2006年4月5日号掲載記事より
ユニチャーム、資生堂の生理用品「センターイン」に関わる事業を取得へ
ユニ・チャームグループ(ユニ・チャーム、ユニ・チャームプロダクツ)と資生堂グループ(資生堂、エフティ資生堂)は、3月31日、エフティ資生堂の生理用品事業(センターインブランド)をユニ・チャームが譲り受けることで、基本合意した。これを機にユニ・チャームグループと資生堂グループは、互いの強味を生かせる戦略的な提携の可能性も検討していくとしている。
ユニ・チャームグループは、ベビー用紙おむつ、生理用品、大人用失禁用品などの不織布・吸収体事業に経営資源を集中し、日本を含むアジア地域ナンバー1、グローバルトップ3のシェア獲得を目指している。
一方、資生堂グループは、05年度から「お客さま志向のマーケティング改革」による成長性の拡大と「抜本的な構造改革」による収益性の向上を目指した3カ年計画に取り組んでおり、その柱をスキンケア、メーキュアップ、ヘアなどのカテゴリーを基軸とした各領域で「太く・強いブランド」の育成に置いている。また、トイレタリー事業でも洗浄3分野へ集中するための構造改革を行っている。
今回の合意は、不織布・吸収体事業に経営資源を集中し、成長を図るユニ・チャームグループとコア領域への経営資源の集中を進める資生堂グループの考えが一致し、実現したもの。
エフティ資生堂の生理用品事業は、開発及び販売をエフティ資生堂が、製造をエフティ資生堂の子会社ミュウプロダクツが担当していた。
譲受の内容は、①エフティ資生堂が所有するミュウプロダクツ株式1040株全てをユニ・チャームプロダクツが譲受②エフティ資生堂が所有する棚卸資産をユニ・チャームプロダクツが譲受③資生堂が所有する生理用品事業に関わる商標、特許などの知的財産をユニ・チャームが譲受。
資生堂グループの生理用品事業の売上高は約40億円(06年3月期見込み)。取得額及び決済方法は、譲受渡日における適正な価格とし、決議の上、決定する。
今後は、4月30日に株式譲渡契約及び資産譲渡契約締結、5月31日に株式譲渡受及び事業譲渡受を完了する予定。
西日本共和、中央ホームズ、東流社が相互補完の機能協働体「J-NET」結成
西日本共和(広島市、米田真治社長)、中央ホームズ(東京都、西形卓二社長)、東流社(仙台市、寺嶋大祐社長)の3社は、営業(商品開発を含む)、物流・システム、販促開発における全国ネットワークの構築に向けた業務提携の合意に至り、3月31日にその記者発表会を開催した。
今回の提携は、小売業の大きなうねりから来る全国2大卸への帳合集約化等、地域卸を取り巻く流通環境が激変する中、商いの現場である「地域」に密着した地域卸の強みを生かしつつ、エリアを越えてお互いの強い部分を結集し、相互に補完し合う機能協働体としての全国ネットワークの構築を目指すもので、3社によりカバーするエリアは全国35都道府県におよぶ。個々の企業の経営形態は維持しつつ、地域卸の生き残りを探る新たなビジネスモデルの提案でもある。3社の機能協働体の名称は「J-NET」とし、事務局を中央ホームズ内に置き、4月1日から直ちに活動を開始する。また、現在西日本共和が展開しているPB商品の「ドルフィンブランド」を今後J-NETグループでも展開していくとしている。
J-NETは、3社がそれぞれ地域シェアの高い企業である利点を生かして、①取引先販売店との目標共有と達成②エリアの多様なニーズに柔軟に対応③徹底した個店対応④シーズナル商品や地域行事など、地域の変化への対応がどこよりも早くきめ細かい、など地域卸ならではの柔軟な対応を基本に、全国共通の機能を組み合わせることで、同業卸には対応できない差別化されたサービスの提供を目指す。
全国共通の機能は営業、物流面、商品開発面におよぶが、規模の拡大を志向するものではないため、3社は対等の立場で業務提携し、資本提携や合併、共同仕入等は行わなず、具体的な活動は、取引先販売店と最も取引高の多い卸店が窓口卸となることからスタートし、窓口卸の決定事項、指示・依頼事項に従って、該当エリアの卸店が物流代行を行う。
それぞれの売上高は西日本共和が836億円で、グループの総売上高を合計すると1360億円、中央ホームズは124億円でグループ総売上が679億円、東流社が456億円。3社合計では1416億円(グループ売上高2495億円)となる。
資生堂、前田社長が06年度方針を説明、ブランド戦略とBC活動を革新
資生堂は3月28日、2006年度社長方針発表会を開催。前田新造社長から、改革初年度(中期3カ年計画)の05年度業績が当初計画を上回る勢いの中で、06年度も《ブランド戦略の革新》と《ビューティコンサルタントの活動革新》と取り組み、“100%お客様志向に生まれ変わった資生堂”として、お客に愛され支持される企業に向かって、全社一丸となって取り組む決意を表明した。
前田社長が説明に立ち、3カ年計画の2年目となる06年も、引き続き国内のマーケティング改革と取り組み、「ブランド戦略の革新」と「ビューティコンサルタント(BC)の活動革新」に取り組むが、ブランド戦略については、それぞれのカテゴリーでナンバー1を狙う“メガブランド戦略”を引き続き改革の中心に据え、第1弾「マキアージュ」、第2弾「ウーノ」はトップブランドとして快走していることを説明。
さらに激戦のヘアケア市場には「TSBAKI」ブランドで勝負を賭けていくと発表。前田社長は「TSUBAKIは化粧品事業とトイレタリー事業融合の象徴ともいえるブランドであり、従来のFT製品の枠を超えて、専門店チャネルにおいても積極的に取り扱いをお願いしている。これらメガブランドに加え、ブランドの徹底した絞込みを行ってメリハリをつけた投資を行うことで、他ブランドも太くて強いブランドに育成し、さらに06年度もメガブランドの投入を予定している」とした。
一方、BC活動の革新については、「活動の評価を売上げの数値目標から、お客様の満足度によって評価するという、新しい仕組み輪導入した。05年度には約3分の1の事業所で先行導入したが、いよいよ4月から全国へと展開していく。これにより、お客様と真摯に向かい合い、心から信頼を寄せていただく本来のBC活動に、猛烈なスピードで変えていきたい」と語った。
プラネットが中間決算説明会を開催、情報系サービスの普及を推進
プラネットは3月24日、「平成18年7月期中間決算説明会」を開き、玉生社長が中間決算並びに経営戦略について説明した。
同社の中間期決算の業績は、売上高11億4171万1000円(前年同期比7.2%増)、営業利益2億2133万5000円(同44.7%増)、経常利益2億2605万2000円(同42.7%増)、中間純利益1億3142万2000円(同19%増)と増収増益を達成。
事業別の売上高は、EDI事業9億7002万1000円(同6.4%増)、データベース事業1億5895万3000円(同10%増)、その他事業1273万6000円(同44.7%増)となった。
特徴的なことは、EDI事業における通信処理データ量が計画を上回り前期比8.3%増加。05年12月は月間ベースで過去最高の処理量を記録した。また、新規ユーザー数の拡大と、既存ユーザーの利用データ種拡大・接続拡大をさらに推進し、ペットフード・用品業界、理美容業界、大衆薬業界などによるネットワーク利用が拡大した。さらに、商品データベース、バイヤーズネットなどの情報系サービの普及を図った。
通期の業績予想は、従来以上により広くEDIを浸透させるべく、既存ユーザーのEDI利用率を高めるとともに、大衆薬業界等の隣接業界へのネットワーク構築を進めていくと共に、「商品データベース」の利用促進と、小売業のバイヤー、卸売業の仕入れ・営業担当、メーカーの営業・マーケティング担当をネットワーク化する「バイヤーズネット」の一層の機能強化を行い、利用促進を図ることで、売上高22億3000万円(同2%増)、経常利益3億9000万円(同10.3%増)、当期純利益2億6000万円(同11.5%増)、1株当たり年間配当金5000円を予測。
P&Gなど5社による多企業プログラム「Womama」の共同記者会見が東京で開催
P&Gファー・イースト・インクをはじめ、大塚製薬、JCB、JTB、日比谷花壇の5社は、多企業コラボレーションプログラム「Womama」の新サービス、新製品を3月24日以降本格展開するにあたり、3月23日、共同記者発表会を行った。
Womamaとは、素敵な女性(Woman)と素敵なママ(Mama)を組み合わせた造語で、出産・子育てステージにあるママが、「ママとして、また女性として輝くため」の製品・情報・サービスなどを提供するプログラム。P&Gを中心とする5社のコラボレーション(協賛)により、出産によって役割・身体が変化して戸惑う女性たちをビューティケア、ヘルスケア、ライフ、チャイルドケアの4カテゴリーでサポートする。
同プログラムはWebを中心に展開されるが、1月から先行して立ち上げたウエブサイト(womama.jp)では、登録会員が3万人、アクセス数が延べ22万に達し、またクリックスルーレートも広告メルマガが16%(業界平均3%)、会員メルマガが38%(P&G内の高規準で17%)と順調なすべり出しを見ている。新たな製品・サービスは次の通り。
①P&G・大塚製薬=P&G製品、大塚製薬(ネイチャーメイド)製品を全国の店頭のWomamaコーナーで共同展開。P&Gではビューティケア(イリューム、パンテーン、マックスファクター)、ヘルスケア(ウィスパー)、チャイルドケア(パンパース、ミューズ)の6ブランドを軸に展開する②JCB=同社が開発したLoveMamとWomamaのコラボレーション③JTB=1日限定Womamaレストラン(ザ・リッツ・カールトン大阪、ウェスティンホテル東京)④日比谷花壇×P&G=母の日限定“Womama&中山美穂”セレクションのブーケ/アレンジメント。
なお、P&Gではターゲットとなる出産・育児期にあるママは毎年450万人とし、継続して参加企業を募ることにより、恒常的なプログラムに育成していきたいとしている。
資生堂、TSUBAKIのデビューイベントを展開、表参道がTSUBAKI一色に
資生堂は、今春の大型新ヘアケアブランド「TSUBAKI」の発売を記念して、3月30日から4月5基幹日までの期間、東京・表参道ヒルズで「TSUBAKIデビューイベントin表参道ヒルズ」を開催した。併せて東京・表参道をはじめ札幌、仙台、名古屋、金沢、大阪、高松、広島、福岡の全国9都市で街頭サンプリングを実施した。
これに先立ち同社では、ブランドカラーの赤をベースにしたフラッグ型ポスターを、①テレビCMに登場する6名の女優②ブランドロゴ③商標・花椿とブランドコピー「日本の女性は、美しい。」――の計8種類用意。表参道の街灯には①と②を、表参道ヒルズ壁面には①と③を掲示、さらに西館の壁面には、ブランドコピーと商標で構成した巨大ポスターを掲げることで、街行く人に新ブランドを強力にアピール。
館内では、中央部の階段状になった吹き抜け部にレッドカーペットを敷き、その上にブランドロゴとポンプタイプの製品を交互プリントした角柱状のオブジェを4本配置。天井から巨大ポスターを吊り下げたほか、館内の至るところにブランドのポスターを掲示。30日には、テレビCMに出演する6名の女優が来場してイベントを盛り上げた。
さらに会期中には、本館地下3Fの多目的スペース「O(おー)」に、春を感じるスペシャルスイーツを味わいながら同ブランドの世界を体感できる「TSUBAKI BEAUTY Cafe」を期間限定でオープンし、来場者にサンプルセットをプレゼントするなど、館内を文字通り“TSUBAKI一色”に染め上げていた。
2006年4月5日号 記事一覧
会合・発表会
- J-NET 全国共通の各機能、営業・物流・商品開発面で確立目指す
- マルエス、大阪で商品説明会を開催、伊藤社長「一般市場に総合的提案を」
- 流開センター、「次世代の流通情報システム」テーマにセミナーを開催
- 日本ロレアル・アルゼル次期社長が会見、「シェア拡大、人材育成に注力」
- マンダム、白肌テーマに新ブランド発表、「珠白日焼止め美容液」を発売
- メニコン、新コンタクトレンズケア用品「エピカコールド」の発表会を開く
経営・施策
- メディパルHD、18年3月期末配当を決定、記念配当3円含む1株当たり9円に
製品・サービス
- 花王、ニベアボディリフト&ラインエフェクトレッグシートの発売を中止
- 花王、リゾート気分が味わえる「バブクールアジアンリゾート」を新発売
- 貝印、アイラインが簡単に描ける「アイラインアシスト」等の新製品を発売
- P&G、おしゃれ着洗剤「ルミネス」を地域限定で発売
- タリカジャパン、目のクマ等を改善するトリートメントジェルを新発売
- ピジョン、片手で開閉&ロックができるベビーカー「ピディア」を新発売
- 花王、リセッシュを改良、細かく均一に広がるミクロミストスプレーを採用
- 白元、「香るオイルクリアフィルム」「STFラメッシュシート」を新発売
- ユニチャーム、排便ケアの仕上げに最適な「ライフリーおしりふき」を発売
- ナガセBC、マジョルカピンクエキス配合の新パウダリーファンデを新発売
- ニベア花王、ニベアヴィタルから新アイテム3品を新発売
- マックスファクター、SK-Ⅱから初の美白美容乳液を発売
- ジレット、携帯用電気シェーバー「ブラウンポケットシェーバー」を新発売
宣伝販促
- エステー化学、ムシューダの新TVCM「結婚式篇」の放映を開始
- ライオン、リードクッキングペーパーの愛用者感謝キャンペーンを実施
- 大日本除虫菊、コンバットでお掃除ロボットが当たる消費者キャンペを実施
- シック、クアトロ4シェアNo.1を記念し液晶テレビが当たるキャンペを実施
- ジョンソン、Webコンテンツ「トイレの雑菌をちょっと科学しよう」を発信
- ライオン、トップの購入者を対象に暮らしのエッセンスキャンペを実施
- アメーズユープランニング、雑誌PINKYのイベントでサンプリングを実施
- サンスター、トニックシリーズで明日のポジティブを応援キャンペを実施
人事・組織
- エバルスの代表取締役に水森郁太副社長が内定
- メディパルHDの子会社・アトルが6月1日付けの取締役の委嘱事項変更を発表
調査・統計
- 石洗工18年1月期販売統計、年末需要の反動で低調に推移、液体洗剤は好調
- JACDS、「第6回JAPANドラッグストアショー」の報告書を発刊
- 西化工18年1月出荷統計、ヘアトニック、トリートメントが大幅増に
- ジレットジャパン、振動型女性用剃刀「ヴィーナスヴィブランス」が高評価
- コンビニ18年2月度統計調査、全店ベース店舗売上高は3カ月連続で増加
イベント・展示会
- ジャペル、「2006ペット総合展示会」を開催、売上目標193億円を達成
- 国内最大級の総合園芸ショウ「2006日本フラワー&ガーデンショウ」が開催
- 日本最大級のキャラクター&ホビーの祭典「キャラホビ2006」が8月に開催
- 貝印、第12回お菓子コンクールを開催、3部門+香港ゲストの優秀作を決定
- P&G、ミューズの「子供の夢おえかきボトルコンテスト」の表彰式を開く
施設・店舗
- プロロジス、千葉・浦安に建設するプロロジスパーク浦安Ⅲの竣工式を開く
- プロロジス、三洋電機及び三洋電機ロジスティクス所有の物流施設を譲受
- クラブコスメ、クラブ洗粉創製100周年記念し本社ビルに文化資料室を開設
- ビアトリクス・ポターの資料館が埼玉・東松山のこども動物自然公園に開設
訃報・葬儀
- 学習院院長/理事長・田島義博氏が逝去、享年75歳
時評・コラム
- 時評 J-NET-進む企業の同士化
- 泡沫 資生堂の大型新ブランド「TSUBAKI」が発売
- 日雑談 地下鉄サリン事件から11年、消えないテロの恐怖
- 独り言 成長と成熟 魚も女性もいろいろ
連載・講演
- 進路一考(61) 稲垣重久
その他
- ユニチャーム、「消費者志向優良企業」の平成17年度総合表彰を受賞
- ビジネスビューポイント(P&G広報誌)第13号
- ボランタリーチェーン(日本ボランタリーチェーン協会広報誌)第17号
- ポーラ美術財団、平成18年度の助成対象者を決定、合計40件総額9000万円に
- ポーラ化粧品、ポーラミュージアムアネックスで「香水づくり講座」を開催
- ポーラ美術館、「ピカソ5つのテーマ展」のプレスデーを開催
- 花王芸術・科学財団、平成18年度の芸術文化・科学部門の助成先77件を決定
- ポーラ文化研究所、シルクロードの赤い宝石-トルクメンの装身具を発刊
特集 【家庭用包材】
- 家庭用ラップ市場、需要は堅調、適正利益図れる商材に
- アルミホイル市場、長尺・抗菌訴求で価格を維持、アルミ地金高騰に懸念
- 旭化成L&L、サランラップの価格安定に注力、売り場作りコンクールも実施
- 日本製箔、「オシャレ魔女ラブandベリーアルミホイル」を発売
- 宇部フィルム、無添加ラップ「ポリラップ」を拡販、NEW耐熱ラップも好評
- シーアイ化成、「NEWローズラップ」を継続改良、紙ノコ刃をリニューアル
- クレハ、お客様に選択される商品を提供、NEWクレラップを更に使いやすく
- 東洋アルミエコー、強力な新製品投入し拡販、顧客志向No.1開発型企業へ
- リケンテクノス、リケンラップの使い易さを追求、フォーラップも展開
- 三井化学ファブロ、レイシア採用の「ハイラップシリーズ」を積極展開
- ライオン、「リード」の5製品を改良、レシピや保存方法を訴求
特別企画
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