2005年12月14日号掲載記事より
あらた、中央物産、シスコの3社が12月8日付けで包括的業務提携を発表
あらた(伊藤昌弘社長)、中央物産(児島誠一郎社長)、シスコ(畑中伸介社長)の3社は12月8日、包括的業務提携を締結した。現時点では包括的業務提携を同日開催の3社の取締役会で決議しただけで、具体的な提携内容は、今後、共同で事業を展開することを含めて協議されるが、日用品化粧品業界を代表する大型卸3社の包括的業務提携は、その進捗に注目が集まりそうだ。
提携理由は、「小売業、仕入先であるメーカーの期待に応え、常に社会に貢献し続ける卸売業として消費者に満足を提供していくために、全国を網羅する広域ネットワークを持ち、より市場に密着して商品・マーケット情報を効率的に提供し、小売業の店頭に消費者ニーズに合った最適な品揃えを提案していくことが要請されるようになってきた中で、全国規模において、よりローコストで安定的な商品供給の可能な体制を確立するため」としている。
3社の平成17年度3月期売上高は、あらた4248億円(連結)、中央物産1036億円(連結)、シスコ505億円で、3社の売上高を単純合計すると5789億円となる。
すでにあらたは、日本全国のネットワークを完成しているが大商圏である関東、関西が他地域に比べるとシェアが低いことが課題となっていた。そこに関東で強い中央物産、関西で強いシスコと将来、合併に至れば全国的にバランスよく強い卸売業の誕生となる。
KHP販売が春の新商品商談会を大阪で開催、新洗顔料・ピュアナビ等を発表
カネボウホームプロダクツ販売の近畿地区における「2006年春新商品商談会」が、各メーカーの先陣を切って12月6、8、9日の3日間、大阪城ホール・コンベンションホールで開かれた。これは、春商戦の開幕ダッシュに向け、全国8支店が同時にスタートしたもので、近畿では主要販売店34社65名、卸店64名の合計129名が参加した。
今回の新製品はスキンケアを重視した新機能の洗顔料ブランド「ピュアナビ」と、「肌美精」の全面リニューアルをはじめ、11ブランド103SKUと大量にのぼる。
中心となる「ピュアナビ」は、毎日の洗顔・メイク落とし(洗顔フォーム、クレンジングクリーム、クレンジングオイル)と、週1回の集中ケア(洗い流すTゾーン用クレイパック、洗い流すUゾーン用美容液パック)で、肌の“にごりを除去”する、新発想の洗顔シリーズ。職場でのストレスや肌質の変化から肌トラブルを抱え、フェイスケア意識が高まっている25~34歳の有職未婚女性をターゲットに、現代女性の理想とする透明感のある素肌を提案する。
ライオン、働く女性の健康とお腹事情をテーマにヘルスケアセミナーを開催
ライオンは、12月5日、「ライオンヘルスケアセミナー『働く女性の健康と“おなか事情”』~女性の“おなか事情”も考えて開発した『ストッパL』新発売について~」を開催。同社の薬品事業の概況を説明するとともに、「働く女性の健康」をテーマに講演を開催したほか、女性をターゲットにしたストッパ下痢止め商品「ストッパL」の特長を説明した。
絹笠泰久専務は「当社薬品事業は、大衆薬品(OTC)を中心に展開しており、本年からスタートする中期経営計画VIPⅡ02計画では、成長の牽引役として位置付けている。また、中外製薬のOTC部門を加えたことで、当社は現在、OTCメーカー第3位となっているが、来年以降は、第2位になるべく、積極的に展開していくとともに、薬品事業は、将来、当社の売上、利益を成す中核事業となるように育て上げていきたい」と述べた。
続いて、同社薬品事業の概況について岩﨑春雄薬品事業本部長が、「今後は、本格的なセルフメディケーションの時代を迎えるに当たり、ヘルスケア市場は確実に成長する。当社の薬品事業は『人々の〈心身ともに健康で快適な生活〉』に貢献する総合OTCメーカーとして、09年には売上800億円、ナンバー2のOTCメーカー・卸流通ナンバー1企業を目指す」と述べた。
次に、3部構成でセミナーが開催され、第1部は、「働く女性の健康」をテーマに2つの講演が行われた。第2部では、「ストッパL」の開発背景、商品特長を詳細に説明。この後、同会場で第3部の懇談会が行われ、会場後方の展示コーナーでは、「働く女性」を応援する同社薬品事業分野の製品が新商品を中心に一堂に展示された。
あらた18年3月期中間連結決算、売上高増も販管費上昇で利益を圧迫
あらたは12月8日、中間決算説明会を開き、連結中間決算の内容について説明した。
平成18年度連結中間決算は、売上高2233億4800万円(5.7%増)、営業損失12億4000万円、経常利益6億100万円(60.9%減)、売上総利益256億600万円(5.8%増)、当期利益2億2900万円(68.7%減)となった。
連結売上高は、5.7%伸びたが販管費が268億4700万円となり、10.3%伸びたことが利益を圧迫。その中でも荷造配送費が23.5%伸びたことが響いた。
カテゴリー別の売上高は、化粧品・装粧品462億2100万円(20.6%増)、トイレタリー779億5900万円(4.0%減)、家庭用品200億3200万円(131.3%増)、家庭紙645億4300万円(2.7%減)、ペット用品62億4400万円(4.6%減)、その他83億4900万円(17.7%減)で、化粧品と木曾清の売上げが加算となった家庭用品が大きく伸長。トイレタリー、家庭紙、ペット用品については単価下落が影響。特に家庭紙は10~15%の単価ダウンが収益にも影響した。
地域別売上高前年対比は、北海道9.1%増、東北6.8%増、関東2.8%増、中部15%増、関西30%増、四国3.9%増、中国11%減、九州1.6%増。関西が大きく伸びた。このうち中部の売上げには木曾清の売上高加算が含まれている。中国の減少は下関支店を九州支社への統合したためだが、九州も1.6%しか伸びておらず、中国、九州地区が苦戦した。
06年下期の戦略は、営業戦略では全国均質サービスレベルの向上、5大カテゴリーの専門性アップと関東、関西におけるシェアアップを図る。
なお、通期では売上高4500億円、経常利益17億円、当期利益5億5000万円を予測。
06年3月1日開催の「2006スーパーマーケットトレードショー」説明会が開催
日本セルフ・サービス協会は、来年3月1日~3日の3日間、東京ビッグサイトで「2006スーパーマーケットトレードショー(SMTS)/第40回記念大会」を開催する。
今回のSMTSは、同協会の「4年に一度は集結しよう」との呼び掛けに応え日本チェーンストア協会やオール日本スーパーマーケット協会、日本スーパーマーケット協会などが後援に名を連ねたことが特徴で、会場も従来の西展示棟から東展示棟に移動。12月初旬の時点で241社が出展エントリーしているが、卸が集約して出展するケースも多く、実質800社と過去最大の規模で開催される。
SMTSに併せて同協会では、米国のスーパーマーケット「ウェグマン」の最高責任者ダニエル・ウェグマン氏による基調講演「ウェグマン流スーパーマーケット経営の全て」を皮切りに多数のセミナーを予定しているが、東展示棟では「店舗開発ショウ」(主催=日本HCI研究所)と、国内初となるスーパーマーケット・小売業向けの海外製品調達とプライベートブランドに関する国際見本市「スーパー・ショーケース」(主催=メサゴ・メッセフランクフルト)が同時開催され、さらに西展示棟ではボランタリー・チェーンのCGC・ジャパンが春季商談会を開催するなど、会期中、東京ビッグサイトは食品を中心とした流通業界の一大イベントが展開されることになる。
なお同協会では12月7日、出展社説明会を開き、大会実行委員会の横山委員長(協会名誉会長、アークス社長)は「日本のスーパーマーケット産業は、苦難の時代を乗り越え、新しい世界に突入しつつある。今回のSMTSが、こうした新しい時代の第一歩を踏み出した“記念のショー”になることを願う」と要請した。
2005年12月14日号 記事一覧
M&A・設立
- エステー化学、グループ各社の共通業務を行なう100%子会社を設立へ
会合・発表会
- 全卸連が平成17年度活動内容を報告、地域卸活性化への具体策等を検討
- 日石工組東日本支部が情報交換会を開催 、三木支部長「専業特化が鍵に」
経営・施策
- 特別企画 レガシーシステムからの脱却 アールシーエス(沖縄)の取り組み
- PRページ マックス 「創業100周年迎え更なる飛躍期す」
製品・サービス
- 小林製薬、精油成分配合電池式芳香剤「鼻スースーファンデリッチ」を発売
- 三洋電機の次世代電池「eneloop」が話題に、新型ニッケル水素電池も訴求
- ハーバー研究所、銀イオン5本指綿ソックスなど冬の防寒対策製品を新発売
- ニッサン石鹸、花粉症対策マスク専用スプレーを含む春の新製品を発表
- 花王、クイックルワイパーから「立体吸着ウエットシート」を新発売
- ジャックス、デンタルプロから歯科医専用の「歯間ブラシL字型」を発売
- サラヤ、健康ドリンクのスマイルブースターから「羅漢果+甜茶」を新発売
- マンダム、「クレージュ」から春の新色2品種13アイテムを発表
- ポーラ化粧品、白桃花エキス等を配合した健康食品「ビオルオン」を新発売
- 牛乳石鹸、通販専用スキンケアシリーズ「シンプラル」3アイテムを新発売
宣伝販促
- P&G、花粉シーズンを前に「ファブリーズ」を使った花粉対策法を紹介
人事・組織
- 資生堂、06年1月1日付けで国際事業部、海外関係会社等の人事異動を発表
- エステー化学、話題呼んだ「支店長ズ」のTVCMを12月19日に1回限りで復活
- パルタック、ヘルスケア事業本部の新設を含む組織変更・人事異動を発表
調査・統計
- 2005年業界10大ニュース、製配販の業界再編が加速、原料高騰問題も深刻に
- J&Jが「歯科医にしたい有名人」を調査、福山雅治、松嶋菜々子が1位に
イベント・展示会
- 資生堂がザ・イヤーエンドパーティを開催、イメージキャラクターも出席
施設・店舗
- シーボン、12月12日付けで本社機能を神奈川県川崎市宮前区へ移転
- ウェルコ物流、来年1月5日付けで大阪市西淀川区姫島へ移転
時評・コラム
- 日雑談 保湿の重要性実感 現代人のアレルギー体質事情
- 沖縄経済とIT産業 急速に進む「都市化」 次代の「知的立県」確立へ
- いちゃりばちょーれ 「出会ったら皆兄弟」 沖縄人の気性を実感
- 斜凡球 若者の自己中心化 「ホームレス予備軍!?」
連載・講演
- プラネット設立20周年特別企画 ⑨プラネットの基幹EDIサービス
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