2007年1月10日号掲載記事より
中央物産がアケボノ物産、アルボとの糾合で会見、東名阪で強固な地位確立
中央物産(東京都港区・児島誠一郎社長)は昨年12月21日、今年4月2日をメドに関西を商圏とするアケボノ物産(大阪府東大阪市・河野義和社長)の日用品雑貨卸売業に関する事業の一部を譲り受けると同時に、日本製紙クレシアの出資子会社で、紙製品雑貨卸売業のアルボ(東京都中央区・秋枝敬規社長)の事業を譲り受けることで、各社と基本合意したことを発表した。同社は翌22日、東京都港区の同社本社で関係業界紙に会見を行い、児島社長が説明した。
児島社長は、同社の経営方針として、卸売業にサプライチェーンの一構成員として役割の明確と付加機能の強化が求められる中で、新中間流通業「カテゴリーコントラクター」を提唱し、取引先の収益向上に貢献していくため、これまでに、①マーチャンダイジングの機能強化のための合併②フィールドサポート、ロジスティクス機能強化のための分社化③マージンビジネスからフィービジネスの転換を図ってきたとし、その上で、今回の事業の一部譲り受けについては、アケボノ物産の日用雑貨卸売業に関する事業を譲り受けることによって、地域対応機能をさらに強化し、巨大市場の東名阪での確固たる地位の確立、また、アルボの事業を譲り受けることで、紙製品のカテゴリーの強化を図り、引き続き、他業種のカテゴリーも視野に拡充を図っていく考えを表明した。
また、2社との糾合により、地域に根ざしたマーチャンダイジング、ロジスティクス、フィールドサポート機能の質的向上が図れ、得意先の収益向上に貢献できると確信していると語るとともに、あくまでもカテゴリーコントラクター、中間流通業しての機能強化を目的としたもので、地域拡大を目的とした糾合ではないことを強調した。将来的には全国カバーを目指していくが、その過程として東名阪を抑えていくことが重要と語った。
中央物産は、あらたとの合併破談移行、どのような方向で、経営戦略を考えていくかということに業界の注目が集まっていたが、今回の2社との糾合で、これまで通り、一貫してカテゴリーコントラクターを目指し、機能強化を図るという姿勢を明示するともに、地域的には東名阪の強化、カテゴリーにおいては紙の強化を図った。さらに今後はどういう形で、同社の目指す“カテゴリーコントラクター”の実現に向けた取り組みを進めていくのか、今後の動向にはまだまだ注目が集まりそうだ。
パルタック、松江共和物産を子会社化、コバショウと経営統合で協議を開始
メディセオ・パルタックホールディングス(熊倉貞武社長)は、昨年12月20日、連結子会社のパルタックと、小林製薬の連結子会社で一般医薬品・健康食品・日雑などを扱うコバショウの経営統合に関する協議を開始すると発表、併せてパルタックが松江共和物産(米田卓郎社長)の全株式を12月26日付けで取得し、孫会社とすることを公表した。
パルタックとコバショウの経営統合については、化粧品・日用品、一般医薬品という生活に密着した商品を一括で扱う業態卸としてのパルタックが、顧客満足の追求とソリューション提供による環境変化に対応し、健康と美を応援する先進的な機能を持つ“次世代卸売業”を目指していること、また、セルフメディケーション時代に対応する高い専門性を持つ卸売業のコバショウが、物流機能・情報システム機能の強化を図り、“全国展開”と年商3000億円構想の実現を目指していることから、相互の信頼関係を基礎として、「共同、協力して顧客起点の卸機能強化を図るべく、経営統合に関する協議開始に合意」したもの。
また、パルタックによる松江共和物産の子会社化については、12月26日付でパルタックが同社の全株式1万株(取得価額16億5000万円)を取得するもの。
松江共和物産は西日本共和のグループメンバー社で、山陰地域を中心に売上高約76億円の中堅卸。
第49回近畿日用品化粧品業界年詞交歓会に業界関係者333名が出席
第49回近畿日用品化粧品業界年詞交歓会(近畿石鹸洗剤工業協同組合、大阪府化粧品日用品卸組合、石鹸新報社共催)が1月5日、大阪市内で開かれ、メーカー・卸業者関連業者ら333名が参加した。今年は干支が「亥」ということもあって、前向きな姿勢で取り組む姿勢が前面に出る会合となり、会場内では、前進を誓う言葉に溢れる交歓会となった。
交歓会は参加団体を代表して、年詞交歓会会長・宮崎仁之氏(牛乳石鹸共進社社長)、近畿石鹸洗剤工業協同組合理事長・瀧山謙氏(日本合成洗剤社長)、大阪府化粧品日用品卸組合理事長・河野義和氏(アケボノ物産社長)、日本家庭用殺虫剤工業会会長・上山直英氏(大日本除虫菊社長)、日本繊維製品防虫剤工業会会長・鈴木喬氏(エステー化学社長)、日本衛生材料工業連合会会長代理・高原豪久氏(ユニ・チャーム社長)の6名が登壇。
参加団体の代表であいさつした鈴木氏は、今年の干支が「亥」であることを取り上げ、「我々の業界は前進あるのみである。我々が常に前向きに取り組んで日本の経済を変えよう」と参加者に力強く呼びかけた。
続いて来賓を代表してライオンの藤重貞慶社長があいさつし、今の国民の志向は「毎日の人生の質を充実させることに向いている」と指摘。「メーカーは健康生活に貢献できる商品づくりに邁進し、流通業者は安定して商品を消費者に供給するという自らの役割をきちんと果たし、大きな飛躍を遂げる一大転換の年にしよう」と述べた。
乾杯に移り、小林製薬の小林一雅会長が「我々の業界は、成熟産業ではなく、成長産業である。確固とした信念を持ち、付加価値を追い求め続ければ常に成長はできる」と述べ、乾杯を発声。このあと参加者は、あいさつを交わし今年1年に臨む誓いを新たにしていた。
最後に近畿の卸業界を代表して、大阪府卸組合理事長のアケボノ物産・河野社長が「2007年が素晴らしい年になるように」と述べ、一本締めを行い、盛会の中で交歓会を終えた。
JACDSが記者会見、改正薬事法への対応など業界インフラ整備を推進
日本チェーンドラッグストア協会(松本南海雄会長)は昨年12月7日、記者会見・記者懇談会を開き、昨年1年間の事業活動と今年の事業計画について報告。改正薬事法の対応や第7回JAPANドラッグストアショーの概要などを説明した。
改正薬事法への対応については、06年は改正薬事法の設立、公布(6月)、実効力のある運用を目指して、「薬業界運営基準及び資質向上検討委員会」を組織し、討議を重ねて9月に報告書の公表を行った。
07年の対応は、①一般用医薬品の情報提供体制システム化の推進②会員サポート③業界活動への協力など。また、「日本薬業研修センター」(仮称)の設立に協力。新資格者の創設と合わせ、医薬品販売の専門家の資質の向上が求められおり、この実現に向けて、薬業界統一の研修センターの設立に協力する。設立時期は、日本薬業協議会(仮称)と同時に行う。そのほか、日本薬業界協会(仮称)の設立を機に、新資格者の概要、リスク別医薬品の陳列・提供方法、わかりやすい案内表示などに関する意見交換、意見調整を行う。
このほかの事業計画は、基本政策として、「2010年10兆円マーケットの実現」「業界のインフラ整備(人材教育、制度の構築など)」「豊かな社会実現への共同建議・提案」とし、具体的には①新・一般医薬品販売制度への対応②人材育成③面・分業セルフメディケーションの推進④会員サポート事業⑤行事イベントを実施していく。
第7回JAPANドラッグストアショーは、“始めていますか?セルフメディケーション”~ドラッグストアできれいと元気をソリューション~をテーマに、3月2日から4日まで、幕張メッセで開催。開催規模は12月6日現在、313社982小間。来場見込みは約12万人。
ニッサン石鹸が第二次合理化計画を実行、大阪工場閉鎖し関東工場へ移転
ニッサン石鹸は、12月12日、同社東京本社(東京都墨田区)に、関係業界氏を招いて記者発表会を開き、この度、大阪工場(大阪市鶴見区)を関東工場(茨城県神栖市砂山)へ移転するほか、3月1日から新製品を発売すると発表した。
今回の大阪工場の移転の背景について齊藤社長は、工場周辺の環境が住宅地へと変わったことによる周辺住民への配慮によるものと説明している。現在約9000坪ある関東工場は、敷地の半分が余っており、その空いているスペースに、大阪工場の機能を移転する。
移転スケジュールは、年明けから建物の建築を開始し、建物が完成次第、設備機材、スタッフを移行し、約1年をかけて徐々に移転を行い、今秋頃には、稼動できる予定としている。また、大阪工場の敷地の約2500坪のうち300坪には、引き続き技術部関連、西日本営業部を残し、残りの敷地は、売却する予定だという。
移転による今後の生産状況について、齊藤社長は、「現在大阪工場では、化粧石鹸、固形石鹸、洗濯槽クリーナー、食器用洗剤、粉物関係製品、入浴剤が主な生産品目で、NBに加え、PB、OEMと幅広く手がけている。これらの生産は、合理化した上で関東工場に移転する。移転後の生産状況は、NBの製造は従来通り行う予定だが、PBは、一部品質規格の変更が生じる可能性があり、その際には、事前に各取引先に説明していく。また、OEMは、製造場所変更の為、生産終了をお伝えする可能性が高く、こちらも各取引先に対して丁寧な説明を行い、理解を求めていく」としている。
岡山四国共和相談役/元西日本共和社長・川部孝至氏が逝去、享年77歳
岡山四国共和取締役相談役(岡山四国共和・西日本共和元社長)の川部孝至氏が、12月19日午後8時、入院先の病院で喉頭ガンのため逝去した。享年77歳。お通夜は12月21日午後7時から、葬儀は翌22日午後1時から、いずれもエヴァホール岡山で執り行われた。
葬儀には同社の取引先代表者、故人の知己、公職関係者ら遠近から多数参列し盛儀であった。
白菊に囲まれた広い祭壇の中央に在りし日の故人の遺影が飾られ、焼香する参列者に今も何かを話しかけるような柔和な表情に、参列者一同あらためて心打たれていた。
代表焼香は夫人の幸子さん(喪主)がすまし、親族代表の謝辞で式次第を終了した。
川部氏(当時・岡山石鹸専務)は、昭和43年3月、同志である中野清氏(当時・中野彦三郎商店専務)、津田三夫氏(津田物産専務)らと共に、近代化に立ち遅れの兆し濃い石鹸洗剤日用品業界の流通機構に堂々と挑戦を試み、共同仕入れと広域流通の合理化によるメリットの追及を目指し、西日本共和物産(社長・中野彦三郎氏)をスタートさせた。この進歩的発想に当時の業界は上げて注目していた。
昭和47年4月、熱海で開いた初のメンバー社8支部450名の社員合同大会で、進行の総指揮をとった川部氏(総務部長として)の凛々しい姿を思い出す。
爾来40余年の星霜を経て、西日本共和グループの中枢に位置する。
岡山四国共和を設立した。この過程で着々と次の時代に対処する体制固めを行い、有能な人材を後継者に選び、これからという時に病魔に襲われた。
共和グループの推進力の中心にあった3人のうち残った中野、津田両氏が、故人に最期の別れをつげる姿が印象的であった。(N)
2007年1月10日号 記事一覧
M&A・設立
- マツモトキヨシ、新潟のマックスを子会社化、北信越のシェア拡大に寄与
- 大王製紙、4月1日付けで連結子会社の名古屋パルプを吸収合併へ
- オカモト、昭和電工の子会社から食品用脱水・調湿シート事業を譲受
- 大王製紙、北越製紙と技術提携で基本合意、共同で新技術開発進める
会合・発表会
- KHP販売、07年春の新商品商談会を大阪で開催、ナイーブの更なる拡大図る
- カネボウHPが春夏の経営・商品戦略を発表、顧客満足度高めるマーケを推進
- 流通システム開発センター、GLN企業コード登録促進キャンペーンを開始
- 貝印、07年度新製品商談会を開催、カミソリ、キッチン用品等を一堂に展示
- マンダム、ギャツビー春の新製品を発表、TVCMには木村拓哉を引き続き起用
- 石洗工12月度定例会見を開く、環境委員会の活動内容を報告
- ショッピングセンター協会が06年のSC業界動向を報告、新規出店は79店舗に
- 日石工組東日本支部が情報交換会を開催、事業継承対策を解説
経営・施策
- アルフレッサHDが子会社のファミリーケアの解散を決議、3月末メドに清算
製品・サービス
- 英国の人気キャラクター・ピーターラビットのライセンシーが115社超に
- ナガセBC、エイジングポイントメイクアップ・ティサナから春の新色を発表
- カネボウHP春の新製品、「いち髪」から洗い流さないトリートメントを発売
- 日本ロレアル、メイベリンから新ファンデーション「ANGELFIT」を発売
- 花王、エッセンシャルダメージケアから新トリートメントを新発売
- 花王、リセッシュから新アイテム「気分やすらぐ香り」を新発売
- シックジャパン、ケース入り4枚刃剃刀「クアトロ4ウーマンGO!」を新発売
- フマキラー、電池式業務用不快害虫駆除器「ウルトラベープPRO」を新発売
- 花王、フリーデイから1枚でケアできるおりもの&尿ケアライナーを新発売
- ニッサン石鹸、オーラルケア新ブランドなど春の新製品・改良品18品を発表
- フマキラー、「カダン ヤブ蚊バリア」など新発想の新製品発売
- サンスター、sunstarDoペーストを機能性訴求する新パッケージに改良
- 花王、ビオレuから「ウキウキ気分アップルマンゴーの香り」を新発売
- 資生堂、「マキアージュ」から口紅やファンデーション等の春の新製品発売
- 花王、デパート専用ブランド「エスト」からスキンケア品13品を新発売
- カネボウ化粧品、セルフメーク「ラヴーシュカ」からミニ口紅などの新製品
- J&J、RoCから皮膚科医基準のスキンケアラインを新発売
- マックスファクター、マスカラのラッシュアーティストから新色を限定発売
宣伝販促
- エステー化学の消臭力がThe Winner of Branding GPの定番ブランド12傑に
- P&Gとユニチャームが花粉対策共同キャンペーンを4ブランドでコラボ展開
- ライオン、ルックきれいのミストでアーキテクトカフェコラボ企画に参加
- フマキラー、どこでもベープのTVCMが06年のTOP1000ブランドに選定
- 牛乳石鹸、新幹線の新大阪駅ホームに「赤箱・青箱」のボード広告を展開
人事・組織
- 大王製紙、阿達敏洋氏の常務・三島工場生産担当就任を含む人事異動を発表
- ライオン、池谷健氏の特販事業本部特販営業部長兼営業推進室長就任を発表
研究・開発
- 資生堂、紫外線や青色の光を赤色の光に変換して発光する新複合色材を開発
- 資生堂、シミ防止効果に優れた美白有効成分「4MSK」を開発
調査・統計
- 東家同18年11月度市況調査、200円台が主流に
- 石洗工18年1~10月期販売統計、数量増、金額前年並みで推移
- チェーンストア18年11月統計、総販売額の前年割れ続く、健康食品が不調
- ショッピングセンター協会11月度販売統計、年間最多の14SCがオープン
- チェーンストア協会、06年チェーンンストア10大ニュースを選定
- コンビニ18年11月度統計調査、全店ベース売上高は微増も既存店は減少続く
イベント・展示会
- 日本香堂、ふるさとのお盆の思い出絵画コンクールの展示会を本社で開催
- Candle JUNE氏が東京でキャンドルのイベント・展示販売会を開く
時評・コラム
- 時評 疑心暗鬼の中で第三次再編か
年頭所感
- 中間流通機能の拡大図る 中央物産社長 児島誠一郎
- 新しい商品価値をお客様へ 日本安全剃刀製造工業協同組合理事長 佐野吉宏
その他
- マッチ時報第332号
- アクアシティお台場、第5期ラーメン国技館を2月10日からオープン
- J&J、フレキシビリティソーホーデイ制度の対象者を拡大、適用期間も延長
上記トピックスは要約版です。記事の詳細・全文は、日用品・化粧品業界の専門紙「H&BC マーケティングニュース」最新号(水曜日発行)でご覧になれます。お申し込みは刊行物案内をご参照ください。