2006年3月29日号掲載記事より
小林製薬と東洋新薬が健康食品開発・製造事業等を行なう合弁会社を設立
小林製薬と東洋新薬(本社福岡市、服部利光社長)はこのほど、健康食品の企画、開発、製造を行う合弁会社を設立することを決議したと発表した。
小林製薬は、高齢化社会の到来と共に健康への関心が高まる中、家庭用品製造販売事業では一般用医薬品や健康食品などを重点カテゴリーとして位置付け、経営資源を積極的に投下。多様化する生活者の幅広いニーズに応える製品ラインアップを拡充する一方、東洋新薬は、健康食品の研究開発、受託製造事業に特化しており、特定保健用食品の許可取得件数は44件(平成18年2月21日現在)と全国第1位を誇り、業容も競争優位性のある企画開発力と製造力をフルに発揮し、順調に拡大している。
こうした状況の中、小林製薬の販売力やマーケティングおよび経営ノウハウと東洋新薬が保有する開発力、製造技術力を相互に提供し合うことにより、急速に拡大する健康食品市場において、両社の更なる発展、企業価値の向上が期待できると判断し、今回の合弁会社設立に至ったもの。
小林製薬は「合弁会社設立により、健康食品のより充実した新製品の研究開発体制を整え、生活者の健康づくりに貢献できる製品群を一層拡充し、将来にわたって事業を発展させていく」としている。
ツムラ、家庭用品事業の分社化を決議、本社ビル、六番町ビルの売却も発表
ツムラは、3月22日開催の取締役会で、平成18年10月1日を期して家庭用品事業を会社分割し、同社の100%子会社を新たに設立することを決議した。
家庭用品事業は、平成18年3月期に営業黒字化を達成するメドが立っているが、同社の主力事業である医薬品事業とは業態が大きく異なっていることから、間接費用の負担軽減等により事業の継続と自立をより強力に推進するために組織を再編成し、家庭用品事業を分社化することを決定した。
同社は強みである生薬・漢方への特化と利益向上をテーマとして企業活動を行っており、これに基づき、これまでに創薬研究の中止、日本生薬株式会社の吸収合併などの施策を行ってきたが、今回の分社化もこの方針に沿った追加施策としている。
分割する家庭用品事業は、業界ルートでの販売が中心である入浴剤(バスクリン、ソフレなど)、育毛剤(インセント、モウガなど)等の医薬部外品、浴室洗浄剤バスピカ、ボディソープ(なごみ)などの化粧品、キッチン周り用洗浄除菌水(キッチンアクアショット)等を製造販売している。
分社後の業績見通しについては、19年3月期業績予想に含めて開示。新会社の概要など今後の見通しについては、会社分割に係る手続きの進行に伴い、適時開示するとしている。
NIDが第75回春季全国大会・展示会を横浜で開催、全員参加型の経営を推進
日本ドラッグチェーン(略称NID)は、3月15、16の2日間、神奈川県・横浜の新横浜プリンスホテルで第75回春季全国総会ならびに展示会を開催した。
全国総会で、藤井チェーン本部長(ドラッグフジイ)は“風通しの良いNID”“全員参加型の経営”を目指し、運営委員会などの議事録をオーナー向けサイトに掲載し始めたこと、各ブロック会への運営委員の出席を義務付けたなどの改革を進めていることを報告。
次に槌屋社長(イレブン)が、薬事法改正問題について「各地で現行薬事法を元にした取締りが強化されている。他業界から見ると当業界は『儲かっている』と思われているためか嫉妬も多く、このままだと業界が壊滅してしまう」と、団結を呼びかけ、池田社長(ヤスイ)は、人間には①体に栄養②頭に知恵③心に徳――の3つが必要であるとの例えを引用しながら「これは企業にも当てはまる。NIDはそのいずれもかなりのものがあると自負しているが、さらに強化し、消費者により良い商品をお届けしよう」と提唱した。最後に池田運営委員長(セキ薬品)が、「加盟社が1、2位企業になるために、NIDを強くしていく」と決意表明した。
懇親会では、松本名誉会長(マツモトキヨシ)が、ドラッグストア業界の競争が今後ますます激化する方向にあることを指摘し「今後は我々小売業が、メーカー・卸から選ばれる時代になる。ドラッグストア業界は『好調』だと思われていることから、他業界からの参入が続くとともに、行政からの監視も今まで以上に強化される。問題は山積しており、そうしたものにも耐えられる経営を進めなければならない」と呼び掛けた。
なお展示会の売上は277億7745万7283円だった。
東京卸組、ライオン久保常務を講師に招き、合同セミナーを開催
東京都化粧品洗剤卸商業組合(森友徳兵衛理事長/森友通商社長)は3月20日、ライオン・久保直一常務家庭品営業本部長を講師に「平成17年度3支部会合同セミナー」を開催した。
森友理事長はあいさつで、セミナー開催に至った経緯を「当組合員の8割以上は地域卸であるが、最近のメーカーの政策が大手卸中心となる中、地域卸が市場の裾野を育て、夢と希望を持って商売できるような組合活動に取り組まなければならない。今回のセミナーはその一環として企画したものであるが、記念すべき第1回目は、『業界の流通はライオンを中心に回っている』と言っても過言ではないということで、ライオンの久保常務に講師をお願いした。久保氏には、同社の地域卸に対する活性化対策をご説明いただき、また、組合員からも地域卸が同社に対して日頃感じている疑問などを率直にぶつけてほしい。
そしてこのセミナーが成功したあかつきには、全卸連主催、首都圏8組合共催という形で、同様の講演会を開催できればと考えている」と説明した。
続いてライオン・久保常務が「ライオンから見た地域卸の活性化、流通戦略、相互取組強化策」をテーマに約1時間講演。
その後、同会場で懇親会が行われ、平木正人副理事長(太陽商事社長)の司会のもと、橋本圭司ヒルサイド支部長(カネカ社長)のあいさつならびに乾杯発声で開宴。盛会半ば、井田隆雄化粧品関連部会長(井田両国堂社長)の中締めで散会となった。
白元の新社長に鎌田真副社長が就任へ、鎌田收社長は会長に
白元はこのほど、鎌田收社長が会長に就任、後任社長には鎌田真副社長が昇格する新役員人事ならびに新組織を次のように発表した。新役員、新体制は4月1日付けで発令される。
鎌田真新社長は昭和41年生まれの39歳。平成3年に同社入社。同8年には米国ハーバード大学ビジネススクールに留学し、同10年同校卒業(MBA取得)。以後、取締役・マーケティング本部長(同10年6月~)、常務・製品本部長(同13年~)、同・プロダクトマーケティング部担当(同15年~)を歴任し、昨年からは取締役副社長・グループ経営統括本部長として、経営の陣頭指揮に当たっていた。
今回の新組織について鎌田收社長は「新体制の下、今日までのお取引先に対する姿勢を踏襲しつつ、新任社長による新たな提案を基として経営の効率化と業績の拡大に努める。一方、営業部門では、大三、キング化学の営業権を譲り受け、3社の営業を統合することによるシナジー効果を発揮していく」と説明している。
(敬称略)
【白元新組織】
代表取締役会長=鎌田收▽同社長=鎌田真▽専務=清水公夫▽常務・営業本部本部長=鎌田利治▽取締役(社外取締役)=小林一郎▽上席執行役員・営業本部副本部長=福田恵蔵▽同・コーポレートサービス部部長=早川政男▽同・グループ経営統括本部本部長=匂坂勝彦▽執行役員・グループ経営統括本部副本部長=田辺一男▽監査役=小宅幸雄、林信二郎(社外監査役)、岩本英親(社外監査役)
2006年3月29日号 記事一覧
M&A・設立
- 小林製薬、欧州での海外事業強化目的にドイツに100%出資の現地法人設立
会合・発表会
- カメヤマ、大阪で商品説明会を開催、「伝道師のごとく新商材を普及」
- 近石工組第10回情報交流会が開催、中小企業の省エネなどテーマに講演会
- J&J、湿潤療法に基づいた「バンドエイドパワーパッド指用」を発表
- 企業統合に焦点当てた流通フォーラム2006で、プラネット玉生社長が講演
製品・サービス
- 小林製薬、お腹の脂肪の分解・燃焼を促す漢方薬「ナイシトール85」を発売
宣伝販促
- ライオン、「トップ」の改良に合わせ、女優の菊川怜を起用したTVCMを放映
- エステー化学、「トイレの消臭ポット」のTVCMに支店長ズを再起用
- 花王、アジエンスブランドで3カ国で開かれる国際バレエ公演に特別協賛
人事・組織
- クラヤ三星堂、組織変更及び執行役員の委任事項変更等を発表
- 攝津製油、4月1日付けで人事異動を発表
- キング化学、4月1日付けで鎌田渉氏の新社長就任を発表
調査・統計
- 衣料用洗剤市場、05年度は液体タイプが急増、大手3社が技術力競う
イベント・展示会
- ユニリーバ、ラックススーパーリッチシャイン発売に合わせイベントを開催
- ビジネスガイド社主催の第35回大阪ギフトショー春が開催、129社が出展
その他
- PRページ 花王 ビオレからふわふわ泡の「マシュマロホイップ」を新発売
- マッチ時報第323号
特集 【卸産業】
- 二極化に対応する卸の存在必要に、地域超えたネットワーク作りを
- 大型合併、業種超えた連携が加速-日用雑貨化粧品卸業界のこの1年
- 全卸連清水俊吉会長インタビュー 製配販で業界の価値向上目指す
- あらた伊藤昌弘社長インタビュー 「あらたらしさ」より鮮明に
- 東流社、構造改革更に推進、得意先に感動与える卸に
- パルタック三木田國夫社長インタビュー 卸の橋渡しで美と健康に取り組む
- 花王販売高橋辰夫社長インタビュー 消費者満足最大化へ取り組み推進
- プラネット、流通業のマーケ、MDを支援、商品マスタ登録申請サービス開始
- ライオン藤重貞慶社長インタビュー 流通と強いネットワーク作り共存共栄
- ユニリーバ、コミッション取引を公開、卸売業の機能活用し流通業界に貢献
- ときわ商会、3つのオリジナル性を追求、中身の良い会社目指す
- エステー化学鈴木喬社長インタビュー 卸と協働で店頭重視の売り場を追求
- 森友通商、携帯電話の感度を向上させる「バリ5」等の人気商品を積極開発
- 薬系卸大木の子会社・リブ・ラボラトリーズがユニークな企画商品を発表
- ミヨシ石鹸三木晴雄社長インタビュー 卸と中小メーカーが縦のコラボを
- 中央ホームズ、麻友の加盟で全13社に、マーチャンダイジング力さらに強化
- 卸業者の将来への一視点、規模や形態ではなく、地域や消費者に向う歩みを
- 特別セミナー ライオン常務・久保直一氏 ライオンの地域卸・流通戦略
- ときわ商会、オリジナル商品を開発・発掘、店頭の味付けの1つとして導入
- 花生堂、元卸の役割果たす、効果的な提案を展開
- ピップトウキョウ松浦由治社長インタビュー ウェルネスビジネスに注力
- 森友通商森友徳兵衛社長インタビュー 全員参加型の全卸連の実現目指す
- 太陽商事の子会社・ネサンスの「マニスマンゴーピーリングジェル」が人気
- 太陽商事、公正・透明な取引制度の確立を
- 地域密着型中小卸の現状、厳しい市況、独自の生き残りを模索
- 西日本共和栗栖知行取締役インタビュー 現場重視で卸機能更に磨き
- サプリコ秋葉吉秋社長インタビュー 商品開発、第2ラウンドへ
- サプリコのオリジナルブランド「良品スタジオ」が年内に200アイテムに
- トゥディック野村岩男会長インタビュー 地域を基点に店頭密着を実践
- こもりコーポ、価格改定で売上げ好調、業界発展には啓蒙活動が必須
- 東京堂傘下の東京サービスがスキンケアブランド「ジピイ」の新製品を発表
- ユニチャーム森信次取締役インタビュー クロスセリングに小売の理解進む
- ハリマ共和物産の物流拠点が全国9カ所に、7月には福崎に新センターが稼動
- シスコの「販促工房」を訪問、店頭での販促活動に高い評価
特別企画
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