者の継続的資質向上を図るとともに、サポートと事業開設者への事業育成支援、政府・行政との交渉窓口として身分の拡大、社会的地位の確保と向上、養成・育成など、あらゆる支援を行い、「登録販売者の権利・義務、責任を果たせる組織」(鎌田会長)を目指して発足した。正会員は登録販売者、準会員は同資格の取得希望者と設定しており、現在は、準会員として約2000名が申込み中。10月中旬からはJACDS正会員企業の申込受付も始まることから、今年中に数万人規模の準会員が入会する見込み。
同じく9月に“有限責任中間法人”を取得した薬業研修センターは、薬連協に所属する団体の教育・研修事業を担うとともに、薬事及び医薬品情報収集・提供事業、専門家によるさまざまな業務にかかるサポート事業、会員管理サポート事業などを行うことを目的に立ち上げられた。第三者機関として中立性を保つため、これらの事業費はセミナー費及びテキスト代などから捻出する予定(寄付は随時受け付ける)。
アジア太平洋小売業者大会が開催 環境問題に関する共同宣言を採択
第13回アジア太平洋小売業者大会(略称:APRCE)が10月10日~12日まで、東京国際フォーラムで開催された。
今回の東京大会は、「ADVACE AND BALANCE/先進、そして調和」―生活者と共感が伝わる小売業を目指して―をテーマに、基調講演、セッション、各国別小売業界状況報告などのプログラムが行われ、アジア太平洋小売業協会連合会加盟17カ国・地域、全米小売業協会・国際小売業フォーラム加盟34カ国から約2500人が参加。
11日には代表者会議が開かれ、環境問題に関する共同宣言を全会一致で採択した。環境問題全地球的に重要な課題になっている今日、アジア太平洋、そして日本の小売業者が環境に対する取り組みを真剣に考え、一歩でも二歩でもできることを実行に移すというのが宣言の趣旨。この共同宣言は、各国小売業者の自主的取り組みを尊重し、これを促そうというもので、中村胤夫日本小売業協会会長(三越相談役)は、「環境問題に対する意識や取り組みの現状は各国・地域によってかなり温度差がある。こうした現状を憂えて、大会開催国である日本から提案した。1つひとつは小さな行動であっても、アジア太平洋地域でまとまれば地球環境に少なからぬ貢献となる」と語った。
大阪で地域卸活性化セミナー「メーカーとのコミュニケーションを深めて」
近畿圏化粧品日用品卸組合共催・全卸連後援で「第2回地域卸活性化セミナー」が10月9日、大阪市内のホテル日航大阪において行われ、近畿圏の卸店、メーカーなど100人が出席した。
会は大阪府化粧品日用品卸組合梶原孝之理事(梶原商事社長)の司会で進行。はじめに大阪府化粧品日用品卸組合の藤原正則理事長(藤原物産会長)があいさつの中で「地域卸を取り巻く環境は、一段と厳しくなってきており、地域卸は今後ますますメーカーとのコミュニケーションを深め、より具体的な取り組みをスピードを上げて行なっていくことが重要」と述べた。引き続き全卸連の森友会長があいさつに立ち、あるホームレスが大金持ちに100円欲しいと要求し、もっと大金を持っていたその金持ちから結局100円しか得られなかったという話を例に、要求したもの以上のものは与えられない。地域卸も自らの環境の中でより高い要求、目的をもって努力することが必要と述べた。
そして、植木正樹副理事長(ウエキ社長)をコーディネーターに、そしてライオン久保直一常務、ユニ・チャーム森信次常務執行役員、資生堂販売長田伸幸西日本ホールセール営業本部長の3人のパネラーによるパネルディスカッションに移った。
はじめに、3人のパネラーからそれぞれ地域卸活性化をテーマに講演が行なわれ、地域卸を取り巻く現状についての分析や自社の政策、今後のメーカーと地域卸との協働のあり方など、地域卸活性化に向けた提言が行なわれた。さらに植木コーディネーターの司会進行の下、事前に各メーカーに対して用意されていた卸店からの質問、要望等などを中心に、パネルディスカッションが行なわれた。その中では、「販促費の問題」や「返品問題」、さらには「商品のSKUが多すぎるのではないか」、「高付加価値商品が市場に投入されても卸店の利益率には反映されていないように感じられる」など具体的な議論が行なわれ、パネラーとして参加したメーカーだけでなく、P&Gや花王、ユニリーバなど当日出席していた主要メーカー担当者も参加して、中味の濃い議論が活発に繰り広げられた。
スズケンが株譲渡差し止め申請 コバショウとメディパルHDの経営統合で
小林製薬は、10月12日付でスズケン(本社名古屋市東区)が名古屋地方裁判所に対して仮処分命令の申立てを行った旨の通知を受けたことを明らかにした。
今回、仮処分命令の申立てがなされるに至った経緯について、小林製薬は「当社は連結対象子会社であるコバショウとスズケンとの3社間で、一般用医薬品卸売業の企業価値向上を目的に業務資本提携に関する基本合意書を平成16年9月に締結、コバショウの事業規模の拡大を推進してきた。その後、コバショウは、取扱商品の幅を広げることで、ドラッグストアをはじめとする顧客満足度の最大化と、効率的なロジスティクスによる流通コストの最小化を目指すべく、異業種卸会社とのアライアンスを視野に入れ、同18年12月に大手日用雑貨卸であるパルタックとの経営統合に向けた協議を開始し、同19年9月26日には『当社連結対象子会社であるコバショウとメディパルHDとの経営統合』を決議した。平成19年11月下旬に開催を予定しているコバショウの臨時株主総会では、株式交換契約の承認を目的とする議案を付議する見込みであり、当社は当該議案においてコバショウの意志を尊重し賛成する予定である」と説明している。
これに対し、スズケンは平成16年9月に締結した基本合意書に反するとして、「平成19年11月下旬を会日とするコバショウの臨時株主総会において、コバショウとメディセオ・パルタックホールディングスとの株式交換契約の承認を目的とする議案に賛成してはならない」とする主旨の申立てを名古屋地方裁判所に行ったもの。
今後の見通しについて小林製薬は、「9月26日に発表した『コバショウとメディセオ・パルタックホールディングスとの経営統合』は、基本合意の内容に何ら抵触するものではないと確信している」としている。
今後の見通しについて小林製薬は、「スズケンの代理人弁護士から関連書類を受理した段階であり、現在その内容を精査しているところである」としながらも、「平成19年9月26日に発表した『当社連結対象子会社であるコバショウとメディセオ・パルタックホールディングスとの経営統合』は、基本合意の内容に何ら抵触するものではないと確信している」としている。
薬王堂、08年2月期中間決算は増収増益 南東北への進出に注力
北東北を中心にドミナント出店しているドラッグストア・薬王堂は10月15日、08年2月期中間決算説明会」を開催した。08年2月期上期の売上高は167億3900万円、前期比112.7%を達成したが、計画比では98.5%となった。
第1四半期は花粉症関連商材が昨年を上回ったことと重点商品(ESLP商品)の販売強化で既存店売上を確保できたが、第2四半期は梅雨が長期化したほか、7月は低温、8月は降雨と猛暑が交互に訪れるという天候だったために季節商材が振るわず、お盆前後は帰省需要が発生したものの、全体的には客数が落ち込み、既存店売上は前年割れに終わった。売上総利益は39億8600万円で前期比116.3%、計画比97.8%、売上総利益率は23.8%と、前期比0.7ポイント上昇した。売上高同様、全般的に夏場の季節品が苦戦したが、ESLP商品の拡売により改善を図ることに成功した。
今後の出店については、第2商勢圏として南東北の進出を開始し、特に宮城県でのドミナントエリア拡大・深耕を図る。宮城県には仙台という大商圏があることから、都市近郊型店舗の開発を進めるとともにSMやHCと組んだNSCへの出店も強化。改正建築基準法への対応として居抜き物件なども視野に入れながら対応する。
2007年10月24日号 記事一覧
会合・発表会
- 日石工組東日本支部研修会、味の素とキリンの工場を見学
- ジャックス/大平工業が歯ブラシ包装工場を竣工 全社員対象に内覧会開く
- P&G、オーラルケアセミナー開き電動歯ブラシの有効性など説明
- 日本薬学会、薬学界懇話会開く 「薬学の将来見据えて」
経営・施策
- 新たなマーケティング戦略の方向性 NB初の“地域限定品”が注目集める
- 日本置き薬協会、配置販売業・登録販売者の受験資格について言及
- 資生堂、女性研究者支援に向けて「サイエンスグラント」を設立
- ポーラ、伝統文化ポーラ賞贈呈式を開催
製品・サービス
- PRページ ライオン「デントヘルス」加齢に伴う口腔内トラブル対応品発売
- P&G、「ブラウンオーラルBデンタブライド」など改良新発売
- フマキラー、「カダンスプレーEX」など園芸関連新製品発売
- 王子ネピア、「nepia GENKI!ハイキャッチ」がグッドデザイン賞受賞
- ライオン、「ブレスエイド」を改良 CVS限定香味も発売
- クレハ、「NEWクレラップ」がグッドデザイン賞2年連続受賞
- 白元、ホッカイロ新製品「リラックマ」「コリラックマ」を発売
宣伝販促
- P&G「ブラウン」、全額返金キャンペーンを実施
- サンスター、佐伯チズ氏と「Ora2」ビューティースマイルキャンペーン展開
- エステー、「消臭プラグ」新CM「殿十一変化篇」の放映開始
- ユニ・チャーム、マスクコレクション07開催 「GiRLSGATE.com」とコラボ
- 王子ネピア、「nepia color100色プレゼントキャンペーン」を展開
- ユニチャーム、「マミーポコ」等対象にわくわくツアーキャンペ第2弾実施
- ダリヤ、「サロンドプロ」新CMにピーター起用
人事・組織
- アルフレッサ、「神奈川物流センター」新設などの機構改革・人事異動発表
研究・開発
- 花王、色持ちとツヤ持続する口紅新素材「カラーフィットヴェール」開発
調査・統計
- DIY協会、2006年度対象の第18回小売業実態調査速報を発表
- P&Gビューテリジェントラボが現代女性の地肌とライススタイルの現状調査
イベント・展示会
- 東レ・ダウコーニングがシリコーン基礎処方セミナーを開催
- PIショー開催で延べ7万人以上が来場 恒例の新製品コンテストも実施
時評・コラム
- 時評 “価格凍結”戦略の弊害
- 泡沫 亀田一家の暴走に思う
- 日雑談 東急ハンズでのバイト経験 エントランスの想い
その他
- マッチ時報第342号
- ポーラアネックス11月の催事、「チャリティ油絵小品展」開催
上記トピックスは要約版です。記事の詳細・全文は、日用品・化粧品業界の専門紙「H&BC マーケティングニュース」最新号(水曜日発行)でご覧になれます。お申し込みは刊行物案内をご参照ください。