2006年3月1日号掲載記事より
カネボウ化粧品の全株式を花王が取得、カネボウとの株式相互持合を解消
花王は2月21日、カネボウが保有していたカネボウ化粧品の普通株式1400万株(発行済議決権株式の14%)を取得し、これによりカネボウ化粧品の株式全ての取得を完了した。 また、カネボウ化粧品が保有していたカネボウの株式(C種株式6250万株)を、同日付でカネボウのスポンサーである3投資会社が出資するトリニティ・インベストメントに譲渡した。
これによりトリニティ・インベストメントは、カネボウの株式1億1513万1500株(総株主の議決権数に対する割合73.35%)を保有するカネボウの筆頭株主となり、カネボウとカネボウ化粧品の株式相互持合いは解消された。なお、カネボウが保有していた「カネボウ」の商標は、2月17日付でカネボウ化粧品が譲り受け、当分の間(最長2年)は、カネボウに使用許諾されている。
一方、カネボウは21日の取締役会で、トリニティ・インベストメントによる同社株の公開買付(買付価格は1株162円)について賛同する決議を行った。その理由として①公開買付者との資本関係がさらに強化され、意思決定の迅速化とお客ニーズに対応した機動的な経営施策が可能となる②無配の継続に加え、上場廃止で迷惑をかけた株主に対して、保有する株式の流動性の機会が提供されることを挙げている。
P&G定例社長会見、チャタベディ社長が7半期連続の2ケタ成長達成を報告
P&Gファー・イースト・インクは2月22日、恒例の社長記者会見を開催。05/06会計年度上半期の概況と下半期に向けての展望、および今春発売予定の新製品を発表。ラヴィ・チャタベディ社長は本年度上半期のグローバル、および日本の業績について、宮下建治営業統括本部長は春の新製品と業界価値向上のプログラムについて説明し、12月で終了した上半期の日本の業績が「7四半期連続で2ケタ増(数量)となった」ことが報告され、「業界価値の向上」を今年度の最重点施策として取り組む方針を打ち出した。
グローバルベースでの第2四半期の業績は、数量売上が全体で27%増、M&Aを除いた内からの成長は計画を上回る6%増で、金額売上も数量の伸びに比例し全体では27%増、内からの成長は8%増と、数量の伸び率を上回った。純利益は29%増で上半期トータルでは17%増。日本では、10月と12月に出荷最高記録を達成。上半期トータルでは7半期連続で数量売上2ケタ成長を達成し、金額ベースでも「競合他社に比べ最も高い成長率を達成」。2006年1月も2ケタ増を続けている。
同社としては、これまでの成長を支えた要因でもある、「ボスである消費者をさらに深く理解」することで、「高価格でも満足してもらえる製品やアイデア等のイノベーションを提供」し、「得意先との協働ビジネスプラン」を通じて、「競争する市場の規模と収益性を共に高めていく」ことに、業界の価値を高める方向性を求めたいとし、今春の新製品は業界全体の利益率を改善する方向、新しいアイデアが入った既存品、視覚に訴えるパッケージ、得意先との協働など、全ての面で市場価値の創造に繋がるものと強い自信を見せた。
メディ・パルHDが発足披露パーティを開催、新たなスタート切る決意を表明
メディセオ・パルタックホールディングスの初のお披露目となる「発足披露パーティー」が2月17日、盛大に開かれた。パーティーは招待客(メーカー)662名を含む合計745名が、円卓に着座する形式で進められた。日用品、化粧品、医薬品と、3つの異なる業種のメーカーのトップが一堂に会する会合はこれまでも例がなく、理念としての「業態卸」が、いよいよ1つの実体を伴って動き始めたことを実感させるに十分な内容であった。
開会に当たり、はじめに熊倉貞武社長が満腔の謝意を込めてあいさつ、次に三木田國夫副社長(パルタック社長)が、化粧品日用品業界流通の雄としての地位を確立するまでのパルタックの歩みと、メディ・パルとして新たなスタートを切る決意を力強く述べた。
続いて同社取締役、グループ会社社長39人を紹介した後、武田薬品工業長谷川閑史社長が来賓を代表して「規模の拡大のみにとどまらず、各地域での得意先とのつながりを重視して新しい業態開発に取り組んで欲しい。また、次世代を拓く流通企業として、流通価値の向上を通じ、社会から尊敬される企業へと発展されることを祈る」と祝辞を述べた。
ライオン藤重貞慶社長が「天の時、地の利、人の和を得て誕生したメディ・パルは、小売業のニーズを包括的に満足させることの出来る唯一の卸業だ。景気の回復を目指し、共々に社会のお役に立って参りたい」とあいさつし、乾杯の音頭を取った。
熊倉社長は「メーカー様に『卸を使って頂ける』有り難さは、パルタックとの経営統合により、さらに実感している。メーカー各位の思いを実現させる責務が卸にはあり、メディ・パルは皆様と共に発展していく決意だ」と語り、三木田副社長は「われわれは最良のパートナーを得ることで、業態卸の新時代を切り開いていける幸せを感じでいる。今後は独立した事業部としての展開となるが、皆様にご信頼頂ける卸を目指し、強い信頼の絆で結ばれるようさらなる努力を続けたい」と意気込みを語った。
麻友、地域人密着卸宣言をテーマに「第77回総合見本市」を開催
埼玉県の有力地域卸・麻友は2月16~17日、仕入れ先メーカー99社の出展で第77回総合見本市を開催した。今回のテーマは「地域人密着卸宣言」。
毎回注目を集める「企画コーナー」では、インテージ“エリアマネージャー”を活用して得意先が出店を希望する地域の競合店を分析し、最適な商品政策の決定をサポートする「トータル戦略提案」コーナー、団塊世代をターゲットにした商品、売り方を提案する「2007年大定年時代 クローズアップ!団塊世代」コーナー、「春夏家庭用品提案」コーナー、「ドラッグストア、SM向けコンビニエンス商材の紹介」コーナーを設け、医薬品殺虫剤やカラス撃退対策商品、室内用芳香剤の提案などを行った。
17日には関係業界紙を集めて記者会見が開かれ、清水政弘社長は、中央ホームズへの加盟について「当社は関東圏を営業範囲としているが、中央ホームズも関東にメンバー社が多く、お互いに知恵を出し合って得意先に貢献し、販売を強化しようという意図から加盟した。3月に開催される中央ホームズの展示会には出席して加盟あいさつを行う予定だが、それ以上のことは今後協議するつもりだ。この展示会は“自主独立”“地域人密着”を掲げている当社にとって、バイヤー、本部長だけではなく、店舗担当者にも来場していただく重要な機会であり、現時点で中止することは考えていない。なお全家協については昨年、私は理事に就任しており、今後はより販売を強化する方針である」と説明。
今後の課題については「まず新製品の店頭化スピードを上げていきたい。さらに、チェーンストアで標準化された店舗が増加している中、エリア管理の手法が課題になっている。地域ニーズに合った品揃えの重要性が高まっており、小商圏で勝てる売り場の構築を進めていく。店頭の見えない“穴”を埋めるのが当社の仕事で、埋める数が多ければ多いほど当社に対する信頼が高まっていく。こうした店頭管理作業を“商品を売る”という意識を持って遂行したい」と話していた。
2006年3月1日号 記事一覧
M&A・設立
- コバショウの100%子会社・ソーワが4月1日付けで「KS東北」に社名変更へ
経営・施策
- FT資生堂、2月10日付けで資本金を1億円に減資する資本減少を決議
製品・サービス
- GSX、日本版SOXに対応した「IT内部統制評価サービス」の提供を開始
- オーストリッチ、米国製花粉対策ジェル「ネイザルガード」を積極展開
- 花王、サクセス薬用シャンプーから「エクストラクール」を新発売
- SCジョンソン、Greenlistの成果が評価され「米国大統領賞」を受賞
- ライオン、植物原料比率を向上した部屋干しトップ、ブルーダイヤを発売
- マルフククレンザー、自然にやさしいシリーズからクエン酸、重曹を新発売
- ウェルコの「かんたんコバエとりガエル」がドラッグストアショーで表彰
- ユニチャーム、使用法の啓発で「ソフィボディピースセット」の認知を向上
- ニッサン石鹸、香りカプセル配合の布製品消臭剤「スプレシア」を新発売
- 住友3M、女性向けデスクアクセサリーシリーズから新型マウスパッドを発売
- 丸富製紙、天然緑茶成分配合のトイレットペーパー「緑茶の力」を改良発売
- 小林製薬、ブレスケアから2種の口中清涼タブレットをCVS限定で発売
- コーセーCP、新保湿ケアシリーズ「モイストケア」を含む新製品を発売
- マックスファクター、フェイスフィニティから春夏用ファンデを新発売
- 花王、朝用UVケア「ソフィーナUVカットミルク/クリーム」を改良新発売
- 伊勢半、高級サンスクリーンブランド「アクアリア」を流通限定で新発売
- ユニチャーム、タンポンの普及目指し「チャームタンポン」シリーズを刷新
- P&G、「3方向からのダメージケア」をテーマにパンテーンシリーズを改良
- SSLヘルスケア、新型コンドーム・パーフェクトフィット等の新製品を発売
- フェザー安全剃刀、女性用システムのマーメイドにピンクバージョンを追加
- J&J、ジョンソンベビーローションUVケアのパッケージを女性向けに改装
- ウエラ、ウエラトーン2+1シリーズから「くし付きミルキータイプ」を発売
- マンダム、ヘアカラー関連の新製品をギャツビー、ルシードエルから新発売
- ダリヤ、サロンドプロ無香料ヘアカラーから酸性ヘアパック付き企画品発売
宣伝販促
- ライオン、Banの新イメージキャラクターに俳優の速水もこみちを起用
決算
- カネボウ18年3月期第3四半期業績を発表、通期計画の進捗率は83.8%に
- 攝津製油18年3月期第3四半期決算、化成品部門は伸長も油脂部門が微減に
研究・開発
- 花王、顔を同時に20視点から撮影できる「多視点画像解析システム」を開発
調査・統計
- 石洗工17年1~12月期販売統計、販売数量・販売金額とも前年実績をクリア
- コンビニ18年1月度統計調査、全店ベース店舗売上高は2カ月連続で増加
イベント・展示会
- 第61回東京ギフトショー春が盛大に開催、国内外の出展社2429社が出展
- 日本香堂、2006香フェアを本社ビルで開催、専門店向け新製品を中心に提案
- 第6回JAPANドラッグストアショーで今後の業界示唆するイベントを多数開催
- ハリマ共和が06年春の見本市を開催、LOHASを取り上げた売り場提案も展示
- エイコーが06年春の展示商談会を開催、オリジナル販促物コーナーも設置
- フマキラー、花粉鼻でブロックの販促企画でクラシック演奏会を東京で実施
- あらた四国支社が春の商談会を香川で開催、店頭活性化什器等も紹介
- G&Gが春季商談会を開催、モデル店形式で新製品を含む約1100品目を紹介
施設・店舗
- 東邦、2月27日付けで東京事務所を東京都中央区日本橋小網町へ移転
- 貝印のコミュニケーションスペース「カイハウス」がセレクトショップに
時評・コラム
- 時評 新会社法施行と企業防衛
- 泡沫 メリットとデメリットが紙一重の電子メール
連載・講演
- 進路一考(58) 稲垣重久
その他
- 油脂工業会館、「平成17年度油脂優秀論文」の表彰式を開催
- コンパスジャパン、中国企業約3000社の会社・製品情報を収録したCDを配布
- 大阪卸商連合会、平成17年度連合会表彰式を開催
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