2006年9月13日号掲載記事より
P&G社長定例会見で05/06年度の業績発表、国内事業はトップレベルの成長に
P&Gの日本における05/06会計年度通期(05年7月~06年6月)の業績は、4年連続で消費財業界の主要メーカーの中で最も早いトップレベルの伸長を達成した。9月1日に開かれた社長記者会見で報告した。また7月からスタートした卸業者との協働プログラム「ゴールデンストア・プログラム」が順調なスタートを切り、わずか2カ月で、売上げ・利益・キャッシュ面で具体的な成果を上げ、卸業者の営業力や売り場提案力の強化に貢献していることも明らかにした。
チャタベディ社長は、グループ全体の05/06会計年度通期業績について、純売上高は682億2000万㌦(前年比20%増)、純利益も25%増となったことを報告。この要因として、内側からの伸びが目標を上回り、7%の売上伸長率を達成すると同時に、ジレットが傘下に加わったことを挙げた。また日本でのビジネスは、4会計年連続でトップレベルの伸長を達成し、「最も早く成長を遂げている消費財メーカーとしての地位を確保できた」とし、売上げの80%を占めるブランドがシェアを伸ばした。
一方、宮下本部長は、業界価値の向上におけるスケールと市場戦略などについて報告。
営業サイドのビジョンとして「かけがえのない価値創造パートナー」を掲げ、「得意先とお客さまを知り、価値のある商品サービスを提供することで、得意先の売上げと利益に貢献したい」と述べた。グローバルスケールとしては、①買い物客を中心とした品ぞろえ②インストアマーケティングによる売り場改革③サプライチェーンマネジメントの充実--などで得意先のコストを下げると同時に、顧客への価値提供を行う。更に世界で22ある10億㌦ブランドの中で、日本未発売製品を導入する用意があることを明らかにした。
市場戦略では、7月に導入した卸業者との協働施策であるゴールデンストア・プログラムが順調なスタートを切ったことを報告。メーカーの管理店に並ぶ伸長率を見せるゴールデンストアも出始めている事例も紹介し、今後更に卸業者の機能を高める作業を進めることを強調した。
小林製薬、小林製薬グループ記者懇談会で主要3事業の成長戦略を発表
小林製薬は9月5日、「小林製薬グループ記者懇談会」を開いた。
小林社長は18年3月期連結決算及び同19年3月期連結第1四半期決算の概況について説明。第1四半期の売上高については、製造販売事業は、医薬品及びオーラルケアカテゴリーの伸長で前年同期比5.9%増、卸事業では既存事業では5%減となったが、ソーワがコバショウの連結に組み入れられたため同0.6%増で推移したことを発表した。
第1四半期の主なトピックスについては、製造販売事業が「クリエアー」「ナイシトール」など春の新製品が予算の60%(8月末時点の実績)と好調に推移していること、医療関連事業では日本人の骨格に対応したインプラント(小林メディカルカンパニー)、尿路感染予防及びヘルニア治療を目的とした新製品(メディコン)の展開などが報告された。
続いて、小林製薬グループの経営方針である「成長戦略の推進『売上成長』」を推進するため、①新製品開発(経営トップの開発初期段階からの関与)②攻めのM&A(製造販売事業=ヘルスケア関連の企業ブランド/卸事業=未展開エリアへの進出/医療関連事業=メーカー機能の強化)③海外展開(中国・英国・米国・独国での事業育成)--の3点に取り組むことを発表した。
主要3事業の成長戦略については、製品事業は、①新製品開発(新製品寄与率目標10%)②ヘルスケア分野への注力(医薬品・口腔衛生品・食品の3分野で売上高の50%超を目指す)③M&A(ヘルスケア領域のブランド・企業の買収)④中国市場への注力(カイロへの集中投資)の4つに取り組み、現在、メタボリックシンドロームへの関心の高まりによって「杜仲茶」「ナイシトール85」が好調に推移していること、また、今秋の取り組みとして7月に全株式を取得したアロエ製薬の製品を発売すること、新たなビジネスとして高機能スキンケアの通信販売「ReaLLabo」をスタートさせることなども報告された。
ユニチャーム、ムーニーシリーズから超瞬間吸収タイプの紙おむつを発表
ユニ・チャームは9月6日、新製品プレス説明会を開き、10月20日から新発売するベビー用紙おむつ新製品「ムーニーさららマジック」(M/Lサイズ)、「ムーニーマンさららマジック」(L/ビッグサイズ)を紹介した。
同社は、独自の吸収体技術を生かして、尿を素早く吸収できる「青色さららシート」と、穴の開いた表面シートを組み合わせた「パッと吸収 青色さららシート構造」を新開発し、従来品との比較で、吸収速度141%アップ、表面はけ速度(おむつ表面から尿がなくなるスピード)124%アップ、逆戻り量の13%減など、尿のおむつ表面での滞在時間短縮化に成功。この“魔法のように消える”スピードと、肌をさらさらに保てるという状態を表すために「さららマジック」というネーミングを開発。ムーニーとムーニーマンともに採用することでブランド・パッケージの統合化を図る。
また、「ムーニーマンさららマジック」は、おむつ表面をウェーブ加工することで柔らかさをアップ。「ムーニーさららマジック」は①のび~るフィット②超通気性シート③ぬれたら色が変わる「おしらせサイン」――など現在好評の機能をそのまま継続する。
なお、両品ともにオープン価格に設定されているが、同社では従来品よりも新機能分のプレミアムを付加した価格の実現を目指しており、現在は「この夏には、世界初・汗吸いとる抗菌シートを搭載した“汗による肌の不快感”を解消する『ムーニーマン汗スッキリ』を徳島大学と産学協同研究の末に限定発売したが、ピース単価で定番品よりも133%高いプレミアムがありながら、発売後1カ月半で金額シェア5.1%、週次SKUランキングで4位に入る健闘を見せた」(米本事業部長)事例を挙げながら商談を進めているとのこと。
あらた、関東の基幹物流を担う「つくば物流センター」の見学会を開く
あらたは8月31日、つくば物流センター(茨城県土浦市)見学会を開催した。
つくば物流センターは、平成11年4月に稼動。365日(年中無休)、1日の平均稼動時間は20時間から22時間、従業員は11のシフト勤務を実施し、完全にセンターが止まっている時間は1日わずか2~4時間。従業員は、正社員が33人(9%)、委託社員2人(1%)、契約社員6人(2%)、パート社員234人(66%)、派遣社員80人(22%)、合計355人(平成18年8月1日現在)。今期は「あらたグループの物流業務のスタンダードになろう」をセンターの目標に活動を行っている。
つくば物流センターの商品の流れは、物流センターから支店・デポへの配送する「移送便」、直接得意先の物流センターへの配送する「センター便」、支店・デポから得意先センターへ配送する「エリア便」の3つの物流を行っている。「移送便」は全体の出荷量の20%、「センター便」は60%、52センター(内26センターが当日納品)へ納品、「エリア便」は20%、約400店舗への配送を行っている。
在庫アイテム数は1万7865(18年7月31日現在)、在庫金額は平均10億円、在庫日数は平均15日、仕入先は421社、出荷精度(平成19年度7月までの実績)は、納品精度が伝票21万8863行分の1(99.9995%)を実現。欠品率は0.08%となっている。
つくば物流センターの規模は、敷地面積2万1590平方㍍(6530坪)、建築面積9471平方㍍(2865坪)、建築延床面積1万4585平方㍍。
2006年9月13日号 記事一覧
M&A・設立
- CFSコーポ、障害者雇用創出を目的とする特例子会社「CFSサンズ」を設立
会合・発表会
- ポーラ化粧品が創業77周年記念新製品発表会を開く、7万円の美容液を発売
- pdcが秋の新製品6ブランド46品を発表、大串社長「高価格帯の開発目指す」
- ラッシュジャパンが新製品発表会を開催、クリスマス限定アイテムを発表
- アヴェダ、大阪・心斎橋にヘアサロン、スパ、カフェの複合店舗をオープン
経営・施策
- 全卸連森友会長に聞く 中小卸の積極的な地域活性化セミナーの参加を期待
製品・サービス
- 花王、ロングタイプの生理用ナプキン「ロリエエフ特に多い夜用」を新発売
- ニトムズ、冬の暖房費を節約する「省エネ断熱シリーズ」から新製品を発売
- 大王製紙、ロハス志向に対応した自然素材トイレットティシューを新発売
- 日清紡、シート状ゼオライト採用マスク「日清紡ゼオライトマスク」を発売
- 日本香堂、香りのサプリメントをテーマにしたお香「アロマサプリ」を発売
- ニベア花王、CoQ10配合の高保湿タイプのリップトリートメントを新発売
- 資生堂、CVS専用ブランドの化粧惑星からバランスチャージ乳液水等を発売
- 白十字、就寝中の保湿を提案する「る~ずフィットマスク」を新発売
- 小林製薬、小林製薬の栄養補助食品から「ブドウ種子」を通信販売で発売
- 花王、アジエンス美髪シリーズからメイクホイップ、メイクヴェールを発売
- GNLD、食習慣改善プログラムに基づくダイエットサプリメントセットを発売
- 三菱電機、業界初3口据置型のIHクッキングヒーターを新発売
- ライオン、携帯用ハミガキセット「エルパックトラベルセット」を改良
- ニトムズ、コロコロシリーズから経済性に優れた「エコノミー」を新発売
- 白元、「ホッカイロ」のネーミングを採用した発泡入浴剤を2品を新発売
- ニベア花王、ニベアヴィタルから就寝中にパックする高保湿クリームを発売
- ディシラ、創業15周年を記念した数量限定フレグランスを11月に発売
- J&J、RoCから高機能美容液等をセットにしたクリスマスコフレを限定発売
- 資生堂、ベネフィークセオティからアイブロー等を含む秋の新色を発表
- ナガセビューティケァ、ナガセメイクアップ「ティサナ」の秋の新色を発売
宣伝販促
- シック、ビジュアルノベルが視聴できるクアトロ4チタニウムのWebを公開
- 王子ネピア、乳がん早期発見を啓発する「ピンクリボンキャンペ」に協賛
- ライオン商事、ニオイをとる砂シリーズ発売15周年キャンペーンを実施中
人事・組織
- 花王、石毛孝幸氏の経営監査室長就任を含む新人事を発表
- 花王化粧品販売、西川正比古氏の取締役執行役員経営監査室長就任等を発表
- 資生堂、10月1日付けで組織の一部改正及び人事異動を発表
決算
- ミドリ薬品19年2月期連結第1四半期決算、売上高は前年同期比2.1%減に
イベント・展示会
- 全家協主催の製配共同見本市「リビングワンダーランド」に100社が出展
- 農林水産省、「アグリビジネス創出フェア2006」の開催概要を発表
- ポーラ化粧品、新鋭作家の作品展「POLA新鋭展2006」のレセプションを開催
- 東京屋外広告美術協組、「第48回サイン&ディスプレイショウ」を開催
- 大王製紙主催の「第25回エリエールレディスオープン」が11月17日から開催
- 産業デザイン振興会、グッドデザイン賞ノミネート製品展を東京で開催
施設・店舗
- 長谷川香料、9月19日付けで大阪支店を大阪市中央区伏見町へ移転
- プロロジス、千葉県習志野市に「プロロジスパーク習志野Ⅲ」を建設へ
時評・コラム
- 時評 ヘアケア戦略の新たな変革
- 泡沫 平成の大合併にみる新市町村名
連載・講演
- 企業探訪 GSX 内部総制構築支援サービスを強化
その他
- NPO法人SMACが「第4回日本セルフメディケーション学会」を10月に開催
- ロジスティクスシステム協会、ロジスティクス強化月間2006の概要を発表
- ポーラ化粧品、ポーラミュージアムアネックスの9月の催事を発表
- 原総合知的通信システム基金がITセミナーを9月21日に東京で開催
- ポーラ美術館、企画展「ドガ、ダリ、シャガールのバレエ展」を開催
- 工研だより第636号
特集 【オーラルケア】
- オーラルケア市場、生活者のケア意識高まる、液体歯磨、洗口液が大幅増
- ライオン、デンターシステマEXに注力、新製品の連続投入で活性化図る
- ファイザー、リステリンマウスウォッシュシリーズが市場活性化に貢献
- サンスター、ガムアドバンスデンタルブラシを展開、オーラツーから新製品
- 小林製薬、ブレスケアをリニューアル、携帯性向上させた容器デザインに
- J&J、ダブル極細毛採用の歯ブラシ「リーチ歯周病対策レギュラー」を発売
- 花王、唾液の洗浄作用に着目した「薬用ピュオーラシリーズ」を新発売
- 全日本ブラシ工業協同組合、「品質推奨マーク制度」を採用し自主規格策定
- ニッサン石鹸、マウスウォッシュを拡販、他社とのコラボキャンペも実施
- 広栄社、高齢者向けオーラルケア品「介助ブラシ」「粘膜ブラシ」等を展開
- エビス、ヘラで舌苔を取り除く舌クリーナー「くりたん」を新発売
- 川西商事、水だけでも歯垢が落ちるナチュラルセラミックスシリーズが好調
- ジャックス、デンタルプロWハブラシプラスしろピカが好スタート
- ジレット、オーラルBデンタプライド等の高機能電動歯ブラシを展開
特別企画
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