2005年11月2日号掲載記事より
GDSアジア会議2005が開催、各国のマスタデータ同期化の最新動向を報告
アジアにおけるGDS(グローバル・データ・シンクロナイゼーション=取引企業間でデータ標準を採用し、一元管理されたマスターデータをやりとりする仕組み)の現状などを報告するコンファレンス「GDSアジア会議2005」(主催・GS1ジャパン、GCIジャパン、WWREアジアパシフィック)が10月20日、東京・有楽町の東京国際フォーラムで開催された。
このコンファレンスは、GDSN(グローバル・データ・シンクロナイゼーション・ネットワーク)に関するアジアパシフィック会議。アジアのマスターデータ同期化関係者にグローバルなGDSNの最新動向を伝えるもの。アジア各国のマスターデータ同期化への取り組み状況についてプレゼンテーションが行われたほか、パネルディスカッションも行われ、同期化に関わる課題を洗出し、今後進むべき方向について討議された。約100名余が出席した。
会は、WWREアジアパシフィック・近間伸之氏による開会の辞に続いて、GCIジャパン・縣厚伸代表(イオン常務)があいさつに立ち、「本会議開催に至った背景には、日本でも今年度中にGDS実証実験が行われる運びとなり、10月末にそのキックオフミーティングが開かれたことに加えて、WWREとGNXの合併が大詰めの段階に入り、日本、欧米、アジアでグローバル化に向けた動きが活発になっていることなどが挙げられる。今回は、それらに直接関わる人物を講師にお招きした。参加国同士が理解を深め合い、今後の共同作業が実りのあるものになれば幸いである」と述べた。
花王18年3月期連結中間決算、製品の高付加価値化推進で売上高3%増に
花王は10月24日、平成18年3月期の中間決算を発表した。売上高は、前年同期より140億円増加し4830億円(前年同期比3%増)となり、海外売上高の円安による換算為替差(3億円増)の影響を除いた実質的な伸長率は2.9%だった。
国内事業の売上は1.6%の伸びとなった。家庭用製品では、市場競争の影響を受けて、緩やかながらも販売価格の低下が続いたが、高付加価値新製品の発売及び積極的マーケティング活動による育成で売上げを拡大した。工業用製品では、新規開発製品の伸長により堅調に推移した。一方、海外事業の売上げは、構造改革と日本との一体運営に取り組んでいるアジアの家庭用製品では横バイとなり、欧米家庭用製品と工業用製品は順調に推移し、8%の伸びとなった。
家庭用製品事業の売上高は、1.9%増の3531億円となった。国内事業は1.4%の増加となり、海外事業は米州を中心に増加した。営業利益は、日本での販売価格の低下と世界的な原材料価格の高騰の影響を受け、4億円減少の473億円となった。
化粧品事業の売上高は前年同期と横バイの393億円(前年同期比0.1%減)、営業利益は、4億円減少の38億円となった。
工業用製品事業の売上高は1038億円(前年同期比7.5%増、為替の変動の影響を除く実質伸長率7.1%増)となった。一方、営業利益は石油化学原料の高騰の影響を受けたが、高付加価値製品の販売数量増加やコストダウンにより、前年同期を14億円上回る117億円となった。
資生堂18年3月期連結中間決算、化粧品が牽引し増収増益を達成
資生堂は10月27日、平成18年3月期中間連結決算短信を発表した。
同中間期は売上高3305億4500万円(前年同期比4.6%増)と増収を達成、国内売上げが前年同期比2.5%増、海外売上げも同10.4%増とそれぞれ好調に推移した。利益面でも国内外の売上伸長に加え、前期に早期退職優遇・特別プランに実施したことに伴う費用減などが寄与し、営業利益227億2500万円(同59.0%増)、経常利益247億2400万円(同61.7%増)、中間純利益102億6900万円(同115.3%増)と大幅増益になった。
事業別にみると、化粧品事業は売上高2603億300万円(同4.3%増)と好調に推移。
国内では、引き続き高水準のマーケティング費用を投入して「商品」「宣伝」「営業」の強化を推進。特に各カテゴリーで勝てる「太く・強い」ブランドの第1弾として発売した大型メークアップブランド「マキアージュ」などで、集中的な費用投入とプロモーション展開を行い早期の市場浸透を進めた結果、カウンセリング化粧品領域が前年同期売上実績を上回るとともに、セルフ化粧品領域も男性用の回復などで前年同期並みを確保した。海外でも海外ブランドが堅調に推移したことに加え、最重点市場である中国をリード役に各地域での売上が順調に伸長した。
トイレタリー事業は、売上高314億9300万円(同5.2%減)と減収に終わったが、利益面では“洗浄3分野への費用の集中化”や人件費の低減などが奏功して営業黒字に回復。
国内では、ヘアケア市場での厳しい競争が継続する中で“洗浄3分野への集中化”に取り組み、ヘアケア「フィーノ」、ボディソープ「クユラ」、洗顔料「洗顔専科」の市場定着を図ったが、利益貢献度の低いブランドや事業領域の縮小、売上のダウンサイジングを推進したことで減収となった。海外でも、中国で積極的な販路拡大に取り組んだが、一部市場からの撤退などで微増収に止まっている。
その他の事業は、国内での理・美容室向けのプロフェッショナル事業や、医薬品および食品事業でコエンザイムQ10配合製品が好調で増収増益を達成した。
エステー化学18年3月期連結中間決算、増収減益も計画比上回る実績を記録
エステー化学は、10月27日、関係業界紙を同社R&Dセンターに招き、平成18年3月期の中間決算発表会を開き、鈴木喬社長から上期の製品動向と業務概要並びに決算概況などについて報告が行われた。
鈴木社長は、「ようやく全社員にその理解と熱意が浸透、その結果が消臭力、脱臭炭、エアウォッシュなどの年間1000万個以上ベースの新ブランドが次々と誕生した」と報告。また、8月から導入した置くタイプのエアウォッシュも、「1000万個を超える商品に育ち、年末の需要期を向かえ、安定供給確保のため、11月から8割増産体制を敷いた」と述べた。さらに、利益重視経営の推進を図るため①高利益商品への重点的取り組み②製品コストの削減(5月から原価管理委員会をスタート)③適正価格で適正販売などと取り組んできた結果「上期においては、計画比に対して売り上げ100%、営業利益104%、経常利益111%、当期純利益107%と、いずれも計画を達成できた」と報告。また、下期の取り組みについては「置くタイプの消臭剤マーケットが25%拡大しており、その対応を含めて11月から置くタイプのエアウォッシュを今より8割増産体制を整えた。8~10月の3ヶ月で当社のエアケア全体でも20%アップしており、消臭力も絶好調を維持していることから、主力ブランドのさらなる強化策と取り組みたい」と述べた。
なお、中間決算概要は次の通り。
売上高は、224億9400万円(前年同期比1・8%増)と増収となった。これは、主力のエアケア(芳香消臭剤)部門が引き続き好調に推移したこと(前年同期比4・9%増)に加え、衣類ケア(防虫剤)部門では、半年用から1年用へのシフトに伴う市場規模の縮小が一段落しつつあり、この中で着実にシェア及び売上(前年同期比5・8%増)を伸ばしたことなどによるもので、ハンドケア(手袋)部門、サーモケア(カイロ)部門、湿気ケア(除湿剤)部門、ホームケア(その他)部門の売上減少をカバーした。営業利益は23億9900万円(前年同期比3・3%減)、経常利益は22億1300万円(前年同期比1・9%減)となった。
中間純利益は8億5900万円(前年同期比32・3%減)となった。これは今期より適用が義務付けられた固定資産の減損会計処理により連結ベースで6億9900万円の特別損失を計上したことが主な原因であるとしている。
大手GMS8社の中間期連結決算出揃う、総合小売業が回復の兆し
大手GMS各社の06年中間期連結決算短信が出揃った。本中間期の結果をみると、イオン、イトーヨーカ堂などは、総合小売業が増収増益に転じたことに加え、CVS事業や金融事業なども好調に推移し、それぞれ連結売上高で前年同期比4%以上の伸長を記録したことが特徴となっている。
各社の業績をみると、04年度に業界トップに踊り出たイオンは、グループ全体でモール型ショッピングセンター6カ所をオープンしたほか、GMS6店舗、SM27店舗、スーパーセンター4店舗を新たに出店。また、グループ企業の店舗網や事業規模・インフラを活用した共同販促を実施したことで好調に推移し、連結売上高2兆1474億円(前年同期比4.4%増)、営業利益691億円(同8.9%増)、経常利益731億円(同5.7%増)と過去最高の業績を達成した。
グループ3社で共同持株会社「セブン&アイ・ホールディングス」を設立したイトーヨーカ堂は、スーパーストア事業ではSC事業第1号店「ARIO蘇我」をオープンしたほか、国内でのSM事業や百貨店事業、中国での事業展開の好調により増収増益を確保。CVS事業も国内での既出店エリアへの店舗網の拡充、独自の生産インフラを活用した商品開発などで増収増益を維持。連結売上高1兆8756億円(同4.5%増)、営業利益1272億円(同13.2%増)、経常利益1283億円(同14.8%増)、当期純利益375億円(同15.7%増)と増収増益を達成した。
新たな経営体制を発足したダイエーは、総合的リストラ、在庫の処分、取引の見直しなどを行う一方、現場の活性化に向けた意識改革を進め、コア事業である小売事業の営業力強化およびグループ再編などに取り組み、連結売上高8652億円(同7.5%減)、営業利益179億円(同28.7%減)、経常利益86億円(同48.5%減)と減収減益に終わった。
ユニーは、サークルKおよびサンクスのCVS事業では、リロケート(店舗の置き換え)を中心とした質の高い店舗開発が奏効して好調に推移したが、本業の総合小売業が他社との競争激化の影響で減収減益になり、専門店事業でも店舗数は増加したが減収に終わり、連結売上高5865億円(同0.0%減)、営業利益216億円(同0.0%減)、経常利益206億円(同3.3%減)、当期純損益223億円と微減収減益になった。
ウォルマートの支援を受ける西友は、リテイル事業において、ウォルマートのスマートシステム、リテールリンクを活用し、取引先との協力を深めて新製品や季節イベントなどのプロモーションを強化したほか、品揃えの見直しや住居用品を中心とした品揃えの強化などの施策を行ったが、価格競争の中で苦戦を強いられ、連結売上高4820億円(同5.4%減)、営業損失248億円、経常損失69億円、当期純損失106億円と減収減益に終わった。
西日本を中心に展開するイズミは、小売事業では商品・売場・価格帯の見直しを行うとともに、地域活性化に貢献する店舗作りを目指した「ゆめタウン八代」を出店。子会社のカード事業、ビルメンテナンス事業なども好調に推移し、連結売上高2151億円(同4.0%増)、営業利益106億円(同24.5%増)、経常利益105億円(同24.3%増)、当期純利益54億円(同25.2%増)と増収増益を達成した。
平和堂は、京阪地域での3店舗の新規出店やIT化などグループの成長を継続して推進し、連結売上高1879億円(同4.4%増)、営業利益59億円(同11.2%増)、経常利益58億円(同15.1%増)、当期純損失9億円となった。
イズミヤは、店舗の特性や競合状況に応じた改装投資を6店舗で実施した結果、連結売上高1793億円(同2.4%減)、営業利益33億円(同7.2%増)、経常利益29億円(同12.5%増)、当期純損失2億円となった。
2005年11月2日号 記事一覧
会合・発表会
- 家庭紙専門卸の紙叶が第36回紙叶会を開催、山田会長「建値制度の堅持を」
- ペットフード協議会、表示に関する講習会を東京・大阪で開催
製品・サービス
- UYEKI、ベール&保湿効果の「オレンジベールハンドクリーム」を新発売
- ナガセBC、関節の悩みをトータルサポートする健康食品を新発売
- 小林製薬、むくみ軽減ソックス「ムクミキュア」などの新製品5品を発売
- 花王、トータルメークアップブランド「オーブ」の2006年春の新製品を発表
- ディシラ、40代からの女性の肌悩みに着目した「ディシラEXライン」を発売
- マックスファクター、SK-Ⅱから目元用シート状マスクを新発売
- 資生堂、「ベネフィークセオティ」から特別限定品を数量限定で発売
- スフィル、シワ・たるみ対応型美容液「リアリナエファージュ」を新発売
- ピジョン、妊娠・出産を経たママのためのスキンケアシリーズ3種を新発売
- 日本輸送機、ウォーキーリフトを改良、電動パワステを全機種に標準装備
- まるは油脂、天然素材配合の自然派石鹸「ヴァナサーラ」を新発売
- 武蔵野ワークス、月桃を使用したオードトワレ等を伊勢丹で新発売
- 渋谷油脂、田舎娘から黒豆、柚子等を配合した3種の化粧石鹸を新発売
- P&G、プリングルズから冬季限定品「デビルホット」を新発売
宣伝販促
- ニッサン石鹸、「ALWAYS 三丁目の夕日」の映画試写会に協賛
- サンスター、「VO5日本上陸40周年記念キャンペーン」を12月15日まで実施
- 王子ネピア、恒例の「ドレミ消費者キャンペーン」のパート15がスタート
- 資生堂、「ウーノ」の第2弾プロモーションでお笑い芸人5人がバンドを結成
- 日本香堂、お盆の思い出絵画コンクール最終選考会を実施
- ジョンソン、「第2回おそうじ川柳」の入選作品14句を発表
人事・組織
- 中央物産の専務執行役員営業統括に元ユニ・チャームの猪熊幸二氏が就任
調査・統計
- 石洗工17年1~8月期販売統計、衛生意識高まり身体洗浄剤が伸長
- 花王、スギ花粉の室内侵入経路と侵入数量を調査、主な経路は窓開け換気
- コンビニ17年9月度統計調査、既存店ベース店舗売上高が14カ月連続の減少
- チェーンストア17年9月統計、秋物商材の低迷で調整後売上高は前年割れ
イベント・展示会
- ビジネスガイド社、来年3月開催の第35回大阪ギフトショー春の概要発表
- ストップエイズ呼びかける音楽イベントにオカモトが協賛
- 煙草と喫煙具の展示会「スモーキングコレクション」に東海など53社が出展
時評・コラム
- 時評 4年の空白と成長の間で
- 泡沫 芳香消臭剤は香りでごまかしている?
- 独り言 リヤカーの豆腐売り 時代の逆行き人気に
- 斜凡珠 ロッテ日本一に 個々の持ち味発揮のために
連載・講演
- 企業探訪 グローバルプロダクトプランニング 香りのある生活を提案
その他
- マッチ時報第318号
- PRページ サンスター 「いい歯の日」を機に口腔衛生意識の認知向上へ
特集 【キッチンウェア】
- 台所用洗剤市場、04年度は数量・金額とも微減、食洗機用洗剤は2ケタ増に
- 花王、クエン酸効果でシンクも洗える「キュキュットクエン酸効果」を発売
- カネヨ石鹸、「フォーレ」から高価格・高機能の台所用洗剤3品を新発売
- P&G、グレープフルーツ成分入りジョイを発売、特長訴求しシェア拡大図る
- ミマスクリーンケア、環境対応型洗剤「緑の魔女食器用洗剤」が好評
- ライオン、チャーミーリブを改良発売、歌手の氷川きよしのTVCMが大反響
- ハイネリー、独自の特許技術活用した「キッチン純」を積極展開
- サラヤ、ヤシノミ洗剤が好調に推移、アラウ台所用石鹸にも高い評価
- UYEKI、水廻り用防汚撥水仕上剤「バリアム」などを新発売
- マルフククレンザー、紀州産梅酢配合の「梅酢ミックス台所用洗剤」が好評
- ウェルコ、信頼のNo.1ブランドテーマに「NEWキッチンハンズ」を積極拡販
- 第一石鹸、オレンジオイル配合の台所用洗剤「ジェルオレンジ」を積極展開
- 家庭紙市場、ローションティシュの定着に成功、訴求強化で売り場を再構築
- 王子ネピア、保湿系ティシュの「ネピア鼻セレブ」をブランド化
- クレシア、「肌ケア」をコンセプトにした新プレミアムティシューを発売
- 日清紡、コットンフィールの販促を強化、利益商材として流通から好評価
- 大王製紙、インフルエンザ・風邪に特化した「ウィルスブロック」を新発売
- アズフィット、盲導犬協会を支援する「チャリティッシュ」を新発売
- らいたあ 紙問屋の苦心 個店対応力を求めて
特別企画
特集 【秋季家庭紙】
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