2007年4月18日号掲載記事より
大丸と松坂屋HD、持株会社「J.フロントリテイリング」を設立
大丸と松阪屋ホールディングスは4月9日、経営統合を通じた企業価値の最大化を目的に、9月3日付で持株会社「J.フロントリテイリング株式会社」を株式移転により設立することを発表した。これは、同日開催の両社それぞれの取締役会において決議された「株式移転計画書」及び「経営統合に関する合意書」に基づくもの。本件は、5月24日開催のそれぞれの株主総会による承認を前提としている。
両社は、今回の経営統合について、品揃えやサービスの充実によるお客様満足の向上と、経営資源の最適活用による収益力と業務効率の向上を実現させ、「百貨店事業を核とした質量ともに日本を代表する小売業界のリーディングカンパニー」の地位確立を目指すとしている。
◎J.フロントリテイリング株式会社概要
本店所在地=東京都中央区銀座6の10の1▽資本金=300億円▽純資産=未定▽総資産=未定▽決算期=2月末▽代表取締役会長=岡田邦彦氏▽同社長兼最高経営責任者=奥田務氏
ユニ・チャーム、ベトナムの生理用品市場に本格参入 現地工場も稼動
ユニ・チャームは、4月14日からベトナム・ドンアン工業団地内に新設した生産工場で生理用ナプキンの製造を開始するとともに、同国の生理用品市場に本格的に参入を果した。
同社は、06年12月、12番目の海外現地法人として同国に「UNI‐CHARM(VIETNAM《ベトナム》)Co.,Ltd.」を設立しており、また現在は、不織布吸収体事業で2010年度にグローバルシェア10%の獲得を目指す「グローバル10」を推進中で、東アジア、アセアン、中東各国で海外事業を拡大している。
ベトナムは、約8300万人の人口を抱えており、アセアンでは2番目に若年層の比率が多い(40歳以下の人口が77%を占める)ことから、生理用品市場は大きな成長が見込まれている。そうした事情から、ベトナムでのビジネスを強化するために従来の製品供給体制を見直し、新たにベトナム国内に現地法人を設立するとともに、生理用ナプキン「ソフィ」の製造販売体制を整備した。これにより同社では、生理用品「ソフィ」ブランドのシェアを「2010年度には20%にまで高める」ことを目標に設定した。
CFSコーポが決算発表会開く 4つの重点施策で「V字回復」目指す
CFSコーポレーションは4月10日、決算説明会を開き、石田健二会長兼社長が、前期(第60期)の決算概要を報告した。
前期連結決算は、売上高1421億5700万円(前期比2.6%減)、営業利益マイナス1000万円、経常利益1億2500万円(同94.2%減)、当期純利益マイナス31億5100万円、単体決算を売上高1407億円(同2.6%減)、営業利益マイナス1億4000万円、経常利益2300万円(同98.9%減)、当期純利益マイナス31億5600万円と報告。
経常利益段階の大幅減益については「客数減少と、相応のコスト削減を実現できなかったことによる」と分析。純利益段階については、今期から固定資産の減損に係る会計基準を適用したことに伴い21億1100万円の減損損失を期初に特別損失として計上したほか、今期の収益状況を踏まえて減損損失11億100万円を追加計上。次期には大型店の閉鎖なども予定していることから、閉店損失として5億6000万円を計上したことを説明した。
なお期中、ドラッグストア21店、スーパー2店、計23店舗を新規開店した一方で、ドラッグ4店、コンボ1店の計5店を閉店。期末店舗数は275店舗(純増5%)となったほか、既存店活性化のため13店で大型改装を実施するなど、改装も積極的に展開した。
08年度は連結売上高1470億円、経常利益10億5000万円、当期純利益2億5000万円を目標に設定。業績のV字回復を目指して、「『利益は店頭からしか生まれない』ことを全社員が共有するとともに、改めて“全てにおいてお客様のために”を今年度のスローガンに採用。社名に『お客様第一主義』を謳っていながら、来店客数が前期比92.9%にまで落ち込んでしまったことを痛切に反省し、お客様、さらにお客様と直に接する従業員の満足を向上させるとともに、本部はできるだけ縮小する」とした。
カネボウ、戦略遂行型の組織体制に改編 オペレーション機能を強化
カネボウホームプロダクツは4月1日、熾烈化するトイレタリー市場の中で勝ち残るため、「事業特性を活かした戦略に基づき、開発から販売まで一気通貫かつ迅速に行う」ことの強化と、「SBU制」を本社組織において更に徹底させることを目的に、戦略遂行型の組織体制に改編するとともに人事異動も実施した。
改編内容は、現行の「コンシューマー事業部」を「トイレタリー事業部」と「コスメティックス事業部」に分割し、「プロフェッショナル事業部」と併せて3SBU体制とすることで戦略事業単位を明確化し、事業特性に応じた最適戦略を迅速に策定・実行できる組織とする。
企画戦略室傘下にあった国際事業機能を「ホームプロダクツ国際部」として組織化し、研究部門と1体となった海外事業展開とシーズ・ニーズ探索を機動的に行うため、「R&D・国際事業部」を設置し、「ビューティケア研究所」と「ホームプロダクツ国際部」を統括する。
オペレーション機能の強化ため、①「SCM室」を設置し、「物流部」を「ロジスティックス部」に改称の上、「システム部」と併せて「生産・技術室」から移管する②広域販売企業に対する営業機能を対外的に明確化するため「営業推進室」を設置し、「チェーンストア営業部」を同室に移管する。
「企画戦略室」を「経営企画室」に改称し、総務・人事機能を同室に移管する。又、「事業管理室」を設置し、財務・経理機能と法務・知財権管理機能を移管する。
営業第一線でのスピーディなアクション・意思決定遂行のため、カネボウホームプロダクツ販売の支社制を廃止する。
日本香堂、お盆・香フェア開く 専門店向け新製品「花風 沈丁花」に注力
日本香堂は、4月10日~12日の3日間、「2007年お盆・香フェア―上質の和」を開催し、専門店向け線香の新製品を中心に、最大の需要期である《お盆》の展開や、春の東京ギフトショーで発表したフレグランス商品などを展示し、首都圏・関東地区の専門店バイヤー約160名並びに関係業界紙にプレゼンテーションを行い、併せて同社研究室・岩井久夫主任調香師の「和花をめぐる香りのお話」講演会を開いた。
専門店チャネルの線香は、「太陽」「永寿」「花風」「芝山」などのブランドがシリーズとして定着しているが、同社がこの春の新製品で特に力を注ぐのは、「花風(Ka‐fuh)」シリーズに線香では初めての“沈丁花”の香りを実現した「花風 沈丁花」(バラ詰め、小バラ詰め)と、一般ルートと両方で発売している“燃え残りの灰が少ない”「清天-微灰」(バラ詰め)である。
「花風 沈丁花」は、名香として名高い“沈香”と“丁子”の香りを兼ね備えてその名がついたと言われる“沈丁花”の、優しい甘さを漂わせる可憐な姿を、シトラスフローラルのさわやかな香りに仕上げ、本物のピュアな香りを再現した。岩井調香師も「和花素材の商品は、食品やトイレタリー、フレグランスなどで見られるが、和花から天然精油した香りのものは少なく、特に沈丁花の香りを素材に着目したものは少ない。沈丁花は和花のイメージでは桜・梅・菊・椿・牡丹などの上位に比べて8位となっているが、好きな和花の香りでは4位に入っているほどだ」と説明している。
2007年4月18日号 記事一覧
会合・発表会
- 排水協が通常総会 新常任理事会社を決定
製品・サービス
- サラヤ、ラクトフェリン配合スキンケア「ニュウラ」で化粧品事業本格参入
- 第一石鹸、「サイクルスタイルボディソープ」など春の新製品発売
- 日清紡、高級感あるデザインの「コットンフィールキッス」新発売
- PRページ P&G「ジレットフュージョン5+1」で業界価値の向上目指す
- ユニ・チャーム、1万人スリムピープル募集キャンペ開催中
- ライオン、香りとデドラントのソフランからラベンダーの香り限定発売
- 花王、愛犬の皮膚・被毛考えた「ワンだふる健康ボディ」4品発売
- 資生堂、クレ・ド・ポー ボーテから美白美肌美容液新発売
宣伝販促
- ポーラ化粧品、「ホワイティシモベースメーク」新CMを発表
人事・組織
- エステー化学、取締役候補者など新役員人事を決定
- クレハ、4月1日付けで執行役員制度を導入 新役員・執行役員を発表
- 近畿共和、土井孝男氏の社長就任など新役員人事を発表
調査・統計
- 東家同、3月度市況報告 店頭価格は回復傾向
イベント・展示会
- PIショーなど5展開催 松下電器「オキシライド」がプロモ企画賞受賞
- ロジスティクスシステム協会、物流改善事例大会を25日に東京で開催
- 貝印、「お菓子コンクール」最終選考会を開催
- 日本油化学会、東京・大阪でフレッシュマンセミナー開催
施設・店舗
- 「金沢フォーラス」オープンから5カ月 周辺地区の売上げにも影響
時評・コラム
- 時評 改正消費生活用製品安全法への対応
- 泡沫 メーカー主催ゴルフコンペに見る卸の減少傾向
- らいたあ オオカミと森林保護 生態系のひずみが生むもの
- 日雑談 増える海外製日用品 欧米化嗜好が顕在化
連載・講演
- カテゴリーマネジメント講演③ パネルディスカッション
その他
- カネボウ、女子ゴルフトーナメントに「クラシエ」として特別協賛
- アイスタイル、「本当に良かったコスメ485」07年版を発売
- ポーラ化粧品、アネックスで針穴写真展を5月2日から開催
特集 【エコロジー】
- エコビジネス拡大続く 「企業の環境保全活動」は社会的使命
- 花王 資源採取から廃棄までのライフスタイルを香料して商品開発
- ミヨシ石鹸 ドラム式洗濯機専用液体複合せっけんが人気
- サラヤ ボルネオゾウと森を守るプロジェクトに各方面から高い評価
- 牛乳石鹸共進社 ミルキィボディソープバウンシアを新発売
- ライオン 「ECO LION」活動を積極推進
- エスケー石鹸 「廃油リサイクル」に高い注目 リサイクルせっけんが好評
- ミマスクリーンケア 「緑の魔女」環境負荷の軽減に貢献
- ユニ・チャーム 「ライフリースリムウェア」で環境負荷軽減を実現
- ラッシュジャパンインタビュー 省資源化対策も積極的に推進
- UYEKI ドライニング液体タイプが好調に推移
- サバ 「地球家族」シリーズが環境意識高い消費者から支持
- ニッサン石鹸 新「ファーファ」は植物原料を使用
- ペリカン石鹸 使いやすい手のひらサイズの「泥炭力」新発売
- シャボン玉石けん森田社長インタビュー 液体石けんが着実に伸長
- カネボウHP アーム&ハンマー5アイテム揃える
- まるは油脂化学 「ヴェネックス」で石鹸の可能性広げる
- 三洋電機 「eneloop」が新電池社会切り拓く エコ時代に価値ある商材
- 渋谷油脂 SOC竹炭シリーズが好調な滑り出し
- ハイネリー 純植物性の洗濯せっけん「はな」など展開
- カネヨ石鹸 重曹のパイオニア的洗浄剤「カネヨ重曹ちゃん」好調
- 太陽油脂 パックスナチュロン「お口すっきりハーブ」新発売
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