2006年5月3日号掲載記事より
白元が平成18年度ホールセールズ会を開催、「新生白元」への期待高まる
白元は4月20日、東京・高輪のホテルパシフィック東京・萬葉の間に約160名の会員を招いて「平成18年度白元ホールセールズ会」を開いた。4月に新社長が誕生するとともに、グループ会社の大三、キング化学の営業を統合した直後の開催ということもあり、“新生白元”に対する期待に包まれた会となった。
鎌田收会長は「新経営陣には当社の良さを継承しながら、皆様とともに、良いもの・悪いものを含めて仕事のやり方を変えてもらいたい」と説明。これを受けて鎌田真社長は「前社長の路線を踏襲しつつ、80余年に亘る歴史と新しい時代の要請を組み合わせながら事業運営に取り組む」と表明した。
商品政策では防虫剤、カイロ、殺虫剤、マスク、入浴剤の5つを注力カテゴリーに位置付け、それぞれキメ細かな販促を仕掛けることを具体的に紹介。今期の売上目標は307億7000万円で、「当社が参入しているカテゴリーは、いずれも規模は小さいものの、今後、店頭で重要な役割を担うと見込んでいる。オーバーストア状況の下、価格競争、同質化競争が行われている中で『豊かに、快適に』というニーズを捉えた商品開発と提案、アプローチを通して発展していく」(鎌田利治常務営業本部長)と述べた。
なお、今般の大三、キング化学との営業統合に伴い同社では、「大三、キング化学は流通に対して合計で80億円前後の影響があることから、混乱を来たさないこと」(同前)を目的に、旧3社の全てと取引があった代理店は“総合代理店”、いずれかと取引があった代理店を“カテゴリー代理店”として取引を継続する。
花王18年3月期連結決算、攻め展開で増収も連続経常増益は24期で止まる
花王は4月24日、平成18年3月期決算を発表した。それによると、売上高は、前期より343億円増加し9712億円(前期比3.7%増)となり、海外売上高の円安による換算為替差(65億円増)の影響を除いた実質的な伸長率は3.0%だった。
国内事業の売上は0.7%の伸びとなり、家庭用製品では、緩やかながらも販売価格の低下が続いたが、高付加価値新製品の発売及び積極的なマーケティング活動による育成で、売上を拡大。工業用製品では、注力製品の伸長により堅調に推移。一方、海外事業の売上は、13.6%の伸びとなった。
この結果、営業利益は12億円減少し、1201億円(前年比1.0%減)となったが、カネボウ化粧品から取得した商標権などの減価償却費の影響を除いた利益では増加した。また、経常利益は1219億円(同33億円減)、当期純利益は711億円(同10億円減)となった。
家庭用製品事業は、家庭用製品の売上高は、前期に対して2.0%増の7040億円となった。国内事業は前期に対して0.4%の増加となり、海外事業は米州を中心に増加。営業利益は、前期に対して1億円増加の926億円。国内の家庭品事業は、パーソナルケア製品は前期比4%増、ハウスホールド製品は1.4%増、サニタリーほか製品は6.9%減となった。
化粧品事業は、売上高は852億円(前年比8.9%増)、営業利益は、前期に対して25億円減少の51億円。
工業用製品事業は、売上高は2088億円(前期比6.0%増、為替変動の影響を除く実質伸長率4.7%増)。一方、営業利益は、前期を13億円上回る220億円となった。
次期の見通しについては、売上高は当期より2387億円増加の1兆2100億円(24.6%増)を予定。営業利益は、カネボウ化粧品が加わるものの、販売価格下落の継続、原材料価格の高止まり、またカネボウ化粧品の株式取得による連結調整勘定償却費の負担が発生することなどにより、1200億円(0.1%減)、経常利益は1180億円(3.2%減)を予定。
大手GMS各社の06年2月連結決算が出揃う、総合小売業の復調目立つ
大手GMS各社の18年通期連結決算が出揃った。各社の業績をみると、イオン、セブン&アイHD、ユニーはCVSなどの好調事業の伸長とともに、不振が続いた総合小売事業が復調したことなどで増収増益を達成。一方、再建に取り組むダイエー、ウォルマートの子会社となった西友はそれぞれ減収に終わっている。また、イズミ、平和堂、イズミヤなど各地域を地盤とするGMSの好調も目立った。各社の業績は次の通り。(カッコ内前年比)
【イオン】
総合スーパー事業は、グループ各社での共同販促を開始したほか、既存店在庫を10%以上削減するなど利益率を大幅に改善したことで増収増益に転じた。スーパーマーケット事業も、グループの規模を生かした共同調達や地域に根ざしたMDの効果で増収増益。連結売上高4兆4303億円(5.6%増)、営業利益1661億円(13.2%増)、経常利益1760億円(12.7%増)と6期連続で過去最高の業績を達成。
【セブン&アイ・ホールディングス】
スーパーストア事業は、都市型モール「アリオ」を核テナントに据えて、収益性を重視した店舗網の再構築を実施して増収増益を達成。CVS事業も好調に推移し、連結売上高3兆8958億円(前期イトーヨーカ堂連結比7.5%増)、営業利益2449億円(15.6%増)、経常利益2481億円(19.1%増)、当期純利益879億円(411.1%増)と増収増益を達成。
【ダイエー】
再生計画「事業計画」の初年度として「負の遺産処理」および「企業価値の拡大」に注力。連結売上高は小売事業の不振などで1兆6751億円(8.7%減)と減収だったものの、金融事業などが好調に推移し、営業利益445億円(5.0%増)、経常利益243億円(232.4%増)と増益を達成した。
【ユニー】
総合小売業では、既存店が同業他社との競争激化で伸び悩んだものの増収を確保。連結売上高1兆2026億円(1.0%増)、営業利益436億円(4.3%増)、経常利益416億円(4.6%増)、当期純利益161億円(48.0%増)と過去最高収益を記録した。
【西友】
昨年末にウォルマートの子会社となり、ウォルマートのスマートシステムおよびリテールリンク導入の推進、24時間営業店舗の拡大などを行ったが、価格競争による既存店の伸び悩みや販管費の増加などにより、連結売上高9971億円(3.3%減)、営業利益12億円(87.1%減)、経常損失62億円、当期純損失178億円と減収減益に終わった。
【イズミ】
小売事業では、既存店で商品・売場・価格帯などの改善を行い、カード事業などが堅調に推移し、連結売上高4368億円(2.4%増)、営業利益227億円(14.8%増)、経常利益227億円(16.5%増)、当期純利益116億円(20.6%増)と増収増益となった。
【平和堂】
小売事業では、地域特性やライフスタイルの変化に対応した売場の改革と粗利益率の改善を推進し、連結売上高3946億円(5.0%増)、経常利益128億円(7.1%増)と増収増益。
【イズミヤ】
物販子会社を含む総合小売業は、SCを中心とする他店舗展開、PBブランドの強化、在庫削減、販促活動の見直しなどで増収増益を記録。イズミヤカードのキャッシング事業なども順調に推移し、連結売上高3671億円(0.6%増)、営業利益72億円(37.7%増)、経常利益64億円(48.4%増)、当期純利益14億円(22.6%減)と微増収増益を達成した。
ライオン、ラクトフェリンの歯周病菌解毒作用、歯肉炎抑制効果を確認
ライオン研究開発本部(オーラルケア研究所、生物科学研究所)はこのほど、東京医科歯科大学・石川烈名誉教授ならびにジェネティックラボとの共同研究で、遺伝子解析手法を用いて歯周病による歯肉ダメージのメカニズム解析に世界で初めて成功した。また、牛乳や母乳などに含まれる多機能性タンパク質「ラクトフェリン」が、歯周病菌の出す“毒素”を解毒して炎症の進行を抑制することを解明した。
同社では①歯周病原因菌の生み出す毒素「LPS」が、歯周病の進行に関与していること②多機能性タンパク質「ラクトフェリン」が、LPSを解毒する機能を有すること――を見出すとともに、歯肉炎モデルを用いたin vivo(生体内)実験でラクトフェリンの歯肉炎抑制効果を確認した。
遺伝子解析から得た知見をもとに、歯周病菌の出す“毒素”の解毒機能を見出したのは世界初の成果であり、今後同社では、これらの技術を応用した新しいオーラルケア製品の開発を目指し、研究を進めるとしている。なお、この研究成果は「第49回春季日本歯周病学会学術大会」(4月28・29日市川市文化会館)で発表した。
全卸連と首都圏卸8組合が「第1回地域卸活性化セミナー」を5月23日に開催
全国化粧品日用品卸連合会(清水俊吉会長/麻友、森友徳兵衛総務委員長/森友通商)と首都圏化粧品日用品卸組合は、5月23日、東京・新宿の京王プラザホテル47階あおぞらの間で「第1回地域卸活性化セミナー」を共催することになった。
全卸連ではかねてから地域卸の活性化策が課題として存在していたが、去る3月29日、東京都化粧品洗剤卸商業組合(森友理事長)の3支部会で、ライオン・久保常務を講師にした地域卸活性化セミナー「ライオンからみた地域卸活性化、流通戦略、相互取り組み強化策」を会員多数の参加で開催、好評を博した。そこで今回は、全卸連と首都圏化粧品日用品卸組合(東京、神奈川、千葉、埼玉、群馬、栃木、茨城、山梨)の共催でセミナーを開催する。「メーカーからみた地域卸活性化策」をメーンテーマに、ユニ・チャーム常務執行役員営業本部長の森信次氏、ライオン常務・家庭品営業部門担当役員の久保直一氏、サンスターリテール営業部統括営業本部長の浜田和生氏の3氏が講演、その内容をもとに首都圏8組合の参加者全員が議論し、知恵を出し合える“地域卸活性化セミナー”を目指すとしている。
森友総務委員長・次期会長は「地域卸の活性化は、清水会長の方針であり、私が会長になってもそれを踏襲するつもりだ。これまでの活性化策の検討から、ここにきて活性化のための活動の実践段階に入ってきた。今回のセミナーには単位組合のメンバーの積極的な参加を期待している。また、今後は関西や東北など全国でのセミナーの開催につなげていきたい」と語っている。
2006年5月3日号 記事一覧
会合・発表会
- 山梨卸組が第14回通常総会を開催、丸山理事長「協調と信頼が大切」
- 中野粧業社が「第19回粧栄会」を開催、中野社長「50周年迎え更に飛躍」
- ロジスティクスパートナー、WMS(倉庫管理システム)活用事例セミナー開く
- ユニクロが06年企業コラボTシャツ発表会を開催、日用品メーカーも参加
- 業界団体及び有識者が「薬業界運営基準及び資質向上検討委員会」を発足
経営・施策
- 洗剤の価格改訂に追随の動き、勇気ある決断に各方面から理解の声
- クロバーコーポがISO9001を取得、思い切ったリストラで生き残り図る
- 日石工組・瀧山理事長に聞く 「製品の値上げは同じ業界人として理解」
製品・サービス
- 花王、柔軟成分配合の液体洗剤「液体ふんわりニュービーズ」を新発売
- 日本香堂、専門店向けの「太陽」「永寿」から計5アイテムの新製品を発売
- 三洋電機、FOMA用の充電アダプタ「リチウムイオン携帯アダプタ」を発売
- カネボウHP、20年連続シェアNo.1の「エピラット」を最需要期に向け拡販
- 第一石鹸、香りのファンスから新柔軟剤「ファンスエッセンス」を新発売
- 資生堂、「マキアージュ」から夏用メーキャップアイテムを発売
- マードゥレクス、「シーブラン」のシリーズ化3周年記念キャンペを実施
- クレシア、母の日、父の日に合わせ特別パッケージ品を限定発売
- 資生堂の「TSUBAKI」が好スタート、宣伝展開成功しメーカーシェアも上昇
宣伝販促
- 小林製薬、ご当地食材等が合計8000名に当たる夏の小林製薬フェアを実施
- ライオン、グロンサン強力内服液の新TVCMにタレントのウッチャンを起用
- SSLヘルスケア、デュレックスパーフェクトフィットの販促キャンペを実施
- フマキラーAダブルジェットのTVCMにレイザーラモンがコンビで登場
人事・組織
- クレハ、岡本恒夫氏の常務(技術本部長)就任を含む新役員人事を発表
- 花王、吉川一郎氏のロジスティクス部門業務推進グループ部長就任を発表
- 花王、6月29日付けの新役員人事を発表
調査・統計
- 石洗工18年1~2月期販売統計、市場のデフレ傾向も液体洗剤は好調を維持
- コンビニ18年3月度統計調査、既存店店舗売上高は20カ月連続減に
- チェーンストア18年3月統計、農産品の不調等で調整後総販売額は前年割れ
イベント・展示会
- 日本油化学会、恒例の「フレッシュマンセミナー」を東京と大阪で開催
- 鬼頭天薫堂、「桜は幸福の花-宇野千代展」を店舗ギャラリーで開催
- 日本香堂、西日本地区の専門店向け商談会「香フェア」を大阪で開催
施設・店舗
- ユニチャーム、10月末メドに品川本社事務所を東京都港区三田へ移転へ
訃報・葬儀
- 石鹸新報社初代社長・相馬敏正氏が逝去、享年88歳
- 前学習院長・故田島義博氏の学習院葬の日程決まる
時評・コラム
- 時評 企業を蝕む株価優先経営
- 泡沫 砂漠化の拡大と黄砂現象
連載・講演
- 特別企画 異業種に広がり見せるプラネットVAN、大衆薬業界のEDI推進
- 進路一考(64) 稲垣重久
その他
- フマキラーの製品が、2つの国際広告コンクールで入賞
- 日本油化学会、油脂と界面活性剤に関する2冊の技術専門書を発刊
- 日本香堂主催のゴルフ会「近畿青雲毎日会」で、シスコ・畑中社長が優勝
- ポーラ化粧品、ルノワールの絵画と現代メーク技術の共通点見出す
特集 【カミソリ】
- ウェットシェービング市場が拡大傾向、大型新製品が市場に浸透
- シックジャパン、女性用初の4枚刃を発売、クアトロ4シリーズが市場を拡大
- ビック廣済堂、ディスポレザーを拡販、店頭キャンペを積極展開
- 貝印、「替刃革命」の更なる訴求目指す、ガンダムキャンペも引き続き展開
- ジレットジャパン、女性用電動カミソリ「ヴィーナスヴィブランス」を発売
- フェザー安全剃刀、MR3、マーメイド、ピアニィの3ブランドの浸透図る
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