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2006年4月12日号掲載記事より

KHP事業本部が事業ビジョン・基本方針を発表、単独で生存可能な事業へ

 カネボウホームプロダクツ事業本部(岩倉昌弘本部長)は、2年後(平成20年1月)には、コーポレートブランドである“カネボウ”の使用期間が終了することから、KHPとして強いブランド・商品を確立し、カネボウから自立した確固たる事業運営を実現するため、基本方針として①ホームプロダクツ単独で生存可能な事業となる②化粧品イメージの高付加価値トイレタリーメーカーとなる③KHPの強みを活かした「ものづくり=商品」を事業の中心に据える④すべてを「ボリューム」から「バリュー」へ転換する――の4つを掲げた。
 また、KHP事業の存在意義を明確にするため、本年度より新たにKHPのキャッチフレーズを“KHPは、キレイ(K)とハッピー(H)をプロデュース(P)する会社”とし、「化粧品のDNAを持った付加価値の高いトイレタリー商品をお客に提供する会社であり、それを追及する会社」と理念付けた。
 同社では、“常にお客様に貢献し、社会に貢献し、日本の発展、に貢献する会社”を目指し、今後、KHPの進む道(夢)として、「お客様の喜ぶ商品が利益を生み、その利益により社員が幸せになる。さらに高収益体制になることで、業界の発展、社会への貢献のため利益を還元する。そして、このサイクルが社会からの信用を大きくし、企業の価値が高まり、その高まった価値がさらにお客様の信頼を勝ち取り次なる購買につながる。この結果、HBCで日本を代表する企業となることが実現し、社員がプライドを持って業務に打ち込める」と述べている。

ユニチャーム、紅色汗疹に「表皮ブドウ球菌」の関与を実証

 ユニ・チャームは4月4日、同社生活科学研究所が、徳島大学医学部皮膚科学教室、三菱化学ビーシーエルとの産学共同研究により、夏場の乳幼児に発症しやすい皮膚疾患の1つ「紅色汗疹」(あせも)に“表皮ブドウ球菌”が関与していることを実証したと発表した。
 今まで汗疹は“表皮内汗管が閉塞すると汗疹が生じる”ことは定説となっていたが、その閉塞物質が細菌が分泌するものなのか、汗腺内の細胞が分泌するものなのか、あるいは細菌毒素の影響で汗管内で生成されるものなのか不明だった。
 今回の研究では、被験者の同意を得た上でラップフィルムを使用して人工的に汗疹を誘発させ、微生物検査と組織検査を実施。微生物検査では、乳幼児の非汗疹部分の細菌数が10の2乗CFU/swabだったのに対し、汗疹部分は10の4乗から5乗CFU/swabと顕著に増加したこと、発症部の細菌数は、試験開始3時間から24時間後にかけて急増することが判明。さらに、非汗疹部では、表皮ブドウ球菌39%、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌11%、グラム陽性菌22%など計5種類の細菌が確認されたが、汗疹部分では表皮ブドウ球菌が73%、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌27%だけが検出され、表皮ブドウ球菌が著しく増加することが判った。一方、被験者の汗疹部位(皮膚)を光学顕微鏡(徳島大学)、電子顕微鏡(新潟大学医学部細菌学教室・山本達男教授協力)を用いて行った組織検査では、汗管内での球菌の増殖は確認できず、むしろ角質層で多数認められた。またPAS陽性物質は炎症の有無に関係なく、表皮内汗管内に見出された。
 また、ラップフィルムの中に化粧品にも用いられている天然素材の「抗菌剤」を配置した試験も行われ、その結果は「被験者数は7名と少ないが、『抗菌剤』が表皮ブドウ球菌の増殖を抑制、5名の汗疹発症を抑えた」と発表された。

資生堂、大型ブランド「TSUBAKI」を投入、宣伝合戦過熱するヘアケア市場

資生堂、大型ブランド「TSUBAKI」を投入、宣伝合戦過熱するヘアケア市場

 昨年度のヘアケア市場は、ユニリーバ「ラックススーパーリッチ」、花王「アジエンス」「メリット」、P&G「パンテーン」の4大ブランドが牽引したといえるが、今春は、資生堂が大型新ブランド「TSUBAKI」で参戦。各社による大型イベント開催や話題を呼ぶ宣伝合戦により、市場が一段と活気付いている。
 「TSUBAKI」は、“日本の女性は、美しい”をキャッチコピーに、ブランド名を同社の商標でもある“花椿”から取るなど、今までにないほど注力している新ブランドで、広告宣伝予算は50億円とも言われている。同社の取り組みを見ると、昨年末には流通に紹介、2月の「第6回JAPANドラッグストアショー」では来場者にサンプルを配布。3月にはブランド概要と、広告媒体に田中麗奈、上原多香子、広末涼子、仲間由紀恵、竹内結子、観月ありさという人気若手女優6名の起用、CMソングにSMAPの新曲を使用することを発表した。さらに、3月30日からは全国9大都市でサンプリングイベントを実施。東京では話題の新スポット・表参道ヒルズを“独占”した発売デビューイベントを開催し、ワイドショーやスポーツ紙などの話題を独占した。
 一方、“4大ブランド”を構成するメーカーも各ブランドへの取り組みを強化しており、ユニリーバは、「ラックススーパーリッチ」を“日本発売以来初めて”(同社担当談)となる規模で改良。ブランド名を「ラックススーパーリッチシャイン」に改めるとともに、ブランドロゴを変更。中身についても〃つや効果〃を強化した。
 花王は、今秋のパリを皮切りに上海、香港の中華圏、日本8都市で開催する、フランスを代表する世界的振付家ローラン・プティによるバレエ公演「ソワレ」に特別協賛する。
 P&Gも、「パンテーン」のテレビCMに女優の中山美穂を起用。中山は、結婚を機に生活拠点を仏・パリに移しており、活動再開後にヘアケアのCMに出演するのは今回が初となることから、大きな話題を呼んでいる。

ライオン、持続可能なパーム油のための円卓会議「RSPO」に参画

 ライオンは、パーム油に関連する様々なステークホルダーが参加する「持続可能なパーム油のための円卓会議」(RSPO)に参画したことを発表した。
 パーム油の世界的な重要性が増す一方で、農園開発による熱帯雨林の伐採や野生動物の生息地の縮小化、厳しい労働条件などの環境面・社会面での問題も顕在化している。こうした背景から、持続性をもったプランテーション開発や運営に対する、環境面・社会面での取り組みの必要性が、世界規模の自然保護NGOであるWWF(世界自然保護基金)とパーム油関連企業により提案された。その後、パーム油に関連する様々なステークホルダー(パーム油生産者、加工業者、消費財生産者、小売業者、銀行・投資者、環境・社会NGOなど)が参加する革新的な試みとして、中立的な国際非営利団体RSPOが設立され、持続可能なパーム油のための取り組みを行っている。
 ライオンは、生産国の環境や社会との調和が、今後のパーム油の持続性ある供給体制に重要であるとの考えから、06年3月、RSPOへ正式加入した。今後、世界125団体(06年4月3日現在)のRSPOメンバーとともに、パーム油生産にまつわる環境面、社会面などの取り組みに積極的に参画していく。
 同社は今後も、再生産可能な循環型資源の活用を推進し、人々の健康で快適な生活に貢献する製品開発に努めると同時に、パーム油生産国の環境や社会への影響に配慮し、持続可能なパーム油の生産と使用を実現していく。
 RSPOは、持続性をもったパーム油産業の開発や運営を行うことを目的とした、中立的な国際非営利団体。


2006年4月12日号 記事一覧

会合・発表会

  • 近石工が技術部会を開催、乳化剤、新原料等の紹介をテーマに講演会を開催

経営・施策

  • J-NET 記者会見質疑応答 小売の変化に対応したネットワークを構築
  • マンダム、3月20日付けで「プライバシーマーク」付与の認証を取得

製品・サービス

  • ライオン、「植物物語ハーブブレンド化粧石鹸」を発売
  • ビック廣済堂、女性用3枚刃ディスポ「ベルトワ」の企画品を発売
  • マンダム、Wコラーゲン配合ジェル「パワーアシスト24ライト」を新発売
  • 貝印、「左右対称アイブローテンプレート」等の化粧雑貨の新製品を発売
  • シュワルツコフヘンケル、パオン発売50周年記念し新発想の白髪染めを発売
  • 三洋電機、エネループシリーズの売れ行きが好調、新充電器3品を新発売

宣伝販促

  • ジョンソン、カビキラーの新TVCMを放映、除菌に関する情報をWebで配信
  • 大日本除虫菊、「第20回KINCHO V.I.P.陳列コンテスト」の実施概要を発表
  • P&G、「ミューズ子供の夢おえかきボトルキャンペ」の夢ランキングを発表
  • 王子ネピア、新製品のネピアデラックスティシュのTVCMに浅田真央を起用
  • SSLヘルスケア、世界No.1コンドーム「デュレックス」のTVCMを放映

人事・組織

  • ディシラ、4月1日付けで林高広氏の新社長就任を発表
  • 岡山四国共和、川部誠氏の代表取締役常務就任を含む新役員人事を発表
  • コバショウ、竹澤章好氏の専務就任を含む新役員人事を発表
  • リブドゥコーポ、4月1日付けで事業部制、執行役員制を導入へ
  • KHP事業本部、SBU型組織への改編を含む、組織変更・人事異動を発表
  • SPAR FM JAPAN、SP支援事業・店頭開発支援事業を推進するSP事業部を設置

研究・開発

  • マンダム、芍薬エキスの持つ紫外線による皮膚障害抑制効果を解明

調査・統計

  • P&Gが洗濯に関する意識調査の結果を発表、嫌な臭いが白さの印象に影響
  • ナガセBC、心と身体のデトックス調査を実施、女性の8割「心の解毒必要」
  • チェーンストア18年2月統計、健康食品が不調も化粧品は好調に推移

イベント・展示会

  • 貝印、「第12回辰巳琢郎が選ぶお菓子コンクール」の最終選考会を開催
  • 日本香堂が謝恩観劇会を大阪で開催、森光子主演の「おもろい女」に招待
  • 国内最大の美容業界の見本市「ビューティワールドジャパン」が5月に開催

施設・店舗

  • プロロジス、中国・上海で運営する物流施設団地の拡張造成を発表
  • マツモトキヨシ、兵庫県第6号店目となる「神戸元町店」をオープン

時評・コラム

  • 時評 望まれる高齢者雇用の安定
  • 泡沫 仏教と線香の渡来
  • らいたあ 苦悩する小売店 「万引対策」が課題に

その他

  • PRページ ライオン 「バルサン」ブランドを家庭品ルートにも拡大
  • PRページ 小林製薬 生活臭に対応した新消臭剤「クリエアー」を新発売
  • プラネット・玉生社長が事業創造大学院大学の客員教授に就任
  • メーカー6社の入社式トップ訓示 新たな人生の第1歩に捧げる言葉
  • 貝印が2006年度グループ入社式を開催、遠藤社長「感謝の気持ち忘れずに」
  • ポーラ化粧品、本の装丁展「本の仕立て屋さん」のレセプションを開く
  • メディセオパルタックHD、平成18年度のグループ新入社員数を発表
  • 東京医療品新報社、3月30日付けで「東京医療品新報」を廃刊
  • ポーラ化粧品、「田所恵美子・針穴写真展」のギャラリートークを開催

特集 【殺虫剤】

    特別企画

    • 殺虫剤関連市場、ハエ・カ用、不快害虫用が伸長、市場規模は709億円に
    • 大日本除虫菊、水性キンチョールジェットを発売、カトリスの新製品も発表
    • カモ井加工紙、「虫とりラケット・とったどぉ~」をリニューアル
    • ウェルコ、かんたんコバエとりガエルが好調、ゴキとりカバさんも配荷順調
    • 立石春洋堂、シールタイプ虫よけ「虫よけサマーシールタイプ」を新発売
    • ライオン、トータル駆除テーマにバルサンを拡大、ダニ対策製品の展開強化
    • アース製薬、新規有効成分配合の殺鼠剤「デスモアプロ」等を新発売
    • 桐灰化学、天然虫よけオイル配合の「ムシガード虫よけリング」を新発売
    • フマキラー、どこでもベープNo.1 NEOを拡販、商品開発など3分野を強化
    • ジョンソン、肌につけるタイプのスキンガードにむせノンスプレーを採用

    特集 【衛生材料】

    • 衛生材料カテゴリー、関連商材を一括展開、売上維持図り売り場に変化
    • ライフォートのカテゴリーマネジメント導入例、生理用品売場への導入推進
    • フェミニンケア、パンティライナーの提案進む、市場拡大の維持図る
    • 大人用紙おむつ市場、元気な高齢者がキーワード、関連品の開発も活発に
    • 急成長遂げる軽失禁専門商品、購入時の抵抗感なくす施策が成功
    • ベビー用紙おむつ市場、高付加価値化を推進、新生児用・Sサイズを強化
    • 小林製薬、サラサーティ超・通気性を発売、あせワキパットをリニューアル
    • リブドゥコーポ、リフレブランドに新ロゴマークを制定、新製品も上市
    • P&G、パンパースで赤ちゃんの肌への優しさ訴求、機能・サービスに高評価
    • 桐灰化学、女性の冷房対策に対応した「不思議なくつ下冷房対策用」を発売


    上記トピックスは要約版です。記事の詳細・全文は、日用品・化粧品業界の専門紙「H&BC マーケティングニュース」最新号(水曜日発行)でご覧になれます。お申し込みは刊行物案内をご参照ください。